【BURRN! 12月号ちょい読み】

JUDAS PRIEST──“メタル・ゴッド” のキャリア総括ツアー『FAITHKEEPERS EUROPEAN TOUR』のロンドン公演を徹底リポート

BY CHIZZY KAKIZAWA

 英国ロンドンのハマースミスに鎮座する『Eve­n­tim Apollo』は、現在でも多くの音楽ファンから『Hammersmith Odeon』と呼ばれている伝説のライヴ会場だ。2026年9月21日、JUDAS PRIESTがこの母国の“ライヴの聖地”でツアー最終公演を行なったのは感慨深かった。今回の欧州ツアーではイギリス公演がロンドンのみだったので、イギリス中のメタルヘッズがハマースミスに集結していた。当然ながら5,000人収容の会場はソールドアウト。筆者がこの日の前に同会場で彼らを観たのは2005年、ロブ・ハルフォード<vo>がバンドに復帰した最初のツアーだった。スペシャル・ゲストがSCORPIONSという贅沢な公演で、当時はまだK.K.ダウニング<g>とグレン・ティプトン<g>がステージに立っていた。一度は袂を分かったロブのバンド復帰が果たしてどうなるのか、バンドはまだ手探りの状態だったと記憶している。あの時、ロブが20年後もバンドに在籍し、若いメンバーを率いてアルバムを創りツアーを行なっている姿を想像出来た人は少なかったのではないだろうか…。

 そんなことを考えながら午後7時の開場時間に会場に着くと、目の前にはメタルヘッズの海が広がっていた。年齢層はやや高めで男性が多い。正統派メタルのライヴにありがちな傾向だ。順番を待って会場に入ると物販やバーはすでに人で溢れ、オープニング・アクトの終わる頃には1階のスタンディングも2階の座席もパンパンになっていた。ステージ前方には “FAITHKEEPERS” の大きな幕が垂らされている。ブルーのバックに各アルバム・ジャケットのデザインがちりばめられ、中央にはゴールドのバンド・ロゴとPRIESTのサインが飛翔していた。このツアーを象徴するデザインだ。その垂れ幕の下でオーディエンスはメタル・ゴッドの降臨を今か今かと待っていた。

午後9時を少し回ってBLACK SABBATHの “War Pigs” が流れると、会場は一気に盛り上がった。この曲は、イギリスではどこでも大合唱になる。それは、オーディエンスにとって、これから始まるライヴのためのウォームアップのようなものだった。そして荘厳なFAITHKEEPERSのイントロが流れるとオーディエンスは沸き上がり、アイコニックなギター・リフが刻まれると会場は大きな手拍子に包まれ、“You've Got Another Thing Comin'” がスタートした。ヴォーカルが入るタイミングで幕が一気に落とされると、目の前のステージにはスコット・トラヴィス<ds>のドラムライザーの前に並ぶ壮観な4人の姿が! 会場は絶叫の嵐。ステージ下手から、ブロンドの髪を揺らしながらフライングVを弾くリッチー・フォークナー<g>、御大ロブ・ハルフォード、そしてもう1人のブロンドのギタリスト、アンディ・スニープ<g>が並んでいる。本来ならその隣にはイアン・ヒル<b>が立っているはずだったが、彼は左腕の腱の損傷によりバンド結成以来56年間のキャリアで初めてステージを欠席していた。代わりにこの日ベースを弾いていたのは左利きのベーシスト、デイヴ・リマー(URIAH HEEP/ELEGANT WEAPONS)だった。

黒い衣装を身に纏ったステージ上の5人は、演奏、ステージ・アクション、佇まいと、徹頭徹尾ヘヴィ・メタルな威厳を放っていた。そのカッコ良さはこのバンドならではのものだ。LEDスクリーンにはモノクロの古い映像が流れ、途中で黒白赤の鎖のデザインが映し出されたが、ロブのレザージャケットの背中にもこれと同じデザインが施されていた。オーディエンスは曲に合わせて首を縦に振り、拳を突き上げ、ロブと一緒に歌う。スタートから会場全員の心臓の鼓動が綺麗に揃っていた。

続く“Metal Gods”は御大からの挨拶とでも言おうか、唯一無二のロブのヴォーカルにオーディエンスはヘッドバンギングで応える。リッチーとアンディのギター・アクションもキマっていて、ドラムライザーの下ではデイヴが“イアン・ヒルの定位置”で演奏し、LEDスクリーンに映し出されたサイボーグ達がロブの歩みに合わせて行進する。オーディエンスも拳を振り上げて「Metal Gods!」とシンガロング。スクリーンにPRIESTのサインと「BRITISH STEEL」のジャケットが浮かび上がり“Breaking The Law”が始まると、オーディエンスはさらに大声でシンガロングを続ける。リッチーのギター・ソロ、アンディとの2人のギター・アクションなど、演奏者は変わってもバンドのトラディションは確実に受け継がれている。改めて、K.K.の代わりはリッチー以外にはあり得なかったのだと痛感。グレンのスポットに立っているアンディにも貫禄を感じた。

続きはBURRN! 2026年12月号で!

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「FROM THE DARK」

ユニバーサル・ミュージック
11月6日発売(海外盤/デジタルは10月23日)
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2. Black Times
3. World Alone
4. Beyond The Dead
5. Stormwatcher
6. Death Wake
7. Return Of The Arbalist
8. Legacy

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年12月号
 

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
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昨年の『BACK TO THE BEGINNING』でBLACK SABBATHの歴史に幕を下ろしたトニー・アイオミが、盟友オジー・オズボーンを喪った悲しみを乗り越えてソロ・アルバムをリリース。旧知の英国人ジャーナリストに心境を語った貴重な独占インタビューを一挙掲載。

◆JUDAS PRIEST
“メタル・ゴッド”がそのキャリアを総括するオールタイム・ベスト選曲で臨んだ『FAITHKEEPERS EUROPEAN TOUR』のファイナルとなったロンドン公演の模様を徹底リポート。

◆EUROPE
9年ぶりにニュー・アルバムをリリースしたEUROPE。その充実した内容、そして2027年早々に行なわれる歴史的名作「THE FINAL COUNTDDOWN」の40周年記念ツアーについてジョーイ・テンペスト<vo>が大いに語る。

◆CARCASS
“リヴァプールの残虐王” が約2年半ぶりに来日。ライヴ・リポートと併せてビル・スティア—<g,vo>の独占インタビューも掲載。

◆LOVEBITES
最新作「OUTSTANDING POWER」を引っ提げて7月にEU/UKから始まった『OUTSTANDING TOUR』のジャパン・レグのエンディングを飾った東京・Zepp Hanedaでの2daysの模様をリポート。


BURRN! 2026年12月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年12月5日発売

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