【BURRN! 12月号ちょい読み】

EUROPE──最新作「COME THIS MADNESS」をリリースしたジョーイ・テンペストを直撃

BY TIMO ISOAHO

 ここ数年、比較的静かな活動が続いていたスウェーデンのキャッチーなハード・ロックの巨匠たちだが、彼らは決して休んでいたわけではない。本誌はEUROPEの待望のニュー・スタジオ・アルバム「COME THIS MADNESS」について、さらに40周年を迎えた時代を超越した名曲 “The Final Countdown” について、そしてその他にもさまざまな話題について、ヴォーカリスト兼メイン・ソングライターのジョーイ・テンペストに独占インタビューを行なった。


──ジョーイ、さっそくニュー・アルバム「COME THIS MADNESS」についてお話を伺いたいと思います。この作品について考えた時、最初に頭に浮かぶことは何でしょうか?

ジョーイ・テンペスト(以下J):
そうだね……言うまでもなく、ようやくリリースされたことに本当に興奮しているよ。僕たちは長い時間をかけて、ものすごい集中力でこのアルバムに取り組んだ。すべてをものすごく慎重にアレンジして、アルバムの1つひとつのパートに本当に膨大な量の作業を注ぎ込んだんだ。ある時点で「スタジオに入る前にデモを全部やり直そう」と僕たちは言った。そして、まさにそのとおりにしたんだ。何度も何度もすべてを見直して、その過程で書き直したり形を変えたりしながら作業を続けた。

新しいアルバムについて、どのバンドもこういうことを言うのは判っているけど、今回は本当に心からそう思っているんだ。僕たちは、自分たちにできる最高のアルバムを作ろうという意図で取り組んだ。細かいところまで1つひとつ正確に仕上げたかったし、どこかを手抜きしたり時間を節約したりすることは一切なかった。僕に言わせれば、このアルバムには何か魔法のようなものがあるんだ──何か違うものがね。実際、僕たち自身が驚いたよ。キャリアのこんなに後半になって、まさかこんなことができるとは思っていなかったことを成し遂げたんだ。長年一緒にやってきたメンバーが集まって一緒に曲を書き、楽しい時間を過ごして、本当にそのプロセスを楽しむことができた。ものすごく率直に言うなら、仕上がりがこれほど良いものになったことに僕たち自身が少しショックを受けているくらいなんだ。

──前作「WALK THE EARTH」から、ほぼ10年が経っています。もちろんその間にはパンデミックもありましたが、それにしてもアルバムとアルバムの間としては長いですよね。これについては、どんなことを話していただけますか?

J:
長い時間が経ったことは判っているよ。でも、その何年もの時間が本当にあっという間に過ぎていったんだ。時間がかかった主な理由は、自分たちにプレッシャーをかけなかったことだね。僕たちはただ、「時間をかけて、どうなるか見てみよう」と言ったんだ。この新しい曲たちに本格的に取り組み始めたのはCOVIDの初期の頃だった。だから、僕たちはある意味、奇妙な心境になっていたんだ。例えば、これから二度とツアーをすることはないかもしれなかった。それさえ判らなかった。何というか、すべてをもう一度最初から始めるような感じだったんだ。まるでデビュー・アルバムを作っているようなね。そして、多くの意味でそれはポジティヴなことだった。 

──新しいアルバムの制作を始めるにあたって、何か特定の目標はありましたか?

J:
それについては、それほどたくさん話し合ったわけじゃない。でも、直近の3枚とは多少違うアルバムを作りたいということは判っていた。さっきも言ったように、すべてを本当に慎重にやりたかったんだ。基本的に「BAG OF BONES」「WAR OF KINGS」「WALK THE EARTH」は、とても スポンテニアスなレコードだった。それらのアルバムでは、ケヴィン・シャーリーとデイヴ・コブと一緒に仕事をした。彼らはサウンド面では天才だけど、とにかくものすごく速いペースで仕事をするのが好きなんだ。今でもあの3枚をものすごく誇りに思っているよ──本当にね。でも、もっとオーガニックで、少しルーズな感じだった。でも今回は変化が欲しかった。違うやり方で仕事をしたかったんだ。本当に時間をかけて、慎重にアレンジして、全体に長い時間をかけて取り組みたかった──必要なだけ長くね。個人的に、僕は最高の曲を書くためには時間が必要なんだ。そして今回は、その時間があった。

──今回のプロデューサーのトム・ダルゲティとは、どのようにして知り合ったのでしょうか? 例えば、彼はEUROPEと同じスウェーデン出身のGHOSTとも仕事をしていますよね。それが最初に彼を知るきっかけだったのでしょうか?

J:
いや、もっと前からなんだ。僕は長い間ロンドンに住んでいるんだけど、そこにROYAL BLOODというバンドがいて、2014年にファースト・アルバムをリリースしたんだ。彼らはものすごく大きな存在になって、トムはほとんどそのバンドのメンバーみたいなものだった。彼のサウンド面でのヴィジョンには、その頃から度肝を抜かれていたよ。そして10年くらい前にGHOSTがストックホルムでプレイした時、バックステージで彼と会ったんだ。すぐに人間として気に入ったよ。だから今回プロデューサーについて考えていた時に、トムなら完璧な選択かもしれないと思ったんだ。僕たちがアルバムにもっと時間をかけたいと言った時、トムはまったく気にしなかった。最初から僕たちと完全に同じ方を向いていた。「何かに時間がかかるなら、それだけ時間をかければいい」という考えだったんだ。

──ミックスは、往年のレジェンドであるマイク・フレイザーが担当しました。彼はAC/DC、ME­TA­LLICA、AEROSMITHといったバンドと仕事をしています。彼はどのようにしてこのプロセスに加わることになったのでしょうか?

J:
制作の終盤になって、僕たちは「ちょっと待てよ、このチームをさらに強力なものにしたらどうだろう?」と考えたんだ。それでマイクに連絡した。彼が最初のミックスを送り返してきた時、それはまさに僕たちの頭の中にあったものだった──いや、それ以上だったね。僕たちはみんな、そのサウンドに度肝を抜かれた。それから残りのミックスも届き始めたんだけど、どれも本当に素晴らしかった。これ以上ないくらい幸せだよ。

続きはBURRN! 2026年12月号で!

COME THIS MADNESS
〈NEW ALBUM〉
EUROPE
「COME THIS MADNESS」

ビクター
10月14日発売
1. One On One
2. The Cult Of Ignorance
3. Come This Madness
4. This Time Of Year
5. In A Different World
6. Scandinavian Eyes
7. Takin' It Back
8. In The Absence Of Grace
9. The Angels Must Have Flown
10. The Devil's Back
11. Nothing Can Follow This

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年12月号
 

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆TONY IOMMI
昨年の『BACK TO THE BEGINNING』でBLACK SABBATHの歴史に幕を下ろしたトニー・アイオミが、盟友オジー・オズボーンを喪った悲しみを乗り越えてソロ・アルバムをリリース。旧知の英国人ジャーナリストに心境を語った貴重な独占インタビューを一挙掲載。

◆JUDAS PRIEST
“メタル・ゴッド”がそのキャリアを総括するオールタイム・ベスト選曲で臨んだ『FAITHKEEPERS EUROPEAN TOUR』のファイナルとなったロンドン公演の模様を徹底リポート。

◆EUROPE
9年ぶりにニュー・アルバムをリリースしたEUROPE。その充実した内容、そして2027年早々に行なわれる歴史的名作「THE FINAL COUNTDDOWN」の40周年記念ツアーについてジョーイ・テンペスト<vo>が大いに語る。

◆CARCASS
“リヴァプールの残虐王” が約2年半ぶりに来日。ライヴ・リポートと併せてビル・スティア—<g,vo>の独占インタビューも掲載。

◆LOVEBITES
最新作「OUTSTANDING POWER」を引っ提げて7月にEU/UKから始まった『OUTSTANDING TOUR』のジャパン・レグのエンディングを飾った東京・Zepp Hanedaでの2daysの模様をリポート。


BURRN! 2026年12月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年12月5日発売

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