藤木昌生の密かな楽しみ Vol.38 ~ 気まぐれプレイリスト 21
まず言っておくべきことなのですが、前回、前々回のこのコーナーで東京都知事選に関する個人的な思いをあれこれ書いたところ、会社上層部の方から「ああいう政治的なことは書くべきではないと思います」と注意されたので、該当部分を削除しました。まあ、僕としては想定内かなと思ってますが。
それにしても、これだけ日本という国家が腐敗して、そのせいで生きるか死ぬかの瀬戸際に追い詰められてる人々が山ほどいるのに、政治に無関心を決め込んでる人々って何なんでしょう? 自分の生活が、自分の半径10mぐらいの状況が安定してる(ように見える)からと言って、政治に無関心で、もっぱら自分の趣味やら推し活やらSNSにしか関心がない人々って…。世間では何かと言えば「自己責任」で、生活が苦しい人は「ちゃんと努力をしなかった人」「怠けてた人」みたいに見られる傾向があるけど、大人として社会に出て色々な人と交流し、あるいはテレビや新聞を通じて色々な人々の人生を知れば、そうじゃないんだってことは判るでしょ? そりゃさあ、幼い頃に親に見捨てられたとか、悲惨な事故や災害で様々な人生の基盤を失ったとかで、相当な逆境の中から努力を重ねて這い上がってきた人がそういうこと言うのなら判らなくもないけど、普通のまあまあ平穏な人生~好調な人生を送ってきた人が、どうして他人をそんな風に見下せるのか…。
人生において、運の占める割合がいかに大きいことか。僕自身も、とりあえず半年後、1年後の生活を心配しなくていい人生を送れているけど、それはこれまでのラッキーの積み重ねによるものだということは重々実感している。まず人間は、生まれた時に両親がいればラッキー。でもって、両親が心も身体も健康で、安定した収入があったならさらにラッキー。そして、自分に愛情を注いで育ててくれたなら超ラッキー。学校でいじめ等の被害に遭わなかったらメガ・ラッキー。色々なことを分かち合える友達に出会えたならラッキー。親が高校や大学の学費を出してくれたならラッキー。社会に出るまで親が生きててくれたならラッキー。社会に出て勤めた会社がそこそこまともな会社だったらラッキー。生活が一変するような事故や災害に遭わなかったらラッキー。そうやって、あらゆるラッキーの積み重ねによって人の人生は出来上がってるんだと、僕は思いますね。
だから、何かにつけて「人生の出会いってやっぱり必然なんですね」みたいなこと抜かしていい気分になってる人間を見ると、僕は「アホか」と思っちゃう。そんなのは、たまたま人生が上手くいってる人間のうぬぼれでしかない。すべては偶然の積み重ねですよ。もちろん、こうしたからああなった、というシンプルな原因と結果の因果関係はあるけど、そこに至るまでの選択はすべて思慮深くなされていたわけはなく、単にその時の気分だったり、誰かのさりげない一言の影響だったり、天気だったり、前日の嫌な経験だったり、幼い頃の記憶だったり、テレビや雑誌で見た情報だったりによってほとんどの選択がなされている。「選択した」と意識すらしていない選択が日々山ほどある。そして、その1つの選択によって、次の選択肢が大きく違ってきたりもする。つまり、その時にたまたま取った選択の積み重ねが今の自分に繋がってるわけで、それを「必然」などと解釈できるのは、よっぽどおめでたい頭だなと。その選択がひとつ違っただけで、あるいは自分に関係する誰かの選択がちょっと違っただけで、どん底の人生を歩むことになってしまった人だって山ほどいるわけだから。
だから、ラッキーな自分に感謝して、不運な人々のことも少しは気にしてもいいんじゃない? 別に、慈善活動をしろとか、どっかに寄付しろとは言いませんよ。僕だってやってないし。でも、本来なら不運な人々を救うべきなのにそれをやらず、税金や保険料ばかりむしり取って、自分達の私利私欲のために浪費してウハウハの生活を送ってる政治家達がいて、彼らがずっと政権を握っていて、自分達に都合のいいようにあれこれ国の仕組みを変えていて(それは多くの場合、我々国民に不利益をもたらしている)、これからもそういうことを続けていこうとしているなら、それをやめさせるために何かできることはないかと考えてみてもいいんじゃないでしょうか。それは、単に「不運な人々」のためだけじゃなく、自分の家族(子供、孫、甥、姪)のためにこそ考えるべきことなんじゃないでしょうか?
それにしても、これだけ日本という国家が腐敗して、そのせいで生きるか死ぬかの瀬戸際に追い詰められてる人々が山ほどいるのに、政治に無関心を決め込んでる人々って何なんでしょう? 自分の生活が、自分の半径10mぐらいの状況が安定してる(ように見える)からと言って、政治に無関心で、もっぱら自分の趣味やら推し活やらSNSにしか関心がない人々って…。世間では何かと言えば「自己責任」で、生活が苦しい人は「ちゃんと努力をしなかった人」「怠けてた人」みたいに見られる傾向があるけど、大人として社会に出て色々な人と交流し、あるいはテレビや新聞を通じて色々な人々の人生を知れば、そうじゃないんだってことは判るでしょ? そりゃさあ、幼い頃に親に見捨てられたとか、悲惨な事故や災害で様々な人生の基盤を失ったとかで、相当な逆境の中から努力を重ねて這い上がってきた人がそういうこと言うのなら判らなくもないけど、普通のまあまあ平穏な人生~好調な人生を送ってきた人が、どうして他人をそんな風に見下せるのか…。
人生において、運の占める割合がいかに大きいことか。僕自身も、とりあえず半年後、1年後の生活を心配しなくていい人生を送れているけど、それはこれまでのラッキーの積み重ねによるものだということは重々実感している。まず人間は、生まれた時に両親がいればラッキー。でもって、両親が心も身体も健康で、安定した収入があったならさらにラッキー。そして、自分に愛情を注いで育ててくれたなら超ラッキー。学校でいじめ等の被害に遭わなかったらメガ・ラッキー。色々なことを分かち合える友達に出会えたならラッキー。親が高校や大学の学費を出してくれたならラッキー。社会に出るまで親が生きててくれたならラッキー。社会に出て勤めた会社がそこそこまともな会社だったらラッキー。生活が一変するような事故や災害に遭わなかったらラッキー。そうやって、あらゆるラッキーの積み重ねによって人の人生は出来上がってるんだと、僕は思いますね。
だから、何かにつけて「人生の出会いってやっぱり必然なんですね」みたいなこと抜かしていい気分になってる人間を見ると、僕は「アホか」と思っちゃう。そんなのは、たまたま人生が上手くいってる人間のうぬぼれでしかない。すべては偶然の積み重ねですよ。もちろん、こうしたからああなった、というシンプルな原因と結果の因果関係はあるけど、そこに至るまでの選択はすべて思慮深くなされていたわけはなく、単にその時の気分だったり、誰かのさりげない一言の影響だったり、天気だったり、前日の嫌な経験だったり、幼い頃の記憶だったり、テレビや雑誌で見た情報だったりによってほとんどの選択がなされている。「選択した」と意識すらしていない選択が日々山ほどある。そして、その1つの選択によって、次の選択肢が大きく違ってきたりもする。つまり、その時にたまたま取った選択の積み重ねが今の自分に繋がってるわけで、それを「必然」などと解釈できるのは、よっぽどおめでたい頭だなと。その選択がひとつ違っただけで、あるいは自分に関係する誰かの選択がちょっと違っただけで、どん底の人生を歩むことになってしまった人だって山ほどいるわけだから。
だから、ラッキーな自分に感謝して、不運な人々のことも少しは気にしてもいいんじゃない? 別に、慈善活動をしろとか、どっかに寄付しろとは言いませんよ。僕だってやってないし。でも、本来なら不運な人々を救うべきなのにそれをやらず、税金や保険料ばかりむしり取って、自分達の私利私欲のために浪費してウハウハの生活を送ってる政治家達がいて、彼らがずっと政権を握っていて、自分達に都合のいいようにあれこれ国の仕組みを変えていて(それは多くの場合、我々国民に不利益をもたらしている)、これからもそういうことを続けていこうとしているなら、それをやめさせるために何かできることはないかと考えてみてもいいんじゃないでしょうか。それは、単に「不運な人々」のためだけじゃなく、自分の家族(子供、孫、甥、姪)のためにこそ考えるべきことなんじゃないでしょうか?
それでは、気まぐれプレイリストの第21弾に行ってみましょう。
SIDE A
1. SILVER MOUNTAIN ”Romeo & Juliet”→ Spotifyで聴く
このバンドは、1985年に傑作2ndを出した後、まさかの来日公演も実現したけど、全然人気が出る気配はなく(当時SNSがあったら多少は違ったかな?)、もうバンドは消滅したかと思ってたら、1989年に突然3rd「ROSES & CHAMPAGNE」を出したもんだから狂喜乱舞。(当時4年のブランクは長かったんです) アルバムのオープニングを飾るこの曲は、ネオ・クラシカル・ハード・ポップとでも言うべきスタイルで、アルバム全体も欧州民謡的な物悲しい情緒に満ちた前作とはかなり違ったポップな雰囲気になってたけど、単純にいい曲がいくつも入ってたし、逆に大衆性が増して少しはファンも増えるかなと…。でも、BURRN!の卑猥なレビュー点数が影響したのか(笑)、彼らを取り巻く状況は変わらず、バンドは実質上解散したのでした。
2. ROX DIAMOND ”Heart Of Mine” → Spotifyで聴く
この曲が入った彼らのデビュー・アルバムがリリースされたのは1992年。当時の日本市場はメタル・バブルな雰囲気で、色々なレコード会社がメタル作品の日本盤リリースしていた。このバンドの作品を日本で発売したのはファンハウスで、そのリリース直後にバンドをショウケース来日させて川崎・クラブチッタで無料ライヴを実施するという大盤振舞い。会場は当然パンパン状態でしたね~。僕はBURRN!に入って初めて経験した対面インタビューが彼らの来日取材で、何も勝手が判らないので先輩の後藤さんに現場に付き添ってもらって、それなりに緊張してたのを覚えてる。その現場にサポート・キーボードのフィル・ウルフがいたので、「あなたが参加したIMPELLITTERIの1stは大好きですよ」と言ったら結構喜んでくれたな。(笑)
3. JACKBOOT ”Remember(Walking In The Sand)” → Spotifyで聴く
ドイツ産バンドの1976年の唯一のアルバムのオープニング曲。このバンドのことを知ったのは80年代後半、FM横浜の和田 誠さんの番組でこの曲が流れた時だった。当時はバンド名(スペルは不明)と曲名以外のことは調べようがなかったけど、中古盤屋に行けば必ず「J」のコーナーを探してた。何年も何年も。結局見つけられずじまいだったけど。AEROSMITHもこの曲をやってるのを知ったのはいつ頃だったかな? そして結構最近になって、この曲のオリジナルが1964年のShangri-Lasという女性グループのヴァージョンだと知ったのでした。曲を書いたのはシャドウ・モートンという作曲家でね。ただ、最高なのはこのJACKBOOTのヴァージョンですね。クリーン・ギターの泣き具合がたまらんし、ソロはマイケル・シェンカーばりだよね?
4. NELSON ”(You Got Me)All Shook Up” → Spotifyで聴く
NELSONはデビュー作が良質の産業メタル系で、双子のブロンド美男子ということでHM/HRに興味のない女性ファンも山ほど巻き込んで旋風を巻き起こしたけど、僕としてはこの曲が入った2nd「BECAUSE THEY CAN」を聴いた時にこそNELSON最高じゃん!とテンションが上がったのでした。こんなにロマンティックでキャッチーで美麗なメロディック・ロックが作れるなら無理にメタルなんてやらんでいいっつーの。一度、彼らがBURRN!のオフィスに来てくれてインタビューした時、会社の女性従業員達が群れを成してドアのすき間から彼らの様子を覗き見してるのに気づいた2人は、ニコやかに「ハ~イ!」と手を振っていて、コイツら慣れとるなと思ったのでした。(笑)
5. 太田裕美 ”たんぽぽ”→ Spotifyで聴く
お馴染みの昭和歌謡です。僕がアニソン以外で初めて自分で買ったレコードは太田裕美のシングルだったと思う。その頃から泣きのメロディが大好きだったんだね。その後、大阪の祖父母宅に遊びに行った時にベスト盤を買ってもらって、その中で特に気に入った曲がこれでした。クサいお涙頂戴の展開がまたりません。初期の太田裕美の曲は筒美京平(作曲)、松本 隆(作詞)、萩田光雄(編曲)という昭和歌謡の三大神が手掛けてたけど、この曲はその3人の神の技が最高レヴェルで融合した傑作の1つだと思います。特にアレンジが神すぎる! かつてBURRN!でこの曲について触れた後、あのクサメロ・メタラーMinstreliXのLeo Figaroがこの曲を聴いて大いに気に入ってくれて、カヴァーしたいとまで言ってくれたという話を聞いた時は嬉しかったな~。世代を超えて、判る人には判ってもらえるんですね~。
SIDE B
1. AMBITION ”Hold On” → Spotifyで聴く
メロハー愛好家ならご存知のTRILLIONの、ファーギー・フレデリクセンじゃない方のシンガーとして知られるトム・グリフィンをメインに据えつつ、サブ・シンガーで元TOTOのジャン・ミシェル・バイロンをフィーチュアしたのがこのAMBITIONでした。ギターはトミー・デナンダーで、作曲陣にはクリスチャン・ウルフ、ジョーイ・カルボーン、ブライアン・ラ・ブランクらの名前もあって、良質のアルバムだったけど、2作目が出ることはなかった。その2006年の唯一のアルバムの1曲目を飾っていたのがこの曲でした。当時の『Frontiers』は多くの作品でベーシスト/プロデューサーのファブリツィオ・グロッシを起用してたけど、このアルバムもその1つ。なかなかセンスのいい仕事をするミュージシャンだと思ってたけど、最近どうしてるのかな?
メロハー愛好家ならご存知のTRILLIONの、ファーギー・フレデリクセンじゃない方のシンガーとして知られるトム・グリフィンをメインに据えつつ、サブ・シンガーで元TOTOのジャン・ミシェル・バイロンをフィーチュアしたのがこのAMBITIONでした。ギターはトミー・デナンダーで、作曲陣にはクリスチャン・ウルフ、ジョーイ・カルボーン、ブライアン・ラ・ブランクらの名前もあって、良質のアルバムだったけど、2作目が出ることはなかった。その2006年の唯一のアルバムの1曲目を飾っていたのがこの曲でした。当時の『Frontiers』は多くの作品でベーシスト/プロデューサーのファブリツィオ・グロッシを起用してたけど、このアルバムもその1つ。なかなかセンスのいい仕事をするミュージシャンだと思ってたけど、最近どうしてるのかな?
2.TRADIA ”Sweet Sixteen” → Spotifyで聴く
このバンドは詳細不明ですね。1988年に1st「TRADE WINDS」を出した後、1995年にこの2nd「WELCOME TO PARADISE」を出したみたいだけど、その頃にはたぶんバンドは消滅していて、残ってた音源をレーベルがまとめて2ndみたいな形で出したんじゃないかと。シンガーも2人の名前がクレジットされてるし。そのうちの1人は後にDEPARTUREに参加するデイヴ・ボールドウィン。この”Sweet Sixteen”という曲は1stと2ndに重複して収録されてる曲だけど、哀愁味とフックを備えた隠れた名曲じゃないでしょうか。この2ndは1996年にキングレコードから日本盤も出てましたね。
3. USER(OF A COMMON NAME) ”Miss Wanted” → Spotifyで聴く
このスウェーデンのバンドは以前にもこの気まぐれプレイリストに入れたことがありました。メイン・ソングライターのリンダ・カールステットは圧倒的な才能とセンスを持ってたし、歌声も本当にチャーミングで、世界的な成功を得られなかったのが残念。どこか昭和歌謡に通じる風情を漂わせるこの曲を聴いても、並みのセンスじゃないって判るでしょ? 2005年~2006年当時、ショウケース来日までさせてこのバンドを売り出そうと頑張った日本のレコード会社は、それが仇となって会社を畳まざるを得なくなったとか???
4. BREAKING BENJAMIN ”Give Me A Sign” → Spotifyで聴く
BURRN!でこのバンドのインタビューを僕が担当したのは、行きがかり上のことだった。4th「DEAR AGONY」が出た時、日本の所属レコード会社から「アメリカでめちゃ売れてるバンドの新作ですんでぜひ取材を」とプロモーションがあったんだけど、編集部はこのバンドのことをよく知らない人間ばかりだったんで、じゃあ僕がやりましょうか、と引き受けたのだった。で、アルバムを聴いてみたら、予想外にいい感じでね。特に叙情メロディが満載のこの曲には心を揺さぶるものがあった。TALISMANの曲と並ぶHM/HR界の2大”Give Me A Sign”だと言っておきましょうか。(笑)
5. 山本恭司 ”Super Nova” → Spotifyで聴く
山本恭司に関しては、1978年のKISS来日公演の前座で出ていたBOWWOWを観て以来ずっとフォローしてたけど、VOW WOW解散後は正直、興味が薄れていた。しかし、1998年に再結成BOWWOWを取材したのがきっかけで、同年リリースされた山本恭司の16年振りのソロ作「MIND ARC」の音をレーベルが送ってくれたので、仕事をしながら聴いてたところ、この曲で思わず仕事の手が止まってしまった。あまりに凄すぎて…。泣きのギターを弾かせたら、未だに日本でこの人の右に出る者はいないと思う。いるなら教えて欲しい。いくらトレーニングを積んで正確無比な速弾きをこなせるようになっても、こういうギターを弾けるようにはならない。それは、筋肉ではなく感性の成せる技だから。
★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く
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