藤木昌生の密かな楽しみ Vol.35 ~ 気まぐれプレイリスト 19
前回コラムを書いてから、3ヵ月ほどブランクが空いてしまいましたが、相変わらず日本という国はどんどんヤバい状況に陥ってますね~。国を運営していく立場の政権与党・自民党岸田政権は、その主要メンバー達がこぞって犯罪まがいの裏金作り&脱税していることが発覚したというのに、それを取り締まるべき検察庁や国税庁は追及せず、新聞やテレビなどの大手メディアもそれを無視or黙認or(政権側の言い分を垂れ流すことで)擁護。
国家が(国民にとって)危険な方向に歩み始めた時、その兆候として最初に挙げられるのが「メディアが事実を報道しなくなる」ということがあると言われてるけど、今の日本はまさにその状態でしょう。日本が何故そうなっているのかと言えば、それは自民党政権が大手企業と癒着しているから。大手企業は自民党に巨額の献金をし、その見返りとして税制優遇などの措置を受けて利益を拡大し、そうやって得た莫大な収益の中からまた献金し…というサイクルが出来上がっている。経済の常識として、国の景気が悪くなったら減税をして消費を喚起するのが基本らしいんですが、日本はもう数十年前から不景気だというのに自民党は頑として消費税減税をしない…どころか、この10年間に5%から8%へ、8%から10%へと二度も増税している。これは通常の国がやるべき経済政策の真逆を行ってるわけですが、なぜそんなことをするのか。それは、こういった投稿を見れば自民党の思惑が理解できるでしょう。「福祉や社会保障のために消費税は必要」なんてのは大嘘で、自分達に巨額の献金をしてくれる大手企業にたんまり儲けてもらうためなんです。
しかし、メディアはそんな悪質なサイクルを構築して政権に居座っている自民党や、癒着してウハウハの儲けを出している大手企業のことは報道しない。何故なら、メディアにとって大手企業というのは大口の広告・CMを入れてくれるお得意様だから、大手企業のソウルメイトである自民党に不利な情報を報道するということは、お得意様のビジネスの足を引っ張ることになるから、絶対に避けなきゃいけない。まあ、民間の放送局なら広告収入なしではやっていけないから、それも理解できなくはないけど、公共放送を謳って国民から半ば強制的に視聴料を徴収しているNHKまでもが、自民党に不利な情報はスルーして、自民党の広告塔のような姿勢を打ち出しているのが恐ろしい。これは、NHKの人事や予算の権利を政府が握っていることが原因とされている。NHKはスポンサーからの広告収入は得ずに、視聴者からの受信料で運営している公共放送だから公正中立な報道ができるんです、みたいに装っておきながら、実は自民党がスポンサーみたいなもんだっという、ね。
つまり、今の政権与党は国民のわずか数パーセントの富裕層と癒着して、自分達だけがオイシイ思いをすることだけを考えているということ。しかも、オイシイ思いをするための道具は我々庶民から搾り取った税金。たとえば、このあいだのGW。元日に発生した能登半島地震から4ヵ月も経過しているのに、未だ多くの人々が避難所で暮らし、水道すら復旧していない地域も多々あり、倒壊家屋の解体は当初想定された数の1%しか達成されていないという状況で、自民党の主要メンバー達はのんきに海外諸国に外遊に出かけていた。これまでも岸田首相は、苦しんでいる日本国民を放置しながら海外諸国に得意顔で数十兆円をバラまいてきたが、今回も国民から搾り取った税金を気前よく海外にバラまいてきたんだろう。日本国内の至るところで炊き出しや食料給付に老若男女問わず多くの人々が長蛇の列を成している状況なのに…。
ほんと、この政府の腐敗ぶりは、どこの発展途上国だよ?って感じですよね。実際、ここまで衰退して貧しい国になった日本は、海外諸国からすると物価激安の発展途上国なのかもしれない。数十年前までは、日本人がどっかの国を訪れて「えー? これが20円で買えるの!?」「150円でこんな美味しい料理が食べられるの!?」みたいにやってたのが、今は日本が逆にそういうことを言われる立場になっている。欧米からの観光客だけでなく、東南アジアからやってきた観光客にさえも…。これはすべて政府の失政が原因なのに、メディアはそれを追及しないし、国民の大半もノーテンキだから危機感を抱かず、目の前にある楽しいことに夢中になって、政治の話題を持ち出す人間は「面倒くさい奴」として嘲笑し、自分や自分の家族の生活がこのまま永遠に順調なまま進んでいくと根拠なく思い込んでいる。
音楽やらスポーツやらお笑い芸人やら推し活やらSNSやら、目の前に楽しい快楽はたくさんあると思いますが、そういうものにうつつを抜かすのも程々にしないと(僕も他人のことは言えませんが…)、取り返しのつかないことになりますよ。自民党政権の危険さを認識して、彼らの動きを阻止することを考えないと…。皆さんのこれまでの人生では、政治家が何をしようと殆ど関係なく(関係があったことに気づいてないだけでしょうが)順調に過ごせてきたから、今後もその調子で順調に過ごせていくだろうと何となく思い込んでるかもしれませんが、そんな根拠のない楽観主義ははっきり言って頭悪いし、情弱です。自分が楽しいこと、快楽的な情報にしか目を向けていないが故の情弱です。だって、犯罪を犯してる人間が裁かれずに野放し状態で、大手の新聞やTVなどの報道機関もそれを追及することなく、(犯罪者集団のマイナス・イメージがこれ以上広まらないように)情報を制御してるんだから。
あなたが身寄りのない高齢者で、自分が死んだ後の世の中なんて知ったこっちゃないという人なら、今のまま放置しても問題ないと思いますが、愛する子供や孫、甥や姪がいる人なら、このまま自民党に好き勝手させておくことは最大の無責任、最大の虐待ではないかと思います。
日本がこんな危機的状況にあっても、ミュージシャンも含めて芸能関係の仕事をしている人々は、国民(ファン)に対して影響力がある立場を手に入れているにも関わらず、保身のため政治に関する発言は一切しないのが日本。たとえば、今をときめくテイラー・スウィフトが政治に対する自身の考えを公に発信しているのとは対極的な状況でしょう。そんな中で、子供ばんどのうじきつよし氏は、数少ない「はっきり物が言える人」で、本当の意味で「ロックな」ミュージシャンではないかと思います。彼のSNSには、こういう投稿を始め、現政権に対する批判や問題提起の投稿が数多く見られます。尊敬に値する行ないです。そして、彼がリスペクトする故・忌野清志郎氏も(自民党が仕切る)日本の将来を憂慮し、警告を発していた人でした。
子供ばんどと言えば、うじき氏がヘルメットの上に小さいスピーカーを付けて「タラッタラッタラッタうさぎのダンス~」を演奏するなど、コミカルな要素も備えたバンドだったけど、音的にはハード・ロックだったので、80年代初頭にはBOWWOWやLOUDNESSと対バンすることも多くて、僕も子供ばんどのライヴは何度か観たことがありました。僕が高校生の時、子供ばんどが出演したラジオの公開生放送ライヴを観に行ったことがあったんだけど、ライヴ終盤で定番となっていたTHE WHOの(エディ・コクランの)”Summertime Blues”が演奏された時、間奏でうじき氏が客席になだれ込んできてね。当然、客は歓声と拳でそれを歓迎したわけだけど、僕も調子に乗ってうじき氏に近づいていって、ギターのアーム部分に触ったところ、うじき氏に「テメー!」と言われて腰のあたりに蹴りを食らった…という美しい思い出があります。(笑)
さて、このあいだのGWでヘルゲ・エンゲルケが亡くなって1年ということで、月日の経つのは早いものですね。今年に入っても悲しくショッキングな訃報がいくつもありました。ヴィタリ・クープリ、CJ・スネア、トニー・クラーキン、ジェイムズ・コタック…。
ヴィタリは取材で何度か会ったことがあったけど、クラシック・ピアノの世界的なコンクールでいくつも賞を獲ってきた人だから、落ち着いた芸術家肌の人かと思ったら、意外にも陽気な兄ちゃんでね。1998年にARTENSIONの初来日が行なわれるはずだった時には、他のメンバーが全員来日していたのにヴィタリだけがヴィザが間に合わずに来日できなくて、公演がキャンセルになったなんて事件もありましたね。あと、中国系の美人の奥さんに結婚後ほどなく一方的に離婚を通達されたり…。あれほど桁違いのレヴェルの鍵盤奏者なのに、小柄でぽっちゃりな容姿も相まって、なんとなく愛すべきキャラ感を発していた人でした。
CJ・スネアに関しては、90年代前半にFIREHOUSEのライヴを観に行った時、キャパ2,000人クラスのホールで、僕の席は右サイドの前から3列目ぐらいだったんだけど、演奏中に歌いながらCJがこちらに歩いて来て、腕組みしながら観ていた僕(席から立ち上がってはいた)を指さして、「お前、なに腕組みしてるんだよ」という仕草をされたのが思い出かな。(笑)
あと、HM/HR系ではないけど、個人的にとてもショックだったのがエリック・カルメンの訃報。エリック・カルメンのことについては、また別の機会にたっぷり書ければと思います。
国家が(国民にとって)危険な方向に歩み始めた時、その兆候として最初に挙げられるのが「メディアが事実を報道しなくなる」ということがあると言われてるけど、今の日本はまさにその状態でしょう。日本が何故そうなっているのかと言えば、それは自民党政権が大手企業と癒着しているから。大手企業は自民党に巨額の献金をし、その見返りとして税制優遇などの措置を受けて利益を拡大し、そうやって得た莫大な収益の中からまた献金し…というサイクルが出来上がっている。経済の常識として、国の景気が悪くなったら減税をして消費を喚起するのが基本らしいんですが、日本はもう数十年前から不景気だというのに自民党は頑として消費税減税をしない…どころか、この10年間に5%から8%へ、8%から10%へと二度も増税している。これは通常の国がやるべき経済政策の真逆を行ってるわけですが、なぜそんなことをするのか。それは、こういった投稿を見れば自民党の思惑が理解できるでしょう。「福祉や社会保障のために消費税は必要」なんてのは大嘘で、自分達に巨額の献金をしてくれる大手企業にたんまり儲けてもらうためなんです。
しかし、メディアはそんな悪質なサイクルを構築して政権に居座っている自民党や、癒着してウハウハの儲けを出している大手企業のことは報道しない。何故なら、メディアにとって大手企業というのは大口の広告・CMを入れてくれるお得意様だから、大手企業のソウルメイトである自民党に不利な情報を報道するということは、お得意様のビジネスの足を引っ張ることになるから、絶対に避けなきゃいけない。まあ、民間の放送局なら広告収入なしではやっていけないから、それも理解できなくはないけど、公共放送を謳って国民から半ば強制的に視聴料を徴収しているNHKまでもが、自民党に不利な情報はスルーして、自民党の広告塔のような姿勢を打ち出しているのが恐ろしい。これは、NHKの人事や予算の権利を政府が握っていることが原因とされている。NHKはスポンサーからの広告収入は得ずに、視聴者からの受信料で運営している公共放送だから公正中立な報道ができるんです、みたいに装っておきながら、実は自民党がスポンサーみたいなもんだっという、ね。
つまり、今の政権与党は国民のわずか数パーセントの富裕層と癒着して、自分達だけがオイシイ思いをすることだけを考えているということ。しかも、オイシイ思いをするための道具は我々庶民から搾り取った税金。たとえば、このあいだのGW。元日に発生した能登半島地震から4ヵ月も経過しているのに、未だ多くの人々が避難所で暮らし、水道すら復旧していない地域も多々あり、倒壊家屋の解体は当初想定された数の1%しか達成されていないという状況で、自民党の主要メンバー達はのんきに海外諸国に外遊に出かけていた。これまでも岸田首相は、苦しんでいる日本国民を放置しながら海外諸国に得意顔で数十兆円をバラまいてきたが、今回も国民から搾り取った税金を気前よく海外にバラまいてきたんだろう。日本国内の至るところで炊き出しや食料給付に老若男女問わず多くの人々が長蛇の列を成している状況なのに…。
ほんと、この政府の腐敗ぶりは、どこの発展途上国だよ?って感じですよね。実際、ここまで衰退して貧しい国になった日本は、海外諸国からすると物価激安の発展途上国なのかもしれない。数十年前までは、日本人がどっかの国を訪れて「えー? これが20円で買えるの!?」「150円でこんな美味しい料理が食べられるの!?」みたいにやってたのが、今は日本が逆にそういうことを言われる立場になっている。欧米からの観光客だけでなく、東南アジアからやってきた観光客にさえも…。これはすべて政府の失政が原因なのに、メディアはそれを追及しないし、国民の大半もノーテンキだから危機感を抱かず、目の前にある楽しいことに夢中になって、政治の話題を持ち出す人間は「面倒くさい奴」として嘲笑し、自分や自分の家族の生活がこのまま永遠に順調なまま進んでいくと根拠なく思い込んでいる。
音楽やらスポーツやらお笑い芸人やら推し活やらSNSやら、目の前に楽しい快楽はたくさんあると思いますが、そういうものにうつつを抜かすのも程々にしないと(僕も他人のことは言えませんが…)、取り返しのつかないことになりますよ。自民党政権の危険さを認識して、彼らの動きを阻止することを考えないと…。皆さんのこれまでの人生では、政治家が何をしようと殆ど関係なく(関係があったことに気づいてないだけでしょうが)順調に過ごせてきたから、今後もその調子で順調に過ごせていくだろうと何となく思い込んでるかもしれませんが、そんな根拠のない楽観主義ははっきり言って頭悪いし、情弱です。自分が楽しいこと、快楽的な情報にしか目を向けていないが故の情弱です。だって、犯罪を犯してる人間が裁かれずに野放し状態で、大手の新聞やTVなどの報道機関もそれを追及することなく、(犯罪者集団のマイナス・イメージがこれ以上広まらないように)情報を制御してるんだから。
あなたが身寄りのない高齢者で、自分が死んだ後の世の中なんて知ったこっちゃないという人なら、今のまま放置しても問題ないと思いますが、愛する子供や孫、甥や姪がいる人なら、このまま自民党に好き勝手させておくことは最大の無責任、最大の虐待ではないかと思います。
日本がこんな危機的状況にあっても、ミュージシャンも含めて芸能関係の仕事をしている人々は、国民(ファン)に対して影響力がある立場を手に入れているにも関わらず、保身のため政治に関する発言は一切しないのが日本。たとえば、今をときめくテイラー・スウィフトが政治に対する自身の考えを公に発信しているのとは対極的な状況でしょう。そんな中で、子供ばんどのうじきつよし氏は、数少ない「はっきり物が言える人」で、本当の意味で「ロックな」ミュージシャンではないかと思います。彼のSNSには、こういう投稿を始め、現政権に対する批判や問題提起の投稿が数多く見られます。尊敬に値する行ないです。そして、彼がリスペクトする故・忌野清志郎氏も(自民党が仕切る)日本の将来を憂慮し、警告を発していた人でした。
子供ばんどと言えば、うじき氏がヘルメットの上に小さいスピーカーを付けて「タラッタラッタラッタうさぎのダンス~」を演奏するなど、コミカルな要素も備えたバンドだったけど、音的にはハード・ロックだったので、80年代初頭にはBOWWOWやLOUDNESSと対バンすることも多くて、僕も子供ばんどのライヴは何度か観たことがありました。僕が高校生の時、子供ばんどが出演したラジオの公開生放送ライヴを観に行ったことがあったんだけど、ライヴ終盤で定番となっていたTHE WHOの(エディ・コクランの)”Summertime Blues”が演奏された時、間奏でうじき氏が客席になだれ込んできてね。当然、客は歓声と拳でそれを歓迎したわけだけど、僕も調子に乗ってうじき氏に近づいていって、ギターのアーム部分に触ったところ、うじき氏に「テメー!」と言われて腰のあたりに蹴りを食らった…という美しい思い出があります。(笑)
さて、このあいだのGWでヘルゲ・エンゲルケが亡くなって1年ということで、月日の経つのは早いものですね。今年に入っても悲しくショッキングな訃報がいくつもありました。ヴィタリ・クープリ、CJ・スネア、トニー・クラーキン、ジェイムズ・コタック…。
ヴィタリは取材で何度か会ったことがあったけど、クラシック・ピアノの世界的なコンクールでいくつも賞を獲ってきた人だから、落ち着いた芸術家肌の人かと思ったら、意外にも陽気な兄ちゃんでね。1998年にARTENSIONの初来日が行なわれるはずだった時には、他のメンバーが全員来日していたのにヴィタリだけがヴィザが間に合わずに来日できなくて、公演がキャンセルになったなんて事件もありましたね。あと、中国系の美人の奥さんに結婚後ほどなく一方的に離婚を通達されたり…。あれほど桁違いのレヴェルの鍵盤奏者なのに、小柄でぽっちゃりな容姿も相まって、なんとなく愛すべきキャラ感を発していた人でした。
CJ・スネアに関しては、90年代前半にFIREHOUSEのライヴを観に行った時、キャパ2,000人クラスのホールで、僕の席は右サイドの前から3列目ぐらいだったんだけど、演奏中に歌いながらCJがこちらに歩いて来て、腕組みしながら観ていた僕(席から立ち上がってはいた)を指さして、「お前、なに腕組みしてるんだよ」という仕草をされたのが思い出かな。(笑)
あと、HM/HR系ではないけど、個人的にとてもショックだったのがエリック・カルメンの訃報。エリック・カルメンのことについては、また別の機会にたっぷり書ければと思います。
それでは、気まぐれプレイリストの第19弾に行ってみましょう。
SIDE A
1. FIREHOUSE ”Overnight Sensation”→ Spotifyで聴く
このバンドが登場した時、CJ・スネアの歌声を聞いて、マイケル・スウィートばりの張りと甘さを兼ね備えた声を持つ素晴らしいシンガーが出てきたな!と感激したものでした。この曲は、HM/HRファンのみならず幅広い層の音楽ファンにアピールする普遍的な魅力を持った名曲だと思います。FIREHOUSEは、個人的な好みからするとこの曲と”All She Wrote”以外はそれほど刺さらなかったんだけど…いや、2ndアルバムを締め括る”Hold The Dream”は素晴らしかったな…CJがあの若さで逝ってしまったのは残念です。
2. ARTENSION ”Into The Eye Of The Storm” → Spotifyで聴く
このバンドがデビューする時、ロードランナー・ジャパンの担当者が「ネオ・クラシカル系の凄いバンドが出てきたんですよ」と前のめりでプロモーションしてきてくれたんだけど、試聴カセットのアルバム1曲目を聴いた時はつかみが弱くて「う~ん…」という感じだった。でも、2曲目のこのアルバム・タイトル曲を聴いた時に「うん、確かにこれは素晴らしい!」と思ったのでした。演奏陣も凄かったけど、ジョン・ウェストの歌唱力が強烈でしたね。
3. 80★PAN ”MONSTER DRIVE” → Spotifyで聴く
このバンドの作品をBURRN!でレビューした時、「藤木がアイドルの作品を取り上げやがった!」と物議を醸したみたいですが、別に好きだから取り上げたわけじゃないですよ。(笑) 当時このバンドの宣伝担当がBURRN!の愛読者で、彼女達がアイドル・グループからバンド形態に移行するにあたって音もハード・ポップ的なものになったということで、「レビューしてもらえませんか? 点数とかどうでもいいので」とプロモーションしてきてくれたので、音を聴いた上で、編集長にも報告して、これならBURRN!読者の中のある層にはアピールするだろう、との判断で取り上げたのでした。ガールズ・メタル・ブームが起こった後だったら、もうちょい成功したかもしれないけど、ちょっと早すぎましたね。
4. QUEEN ”The Millionaire Waltz” → Spotifyで聴く
前にも書いたと思いますが、僕にとってQUEENの最高傑作は(中学生の頃から聴きすぎてちょっと飽きてしまった)「A NIGHT AT THE OPERA」よりもその次の「A DAY AT THE RACES」かもしれない。その理由の1つは、僕がめちゃくちゃ好きなこの曲が収録されているから。作曲したのはフレディ・マーキュリー。僕はシンガーとしてのフレディは平凡だと思ってるけど、作曲家としての彼はとんでもない天才だと思ってます。この曲はブライアン・メイのギター・ソロも凄い。ヘッドフォンで聴くと、ロイ・トーマス・ベイカー&マイク・ストーンの手腕も実感できると思います。
5. ZINATRA ”Love Never Dies”→ Spotifyで聴く
オランダのメロハー・バンドの2nd「THE GREAT ESCAPE」収録のバラード。バンド写真にはロビー・ヴァレンタインも写ってるけど、ロビーは「友達を助けただけでメンバーだったわけじゃない」と言っていた。でも、ロビーは多くの曲を書いていて、この曲もその1つ。ロビーの知り合いの自殺した少女について書かれた歌詞で、曲の美しさ・哀しさも相まって、聴くたびに涙がこみ上げてくる。僕の近しい人には幸いそういう形でこの世を去った人はいないんだけど、そういう経験のある人にはこの曲が少しでも癒しになるんだろうか。なるといいんだけど…。
SIDE B
1. GAUNTLET ”Beyond The Wall” → Spotifyで聴く
日本のメロディック・パワー・メタル・バンド。確か福岡出身だったかな。この曲が収録された彼らのデビュー・アルバム「BIRTHPLACE OF EMPEROR」を聴いた時には、その楽曲充実の内容に感銘を受けたものでした。その後、バンドは解散して、復活して、近々ニュー・アルバムを出すみたいですね。日本のパワー・メタル・シーンはGALNERYUSのひとり勝ちみたいな状況、というのが漠然としたイメージだけど、その他にも優れたバンドはけっこういるんじゃないですかね。
2. FOREIGNER ”That Was Yesterday” → Spotifyで聴く
少し前に『ロックの殿堂』入りが発表されて話題となったレジェンド・バンド。最近、バンドの頭脳であるミック・ジョーンズがアルツハイマー型認知症であることが発表されたのは悲しかったけど、彼が生み出した名曲の数々は今なお輝きを失っていない。この曲もその1つで、特にイントロ部分などはメロディアス・ハードのひな型の1つを作った曲と言ってもいいんじゃないでしょうか? いや、僕の知らない曲で、これ以前にこのスタイルを提示していた曲もあるのかもしれないけど…。とにかく、哀メロ愛好家にとってはイントロだけで三杯飯が食える曲でしょう。(笑)
3. PHANTOM'S OPERA ”Waiting For Love” → Spotifyで聴く
マニアにとっては、SYMPHONY Xのマイケル・ロメオが在籍していたバンド、かもしれないですね。ロメオは「手伝っただけでメンバーだったわけじゃない」と言ってましたが。でも、”ロメオが在籍していたバンド”以上のものがあったと思うし、実際、ロメオが参加した1st「PHANTOM'S OPERA」よりもこの曲が収録された3rd「FOLLWING DREMAS」の方が優れたアルバムだったと思います。このバンドの音楽にもQUEENの影響は少なからず窺えますね。
4. SONATA ARCTICA ”Wolf & Raven” → Spotifyで聴く
初期の名曲の1つ。2nd「SILENCE」収録曲。彼らは、今年の最新アルバム「CLEAR COLD BEYOND」で原点のパワー・メタル・スタイルに回帰したということですが、新作を聴いてみると、確かに疾走感のある曲は増えていて、その部分ではファンは喜ぶのかもしれませんね。ただ、個人的な趣味から言わせてもらうと、メロが違うんだよな~、速けりゃいいってもんじゃないんだよな~、という感じ。スタイルを変えたバンド(で後に原点回帰したバンド)には必ず付きまとう問題で、バンドは回帰したつもりでもファンの耳からすると全然違う、という話。それはバンドの感性の変化(劣化)なのか、それとも聴き手側の問題なのか…。
5. ROYAL HUNT ”Epilogue” → Spotifyで聴く
彼らのライヴの終盤でよく演奏されていたナンバー。曲の後半でブレイクして、アンドレ・アンダーセンのピアノだけになるパート(彼はいつもエレピを奥に設置していたので観客に背を向けてプレイする格好になる)は感動的で、ライヴではいつも涙をこらえながらリポートのメモを取っていた。1993年にアンドレに初めてインタビューした時、「ロシアで活動していた頃、いきなり警官が入って来て機材を破壊して去っていくんだ。理由はない。単なる脅しなのか嫌がらせなのか…」という発言に衝撃を受けた。だからこそ、恐ろしい国家体制の中で切羽詰まった状況で生きている人々の姿が感じられるこの曲の歌詞は、心に響いた。日本も、この先そういう国になってしまう可能性は少なからずある。
★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く
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