藤木昌生の密かな楽しみ Vol.29 ~ 気まぐれプレイリスト 15
ヘルゲ・エンゲルケが亡くなった。日本のメロディック・ロック・ファンにとってはもはやレジェンドと言ってもいいFAIR WARNINGにおいて、欠かすことのできないピースであったヘルゲが…。奇しくも1993年4月の初来日からちょうど30年という節目のタイミングで…。
ヘルゲには取材で何度も会ってきたので、色々な思い出が頭に浮かんでくる。初めて会ったのは、初来日ツアーの川崎・クラブチッタ2DAYSの初日の4月17日の昼間で、その時がFAIR WARNINGのメンバー全員との初対面だった。サウンドチェックを終えたバンドを会場の外に連れ出して、カメラマンのグッチー小嶋さんにアドバイスしてもらいながら、あちこちで記事用の写真撮影をした。当時のあの辺の地域は現在のハイカラな街並みに変貌する前で、クラブチッタは平屋建てだったし、周囲もまだ住宅街のような雰囲気が残っていた気がする。確か、お寺の前で撮った写真を来日記事のトップにドーンと大きく載せたと思う。
その17日はヘルゲと特に会話をした記憶はないが、翌18日に今度はインタビューのために(相手はトミー・ハートとウレ・リトゲン)早い時間からクラブチッタに行き、楽屋で待機していたところ、たまたま楽屋の前を通りかかったヘルゲが僕の姿に気づいて、「やあ、今日はどうしたの?」と話しかけてきてくれた。その時に、この人はとても社交的で、喋り好きな人なんだな、という印象を持ったのだった。彼は「僕はギター雑誌のインタビューがあって、これから機材の撮影があるんだ」と言って、長髪をなびかせながら大股で足早に去っていった。その姿が今でも目に焼き付いている。彼もまだ31歳だったから、かなりスリムだったけど。(笑)
1995年秋に、ウリ・ジョン・ロートの「PROLOGUE TO THE SYMPHONIC LEGENDS」の取材のため、同作のレコーディングが行なわれていた英国のウリの自宅を訪れた時の思い出もある。そこにはアルバムに参加していたヘルゲやトミーもいて、彼らのインタビューも取ったのだが、空き時間に僕が部屋に置いてあったウリのスカイ・ギターを興味深そうに見ていると、ヘルゲが「君もギター弾くの? ちょっとそれ弾いてみるかい?」と言って、スカイ・ギターを手渡してくれたのだ。僕は内心「うわ~マジかよ、ウリ・ロートのギターを弾いちゃってるよ、俺!」と舞い上がりながら(笑)、ギターをポロポロ・ジャカジャカと弾いていたのだが(もちろんアンプは通さずに生音で)、ちょうど覚えたてだった”When Love Fails”のリフを弾いたところ、ヘルゲは「おお、いいね! でも、こういう風に弾くともうちょっといい雰囲気が出るよ」と言って、実演して見せてくれた。
その時は空き時間が結構あったので、ヘルゲと色々な話をしたが、1つ覚えているのが、僕の「あなたはお酒は飲むんですか?」との質問に対して、「いや、飲むことは滅多にない。飲むとしても、みんなが集まる場所でワインをグラス一杯くらいかな」と言っていたことだ。その理由を尋ねると、「お酒を飲むと、多かれ少なかれ意識が不明瞭になるよね。僕はそれが嫌なんだ。意識は常にシャープな状態にしておきたい」と説明していた。
彼の場合、「議論好きのドイツ人」というステレオタイプを体現したような一面もあって、例えば「ウレとヘルゲ」とか「トミーとヘルゲ」みたいに複数メンバーが同席する形でインタビューをやると、ヘルゲはウレやトミーの発言に対して何かとすぐに「いや、それは違うんじゃないかな。僕はこう考えるんだ」と持論を展開し始めるのだ。そして、ウレやトミーもドイツ人なので(笑)、負けじと持論を展開し、話は脱線し、こちらが訊きたいと思っていたことを質問する前に時間が来て取材終了になってしまうという…。(苦笑) だから、僕の中では「ヘルゲは他のメンバーのインタビューになるべく同席させない」がルールになっていた。(笑) まあ、スケジュールの都合で同席インタビューを受け入れなきゃいけないケースもあったけどね。
あと、「寿司が大好物」というのも僕にとってのヘルゲの思い出。ある来日取材の時に、インタビュー開始前からヘルゲがしきりに「あ~腹減った、死にそうだよ~」と言っていて、時間もないのでそのままインタビューを始めて話を聞いていたのだが、途中でスタッフがどこかで買ってきた寿司をヘルゲの前に差し出すや、彼は「おお~寿司だ寿司だ! これを待ってたんだ!」と大喜びで、寿司を食べながらインタビューを続けたのだった。そのスタッフ曰く「ヘルゲは寿司さえ与えておけばご機嫌なんで楽なんですよ。コンビニで売ってる寿司でも全然OKなんで」とのことで、笑ってしまった。
そんなヘルゲが、61歳でこの世からいなくなってしまうなんて、やっぱり早すぎるし、昨年DREAMTIDEで久々の新作を出したばかりだっただけに、余計に残念だ。いや、もしかしたら、いなくなる直前に新作を出してくれたことに感謝すべきなのかもしれないが…。
今回、ヘルゲの訃報をBURRN! ONLINEでツイートしたところ、物凄い反響があって、それは世界的なレジェンド級アーティストの訃報に対する反響を超えるような勢いすらあった。(そんなことを比較してはいけないのだが) それくらい、ヘルゲ・エンゲルケというアーティストは日本のHM/HRファンに愛され、我々の心にしっかりとその楽曲とプレイを刻み込んだ存在だったのだと思う。今はただ、彼が我々に与えてくれた音楽的な喜びに感謝しつつ、皆さんで一緒に冥福を祈りましょう。
ヘルゲには取材で何度も会ってきたので、色々な思い出が頭に浮かんでくる。初めて会ったのは、初来日ツアーの川崎・クラブチッタ2DAYSの初日の4月17日の昼間で、その時がFAIR WARNINGのメンバー全員との初対面だった。サウンドチェックを終えたバンドを会場の外に連れ出して、カメラマンのグッチー小嶋さんにアドバイスしてもらいながら、あちこちで記事用の写真撮影をした。当時のあの辺の地域は現在のハイカラな街並みに変貌する前で、クラブチッタは平屋建てだったし、周囲もまだ住宅街のような雰囲気が残っていた気がする。確か、お寺の前で撮った写真を来日記事のトップにドーンと大きく載せたと思う。
その17日はヘルゲと特に会話をした記憶はないが、翌18日に今度はインタビューのために(相手はトミー・ハートとウレ・リトゲン)早い時間からクラブチッタに行き、楽屋で待機していたところ、たまたま楽屋の前を通りかかったヘルゲが僕の姿に気づいて、「やあ、今日はどうしたの?」と話しかけてきてくれた。その時に、この人はとても社交的で、喋り好きな人なんだな、という印象を持ったのだった。彼は「僕はギター雑誌のインタビューがあって、これから機材の撮影があるんだ」と言って、長髪をなびかせながら大股で足早に去っていった。その姿が今でも目に焼き付いている。彼もまだ31歳だったから、かなりスリムだったけど。(笑)
1995年秋に、ウリ・ジョン・ロートの「PROLOGUE TO THE SYMPHONIC LEGENDS」の取材のため、同作のレコーディングが行なわれていた英国のウリの自宅を訪れた時の思い出もある。そこにはアルバムに参加していたヘルゲやトミーもいて、彼らのインタビューも取ったのだが、空き時間に僕が部屋に置いてあったウリのスカイ・ギターを興味深そうに見ていると、ヘルゲが「君もギター弾くの? ちょっとそれ弾いてみるかい?」と言って、スカイ・ギターを手渡してくれたのだ。僕は内心「うわ~マジかよ、ウリ・ロートのギターを弾いちゃってるよ、俺!」と舞い上がりながら(笑)、ギターをポロポロ・ジャカジャカと弾いていたのだが(もちろんアンプは通さずに生音で)、ちょうど覚えたてだった”When Love Fails”のリフを弾いたところ、ヘルゲは「おお、いいね! でも、こういう風に弾くともうちょっといい雰囲気が出るよ」と言って、実演して見せてくれた。
その時は空き時間が結構あったので、ヘルゲと色々な話をしたが、1つ覚えているのが、僕の「あなたはお酒は飲むんですか?」との質問に対して、「いや、飲むことは滅多にない。飲むとしても、みんなが集まる場所でワインをグラス一杯くらいかな」と言っていたことだ。その理由を尋ねると、「お酒を飲むと、多かれ少なかれ意識が不明瞭になるよね。僕はそれが嫌なんだ。意識は常にシャープな状態にしておきたい」と説明していた。
彼の場合、「議論好きのドイツ人」というステレオタイプを体現したような一面もあって、例えば「ウレとヘルゲ」とか「トミーとヘルゲ」みたいに複数メンバーが同席する形でインタビューをやると、ヘルゲはウレやトミーの発言に対して何かとすぐに「いや、それは違うんじゃないかな。僕はこう考えるんだ」と持論を展開し始めるのだ。そして、ウレやトミーもドイツ人なので(笑)、負けじと持論を展開し、話は脱線し、こちらが訊きたいと思っていたことを質問する前に時間が来て取材終了になってしまうという…。(苦笑) だから、僕の中では「ヘルゲは他のメンバーのインタビューになるべく同席させない」がルールになっていた。(笑) まあ、スケジュールの都合で同席インタビューを受け入れなきゃいけないケースもあったけどね。
あと、「寿司が大好物」というのも僕にとってのヘルゲの思い出。ある来日取材の時に、インタビュー開始前からヘルゲがしきりに「あ~腹減った、死にそうだよ~」と言っていて、時間もないのでそのままインタビューを始めて話を聞いていたのだが、途中でスタッフがどこかで買ってきた寿司をヘルゲの前に差し出すや、彼は「おお~寿司だ寿司だ! これを待ってたんだ!」と大喜びで、寿司を食べながらインタビューを続けたのだった。そのスタッフ曰く「ヘルゲは寿司さえ与えておけばご機嫌なんで楽なんですよ。コンビニで売ってる寿司でも全然OKなんで」とのことで、笑ってしまった。
そんなヘルゲが、61歳でこの世からいなくなってしまうなんて、やっぱり早すぎるし、昨年DREAMTIDEで久々の新作を出したばかりだっただけに、余計に残念だ。いや、もしかしたら、いなくなる直前に新作を出してくれたことに感謝すべきなのかもしれないが…。
今回、ヘルゲの訃報をBURRN! ONLINEでツイートしたところ、物凄い反響があって、それは世界的なレジェンド級アーティストの訃報に対する反響を超えるような勢いすらあった。(そんなことを比較してはいけないのだが) それくらい、ヘルゲ・エンゲルケというアーティストは日本のHM/HRファンに愛され、我々の心にしっかりとその楽曲とプレイを刻み込んだ存在だったのだと思う。今はただ、彼が我々に与えてくれた音楽的な喜びに感謝しつつ、皆さんで一緒に冥福を祈りましょう。
さて、それでは今回の気まぐれプレイリストに行ってみましょう。
SIDE A
1. FAIR WARNING ”Save Me”→ Spotifyで聴く
これはヘルゲが作った曲の中でも間違いなく名曲と言える逸品。これがアルバムの2曲目で、1曲目の”Angels Of Heaven”もヘルゲ作曲の名曲なので、この頭2曲の”つかみ”は超強力。実は、このアルバムの曲順はバンドから依頼されて僕が考えたので、まったくの手前味噌で恥ずかしいんだけど。(笑) いつだったか、この”Save Me”がオープニングを飾るFAIR WARNINGの来日公演があって、ちょっと意表を突かれはしたものの、この曲の素晴らしい高揚感のおかげで観衆がすぐさま”その気”になったのを感じた瞬間があった。本当に聴き手の魂を鼓舞するようなメロディとアレンジが素晴らしい。
これはヘルゲが作った曲の中でも間違いなく名曲と言える逸品。これがアルバムの2曲目で、1曲目の”Angels Of Heaven”もヘルゲ作曲の名曲なので、この頭2曲の”つかみ”は超強力。実は、このアルバムの曲順はバンドから依頼されて僕が考えたので、まったくの手前味噌で恥ずかしいんだけど。(笑) いつだったか、この”Save Me”がオープニングを飾るFAIR WARNINGの来日公演があって、ちょっと意表を突かれはしたものの、この曲の素晴らしい高揚感のおかげで観衆がすぐさま”その気”になったのを感じた瞬間があった。本当に聴き手の魂を鼓舞するようなメロディとアレンジが素晴らしい。
2. TALISMAN ”Comin' Home” → Spotifyで聴く
マルセル・ヤコブ率いるTALISMANの曲の中でもこれはトップ・クラスの名曲だと思うし、以前この気まぐれプレイリストで取り上げた”Give Me A Sign”と並ぶTALISMANの2大名曲だと思います。これぞ北欧メタルな風情が満喫できるナンバーだし、Bメロの合間に出てくるマルセルのベースによるオブリガートがいちいちカッコいい! 2009年に自らこの世から去ってしまったマルセルだけど、こんな素晴らしい曲を残してくれたことに一生感謝し続けます。
マルセル・ヤコブ率いるTALISMANの曲の中でもこれはトップ・クラスの名曲だと思うし、以前この気まぐれプレイリストで取り上げた”Give Me A Sign”と並ぶTALISMANの2大名曲だと思います。これぞ北欧メタルな風情が満喫できるナンバーだし、Bメロの合間に出てくるマルセルのベースによるオブリガートがいちいちカッコいい! 2009年に自らこの世から去ってしまったマルセルだけど、こんな素晴らしい曲を残してくれたことに一生感謝し続けます。
3. W.A.S.P. ”Wild Child” → Spotifyで聴く
W.A.S.P.は、ゲテモノ・イメージ(?)とは裏腹にキャッチーな秀曲がたくさんあったデビュー・アルバムに比べて、2作目「THE LANST COMMAND」では曲の充実度が下がった印象だったけど、その中でこの曲は抜群に光っていた。この曲は、12インチ・シングルに入っていたスティーヴ・トンプソン&マイケル・バービエロによるThe Wild Remixというヴァージョンが素晴らしくて、それに感動した僕はその後しばらく色々なバンドのリミックス・ヴァージョンを求めてシングル盤を買い漁ったものだ。何故かそのThe Wild Remixは一度もCD化されてないみたいだけど、是非ともここでその幻想的な音世界を体験してみてください。もちろん、ちゃんとしたステレオをお持ちの方は12インチ・アナログ盤をゲットすることをオススメします。
W.A.S.P.は、ゲテモノ・イメージ(?)とは裏腹にキャッチーな秀曲がたくさんあったデビュー・アルバムに比べて、2作目「THE LANST COMMAND」では曲の充実度が下がった印象だったけど、その中でこの曲は抜群に光っていた。この曲は、12インチ・シングルに入っていたスティーヴ・トンプソン&マイケル・バービエロによるThe Wild Remixというヴァージョンが素晴らしくて、それに感動した僕はその後しばらく色々なバンドのリミックス・ヴァージョンを求めてシングル盤を買い漁ったものだ。何故かそのThe Wild Remixは一度もCD化されてないみたいだけど、是非ともここでその幻想的な音世界を体験してみてください。もちろん、ちゃんとしたステレオをお持ちの方は12インチ・アナログ盤をゲットすることをオススメします。
4. NOCTURNAL RITES ”Destiny Calls”→ Spotifyで聴く
このバンドのアンダース・ザックリソン<vo>時代の最高傑作にして北欧パワー・メタル史上屈指の名盤「THE SACRED TALISMAN」からのナンバー。僕がアルバム・レビューで「今すぐCDショップへ走れ! 風を切って走るのだ!」と書いたのが多くの人の印象に残ったみたいで、後に色々な人から(そこそこ名の知れたミュージシャンからも)「当時、風を切って走りましたよ。ありがとうございます」と言ってもらえて嬉しかった。(笑) この曲は、サビ・メロがちょっとオメデタイ感じなのが唯一残念なんだけど、それも2コーラス目のサビ後(ギター・ソロ前)のブリッジ・パートで相殺されますね。
このバンドのアンダース・ザックリソン<vo>時代の最高傑作にして北欧パワー・メタル史上屈指の名盤「THE SACRED TALISMAN」からのナンバー。僕がアルバム・レビューで「今すぐCDショップへ走れ! 風を切って走るのだ!」と書いたのが多くの人の印象に残ったみたいで、後に色々な人から(そこそこ名の知れたミュージシャンからも)「当時、風を切って走りましたよ。ありがとうございます」と言ってもらえて嬉しかった。(笑) この曲は、サビ・メロがちょっとオメデタイ感じなのが唯一残念なんだけど、それも2コーラス目のサビ後(ギター・ソロ前)のブリッジ・パートで相殺されますね。
5. MICHAEL HARRIS ”Mind Or Heart?” → Spotifyで聴く
ARCH RIVALの中心人物マイケル・ハリス<g>の1stソロ・アルバム「DEFENSE MECHANIZMS」からの曲。この人は、テクニカルではあるんだけど、何とも言えないクセがあるというかスムーズじゃないというか、そういう味わいを持ったギタリストだと思います。ポール・ギルバートのような正確無比な演奏ももちろん素晴らしいんだけど、こういうプレイも本当に魅力的だと思う。例えば、写真のように精巧に描かれた絵も人々を感動させるけど、一方で、輪郭が曖昧だったり線がはみ出してるような絵もそれはそれで表現として我々の心に訴えるものがあったりするのと同じような感じかな? まあ、この酷いジャケットは弁護のしようがないけどね。(笑) 日本盤は多少マシなジャケに変更されてました。
ARCH RIVALの中心人物マイケル・ハリス<g>の1stソロ・アルバム「DEFENSE MECHANIZMS」からの曲。この人は、テクニカルではあるんだけど、何とも言えないクセがあるというかスムーズじゃないというか、そういう味わいを持ったギタリストだと思います。ポール・ギルバートのような正確無比な演奏ももちろん素晴らしいんだけど、こういうプレイも本当に魅力的だと思う。例えば、写真のように精巧に描かれた絵も人々を感動させるけど、一方で、輪郭が曖昧だったり線がはみ出してるような絵もそれはそれで表現として我々の心に訴えるものがあったりするのと同じような感じかな? まあ、この酷いジャケットは弁護のしようがないけどね。(笑) 日本盤は多少マシなジャケに変更されてました。
SIDE B
1. BLOWSIGHT ”I Wish You 666” → Spotifyで聴く
このバンドのことはよく知らないんですが(苦笑)、以前アルバム・レビューで彼らの日本デビュー作「DYSTOPIA LANE」(2010年)が回ってきた時に、この曲を聴いて「こりゃ素晴らしい!」と思って以来、ずっと記憶に残っていたんです。世間的にそれほど有名なバンドではないし、メロディック・ロック・ファンの間でもあまり知られていないと思うので、これをきっかけに多くの人が彼らの存在に気づいてくれたらいいなと。僕も近いうちに彼らのアルバムを聴き直してみなきゃと思ってます。
このバンドのことはよく知らないんですが(苦笑)、以前アルバム・レビューで彼らの日本デビュー作「DYSTOPIA LANE」(2010年)が回ってきた時に、この曲を聴いて「こりゃ素晴らしい!」と思って以来、ずっと記憶に残っていたんです。世間的にそれほど有名なバンドではないし、メロディック・ロック・ファンの間でもあまり知られていないと思うので、これをきっかけに多くの人が彼らの存在に気づいてくれたらいいなと。僕も近いうちに彼らのアルバムを聴き直してみなきゃと思ってます。
2. PROPHET ”Can't Hide Love” → Spotifyで聴く
PROPHETはデビュー・アルバムが素晴らしかったのに世間的には相手にされず(BURRN!でもレビュー以外の記事は載らなかったと思う)、ああ一発屋で消えたか…と思っていた。だから、3年後に渋谷のタワーレコードでたまたま2nd「CYCLE OF THE MOON」(1988年)の輸入盤を見かけた時は色めき立った。さっそく買って帰って聴いてみたら、1曲目がどうも今イチな感じ。う~ん、3年経って音楽性も変わっちゃったかと落胆していたところ(当時は3年は長いブランクだったんですよ)、2曲目に入っていたこの曲を聴いて「おお、これぞPROPHET!」とガッツポーズを取ったという、ね。スコット・メタクサス万歳ですよ。
PROPHETはデビュー・アルバムが素晴らしかったのに世間的には相手にされず(BURRN!でもレビュー以外の記事は載らなかったと思う)、ああ一発屋で消えたか…と思っていた。だから、3年後に渋谷のタワーレコードでたまたま2nd「CYCLE OF THE MOON」(1988年)の輸入盤を見かけた時は色めき立った。さっそく買って帰って聴いてみたら、1曲目がどうも今イチな感じ。う~ん、3年経って音楽性も変わっちゃったかと落胆していたところ(当時は3年は長いブランクだったんですよ)、2曲目に入っていたこの曲を聴いて「おお、これぞPROPHET!」とガッツポーズを取ったという、ね。スコット・メタクサス万歳ですよ。
3. Party Rockets ”KASABUTA” → Spotifyで聴く
Party Rocketsというアイドル・グループが2014年に発表した曲。彼女達がどれくらい成功したのかは知らないんだけど、当時はBABYMETALを追随した「メタルっぽい曲を歌う(地下)アイドル」が沢山いた印象で、僕の中では彼女達もその中の1つだった。ただ、この曲の素晴らしさには胸を打たれた。いかにもアイドルな非力な歌声にズッコケるメタル・ファンは多いと思うけど、この曲をそれ相応のミュージシャンがそれ相応のプロダクションでカヴァーしたらかなり胸熱な作品に仕上がるんじゃないかな。当時、BURRN!の編集後記に「BABYMETALにこんな良い曲があるかい?」と書いところ、「藤木がBABYMETALをディスりやがった」とネットで盛り上がったみたいですね。(笑) 僕としてはそんな意識はなくて、「BABYMETALにこれくら良い曲があるなら教えてよ」くらいの気持だったんですが…。
4. BOSTON ”It's Easy” → Spotifyで聴く
BOSTONの2nd「DON'T LOOK BACK」の3曲目に入ってる曲。(2曲目はSE的なつなぎトラック) 当時は中学生だったので、アルバムを少しでも安く買おうと電車に乗って二子玉川のすみやに行って1,800円ぐらいの輸入盤を買いました。まだ中古盤の存在を知らなかったので…。僕としてはこの曲はBOSTONの中でも隠れた名曲だと思ってるんだけど、世間的にはそれほど評価されてないみたいで、YouTubeを検索してもこの曲のカヴァー動画がほとんど出てこないのが残念。「DON'T LOOK BACK」は1978年当時の技術でこんなプロダクションを実現していたなんて驚異的だし、A面4曲の流れは完全無欠だと思います。
BOSTONの2nd「DON'T LOOK BACK」の3曲目に入ってる曲。(2曲目はSE的なつなぎトラック) 当時は中学生だったので、アルバムを少しでも安く買おうと電車に乗って二子玉川のすみやに行って1,800円ぐらいの輸入盤を買いました。まだ中古盤の存在を知らなかったので…。僕としてはこの曲はBOSTONの中でも隠れた名曲だと思ってるんだけど、世間的にはそれほど評価されてないみたいで、YouTubeを検索してもこの曲のカヴァー動画がほとんど出てこないのが残念。「DON'T LOOK BACK」は1978年当時の技術でこんなプロダクションを実現していたなんて驚異的だし、A面4曲の流れは完全無欠だと思います。
5. FAIR WARNING ”Still I Believe” → Spotifyで聴く
FAIR WARNINGにおけるウレとヘルゲの楽曲提供の比率は8対2くらいだったと思うけど、その中でもヘルゲは”When Love Fails” ”One Step Closer” ”Don't Give Up” ”Angels Of Heaven” ”Save Me”などなど、その曲を抜きにしてはFAIR WARNINGを語れないような名曲をたくさん残してくれた。そして、僕にとってはこの”Still I Believe”もそんなヘルゲの名曲の1つ。「FOUR」の新作インタビューでヘルゲに話を聞いた時、この曲を聴いた感動が冷めやらなかったので、「こういう素晴らしい曲を聴くと、生きていて良かったなと思うんですよ」と言ったところ、彼は大きく溜息をつき、首を横に振りながら「ありがとう。本当にありがとう」と。その様子から彼の「そんな風に言ってもらえて、どう返したらいいのか…」という心境が窺えたけど、少なくとも彼に面と向かって感謝の言葉を贈ることができたのは良かったと思う。
FAIR WARNINGにおけるウレとヘルゲの楽曲提供の比率は8対2くらいだったと思うけど、その中でもヘルゲは”When Love Fails” ”One Step Closer” ”Don't Give Up” ”Angels Of Heaven” ”Save Me”などなど、その曲を抜きにしてはFAIR WARNINGを語れないような名曲をたくさん残してくれた。そして、僕にとってはこの”Still I Believe”もそんなヘルゲの名曲の1つ。「FOUR」の新作インタビューでヘルゲに話を聞いた時、この曲を聴いた感動が冷めやらなかったので、「こういう素晴らしい曲を聴くと、生きていて良かったなと思うんですよ」と言ったところ、彼は大きく溜息をつき、首を横に振りながら「ありがとう。本当にありがとう」と。その様子から彼の「そんな風に言ってもらえて、どう返したらいいのか…」という心境が窺えたけど、少なくとも彼に面と向かって感謝の言葉を贈ることができたのは良かったと思う。
★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く
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