カナディアン・メタルの伝説TRIUMPHのドキュメンタリー映画から抜粋動画が公開!
本国カナダで先月ストリーミング公開されたTRIUMPHのドキュメンタリー映画『TRIUMPH:ROCK & ROLL MACHINE』の中から、バンドが1983年の『US FESTIVAL』に出演した時の様子を伝えるシーンの抜粋動画が公開された。
このドキュメンタリー映画は、70年代中頃にカナダの小さなバンドとしてスタートした彼らが、やがて派手なステージ・プロダクションによるショウで全米のアリーナ会場をソールドアウトさせるほどの存在になり、そこからまた別の方向に進んでいったキャリアを総括する内容となっている。
この作品について、リック・エメット<g,vo>は昨年9月のインタビューで次のように語っていた。
「これを手掛けた『Banger Films』はこれまでIRON MAIDEN、RUSH、アリス・クーパー、ZZ TOPのドキュメンタリーを作ってきたわけで、しっかり経験があった。ただ、この作品で語られているのは彼らの視点から見たストーリーだ。彼らなりのリサーチをして、この映画を作ることにしたわけさ。『こういう角度から捉えた作品ですよ』ということであって、観る人々はまずそのレンズを通して観ることになるんだ。そしてもう1点は、これは僕のストーリーではないということ。何故なら、僕はTRIUMPHの一部に過ぎないからだ。実際、僕はTRIUMPHというブランド名の権利は所有してないし、所有しているのはギル(ムーア/ds,vo)だ。だから、この作品は僕の視点よりもギルの視点の方が多く取り入れられている。それは構わないよ。問題ない。でも、真実という観点から、そして公平性という観点から、人々はその前提を知っておくべきだと思う。自分達が観ているのはそういったフィルターを通したものだということをね」
「それでいいのかって? 3人全員がサインして許可した作品なのかって? そうだよ。でも、君達が観るのは僕の視点から見たストーリーじゃない。真実というのは視点だ。真実というのは物の見方だ。そして、みんな判ってるだろうけど、誰にでもエゴが出てきて、『いや、でも自分の視点の方が彼の視点より良い』とか『こっちの視点の方が彼女の視点より重要だ』とか言い始める。で、結局は虚栄心の問題になってきて、どこまでを黙認するか、という話になるんだ。だから、ドキュメンタリーに関しては、総合的なものの中からいかにして真実を見つけ出すかが重要なんだよ。僕が言ってるのは妥協とコラボレーションだ。そう、ある意味で君達が観るのは総合的なものだけど、僕がここで言ってるのは単に2つの次元に過ぎない。実際には、それよりもっと多くのものが含まれているんだよ」
TRIUMPHは、当初は作曲クレジットに作詞・作曲したメンバーの個人名が記載され、それに基づいて印税が支払われていたが、ある時期からクレジットがバンド名義(3人連名)となり、印税も3等分して支払われる形に変更された。
これに対して、バンド初期から代表曲の多くを作曲してきたリック・エメットは「自分が1人で作った曲なのに、その報酬の3分2が自動的に奪われてしまうのはフェアじゃない」として、1988年にバンドから脱退。そして、リックと他の2人(ギル・ムーアとマイク・レヴァイン<b,key>)が楽曲の権利をめぐって法廷で争うまでに至り、両者の確執は決定的なものとなった。
しかし、長い年月を経て両者は歩み寄りを見せ、2008年には『SWEDEN ROCK FESTIVAL』で20年振りとなるリユニオン・ライヴが実現。その模様はライヴCD+DVDとなってリリースされた。残念ながら、今のところ再結成スタジオ・アルバムは制作されていない。
「ALLIED FORCES」
1981年
「THUNDER SEVEN」
1984年
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