【BURRN! 4月号ちょい読み】
MICHAEL MONROE──最新作「OUTERSTELLAR」をメンバー全員の声で徹底深掘り
BY YUMIKO HABA/BURRN!
昨年11月の来日で元気な姿を見せてくれたマイケル・モンロー。実は満身創痍だったりするのだが、そんなことを気取らせないぐらい強烈なエナジーを振り撒いて嵐のように去っていき、そのカリスマ性溢れる魅力を浴びたファンはまたすぐ彼のステージを観たいと思ったことだろう。それはアルバムでも同じで、多面的で新たな発見にも満ちた最新作「OUTERSTELLAR」は、聴く者に勇気と元気と喜びを与えずにはおかない。その制作秘話を聞こうとZoomインタビューを申し込むと、画面にはいつものアイメイクをバッチリ決めたマイケルが登場し、存分に語ってくれた。
マイケル・モンロー(以下M):日本の天気はどう? 今、そっちはどんな感じ?
——晴れていて寒いですが、勿論、フィンランドほど寒くはないですね。
M:そうか。ヘルシンキは摂氏マイナス20度くらいになるからね。(笑) でも、雪があるのはいいよね。ただ雨と灰色の空よりはずっといい。しばらくは雨降りばかりで冬が始まらないんじゃないかと思ったけど、今は本格的に冬だよ。
——さて、昨年11月に日本でお会い出来てよかったです。大阪ではB’zやLOUDNESS、黒夢と共演しましたが、彼らと話は出来ましたか?
M:スケジュールが凄くタイトだったんで、あまりのんびり出来なかったけど、LOUDNESSは古くからの友達だから会えてよかったよ。でも、エレベーターでLOUDNESSの一行と一緒になった時、彼らは凄く静かなのに、俺のバンドの連中が騒がしくて、俺としては「ウチの連中が、ゴメン」って感じになった。(笑) まあ、とにかく、最高のフェスでプレイ出来て楽しかったよ。開演前は客席が信じられないほど静かだったのにも驚いたけど。針が落ちる音も聞こえるくらい静かだった。ショウが始まると、勿論オーディエンスは全力で盛り上がっていたけどね。いつも言ってるけど、日本の皆は最高だ。大好きだよ。
——あなたが無事に来られてよかったです。秋のBUCKCHERRYとの全米ツアーはドクターストップが掛かってキャンセルしましたからね。
M:そう、膝の半月板損傷でね。どこでそうなったのかはよく判らない。その前のアメリカ・ツアーは(2025年)4月だったかな? その頃から始まって、5月のUKツアー中にも酷く捻ってしまって。夏の間は足を引きずりながらフェスに出たりしてたんだ。自然に治るのを待ってたんだよ。医者も「手術を避けられるなら避けた方がいい」と言ってたし。でも、夏じゅう痛みが続いて、何公演かこなしながら回復を待ったけど全然よくならなくて。膝に水が溜まるのを絶えず抜かなきゃならないし、そんな状態でツアーなんて無理だ。痛みも酷いし、永久的なダメージを負う危険性もあった。それでアメリカでの5週間のツアーはキャンセルせざるを得なかったんだ。
日本に行った時は大丈夫だったんだよ。大阪と東京でのショウの時は痛みも酷くなかったしね。それで、もうよくなるだろうと思ったし、医者も「様子を見て、痛みが収まるのを待つのが最善だ」と言うので待ってたんだけど、全然よくならなくて、結局、手術を受ける決心をした。骨を削る手術で、1月8日に受けたんだ。手術後は安静にしていたけど、その後は運動を始めなきゃならなかった。そうしないと効果がなくてね。理学療法と運動を続けるのが重要なんだ。今はまだ回復途中だけど、治ったら元どおりか、今まで以上にいい状態になるはずさ。3週間後にはイギリスに行ってツアーをする。「OUTERSTELLAR」は2月20日に発売されて、23日にインストア・ライヴをやって、24日がツアー初日だ。2週間掛けてイギリスを廻って、その後フィンランドで数公演やる。近いうちに日本にまた行きたいっていう話も出ている。最近行ったばかりだけど、大阪はフェスだったし、他には東京で1公演やっただけだから。あの東京公演は本当に素晴らしかった。今までで一番幸せな時間で、オーディエンスも最高だった。大阪も素晴らしかったけど、東京は俺達のための、俺達のファンのためのショウだったからね。本当に感動的な、信じられないほど最高の一夜だった。人生で最も幸せな夜の1つだったよ。
—— “Dead, Jail Or Rock’N’Roll” で幕を開けたのは最高のスタートでした。
M:ありがとう。俺もそう思うよ。あの曲はいつもショウの締め括りに使ってたんだけど、これでショウを始めれば、観衆もすぐにその世界に入り込めるし、最高のオープニングだと思う。
——2024年2月に日本に来た時、東京1日目にHANOI ROCKSの「TWO STEPS FROM THE MOVE」を、2日目にはソロ作「NOT FAKIN’ IT」を完全再現したので、必然的に “Dead, Jail Or Rock’N’Roll” が1曲目になりましたね。
M:うん、でも、“Dead, Jail Or Rock’N’Roll” でショウを始めるというのはその前からやっていたよ。やってみたら始まりにピッタリで、これ以上のオープニングは考えられないと思った。そして “Up Around The Bend” で締め括るというのも、ラストに相応しい、素晴らしい曲だと思う。
——あの日本ツアーから帰国後すぐに新作のレコーディングを始めると言っていましたよね?
M:ああ、そうだった。日本から帰ってすぐ、皆でスタジオに入って「よし、レコーディングするぞ」となったんだ。そもそも2022年に「I LIVE TOO FAST TO DIE YOUNG!」アルバムを出してから、いつスタジオに入ろうとか、明確な計画は特に立てていなかった。残っている曲が沢山あったうえに、皆で曲を書き続けて、デモを作るために何度かあちこちのスタジオに入ったりはしたけどね。ある時……そう、確か2年半ぐらい前に、ヘルシンキでギター担当のロード・クルーのボビーが持っている小さなスタジオに行って、何曲かデモを録ったんだ。そのセッションの際に誕生したのが “Precious” と “Rode To Ruin” “Shinola” だったと思う。デモだと思ってたけど、聴いてみたらそのままアルバムに入れてもいいぐらいの出来だったんで、「いいミキサーさえいてくれれば充分だ」と思った。実際、ミックス担当のデイヴ・ドレイパーとは今回初めて一緒に仕事をしたけど、彼は素晴らしい。今後も一緒にやるつもりだ。
それから、数年前の(2023年)夏にもまた別のセッションがあって、その時はヘルシンキから1時間ほど離れた場所にあるヴィラにバンド全員で滞在したんだ。フィンランドのミュージシャン組合を通じて借りられるヴィラで、バンドが泊まれるようになっている。全員で5日間そこで一緒に暮らし、地下のスタジオで作業をした。毎日1曲ずつ書き上げたんだ。バンドのメンバー全員が同じ部屋に集まってゼロから曲作りをするというのは「HORNS AND HALOS」(2013年)以来だった。そういう環境で全員が1つの部屋に集まっているという状況が俺は一番好きなんだよ。ゼロから曲を作り始めて、毎日1曲ずつ書いていった。その中からアルバムに選ばれたのが “Rockin’ Horse” と “One More Sunrise” だ。
“One More Sunrise” は俺のお気に入りの曲でね。なんで曲を3分に収めなきゃならないんだ?と思って、ほぼ8分の曲を作った。(笑) 正確には7分40秒だけど、そんなに長いとは感じない。あっという間に終わって、4分の曲みたいに思えるんじゃないかな。退屈しないし、一度終わったように思えても、本当は終わっていなくて、また別の独立したエンディングがある。そういうのが凄く気に入ってる。壁を破って、普通とは違うものを表現していると思う。俺が今までレコーディングした中で一番長い曲なんじゃないかな。
で、2024年2月に日本から戻った後、スタジオに入って残りの曲をレコーディングした。そこで出来上がったのが “Black Cadillac” “When The Apocalypse Comes”“Painless” “Newtro Bombs”“Disconnected” “Glitter & Dust”、そして “Pushin’ Me Back” だ。“Pushin’ Me Back” は結構古くて、2018年の「ONE MAN GANG」の制作時からある曲なんだ。前作「I LIVE TOO FAST TO DIE YOUNG!」(2022年)には入るだろうと思ってたんだけど、結局、他の曲と合わなくてあのアルバムには入らなくなり、次のアルバム用にとっておいた。で、「OUTERSTELLAR」には完璧にハマる場所があったから、そこに収まったってわけ。2018年の曲だけど、幸い、俺達の音楽は時代ってものを超越している。流行や一過性のブームに左右されないから、いつ聴いても“良い曲”なんだ。時間を掛ければ掛けるほど、俺達はさらにもっと良くなっていくんだよ。
——この新作はジャケットも非常に印象的で、2011年の「SENSORY OVERDRIVE」と対を成すアートワークになっています。その意図は?
M:そのアイディアを出したのはリッチ・ジョーンズなんだ。「SENSORY OVERDRIVE」(2011年)ではジッパーで開けた状態の俺の左目を描いてたんだけど、今回は右目を違う手法で描いてみたらどうか、って。2枚のアルバムを並べたら、俺の両目が見られるってわけ。レーベルの『Silver Lining Music』もクールなアイディアを出してくれて、それでアイマスクを作ろうって言ってる。ほら、こういうの。(とスマホで図案を見せる) これを着ければ顔の半分は俺になれるよ。(笑) 極端なクローズアップだけど、老いなんて気にしない。色は、「SENSORY OVERDRIVE」が暖色系で、今回のは寒色系。雰囲気も全然違うけど、これで両目が揃う。リッチ・ジョーンズのアイディアだったけど、彼は他の仕事で忙し過ぎたから、最終的なアートワークは担当しなかった。
続きはBURRN! 2026年4月号で!
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1. Rockin' Horse/ロッキン・ホース
2. Shinola/シャイノラ
3. Black Cadillac/ブラック・キャディラック
4. When The Apocalypse Comes/ホエン・ジ・アポカリプス・カムズ
5. Painless/ペインレス
6. Newtro Bombs/ニュートロ・ボムズ
7. Disconnected/ディスコネクティド
8. Precious/プレシャス
9. Pushin' Me Back/プッシン・ミー・バック
10. Glitter & Dust/グリッター&ダスト
11. Rode To Ruin/ロード・トゥ・ルーイン
12. One More Sunrise/ワン・モア・サンライズ
1. It's Cold Outside/冷たい初恋(ライヴ)
2. Last Train To Tokyo/ラスト・トレイン・トゥ・トーキョー(ライヴ)
3. Hammersmith Palais/ハマースミス・パレ(ライヴ)
4. Under The Northern Lights/アンダー・ザ・ノーザン・ライツ(ライヴ)
5. All You Need/オール・ユー・ニード(ライヴ)
6. Medicine Man/メディシン・マン(ライヴ)
7. The Last Year/ザ・ラスト・イヤー(ライヴ)
8. Can't Go Home Again/二度と帰さない(ライヴ)
9. Boiler (Me Boiler 'N' Me)ボイラー(ライヴ)
10. Ballad Of The Lower East Side/バラッド・オブ・ザ・ロウアー・イースト・サイド(ライヴ)
11. Up Around The Bend/アップ・アラウンド・ザ・ベンド(ライヴ)
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THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE
BURRN! 2026年4月号
<巻頭大特集>
◆MICHAEL MONROE
不屈のカリスマ、マイケル・モンロー率いるバンドからロックン・ロールの最高傑作が登場! 現ラインナップが完成して12年以上も不動の体制が続いているバンドのメンバー全員に個別インタビューを敢行し、最新作「OUTERSTELLAR」の魅力を深掘りした全29頁の巻頭大特集!!
<独占スクープ>
◆ARCH ENEMY
アリッサ・ホワイト=グラズの後任としてローレン・ハートを迎えたARCH ENEMYのマイケル・アモットが、シンガー交代劇の真相を本誌だけに語った全世界独占インタビュー!
◆2025年度BURRN!読者人気投票結果発表!
<独占会見>
◆ポール・ギルバート
約10年ぶりの“全編ヴォーカル入り”ソロ・アルバム「WROC」発表! アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが礼儀作法を説いた本から書いた歌詞とは…!? AIとのやり取り、曲作りやギター・プレイの発想の源、オジー・オズボーンやエース・フレーリーへの想いまでたっぷり語った独占インタビュー!
LAMB OF GOD
EXODUS
GLAMOUR OF THE KILL 他
<来日>
◆マイケル・シェンカー
UFOの楽曲のみを演奏したマイケル・シェンカーの日本武道館公演の模様を詳細にリポート!
DESTRUCTION
キコ・ルーレイロ
ブライアン・アダムス 他
<ポスター>
HELLOWEEN
BURRN! 2026年4月号
A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年3月5日発売
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