【BURRN! 4月号ちょい読み】

MICHAEL SCHENKER──UFO楽曲限定の来日公演で “神” が示したもの

BY YOU MASUDA

超満員の日本武道館で、UFOの楽曲のみを演奏するマイケル・シェンカーのライヴを観る。まさか2026年にこんな機会が巡ってくるとは思ってもみなかった。勿論、今回の来日公演は2024年にリリースされた「MY YEARS WITH UFO」に伴うツアーの一環としてのものなのだから、そうした演奏内容になることは想像できていたのだが、この夜に味わうことができた感動は過去には経験したことのないものだった。

開演定刻の19時を5分ほど過ぎた頃、BGMがLED ZEPPELINの “Immi­grant Song” に切り替わり、ほどなく場内は暗転。マイケル自身にとってMcAULEY SCHENKER GROUPでの来日時以来38年ぶりとなる武道館公演の幕開けを飾ったのは “Natural Thing” だった。「NO HEAVY PET­T­ING」(1975年)のオープニング曲であると同時にライヴの名盤との誉れ高い「STRANGERS IN THE NIGHT」(1979年)でも1曲目に収められていたナンバーだ。その前のめり気味なギター・リフが聞こえてきた瞬間、まるで70年代にタイムスリップしたかのような感覚に襲われた。ステージの上手側で愛器を奏でるマイケルが、まさしくかつてのUFO在籍時そのままのたたずまいをしていたからだ。肩にかかる長さの金髪と、ニーハイのブーツ。勿論、ウィッグを用いているのは明らかだし、2日前にNHKホールで行なわれた追加公演でも彼がこのいでたちだったことはSNSなどを通じて把握できていた。ただ、それでもこの光景には驚かされずにはいられなかった。

UFOは1979年に「STRANGERS IN THE NIGHT」発表に伴うツアーの一環として来日公演を行なっているが、マイケルはその前年にバンドを脱退しており、その際にはポール・チャップマンが呼び寄せられている。また、UFO離脱直後の彼はSCORPIONSに復帰していたが、ほどなくこちらからも離れ、同じく1979年に行なわれた彼らの来日公演の際にもその姿はなかった。結果、マイケルはMSGを率いて1981年8月に日本初上陸を果たし、日本武道館公演を皮切りにジャパン・ツアーをスタートさせているわけだが、今、目の前で演奏している彼はまさに1979年当時の「なかなか日本に来てくれないミステリアスなギタリスト」そのままの姿をしている。彼がどのような意図からこうした選択をしたのかは、今回の滞日中の取材対応が皆無だったため確かめようがなかったが、もしかすると「1979年に日本に来ていたはずの自分の姿」を再現しようとしたのかもしれない。勝手な妄想と言われればそれまでだが、僕にはそう感じられた。

とはいえ目の前で実際に行なわれているのはUFOではなくマイケルのライヴであり、現在は1979年ではなく2026年だ。エリック・グロンウォールが何度もジャンプし、ステージ狭しと駆け回りながら歌い、ブライアン・ティッシーが規格外の迫力を伴ったビートを繰り出し、バリー・スパークスが挑発的に重低音を鳴らし、ステージ下手側にはデレク・シェリニアンの要塞があり、マイケル・フォスがリズム・ギターとバッキング・ヴォーカルでアンサンブルを支える。“神” に所縁深い顔ぶれが揃っているが、この顔ぶれでの来日公演は今回が初となる。その光景はこれまでに目にしたことがないものなのに、マイケルは “神” と呼ばれるようになる以前の姿をしていて、しかも聞こえてくるのはUFOの愛着深い楽曲ばかり。なんだか頭の中がバグりそうになるが、これは間違いなく現実なのだ。



続きはBURRN! 2026年4月号で!

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商品詳細
MICHAEL SCHENKER

「MY YEARS WITH UFO」

Amazon(2024/9/20)¥2,659・CD

1. Natural Thing (feat. Dee Snider, Joel Hoekstra)
2. Only You Can Rock Me (feat. Joey Tempest, Roger Glover)
3. Doctor, Doctor (feat. Joe Lynn Turner, Carmine Appice)
4. Mother Mary (feat. Slash, Erik Grönwall)
5. This Kids (feat. Biff Byford)
6. Love To Love (feat. Axl Rose)
7. Lights Out (feat. Jeff Scott Soto, John Norum)
8. Rock Bottom (feat. Kai Hansen)
9. Too Hot To Handle (feat. Joe Lynn Turner, Adrian Vandenberg, Carmine Appice)
10. Let It Roll (feat. Michael Voss)
11. Shoot, Shoot (feat. Stephen Pearcy)

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◆ポール・ギルバート

約10年ぶりの“全編ヴォーカル入り”ソロ・アルバム「WROC」発表! アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが礼儀作法を説いた本から書いた歌詞とは…!? AIとのやり取り、曲作りやギター・プレイの発想の源、オジー・オズボーンやエース・フレーリーへの想いまでたっぷり語った独占インタビュー!
LAMB OF GOD
EXODUS
GLAMOUR OF THE KILL
 他


<来日>
◆マイケル・シェンカー

UFOの楽曲のみを演奏したマイケル・シェンカーの日本武道館公演の模様を詳細にリポート!
DESTRUCTION
キコ・ルーレイロ
ブライアン・アダムス
 他

ポスター>
HELLOWEEN


BURRN! 2026年4月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年3月5日発売

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