藤木昌生の密かな楽しみ Vol.31 ~ ちょっと前の作品だけどオススメですよ

今回は、ちょっと前にリリースされた作品で、オススメしたいなと思いつつ機会を逸していた作品をいくつかピックアップして紹介しようと思います。

が、その前に、またも悲しい訃報が…。PINK SAPPHIREのTAKA<g>が56歳という若さで天国へ旅立ってしまった。PINK SAPPHIREに関しては、1989年に『イカ天』で観た時の記憶はあまり残ってないし、1990年にデビューした時も特にチェックはしてなかったんだけど、ある時、TVで目にした(耳にした)”P.S. I LOVE YOU”がとても良い曲で、さらにはAYA<vo>の顔が当時僕が勤めていたビデオ屋の社長によく似ていたことで従業員の間で盛り上がたこともあって(笑)、アルバムを買ってみたんですよ。そうしたら、良質のハード・ポップ/歌謡ロック曲がたくさん収録されていて、そこから彼女達の他のCDも買い揃えていったという…。

ガールズ・ロック・バンドなんてまだ数えるほどしか存在しなかった当時、SHOW-YAやPRINCESS PRINCESSほどの存在感を放つまでには至らなかったかもしれないけど(前述の”P.S. I LOVE YOU”はオリコン2位を記録したからバンドの知名度は高かったと思うけど)、曲の良さやヴィジュアルの華やかさではまったく引けを取っていなかったし、もしデビューしたのが20年後だったら間違いなくトップクラスの人気ガールズ・ロック・バンドになっていたんじゃないかと思います。

TAKAさんのご冥福をお祈りいたします。
【公式】PINK SAPPHIRE「P.S.I LOVE YOU」(MV)ピンクサファイア/ピーエスアイラブユー(1stシングル)
 

というわけで、メロディック・ロック愛好家のための”ちょっと前に出ていたオススメ作品”を紹介していきましょう。イタリアの『Frontiers Records』が健在なおかげで、今も毎月良質のメロディアス系作品がリリースされてるし、その多くは日本盤も発売されている。そこそこ名の通ったバンドや、キャリアのあるミュージシャンによるバンド/プロジェクトの作品はリスナーの間でも注目されやすいけど、一方で、無名の新人バンドで多くの人にスルーされてしまった作品や、日本盤リリースが見送られてしまった作品の中にも注目に値する優れたアルバムはあったので、そういうものを拾い上げてみたいと思います。

まず1つ目は、トミー・デカルロ<vo>の「DANCING IN THE MOONLIGHT」。天下のBOSTONの現フロントマンでありながら、存在感の薄さには強力なものがあるので(笑)、前作のDECARLO名義の「LIGHTNING STRIKES AGAIN」(2020年)は日本発売されたのに、今回は見送られてしまった模様。まあ、BOSTONというバンドはJOURNEYなどとは違って、各メンバーにキャラや存在感は求められないというか、(ブラッド・デルプ<vo>が他界してしまった今)トム・ショルツ<g>さえいれば他は誰でもいい、そつなく仕事をこなせれば誰でもいい、みたいな感じがなきにしもあらず。だから、トミー・デカルロのソロ・アルバムが日本発売されなくても仕方ないかなとは思うけど、内容は全然悪くないので、ノーチェックだった人は一度試聴してみてください。それこそ、BOSTONと同一路線の爽やかなメロディアス・ハードで、「ああ、あなたはソロ作品でもBOSTONみたいなことやりたいのね」と微笑ましくなるし、曲自体はBOSTONの近作よりも良いような気もする。

2つ目は、BOSTON繋がりで、THE ROADSの「SIMPLE MAN」。BOSTONのゲイリー・ピール<g>とSEVENのミック・ディヴァイン<vo>によるプロジェクトです。他にトレイシー・フェリー(STRYPER, BOSTON)、ポール・テイラー(WINGER)、ローレンス・ゴーワン(STYX)などが参加してます。音楽性は、カラッとしたアメリカン・ロックを基調としたメロディック・ロックで、70年代後半~80年代前半のメロハーの匂いがする、我々世代には懐かしい雰囲気のサウンドだと思う。湿り気や哀愁を求めるリスナーはイントロ~ヴァースを聴いて「う~ん、好みじゃないや」と諦めかけるかもしれないけど、サビまで聴くと結構良い曲も多いので、我慢強く聴いてみてください。まあ、それでも僕がレビューで点数を付けるとしたら82~83点くらいかもしれないけど。

3つ目は、スウェーデンのニュー・アクトGRANDのセルフ・タイトルのデビュー・アルバム。ジャケはありがちなポップス系AORのコンピCDみたいだけど、内容はいかにも北欧メロハーな湿り気たっぷりのサウンドなので安心してください。この少年っぽい雰囲気のちょっと頼りないハイトーン・ヴォーカルは好みが分かれるのかな? いや、メロハー愛好家はこういうのは余裕で許容範囲内でしょう。91 SUITEとかSTREET TALKなどが好きな人には特にオススメです。アルバムの中に1曲、僕がイントロを聴いただけでガッツポーズ&尿漏れしたナンバーがあるんですが、さてどれでしょう?(笑) その曲はそのうち気まぐれプレイリストに入れようと思ってます。このバンドは、1月に2作目がリリースされるので、そちらも要チェックですよ。

4つ目は、これまたスウェーデンのバンド。まずバンド名が良くないよな~。どっかのパイレーツ・メタル・バンドかと思うよね。このバンドは数作前から輸入盤を聴いて良いバンドだなと思ってたんだけど、この6作目でようやく日本デビューが実現。僕としては、2021年にデビューしてメロハー愛好家をノックアウトしたNESTORとタメを張る存在だと思ってたんだけど、果たしてどれくらいの人にこのアルバムがちゃんと聴いてもらえたのか…。哀愁たっぷりのフックに富んだメロハー作曲術には熟練の味わいを感じるし、僕がレビューで点数を付けるとしたら90点超えは間違いないでしょう。北欧メロハーが好きなら、このバンドは絶対に聴いたほうがいいと思います。

ということで、今回は4作品をピックアップしましたが、まだ紹介し忘れてた作品はあると思うし、これからも出てくると思うので、思いついたらこうやって紹介していこうと思います。

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