藤木昌生の密かな楽しみ Vol.30 ~ 気まぐれプレイリスト 16

皆さん、お久しぶりでございます。このコラムを書くのをすっかりサボっていて、気が付いたら前回から半年くらいが過ぎてしまいました。

半年経っても日本の状況は変わらないどころか、ここ数週間で自民党岸田政権が真に悪党集団であることが判明して、ますますヤバい状況になってますね~。

過去にもこのコラムの前文で何度か政治的なことを書いたし、今回も「また始まったよ」とバカにしてる人も少なくないと思いますが、そうやってバカにする姿勢ってクールなんですかね。実は、僕も若い頃は政治に興味なんてなかったし、政権に対して憤りを感じるようになったのはここ10年くらいのことなので、そういう人々の感覚というのは理解できます。「日本社会はこのままでいいのか」とか「政権のやり方は間違ってる」とか言い出す人間は、どうでもいいことに熱くなる面倒臭いヤツ、みんなが楽しもうと思ってるところに水を差すKYなヤツ、として冷笑の対象となる。僕の歩んできた小学校・中学校・高校・大学時代も体制に異を唱える人間(必ずしも政治的な体制に限らず、自分達が所属しているグループのシステムに逆らおうとする人間)に対してはそういう感じだったし、ある意味、そういうのが日本の文化なのかもしれませんね。

実際、これまでも「藤木はおすすめの音楽だけ紹介してりゃいいのに、なんで政治の話なんかするのかね。困ったヤツだ」と嘲笑してる人は沢山いたと思います。でも、それでも書かずにはいられないくらい日本はヤバい状況になってるので、やっぱり書きたいと思います。(笑) これを読んでる人の中に「そんなにヤバいんだったら、ちょっと情報をチェックしてみようかな」「今度投票に行ってみようかな」「次回は安易な投票はやめて、ちゃんと考えて投票しよう」と思う人が1人でもいれば、という思いを胸に。

だって、もう何年も前から日本の選挙の投票率は50%程度で、残り50%の人は選挙権を放棄してる状況なんですよ。30年前なら投票率50%でも良かったかもしれない。今より随分とマシな世の中だったから。でも、今は状況が違う。選挙権を放棄して投票に行かないってことは、「どうでもいいし興味ないし勝手にしてよ=今のまま自民党にやらせときゃいいじゃん」という意思表示をしてるのと同じこと。かつて僕自身も「たとえ投票率が低くても、政治に興味のある人々があれこれ考えて投票して選んだ政治家達なんだから、そこそこ有能な政治家達なんでしょ。政治に興味のない自分が適当に投票するよりもよっぽど真っ当な結果になってるはず」みたいに思ってた人間なんですが、そういう感覚の人、いませんか? それ、大きな勘違いです。今この状況においては、自分達(一般庶民)の人生を台無しにしてしまう大きな間違いです。

実は、投票してる50%のうち半分くらいは自民党と癒着してる大企業やお仲間企業やその関係者、自民党と癒着してる(反社組織である)旧統一教会やその関係者で占められてるんです。つまり、自民党が政権を握ることでオイシイ思いをすることができる人々。国民のほとんどがキツい生活を強いられてる中で、自分達だけはオイシイ思いをすることができる人々なんです。いや、国民の犠牲と引き換えに利益を享受してウハウハの人生を謳歌してる人々と言った方がいいかな。そういう邪悪な利己主義の人々+何も考えずに何となく自民党に投票してる人々(「この候補者はよくメディアで見る人だから」とか「(競馬のような感覚で)この人が当選しそうだから」とか「うちの葬式に来てくれたから」などの理由で投票する人々)のせいで、ずっと自民党が政権を握り、その結果として日本国民のほとんどが生活が苦しくなり、今後もさらに苦しくなるであろう状況を招いてるんです。苦しくなるというは、単に物価が高くて出費がかさむとかいうレヴェルの話だけじゃなくて、子供が減って労働人口が減って国が弱体化していくという話。いや、すでにもう絶賛弱体化中だけど。

今現在の自分の生活が安定していて、1ヵ月先、半年先の生活にも不安がないからといって、政治に関心を持たないってのはあまりに愚かすぎますよ。もし、あなたに子供や孫や甥っ子・姪っ子がいるなら、なおさら愚かです。特に、こんな邪悪な組織が政権を握っている状況では。山本太郎氏が涙ながらに訴えていたけど、あなたのラッキーいつまで続くんですか? あなたの家族のラッキーいつまで続くんですか?ってことですよ。僕もそうだけど、あなたもたまたま運が良くて、今は不安のない生活を送れてるけど、いつ何時、運命の歯車がズレて、事故や病気で生活が破綻に向かうかもしれない。何らかの不運で仕事を失うかもしれない。その時、国はきちんとサポートしてくれるのか。その日のために我々が収めてきた税金は、きちんと本来の目的のために使ってもらえるのか。現状、日本の政府にそんなことは望めないでしょう。

現政権がいかにヤバいか。たとえば、「憲法改正」というワードくらいは皆さんも耳にしたことがあるでしょうし、改正すべきか否かで議論になってるのは知ってるでしょう。その憲法改正において「緊急事態条項」が良い悪い、という議論になってるのも耳にしてると思います。もしかしたら「憲法の一部がちょっと変更されるくらい大した問題じゃないだろ」と思ってる人もいるかもしれないし、緊急事態条項に関しては、コロナ期に流行った「緊急事態宣言」と混同して、「緊急事態宣言はちょっと辛かったけど、しばらく我慢すれば乗り越えられたから大丈夫でしょ」みたいに勘違いしてる人もいるかもしれない。しかし、そんな呑気な話じゃないんです。そのあたりの話を、せやろがいおじさんという芸人さんが判りやすく説明してる動画があるので下記を見てみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=_edzcvB5tik

現政権がいかに危険な存在かが判るでしょ? 独裁国家というのは、ある日突然そうなるんじゃないんです。「来年4月から独裁国家となりますので準備をお願いします」みたいな世界じゃない。気づいたらそうなっていた、というものなんです。なってしまってから文句を言ったって遅い。文句を言ったら、逮捕されたり、下手すりゃ殺されたりするような世界なんだから。だから、まともな選挙が行なわれてるうちに、国民にまだその権利が与えられてるうちに、そっちの方向に行かないように防がなきゃいけない。

また、せやろがいおじさんは今年10月から施行された「インボイス制度」という悪質な増税制度(日本国民50万人以上が反対署名しながらも政府が強行した増税制度)についても、下記の動画で判りやすく説明してくれています。重要なポイントの1つは、消費税というのは「買い手側(消費者)が何かを購入する時に支払う税」ではなく、「売り手側が何かを売って売り上げを得た時に支払う税」だということ。これは僕も最近知ったことなんですけどね。例えば、税込3,300円(本体価格3,000円)のCDを買う時、僕は3,000円のCDを買って楽しい思いをするからその代わり10%(300円)の消費税を払わなきゃいけないんだな、みたいに思ってたんだけど、これは間違い。正しくは、CDを販売している会社が3,000円の売り上げを得ようとしたら国から「じゃあ10%の税金として300円を収めなさい」と言われるから、その300円を最初からCD価格に上乗せして3,300円の商品として販売させてもらいますよ、消費者の皆さんよろしくね、という話なのだ。だから、そもそも消費税という名称自体がおかしいわけ。
https://www.youtube.com/watch?v=IR6cEBRzytY

政府がやると決めたらしいから自分達国民は従うしかない、なんて思ってちゃダメなんですよ。良からぬことを企んでるなと思ったら反発して拒絶しなきゃ。別にデモ運動に参加しろとまでは言わないけど、政権を握ってるのが危険な連中であり、我々国民をないがしろにして利益をむさぼってる連中であることを認識して、選挙の投票で対処する、くらいのことはしなきゃ。下記のような動画も、1人でも多くの人に見てもらって、何かを感じてもらいたいです。
https://twitter.com/mirai_youme/status/1678890897453494276

https://www.youtube.com/watch?v=V6jbn9Ye670

うわ~、久しぶりなもんで、話がかなり長くなっちゃいました。くどいですね。僕も疲れちゃいました。(笑) この続きはまた次回に。(オイオイ!)

ということで、今回の気まぐれプレイリストを紹介していきましょう。

SIDE A
1. JOURNEY ”Never Walk Away”→ Spotifyで聴く
JOURNEYのニュー・シンガーがフィリピン人だと聞いた時、「大丈夫かよ?」と失礼なことを思ってしまったことを正直に告白します。「アジア人で産業ロックの最高峰の曲を歌いこなせるヤツがいるのかよ」と。でも、アーネル・ピネダがバンドのあらゆる名曲の数々をライヴで堂々歌い上げている映像を観て(彼はまずJOURNEYのツアーに参加してデビューを果たした)、心の中で土下座をしたのでした。そのアーネル加入第1弾アルバム「REVELATION」のオープニングを飾ったのがこの曲。これぞJOURNEY、これぞ産業ロック、という美しく爽快で高揚感にあふれるナンバーだし、アルバムのトータルの出来も彼らの作品の中で上位に入ると思います。
2. NEVERDAY ”You & I” → Spotifyで聴く
このドイツのグループは半年くらい前にYouTubeでたまたま見かけて知ったのでした。こういう哀愁のメロディやネオ・クラシカルな雰囲気は日本のメタル・ファンは好きだし、それほどやかましくないのでメタル系以外の音楽ファンにもウケると思ったので、日本の大手レーベルの人に「これ、日本盤出してみては?」とオススメしたところ、「面白いですね。確認してみます」という返事はあったものの、そのまま何も起こらず…。その後、このグループはチェックしてなかったけど、新曲を出したりしてるのかな?
3. MAGNUM ”On A Storyteller's Night” → Spotifyで聴く
MAGNUMは後追いで、バンドの存在は知ってたんだけど、何故か”古臭くて退屈なハード・ロック・バンド”みたいな先入観があって、聴くのが後回しになっていてね。でも、この曲が入ってる5th「ON A STORYTELLER'S NIGHT」(1985年)が出た時、ジャケが素晴らしかったのもあって、近所の行きつけのレコード屋さんで試聴させてもらったのさ。で、2曲目のイントロを聴いた瞬間、「OKです、買います!」となったわけ。曲もバンドのプレイも素晴らしい傑作だけど、僕の知る限り最も美しいキーボード・サウンドが入ったアルバムがこれかもしれない。それはマーク・スタンウェイ<key>の力量&センスなのか、それともプロデューサー/エンジニアのキット・ウールヴェン(2022年没)のおかげなのか…?
4. 松阪晶子 ”夢を眠らせない” Spotifyで聴く
90年代中頃~後半はメタルを聴くと同時にJ-POP…ビーイング系を中心とする歌謡ロックをよく聴いていた。その中でKIX-S、MANISH、PAMELAHなどはBURRN!の誌面でも何度かオススメした覚えがあるけど、そういうのを見た読者の方が「これもいいですよ、是非聴いてみてください」と音を送ってきてくれたのがこの松阪晶子だった。で、聴いてみたらとても良かったので、お礼の返事を送ったら、松阪晶子の貴重なライヴ映像も送ってくれてね。北海道の読者の方だったと思うけど、元気にしてますか? この曲を聴いてもらえば判るとおり、松阪晶子は才能豊かなシンガー・ソングライターだったけど、その才能に見合うだけの売れ方はしなかったかもしれない。その後、裏方の作曲家とかやってないのかな?
5. VELOCITY ”Janine” → Spotifyで聴く
後にBOSTONに加入することにもなるデイヴィッド・ヴィクター<vo,g>率いるバンド…というかソロ・プロジェクトの1997年の1stアルバム「IMPACT」(ドラムはパット・トーピー)に収録されていたバラード。「IMPACT」は重厚な産業ロック寄りのメロディック・メタル作品だったけど、その中でこの曲は際立っていた。他の曲がありがちだっただけに余計に。ヴァース~ブリッジは他の曲と同様、まあ想定内なんだけど、まさかサビでこんなに胸熱なメロディ展開が待っていようとはね。そして、その胸熱は、このメロディをしっかり歌い上げられるだけの歌唱力があってこそ感じ得るものだと思います。

SIDE B

1. 聖飢魔II ”BRAND NEW SONG” → Spotifyで聴く
バンド創設者のダミアン浜田の曲を3曲取り入れて初期のスタイルに回帰した傑作「メフィストフェレスの肖像」。次作の「NEWS」はルーク篁がソングライターとして大活躍で、彼が大半の曲を書いていたけど、その中でも出色の出来だったのがこの曲。後期聖飢魔IIの名曲の1つと言えるんじゃないでしょうか。僕は「NEWS」に対して”爽やかで軽快なアルバム”という印象をずっと持ってたんだけど、今回久しぶりに聴き返してみたら、思ったよりメタルしてました。(笑) 「メフィストフェレスの肖像」の次に期待したものとの違いがそういう印象を持たせてしまったのかな?
2. MIDNITE CITY ”Give Me Love” → Spotifyで聴く
今月頭に2度目の来日公演が行なわれたようで、しっかり盛り上がったんでしょうか。このバンドは未だに楽曲粒揃いの2nd「THERE GOES THE NEIGHBOURHOOD」のインパクトが強烈で忘れられません。明るく朗らかでありながらも、どこか哀愁を感じさせるメロディが彼らの魅力であり、メイン・ソングライターのロブ・ワイルド<vo>の才能でしょう。マイルズ・ミーキン<g>も優れたセンスの持ち主だし、控え目に言ってもDANGER DANGERと同等に評価されていいバンドだと思うんですが…。
3. RETURN ”Come Back” → Spotifyで聴く
このバンドとの出会いはよく覚えている。1990年だったと思うけど、いつものように銀座のハンター3店舗に漁盤に出かけた時、ソニービル店で彼らの3rd「STRAIGHT DOWN THE LINE」の中古盤を見かけてね。まったく未知のバンドだったんだけど、所属レーベルは北欧みたいだし、このジャケの雰囲気からHM/HRバンドっぽいし、でも値段が1,400円で…。1,400円というのは冒険するには微妙に迷う値段なんだよね。(笑) なので、とりあえず保留にして、数寄屋橋ショッピングセンター1号店・2号店であれこれ買い物した後、帰りにもう一度ソニービル店に寄って、ええい買ってまえ!と決意して買って帰ったら大当たりだったという…。その3rdの中でもハイライトと言えるのがこの曲。彼らは4thで日本デビューしたけど、その頃には音楽性が今イチになってました。(苦笑)
4. HOUSE OF LORDS ”Swimming With The Sharks” → Spotifyで聴く
グレッグ・ジェフリア<key>率いるバンドとして…というかGIUFFRIAの延長線バンドとしてデビューした彼らだけど、グレッグが引退した(不動産業で成功した)ので、途中からジェイムズ・クリスチャン<vo>率いるバンドになりましたね。彼らはコンスタントにアルバムを重ねていて、毎回安定したクオリティなんだけど特に目を見張るような要素もなく…という無難な存在になって油断していたところ、2014年の9th「PRECIOUS METAL」を聴いてたら、アルバム後半にこの曲が出てきて、思わず姿勢を正しちゃいました。おいおい、めっちゃカッチョイイじゃんかよ!と。
5. JONO ”The March” → Spotifyで聴く
このスウェディッシュ・バンドの曲は、以前にもこのコーナーで(気まぐれプレイリスト7)で紹介したけど、彼らの日本デビュー作となった3rd「LIFE」の衝撃はかなりのものでした。そして、そのアルバムのラストを締め括るこの曲の美しさ、哀しさ、切なさときたらもう…。NEW TROLLSの名曲”Adagio”を思い出しちゃうね。このバンドってクサメロだよね。相当に劇的なクサメロ。異臭騒ぎで警官総動員クラス。でも、メロスピじゃないからウケないのかね。悲しいね。

★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く

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