藤木昌生の密かな楽しみ Vol.27 ~ 気まぐれプレイリスト 13

3月11日ということで、あの大災害で被災された方々、今なおその影響で苦しんでおられる方々に、改めてお見舞い申し上げます。

そういった方々は、あの東日本大震災で被害を受けた地域や人々の復興をサポートするために国民から集められたはずの復興税を、こともあろうか防衛費=軍事費=戦争準備費に流用しようなどと言い出した今の政府・岸田政権をどんな風に見ているでしょうか。

自分達や自分達のお仲間である大企業や富裕層がオイシイ思いをできる事柄に関しては、国会を通さずに閣議決定という少数の仲間内だけの話し合いで決めてしまうようになった今の政府。恐ろしいですね。それって独裁政治の始まりなんじゃないの?

たまたま運が良くて、1ヵ月先とか半年先とかの自分の生活の心配をしなくていい人生を送ってる人(僕もその類の人間ですが)で、「現状、困ってはいないし、面倒くさいから選挙の投票には行かない」みたいな感覚で過ごしてきた人は、そろそろ考え直した方がいいと思います。あるいは、「投票には行くけど、メディアでよく見かける人に投票している」とか「(競馬のような感覚で)人気がありそうで当選しそうな人に投票している」みたいな人は、その行為の危険性に気づいた方がいいと思います。まあ、家族がいなくて残り人生も少ない人はそれでもいいかもしれないけど、あと20~30年は生きる予定の人、そして子供や孫がいる人は、今の日本のヤバイ状況をしっかり確認しておいた方がいいと思います。反社カルト集団とズブズブの関係で、日本をますますヤバイ方向に持っていこうとしている現政権の危険性をしっかり認識しておいた方がいいと思います。

皆さんの中にも「2万円分のポイントがもらえる」ってことで気安くマイナンバーカードを作った人が結構いると思いますが、今の政府は我々一般市民のことなど虫けら程度にしか考えておらず、自分達とお仲間の富裕層がオイシイ思いをすることしか考えてないので、ほんと注意した方がいいですよ。「国民がマイナカードを作るか否かは任意」と宣言しながら、作らせるために2兆円もの宣伝費(これ、我々が収めた税金ね。そして作った人にプレゼントされるポイント2万円分も税金)を投入し、作らない人は不便になって困るようなシステムにして、半強制的にマイナカードを作らせようとする。そんなの真っ当な政府のやることじゃないでしょ。これに関しては、山本太郎氏のこういう説明も参考になると思います。

さて、鬱陶しい前置きはこのくらいにして、気まぐれプレイリストの第13弾に行ってみましょう。
SIDE A
1. IMPELLITTERI ”Stand In Line”→ Spotifyで聴く
鐘のイントロといえばこの曲か、MADISONの”Lay Down Your Arms”でしょう。(笑) この曲が入ってる「STAND IN LINE」は、グラハム・ボネットが歌ってるということ以外にも曲作りなどの面でALCATRAZZの1stアルバムからの影響が窺えるけど、クリス・インペリテリはイングヴェイからの影響は否定してましたね。その後も否定し続けてるのかな? でも、このタイトル曲のリフはイングヴェイの偉大さとタメを張るクールさだと思います。成毛 滋さんの『パープル・エクスプレス』でクリスをゲストに招いた公開録音を観に行ったな~。
2. DAMNED NATION ”I Got What It Takes” → Spotifyで聴く
スウェーデンのこのバンドは、デビュー・アルバムではどっちかと言うとVAN HALENタイプの豪快なアメリカン・ハード的な印象だったので、2作目「ROAD OF DESIRE」では良い意味で予想を大きく裏切られて、「化けたじゃん!」と色めき立ってしまった。叙情味と起伏に富んだドラマ性が格段に増していてね。その「ROAD OF DESIRE」は楽曲粒揃いの素晴らしいアルバムだったし、トーマス・トーセンという情感豊かなシンガーの存在が大きく物を言っていたと思う。当時、家の近所をウォーキングする時にはウォークマンで「ROAD OF DESIRE」とDREAM THEATERの「METROPOLIS PT.2」の試聴用カセットテープをよく聴いてました。
3. HEARTLAND ”A Leap In The Dark” → Spotifyで聴く
クリス・ウーズィー<vo>を擁するHEARTLANDの5th「MIRACLES BY DESIGN」のオープニングを飾る曲。当時は『Escape Music』のカリル・タークとよく連絡を取り合っていて、『Escape』作品の多くで、まだ完成してない音源を聴かされて、「日本のリスナーにウケるような曲順を考えてくれ」とよく頼まれてました。この曲は聴いた瞬間に「これはツカミとして最高だ」と思って1曲目にしたんですが、いかがでしょうか? クリスは、大人気とはならなかったものの、いまだに様々なプロジェクトでちょくちょく作品をリリースしてくれているので、それは良かったかな。
4. KIM KYUNG HO ”People Who Make Me Sad”→ Spotifyで聴く
韓国のキム・ギョンホ<vo>との出会いは1998年、毎月レビュー用のネタを探すために訪れていた新宿のディスクヘヴンの店長Wさんのお薦めで彼の3rdアルバムを買った時だった。アジアにこんな凄いシンガーがいたのか!と驚いたし、その後、彼の他の作品を聴いたり、実際にライヴを観たりして、その思いはますます強まっていった。この曲は彼の2ndアルバム収録曲で、これが大ヒットしたことで彼は本国で人気のシンガーになったらしい。当時の彼のライヴでの歌唱は本当に凄かったので、ぜひこれとかを観てほしい。やっぱり「歌は心」ですよ。
5. HIBRIA ”Devoted To Your Fear” → Spotifyで聴く
最近、元HIBRIAのユーリ・サンソン<vo>があちこちのプロジェクトに参加して、あの熱い歌声をまた聴けるようになって喜んでいるファンは多いと思います。僕はこの曲がHIBRIAの中でもかなり好きなんだけど、ファンのあいだでは人気のある曲なんでしょうか? 特にBメロが秀逸で、このBメロからサビに展開していく様はIRON MAIDENの名曲”2 Minutes To Midnight”に通じる美しさがあると思う。曲の後半はちょっと凝り過ぎた感はあるけど…。そういえば、最近ユーリのことを調べていて、彼がハンバーガーショップをやってた(今も?)のを知って驚きました。(笑)

SIDE B

1. 浜田省吾 ”終りなき疾走” → Spotifyで聴く
高2の時に同じクラスで片思いだったマスミちゃんという綺麗な女の子に「好きな音楽は何?」と尋ねたら浜田省吾だと。で、「HOME BOUND」が一番好きなアルバムだというので聴いてみたのさ。「どうせしょーもないニューミュージックだろ」みたいな偏見も抱きつつw メタルに目覚めて間もない粋がったガキだったからねw そしたら、実に良質の歌謡ハード・ロックで、不覚にも気に入っちゃったのよw そのアルバムの幕開けを飾るのがこの曲。ギターを弾いてるのはスティーヴ・ルカサーですよ。当時は日本人が海外でレコーディングして現地の有名ミュージシャンを起用するのが流行ってたんだね。浜田省吾は「HOME BOUND」「愛の世代の前に」「PROMISED LAND」のハード・ロック3部作(?)が秀逸だと思います。
2. BOSTON ”Piece Of Mind” → Spotifyで聴く
僕にとって「ツイン・リードが魅力のバンド」と言えばBOSTON。これなどはその魅力が炸裂した曲で、2014年の来日公演で生でこの曲のツイン・リードを聴いた時は涙腺に来ちゃいました。ディスるわけじゃないけど、JUDAS PRIESTなんかはギター・ソロの展開的にツイン・リードが出てくるのが唐突すぎて違和感を覚えるんです。それに対して、BOSTONは自然な流れでツイン・リードに繋がっていく。それが美しいんです。この曲はツイン・リードだけじゃなく、歌メロが良いのはもちろん、イントロのアイディアも凄いし、すべての人が心地よく乗れるテンポ&リズムも凄いし、隠し味となってるベース・ギターのフレージングも凄いし、ほんとトム・ショルツすげーな!に尽きる1曲。
3. CROSS VEIN ”forget-me-not”→ Spotifyで聴く
日本のシンフォニック・メタル・バンドの2013年発表の曲。いつのまにか(2021年中頃に)この曲を作曲した創設メンバーのYoshi<g>は脱退していたし、バンド自体も先頃突然の解散発表をしたけど、僕にとってはこの曲のインパクトのおかげで忘れ難いバンドになっている。言ってしまえば同じようなメロディが繰り返されるだけの曲なのだが、それでいてこれほど魅力的な曲になってしまうのが音楽のマジックですね。そのマジックを生んでいるのが、まず基盤となるメロディが抜群に美しいこと、そしてそのメロディの背景となるバックのアレンジが秀逸であること、さらにはメロディとJULIAの歌声が絶妙にマッチしていることなどが挙げられると思う。彼らにはこんな素晴らしい曲を残してくれてありがとうと言いたい。
4. LABYRINTH ”Moonlight” → Spotifyで聴く
この曲はメロスピ愛好家の間では伝説の名曲になってる…のかな? LABYRINTHがシンガーをファビオ・リオーネからロベルト・ティランティにチェンジして出した2nd「RETURN TO HEAVEN DENIED」は実に良いアルバムだったけど、中でもこの曲の煽情力は抜群だった。ロベルトは声の表情、表現力が素晴らしかったのでその年のベスト・シンガーに選んだんだけど、5年後くらいにLABYRINTHが初来日した時にロベルトに会ったら、そのことを覚えていて本当に感謝してくれた。それにしてもオラフ・トーセン<g>って、ファビオ、ロベルト、イヴァン・ジャンニーニ、マーク・ボールズと、圧倒的に上手いシンガーとしかやらないよね。(笑)
5. KANSAS ”The Wall” → Spotifyで聴く
KANSASは後追いでした。70年代に初めて聴いた”Carry On Wayward Son”が能天気な感じで好きにはならなかったし、80年代に入ってMTVで見かけた”Play The Game Tonight”もその時はそれほどグッと来なかったので。でも、1984~85年頃に和田 誠さんのラジオ番組でこの曲を聴いた時に「ヤバイ」と思って、そこからアルバムを買い集め始めましたね。素晴らしい曲と退屈な曲の落差が激しいバンドだとは思いますが(笑)、素晴らしい時は本当に芸術的だし、それをライヴで目の当たりにしたら胸が一杯になりますね。この曲のエンディングを聴けば、DREAM THEATERがKANSASから大きな影響を受けてるのが判ると思います。

★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く

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