【BURRN! 8月号ちょい読み】

ERIC MARTIN──MR.BIG「HEY MAN」を30周年で完全再現

BY YUMIKO HABA/BURRN!

エリック・マーティン〈vo〉が5月のゴールデンウィーク明けに日本にやって来たのは、MR.BIGの4thアルバム「HEY MAN」リリース30周年を祝うためだった。MR.VOCALISTとしての活動開始に伴うソロ来日公演から15周年を記念して2024年12月にソロ・ツアーが組まれた際、MR.BIGの曲ばかりをプレイする『BIG Night (fea­tur­ing Li-sa-X)』も一夜限りで開催されており、そこで見事なパフォーマンスを繰り広げた日本人女性ミュージシャン達のバンドを再び起用してのツアーである。彼女達との2日間のリハーサルを経て関西に移動したエリックは5月14日、神戸のチキンジョージでツアー初日を迎えた。

これは追加で決まったアコースティック・ショウで、バンドにとってはツアー本編の前哨戦といったところだが、2024年のショウでは彼女達は途中のアコースティック・パートを休んで別のバンドと交代していたので、エリックとのアコースティック・パフォーマンスはこれが初めて。ドラムの佐藤 奏や本家MR.BIGのビリー・シーンよろしくエレクトリック・ベースを構えるわかざえもんはともかく、自身のアコースティック・ギターでのプレイがこのショウの鍵となるLi-sa-Xは、ツアー本編の目玉である「HEY MAN」完全再現とはまた別の入念な準備が必要だっただろう。もっとも、1曲目の “Daddy, Brother, Lover, Little Boy” から彼女の演奏には不足を感じさせるものが一切なく、ギター・ソロでは師匠であるポール・ギルバートも顔負けのプレイを繰り広げる。通常のエレクトリック・ヴァージョンだとドリル登場となるパートでは観客の大きな歌声が加わり、超満員のライヴハウスの熱気はさらに膨れ上がった。

1曲目と同じく「LEAN INTO IT」からの人気曲 “Alive And Kickin’” も熱い反応を呼び起こし、早くもフィナーレかというような盛り上がりっぷりに、エリックは「Good night!」と挨拶して帰ろうとするボケをかます。そのエリックが歌うように「カナデ〜」と呼び掛けたのを合図にスタートしたのは、故パット・トーピーのシグネチャー・ビートと言うべき “Take Cover” のあのドラム・パターンだ。エリックは声が100%出ているとは言えない状態だったが、そこはMR.VOCALISTのショウでお馴染みのRIAとNORISHIGEのコーラス隊がしっかりバックアップし、さらにサビの「Save my soul」のところはオーディエンスが大合唱で援護。その後は喉が温まったのか、エリックも力強い歌声を響かせるようになり、ショウはつつがなく、また終始和やかな雰囲気の中で進んでいった。この終演後にラジオ番組用公開インタビューがあり、エリックは様々な仕事でツアーに出ている時以外はヴォーカル・レッスンを受けていたことを明かしたが、長時間のリハーサルが仇となって喉を潰してしまった2024年の反省から、常にベストな状態で歌を聴かせたいという強い思いが彼を初心に立ち返らせたのだろう。

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◆ERIC MARTIN
MR.BIG「HEY MAN」を日本人女性ミュージシャンのバンドと共に完全再現!
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※今月の『そこでだ、若旦那!』も立川談四楼師匠の病欠により、“落語評論家:広瀬和生”が代打で執筆! ウイリアム・ヘイムス氏の撮影裏話『Man Of Two Lands』、元BURRN!編集部員の奥野高久氏がHM/HRの歴史について綴る『WAKE UP AND SMELL THE RECORD』といった新コラムも好評連載中! 増田勇一氏のコラム『MUSIC LIFE』、喜国雅彦氏の『ROCKOMANGA!』、オーディオ専門店『ザ・ステレオ屋』店長・黒江昌之氏の『THE STEREO XXCKING』、梶原崇画伯の部屋、書評(古屋美登里氏)・映画評(岩沢房代氏)やアーティスト(ARCH ENEMY/SPIRITUAL BEGGARS他のマイケル・アモット、元CATHEDRAL/『Rise Above Records』主宰のリー・ドリアン、BE THE WOLF/FROZEN CROWN他のフェデリコ・モンデッリ)によるコラムなど、読みものコーナー充実!!

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A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年7月3日発売

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