【BURRN! 7月号ちょい読み】

ARCH ENEMY──急転直下で実現した来日公演で証明した “新生AE” の真価

BY TAKA OKUNO

新生ARCH ENEMYの来日公演が急遽決まったのは1月下旬のことであり、招聘元のクリエイティブマンがかねてより押さえていた東京と大阪の会場、一部メンバーの就労ヴィザの取得、来日直前の中国ツアーとの兼ね合い等々、全条件が奇跡的に整った末に実現した今回の日本ツアーだった。

カリフォルニア出身のローレン・ハート〈vo〉が昨年末にバンドに加わった経緯についてはこの巻頭特集掲載のローレン本人とのインタビュー及び本誌4月号掲載のマイケル・アモット〈g〉とのインタビューを参照していただくとして、ローレン及び2025年発表の最新作「BLOOD DYNASTY」の制作前に加わったコネティカット出身のジョーイ・コンセプシオン〈g〉を擁する編成としては勿論、今回が初めての来日だった。因みにローレンにはKAMELOTのアディショナル・シンガーとして(2018年)、ジョーイには元ARCH ENEMYのクリストファー・アモット〈g〉率いるARMAGEDDONの一員として(2015年の『LOUD PARK』出演時)、それぞれ以前に来日経験があった。

当初、本欄では4月17日に行なわれたEX THEATER ROPPONGI公演のリポートをお届けする予定だったが、同日公演ではマイケルの機材の故障によりセット序盤数曲のギター・ソロ・パートで音が全く出ないというトラブルがあった。そのため、ここではその初日公演の様子を幾らか踏まえながら、東京2日目、豊洲PIT公演の模様をメインに書いていきたい。

東京初日、開演前にはDEEP PURPLE、DOKKEN、RATT、OZZY OS­BOURNE等の楽曲がBGMとして流れ、2日目の開演前にはRAIN­BOW、BON JOVI、TWISTED SISTER、METALLICA等の初期楽曲が流されていた。そしてLOUDNESSの “Crazy Nights” が大音量で流れるといよいよ開演の合図となり、盛大な手拍子と合唱が場内から沸き起こった。その “Crazy Nights” が途中でカットアウト、続いて流されたのは2011年発表の通算8作目のオリジナル・アルバム「KHAOS LEGIONS」のイントロSE “Khaos Overture” だった。幕開け曲は勿論、「KHAOS LEGIONS」からの “Yesterday Is Dead And Gone” であり、マイケル、ジョーイ、シャーリー・ダンジェロ〈b〉、ダニエル・アーランドソン〈ds〉によるユニゾンでの絨毯爆撃の如きイントロの後、ローレンがストライドの大きい駆け足で颯爽と登場、のっけから拳を頭上に突き上げながら観衆を煽ってみせる。前任者であるアリッサ=ホワイト・グラズと同じくARCH ENEMYの2001年発表の4thアルバム「WAGES OF SIN」をきっかけにこのスタイルのヘヴィ・メタルに開眼させられたと言うだけあり、歌唱の面でも動きの面でも、同作でARCH ENEMYに加入したアンジェラ・ゴソウをお手本にしているところが大きいようだ。日々のジム通いの賜物とも言える上腕二頭筋等々、ストイックなまでに鍛え抜かれた体躯もアンジェラのそれを彷彿とさせるものがある。既述のとおり東京初日公演ではマイケルのソロ・パートの音が聞こえず、マイケル本人はステージとアンプ裏とを何度も往復していたが、2日目は何の問題もなくクリアなツイン・リード・ギターを響き渡らせた。

そのマイケルのギター・パートナーであるジョーイはかつてSkypeを通じてクリストファー・アモットのギター・レッスンを受け、その末にクリストファーのバンドであるARMAGEDDONに加入したという経歴の持ち主だが、過去の楽曲についてはやはり彼にとってのギターの先生に当たるクリストファーの残したものをきっちりと踏襲している。この幕開け曲のタイトルを意訳すると「昨日は死に、過ぎ去った」というものになるが、新生ARCH ENEMYとしては過去の軌跡を否定するものではないにせよ、その視線の先に見据えているものは、その歌詞が示すとおり予測不能ながら洋々たる前途を自身にもたらす未来である──そうした決意表明を示す選曲だったことは確かである。

続きはBURRN! 2026年7月号で!

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年7月号

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆ARCH ENEMY
ニュー・シンガーと共に4月緊急来日、東京で迎えた世界ツアーの千穐楽をリポート! ローレン・ハートとマイケル・アモットとの個別インタビューで占う彼らの“新時代”

<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
◆EVANESCENCE

華麗なるモンスター・バンド、約5年ぶりの新作「SANCTUARY」リリース!
◆CRASHDÏET
北欧スリーズ・メタル・シーンを牽引するバンドが貫く“混沌の美学”とは…!?
◆VOÏVOD
カナダのプログレ/スラッシュ・メタル・バンドがオーケストラ共演ライヴ作発表!
◆Unlucky Morpheus
前作「Gate of Heaven」と対を成す新作「Gate of Hell」の裏側を紫煉が語る!
◆THE FIREBALL MONKEYS
HELLOWEENのマーカス・グロスコフ<b>がロックン・ロール・バンドを結成!
◆GAEREA
新作「LOSS」を引っ提げて7月に初来日を果たすポルトガルの覆面バンドに迫る!
◆PETER CRISS
昨年12月に6thソロを発表した元KISSのピーター・クリス、独占会見10ページ!
◆ANGERS
日本ならではのヘヴィ・ロック作を完成させた東京のゴシック・メタル・バンドを直撃!

<SPECIAL EDITION:特別企画>
◆METALLICA「RELOAD」リマスター新装盤リリース記念企画

「RELOAD」でMETALLICAが見せた変貌とその意義を増田勇一氏が再検証!
◆特別連載『TALES FROM THE FRONTLINE』
英国人記者ハワード・ジョンソンの回顧録:PANTERA
◆特別連載『All Aboard!:Memories of Ozzy Osbourne』
シャリー・フォグリオ記者によるオジー・オズボーン追想コラム第7回!

<SPECIAL LIVE REPORT IN JAPAN:ライヴ・リポート>
◆HELLOWEEN

40周年ツアーで来日したPUMPKINS UNITED、圧巻のショウを徹底リポート!
◆THE BLACK CROWES
2夜連続公演で見せたライヴ・バンドの真髄…3年半ぶりの極上R&Rパーティー!
◆DIR EN GREY
「MORTAL DOWNER」リリース直後に開幕したツアーで5人が証明したもの
◆HOT MILK
英国の男女混成エモ・パワー・ポップ・バンド、9ヵ月ぶりの単独来日が実現!
◆Zilqy
注目の “ブライテスト・ホープ” が今後の躍進を予感させたツアー・ファイナル!
◆MAYHEM
北欧ブラック・メタルの象徴的存在による約3年ぶりの来日公演をリポート!

<METAL FOCUS:メタル・フォーカス>
◆Mardelas
『Bounty Hunt Tour 2026』ファイナルを迎えたメンバー達のコメントを紹介!

<ポスター>
◆THE BLACK CROWES

※今月の『そこでだ、若旦那!』も立川談四楼師匠の病欠により、“落語評論家:広瀬和生”が代打で執筆! ウイリアム・ヘイムス氏の撮影裏話『Man Of Two Lands』、元BURRN!編集部員の奥野高久氏がHM/HRの歴史について綴る『WAKE UP AND SMELL THE RECORD』といった新コラムも好評連載中! 増田勇一氏のコラム『MUSIC LIFE』、喜国雅彦氏の『ROCKOMANGA!』、オーディオ専門店『ザ・ステレオ屋』店長・黒江昌之氏の『THE STEREO XXCKING』、梶原崇画伯の部屋、書評(古屋美登里氏)・映画評(岩沢房代氏)やアーティスト(ARCH ENEMY/SPIRITUAL BEGGARS他のマイケル・アモット、元CATHEDRAL/『Rise Above Records』主宰のリー・ドリアン、BE THE WOLF/FROZEN CROWN他のフェデリコ・モンデッリ)によるコラムなど、読みものコーナー充実!!

ニュースやアルバム・レビューほか情報も満載です!

BURRN! 2026年7月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年6月5日発売

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