【BURRN! 10月号ちょい読み】

ACCEPT──結成50周年、ヘルシンキ公演で見せた最強のパフォーマンス

BY TIMO ISOAHO

フィンランドのヘヴィ・メタル・フェスティヴァル・シーンに比較的新しく加わった存在であり、シンプルに『HELLSINKI METAL FESTIVAL』と題されたこのフェスティヴァルは、既に同国のヘヴィ・ミュージック・ファンに忘れられない瞬間を充分すぎるほど提供してきた。EMPEROR、BLIND GUARDIAN、KREATOR、MESHUGGAH、KING DIAMOND、マイケル・シェンカーといった面々をステージに迎えてきたのだ。いずれもヘヴィ・メタル、そしてエクストリーム・メタル界の頂点に君臨する本物の巨人達である。この夏もその基準が下がることは決してなかった。OPETH、BLACK LABEL SOCIETY、TRIPTYKON、THE KOVENANT、CARCASS、PARADISE LOSTなどが存在感を示した。そして勿論、そこには伝説的な存在であるACCEPTもいた。

このドイツの──現在ではドイツ人とアメリカ人による──ヘヴィ・メタルの殿堂的存在は、5つのディケイドを祝う50周年記念ツアーの一環として『HELLSINKI METAL FESTIVAL』の金曜夜のヘッドライナーを務めた。改めて考えてみれば、これは実に驚くべきことだ。ヘヴィ・メタルであろうとなかろうと、世界中で一体何組のバンドが素晴らしき50年という節目に到達し、しかも国際的なトップ・レヴェル(少なくとも、それに限りなく近いレヴェル)で活動を続けているだろうか? 殆ど、殆どいない。

そう、ACCEPTは極めて稀な種族に属している。そして当然ながら、この節目を盛大に祝っているが、実のところACCEPTは、自分達の過去を祝うことにとりつかれてきたようなバンドではない。永遠とも思えるほど長きにわたってバンドを率いてきたウルフ・ホフマン<g>は、常にその先に目を向けてきた。彼にとっては、ACCEPTの曲名にもあるように “the best is yet to come(最高の時はまだこれから)” なのだ。

ショウの直前になると、期待は刻一刻と高まっていった。『HELLSINKI METAL FESTIVAL』のメイン・ステージ前に集まった1万人近い観客は、90分間のセットの開始が近づくにつれ、明らかに興奮の渦に包まれていた。確かに、ある意味では、これはACCEPTの果てしなく続くかに見えるツアー史における “もう1つのライヴ” にすぎなかった。しかし、この夜は何かが違っていた。何かがあった。もっと大きな何かが。普段より遥かに大きな何かが。

それは、その前に出演したバンドの “並び” からも感じられた。これまた伝説的なザック・ワイルドと彼のバンド、BLACK LABEL SOCIETYが見事な形でウォームアップ役を務めたのだ。BLACK LABEL SOCIETYが同じ日にブッキングされたことが偶然だったのかどうかはともかく、実に相応しい組み合わせに感じられた。オジー・オズボーンの隣で長年にわたって6弦の武器をふるい、PANTERAでもプレイしてきた人物がACCEPTのために観客を温めたのだ。ヘヴィ・メタル界の中枢で何十年も生き抜いてきたACCEPTが正しいことをしてきたのだと実感させる、もう1つの証拠だ。

ACCEPTのステージ・セットがゆっくりとその全貌を現わしていくと、感銘を受けずにはいられなかった。今回はステージ設営の様子を隠すカーテンがなかった。テクニシャン達は総てを観客の目の前で行ない、何もない黒いステージを徐々に壮大なヘヴィ・メタルのモニュメントへと変貌させていった。ステージ後方中央の高い位置にはクリストファー・ウィリアムズの威圧感のあるドラム・キットが設置され、その両脇には巨大なマーシャル・スタックがそびえ立っていた。ドラム・ライザーの下にはライトが点滅する巨大なACCEPTのロゴが置かれ、ステージの背後全体には巨大なバックドロップがあった。それを見れば、誰もが “今何が祝われているか” を思い出すだろう。そう、ヘヴィ・メタルに多大な影響を与えてきた5つのディケイドが祝われているのだ。(実際にはACCEPTはそれよりさらに長い歴史を持っている。バンドが正式にACCEPTとなったのは1971年だ。ただ、ウルフ・ホフマンがギターを担当する安定したラインナップが形を成し始めたのは1976年だった。だからこそ、今彼らはこの特別な節目を祝っているのだ)

続きはBURRN! 2026年10月号で!

TEUTONIC TITANS 1976-2026
〈NEW ALBUM〉
ACCEPT
「TEUTONIC TITANS 1976-2026」

マーキー・インコーポレイティド/アヴァロン
2026年9月4日発売
Disc 1
1. Fast As A Shark (feat. Phil Anselmo, Kirk Hammett, Billy Sheehan, Mikkey Dee, Harmonie Musik Hindelang)
2. Balls To The Wall (feat. Rob Halford, Matthias Jabs, Rex Brown, Jason Bowld)
3. Aiming High (feat. Chuck Billy, Gary Holt, David Ellefson, Christopher Williams)
4. Run If You Can (feat. Todd La Torre, Ola Englund, Chuck Garric, Roy Mayorga)
5. Hellhammer (feat. Jason McMaster, Zeuss, Phil Shouse, Christopher Williams)
6. Metal Heart     (feat. Dino Jelusick, Joel Hoekstra, Ava Rebekah Rahman, Jason Bowld)
7. Losers And Winners (feat. Hansi Kursch, Paul Gilbert, Chuck Garric, Tommy Aldridge)
8. Save Us (feat. Tobias Forge, Frank Bello, Ray Luzier)
9. Up To The Limit (feat. John Bush, Alex Skolnick, Rudy Sarzo, Shannon Larkin)
10. Wrong Is Right (feat. Ralf Scheepers, John Norum, Ken Mary)
Disc 2
1. Starlight (feat. Ralf Scheepers, John Norum, Ken Mary)
2. Fight It Back (feat. Mark Lopes, Bumblefoot, Billy Sheehan, Shawn Drover)
3. Love Child (feat. Billy Corgan, David Ellefson, Tommy Aldridge)
4. Breaker (feat. Girish Pradhan, Glen Drover, Shawn Drover, Chuck Garric)
5. Demons Night (feat. Bobby Blitz, Andy Sneap, David Ellefson, Ray Luzier)
6. T.V. War (feat. Joe Lynn Turner, Fredrik Akesson, Rudy Sarzo, Ken Mary)
7. London Leatherboys (feat. Sebastian Bach, Rex Brown, Shawn Drover)
8. Monsterman (feat. Jeff Scott Soto, Jeff Loomis, Rudy Sarzo, Michael Cartellone)
9. Restless And Wild (feat. Chris Jericho, K. K. Downing, Billy Sheehan, Ray Luzier)

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年10月号
 

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆Zilqy
4人の個性が合体したモダン・メタル・バンドが初のフル・アルバムをリリース!
世界への飛翔を前にした彼女達の現在を解き明かす個別インタビュー4本立て!!

<EXCLUSIVE LIVE REPORT:海外ライヴ・リポート>
◆BON JOVI
ジョン・ボン・ジョヴィの復活宣言――NY9回公演の千秋楽を伊藤政則氏がリポート!

◆RUSH
カナダのプログレッシヴ・ロックの伝説が新ドラマーを迎えて11年ぶりにツアー再開!

◆ACCEPT
結成50周年を迎えたドイツの鋼鉄神が提供する、今なお最強のライヴをリポート!
未来を見据えて過去を振り返るウルフ・ホフマンのインタビューPART 1も必読!!


<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
◆FROZEN CROWN
イタリアのパワー・メタル・バンドが通算6作目を完成、“6人の王の伝説”が今始まる!

◆浜田麻里
自らプロデュースした「INCLINATION IV」の全貌を語る独占インタビュー第2弾!

◆HIBRIA
結成30周年を迎え、新体制で新作「ON THE SHORTNESS OF LIFE」発表!

◆VELVETEEN QUEEN
期待の若手ロックン・ロール・バンドが2ndを引っ提げて次なるステージへ!

◆GRAVE TO THE HOPE
元SERPENTの2人が立ち上げたデス・メタル・プロジェクト、5年半ぶりのEP発表!

◆NEKOMESHI (222)
ハードコアでコマーシャルで、モダンでオールドスクールなメタル・バンド、2ndリリース!


<SPECIAL EDITION:特別企画>
◆LOOKING BACK 1986
今から40年前、様々な分岐点が交差していた1986年のシーンを増田勇一氏が再考!

◆“映画館でメタルに浸る”のススメ
『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ~俺たちのベイエリア・スラッシュ物語~』『デス・バイ・メタル~デス・メタルを作った男~』――鋼鉄ドキュメンタリー2本同時公開記念企画!

◆特別連載『TALES FROM THKISS E FRONTLINE』
英国人記者ハワード・ジョンソンの回顧録:RUSH

◆特別連載『All Aboard!:Memories of Ozzy Osbourne』
シャリー・フォグリオ記者によるオジー・オズボーン追想コラム第10回!

<SPECIAL LIVE REPORT IN JAPAN:ライヴ・リポート>
◆DIR EN GREY
最新作「MORTAL DOWNER」の世界観が体現された二夜公演をリポート!

◆『SEX冠2026』
SEX MACHINGUNS×THE冠、日本のメタルを背負って立つ2組の激突ツアー!


<POSTER:ポスター>
◆YNGWIE MALMSTEEN


※今月の『そこでだ、若旦那!』も立川談四楼師匠の病欠により、“落語評論家:広瀬和生”が代打で執筆! ウイリアム・ヘイムス氏の撮影裏話『Man Of Two Lands』、元BURRN!編集部員の奥野高久氏がHM/HRの歴史について綴る『WAKE UP AND SMELL THE RECORD』といった新コラムも好評連載中! 増田勇一氏のコラム『MUSIC LIFE』、喜国雅彦氏の『ROCKOMANGA!』、オーディオ専門店『ザ・ステレオ屋』店長・黒江昌之氏の『THE STEREO XXCKING』、梶原崇画伯の部屋、書評(古屋美登里氏)・映画評(岩沢房代氏)やアーティスト(ARCH ENEMY/SPIRITUAL BEGGARS他のマイケル・アモット、元CATHEDRAL/『Rise Above Records』主宰のリー・ドリアン、BE THE WOLF/FROZEN CROWN他のフェデリコ・モンデッリ)によるコラムなど、読みものコーナー充実!!
ニュースやアルバム・レビューほか情報も満載です!


BURRN! 2026年10月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年9月4日発売

この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

詳説 ジャーマン・メタル

詳説 ジャーマン・メタル

1,980円
ハロウィン大全

ハロウィン大全

3,300円
BURRN!叢書 30 総括:80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック

BURRN!叢書 30 総括:80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック

2,200円
80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

2,750円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ