【BURRN! 7月号ちょい読み】
HELLOWEEN──“PUMPKINS UNITED” が満場の観客に披露した圧巻のパフォーマンス
BY KYOSUKE TSUCHIYA
HELLOWEENが2025年10月から『40TH YEARS ANNIVERSARY TOUR』を行なうことを発表したのが一昨年の11月。ヨーロッパを皮切りに始まったツアーは、今春の北米を経て、ついに日本にもやってきた。この “40周年” とされる節目の起点になるのは、EP「HELLOWEEN」や初のフル作品「WALLS OF JERICHO」がリリースされた1985年ということになるのだろう。
当時はまだ日本盤は発売されておらず、マニアが輸入盤取扱店で買い求めるスピード・メタル・バンドだったが、RUNNING WILDやRAGE等と共に西ドイツで台頭しつつあった若手の一群の中で、特別な存在感を放っていたのも事実だった。そこにマイケル・キスク〈vo〉が加入して、歴史が大きく変わっていったのは周知のとおりである。
とはいえ、その活動は必ずしも順風満帆ではなかった。確かにメロディック・パワー・メタルの始祖として世界的な支持を得ていくようにはなったものの、幾度もの別れと出会いも経験してきている。ラインナップの変更というある種の逆境が発奮材料になることもあるが、アンディ・デリス〈vo〉がフロントに立つようになってからHELLOWEENを知ったファンが圧倒的に多いのは、キャリアの長さではなく、彼らが以降も最前線で活躍し続けたからに他ならない。そして今の7人編成が始まった“PUMPKINS UNITED”から、HELLOWEENは再び新章へと突入した。
だからこそ、そんなドラマティックな40年の歩みを総括するプログラムを予感させるだけでなく、ツアー・タイトルに冠されてはいないながら、新作「GIANTS & MONSTERS」を携えて再びロードに出たのだろう。現在進行形のバンドであることを当たり前のように証明するためだ。
ジャパン・ツアーの最終日となった会場は、8,000人ほどのキャパシティを持つ東京ガーデンシアター。ライヴ作品としてもまとめられた2023年の日本武道館公演の盛況ぶりを考えれば驚くようなものではないが、最上段まで埋め尽くされた客席を見渡すと、我が国における彼らの強固なファンベースが改めてよくわかる。東京厚生年金会館で観た1987年の初来日公演初日の記憶もいまだにあるからこそ、長年のファンの1人としては感慨深くも映る光景だ。
開演予定時刻を5分ほど過ぎた頃、待ちきれなくなった観客が「♪Happy, Happy, HELLOWEEN」と歌い始めると、場内は自然と手拍子に包まれていく。しばらくして聞こえてきたのは、ロビー・ウィリアムズの “Let Me Entertain You”。ライヴが間もなく開始される合図だ。ステージに降ろされている紗幕には、バンドロゴと “PUMPKINS UNITED” の文字が描かれている。誰もがライヴ・モードにシフト・チェンジしていく中、オープニングSEが流れ、後方のスクリーンに歴代のアルバム・ジャケットが映写されていく。そこに姿を現わすメンバーたちは大歓声で迎えられるが、1曲目の “March Of Time” が始まると、オーディエンスはさらに沸いた。もちろん、サビは大合唱だ。花道に歩みを進めたキスクとアンディはその熱狂を手を広げて受け止めている。疾走感を加速させていくダニ・ルブレ〈ds〉のドラミングも心地よい。当初は覚えたツイン・ヴォーカルで歌われる違和感も今はなく、むしろこれがあるべき形のように思えてくるから面白い。
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◆HELLOWEEN
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BURRN! 2026年7月号
A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年6月5日発売
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