【BURRN! 2月号ちょい読み】
HELLOWEEN──欧州ツアーの最後を飾るドイツ公演を特別リポート
最新アルバムを引っ提げて行なった40周年欧州ツアー・ファイナルでの
肩肘張らず気負いのないパフォーマンスに表れた7人編成の “進化形”
BY CHIZZY KAKIZAWA
2025年11月22日、ヨーロッパには寒波が押し寄せていた。HELLOWEENの『40 YEARS ANNIVERSARY TOUR』欧州レッグ最終公演地ドイツのシュトゥットガルトも、数日前から気温が氷点下に達し雪もちらついていた。思えば、筆者が2017年12月に『PUMPKINS UNITED WORLD TOUR』を観るためにスペインのマドリッドに行った時も、同じような寒波に見舞われたのだった。あれはマイケル・キスク<vo>とカイ・ハンセン<g,vo>のバンド復帰により、全世界のメタルヘッズの夢が叶った感動的なツアーだった。翌2018年には日本にもやって来て全7公演を行ない、ファンを歓喜させてくれた。
その後も彼らは7人で活動を続け、「HELLOWEEN」というタイトルのアルバムを制作し、パンデミックを乗り越えて『UNITED FORCES 2022-2023』でツアーを再開した。世界の名だたる会場で演奏し、フェスティヴァルでヘッドライナーを務め、最後に2023年9月の日本ツアーで悲願の日本武道館公演を見事ソールドアウトにした。
そんなHELLOWEENが今年8月、新たにアルバム「GIANTS & MONSTERS」をリリースし、10月から再びツアーに出た。2017年以来、7人編成になった彼らにファンは大いに喜び、感動し、興奮しているわけだが、果たして今回のツアーでは彼らにこれまで以上のライヴを期待できるのだろうか? 公演前にはそんなことを考えていた。
会場である『Hanns Martin Schleyer Halle』は、シュトゥットガルト市の中心部から北東に少し外れた『ベンツ博物館』の近くに位置している。HELLOWEENは2022年9月にも同会場で演奏していた。そのせいもあってか、今回は公演の発表から程なくして1万2,000人のチケットがソールドアウトとなった。公演日の昼から市の中心部でオープンしていたポップアップストアも覗いてみたが、近くにいたファン同士の会話から、この日のコンサートのチケットを手に入れられなかったファンもマーチャンダイズを買うためにここに訪れているようだ。
夕方になって公演会場に移動して中に入るとすでにアリーナも客席もメタルヘッズが続々と入ってきていた。親子で観に来ている家族も多く、客層は子どもから年配層まで幅広かった。筆者の住むイギリスではメタルヘッズの高齢化が進んでおりメタル人口も減少しているので、アリーナクラスの大きな会場がメタラー、それも多くの若きメタラーで埋め尽くされている光景を目にするのは新鮮だ。スペシャル・ゲストのBEAST IN BLACKのライヴ中もすでに会場はオーディエンスでいっぱいだった。
午後8時半を少し回り、いよいよその時が訪れた。ステージに掛かったHELLOWEENのロゴ入りの黒い幕に真っ赤なライトが当たり、ロビー・ウィリアムスの “Let Me Entertain You” が流れる。曲名に託された「これから楽しませるよ」という宣言にオーディエンスは期待に胸が膨らむ。そして黒い幕に赤いレーザービームが何本も当たり、火花と共に幕が落とされると会場全体が割れんばかりの歓声に包まれた。舞台奥の壁にレーザービームが当たり、片目ずつパンプキンの目がくり抜かれていく。そしてゆっくりとその目が崩れて「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」のアルバム・カヴァーの中に見えた荒野の谷の風景が広がり、歩を進めるごとにHELLOWEENのアルバムが1枚、また1枚とリリース順に落ちてきて地面に刺さっていく。その度に会場からは大きな歓声が上がり、最新アルバムが地面に刺さる頃にはメンバーの黒いシルエットがステージに現われていた。
そして地面からHELLOWEENのロゴが浮かび上がった瞬間演奏が始まった! ダニ・ルブレ<ds>のドラムセットの左に立つマーカス・グロスコフ<b>とサシャ・ゲルストナー<g>、右に立つカイ・ハンセンとマイケル“ヴァイキー”ヴァイカート<g>。“March Of Time” の歌い出しに合わせてステージ上手からアンディ・デリス<vo>、下手からマイケル・キスクが登場し、ステージ中央で向き合ってハモリながら歌う姿に鳥肌が立った。最初から劇的すぎる。コーラスでは会場全体が大合唱。サシャはオリジナル・ギターに黒サングラスと全身黒の宇宙的ルックス、ヴァイキーは黒いブラウスに黒いラメ入りベストと全身黒コーデに白ギター、マーカスも黒いシャツとジャケット、黒ジーンズに黒いパンプキン・ベース、カイも黒いジャケットの中に黒シャツ、そして黒いパンツにいつもの赤いギター。ダニは鍛えた体の線が出るラメ入りの黒トップ。ヴォーカル2人も黒いパンツにレザージャケットを着用。全員落ち着いた雰囲気で登場した。
曲が終わるとバックのLED画面に「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」のアルバム・ジャケットでお馴染みのマントを被った顔の見えないThe Keeperが現われ、静かに語り始めた。
「ようこそ、親愛なるパンプキンヘッズ。忘れ得ぬ深い苦難の歴史を通して、この40年という長きに亘りあなた達は私達と共にいてくれました。多くの戦いに挑む中で敗れることもあり友も失いましたが、また再び立ち上がり探究は続きます。さあ、旅を始めましょう」
続きはBURRN! 2025年2月号で!
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「GIANTS & MONSTERS」
2025年8月27日発売
2. Savior Of The World
3. A Little Is A Little Too Much
4. We Can Be Gods
5. Into The Sun
6. This Is Tokyo
7. Universe (Gravity For Hearts)
9. Under The Moonlight
10. Majestic
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THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE
BURRN! 2026年2月号
●BURRN!特製アーティスト・ロゴ・ステッカー付!
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●海外ライヴ・リポート:HELLOWEEN/SABATON
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●ライター陣が選ぶ2025年度マイ・ベスト/2026年の展望
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BURRN! 2026年2月号
A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年1月7日発売
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