HALESTORM:最新作「EVEREST」をジョー・ホッティンジャーが語る

前作「BACK FROM THE DEAD」から3年と少々を経て登場したHALESTORMの第6作、「EVEREST」は、2年後には結成30周年を迎えることになるこのバンド本来の、ずっしりとした重さとアリーナ・ロック然としたスケール感を併せ持った傑作だ。ただ、世界最高峰の山の名前をそのまま掲げた直球型のタイトルからは、さらなる高みを目指そうという気概が感じられるものの、同名の楽曲の中では「エヴェレストに登る/生きるか死ぬかであるのは承知の上/私のサヴァイヴァルは自殺行為」といった歌詞が繰り返されていて、この曲に限らずリジー・ヘイルの苦悩が伝わってくるような表現があちこちにちりばめられていたりもする。実際、彼女がここ数年、精神的な意味での闘いを強いられていたとの話もある。

 本誌では今作が生まれた背景を彼女自身の口から話してもらうべく、前々からインタビューのオファーを続けてきたが、バンドはアルバム発売前からツアーに次ぐツアーを重ねており、しかもツアー中のリジーの取材対応は不可とのことで、最終的には9月に入ってから話を聞くことになり、取材対象もリジーではなくギタリストのジョー・ホッティンジャーとなった。ZOOMの画面を介して向き合ったジョーは自宅に居るようで、SLAYERのTシャツを着ている。そして会話を進めていくうちに、彼こそがこの作品について語る最適任者なのだと気付かされることになった


──ちょうどツアーとツアーの合間の時期ですよね。最近のセットリストをチェックしてみると完全に「EVEREST」の曲達を軸とするものになっていますが、新曲に対する反応はどうですか?

ジョー・ホッティンジャー(以下J):
とてもいいと思う。自分達自身がエキサイトできていれば、ファンもエキサイトしているはずだというのが持論なんだけど、俺達はこのアルバムからの曲達を演奏することで興奮をおぼえている。実際、今回はアリーナやアンフィシアターでビッグなコードを思いきり鳴らした時に、いい感じで響き渡るような曲作りを意識していたんだ。ちまちまと速弾きするような感じじゃなくてね。そしてツアー自体はとても上手くいっている。来週からはヘッドライナー・ツアーになるから曲をさらに加えるつもりでいるし、ますます素晴らしい演奏プログラムになっていくはずだよ。

──そういえば今作の発売前にあたる7月5日、バーミンガムでの『BACK TO THE BEGIN­N­ING』に出演した際も、短い持ち時間で3曲のみの演奏だったにもかかわらず、最新作から“Rain Your Blood On Me”を披露していましたよね。あのような機会に、観客にとって馴染みのない曲をやるのは度胸の要ることでしょうし、それくらい「EVEREST」が自信作ということなのだろうと感じさせられました。そして実際、僕自身も今作はHALESTORMが何たるかをこれまで以上に伝えてくれる作品だと感じています。

J:
こうして世に出てしまった今、アルバムはもはや俺達のものじゃない。世界のものなんだ。でも、この出来栄えをすごく誇りに思っているよ。めちゃくちゃ満足している。今どき、俺達がやっているようなことをやっているバンドはさほど多くない。大半のことはコンピュータで行なわれていて、どんなアルバムでも同じドラム・サウンド、同じデジタル・ギター・サウンドが使われている。だけど俺達は今作を、モダンでありつつもユニークなものにしたかったんだ。クリックを使っていない曲もあるし、実際のレコーディングでは俺達が全員で一緒にライヴ演奏するだけだった。それが一番いいと思えたから、その方針を貫いたんだ。


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EVEREST(CD)
1. Fallen Star
2. Everest
3. Shiver
4. Like A Woman Can
5. Rain Your Blood On Me
6. Darkness Always Wins
7. Gather The Lambs
8. WATCH OUT!
9. Broken Doll
10. K-I-L-L-I-N-G
11. I Gave You Everything
12. How Will You Remember Me?
13. Jolene*
14. Hello*
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〇〇〇〇〇〇〇〇〇●

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<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
HALESTORM
過去最高地点へと歩みを進める3年ぶりの新作「EVEREST」リリース!

TESTAMENT
ベイエリア・スラッシュのヴェテランが13作目のオリジナル・アルバム発表!

AMORPHIS
フィンランドのメランコリック・メタルの最高峰、2ヵ月連続露出のパート2!

PARADISE LOST
英国ゴシック・メタルの元祖が悲哀と絶望の中に一筋の光が見える新作を完成!

LIV MOON
AKANE LIV率いるシンフォニック・メタル・バンドが7thフルをリリース!

GUS G.
歴代2番目に長くオジー・オズボーンのギタリストを務めたガス・Gが語る思い出!

DAVID ELLEFSON
オジー逝去の翌日、“最終公演”に参加したデイヴィッド・エレフソンを緊急直撃!

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VENOM結成メンバーのマンタスと日本ブラック・メタル界の精鋭が集結!

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群馬を拠点とするメロディアスなハード・ロック・バンドが3rdアルバム発表!

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『Remembering Ronnie James Dio : Brother, Father, Teacher, Friend.』
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A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2025年10月3日発売

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