トニー・マーティンが「DEHUMANIZER」(1992年)の制作期間中も「まだBLACK SABBATHに関わっていた」と語る!

1月14日に16年振りとなるソロ・アルバム「THORNS」をリリースするトニー・マーティンが、最近受けた『Almost Human』のインタビューで、BLACK SABBATHが1991年に彼を解雇してロニー・ジェイムズ・ディオ<vo>と共に「DEHUMANIZER」を作り始めた後も、トニー・アイオミ<g>からの要請でデモ作りに参加していたというエピソードを披露した。

「彼らは『DEHUMANIZER』のセッション開始前に俺を解雇したんだ。思いもよらなかったよ。実は、新しいアルバムのリハーサルに行くために家を出ようとしたときに電話が鳴ったんだ。それはマネージャーからで、『座って話を聞いた方がいい』と言うから、『いいよ、何だよ?』と答えたら、『彼らはもう君を必要としていない』だって。俺は『何だって!? 冗談だろ!? 』と言ったよ。あまりにショックで、何と言っていいのか、どうすればいいのか判らなかった。でも、数週間後にはバンドに戻ったんだ。いや、4週間、5週間、6週間くらい経っていたかもしれない。トニー・アイオミから電話があって、『ディオとの作業があまり上手くいってないんだ』と言われた。俺が『へえ、そうなんだ?』と言うと、彼が『ああ。バンドに戻れないか?』と訊いてきたから、「いや、無理だよ。もうソロ活動を始めてるし、前進してるから」と言ったんだ。彼は『オーケー、判った』と言っていたけど、それから数ヵ月して、また電話がきてね。「本当にバンドに戻れないか? マジで上手くいってないんだ』と言われて、レコーディング中のスタジオに誘われたから、行ってみたんだ。それで、メロディとかを作ろうとしたんだけど、もう時間がなくてね。俺が「もしこれをやるなら全部書き直さなきゃいけない。家に持ち帰って、じっくり取り組まないと」と言うと、彼らは「そんな時間はない」って。だから俺は言ったんだ、『だったら君達でやってもらうしかない。たぶん一番いいのはディオと作業を続けることだろう。その後でまた話をしよう』とね。というわけで、ディオ時代にも俺は関わっていたし、トニーとはまだ話をしていたんだ。実際、彼らがディオと一緒に地元でやったライヴにも行ったよ。ディオ本人は俺がいるのを見て全然喜んでなかったけどね。だって、明らかにトニー・アイオミが俺を招待したんだから。もちろん、ディオがバックステージに戻って来ると、まだ俺がそこにいるわけだ。彼は全然嬉しそうじゃなかったね。だから、『DEHUMANIZER』時代もずっと俺はバンドと繋がっていたんだ。常にじゃなくて、断続的にだったけどね」

さらに、「DEHUMANIZER」のために実際に何かしらレコーディングはしたのか?との問いに対して、トニーは次のように答えた。
「ああ、トライはしてみたよ。でも、その前に彼らがディオと一緒にやっていた以上のものにはならなかった。やるんだったらトニー・マーティンの音にする必要があるし、もし俺じゃないような音にしたいのなら、俺に頼む意味はない。その時点で俺は「他人のものをただコピーし続けるのは絶対に嫌だ」と感じていたよ。試しにデモを何曲か作ってはみたけど、その時に録音したものは99%の確率で何も残っていないと思う。カセットテープに録音したものをいくつか持ってるけど、本当にひどいクオリティで、ただのカセットだよ。それを見ると当時のことを思い出すけどね」

ファンであれば、トニー・マーティンが「DEHUMANIZER」の曲を歌ったらどうなるのか聴いてみたいところだが、果たして今後その音源が(ブートレッグでも)出回ることがあるのだろうか…?

BLACK SABBATH
「DEHUMANIZER」(2CD Expanded Deluxe Edition)

1992年

<収録曲>
DISC 1

01. Computer God
02. After All (The Dead)
03. TV Crimes
04. Letters From Earth
05. Master Of Insanity
06. Time Machine
07. Sins Of The Father
08. Too Late
09. I
10. Buried Alive

DISC 2
01. Master Of Insanity (single edit)
02. Letters From Earth (B-side version)
03. Time Machine (Wayne‘s World version)
ーLive At The Sundome, Tampa Bay, Florida, 25.07.1992ー
04. Children Of The Sea
05. Die Young
06. TV Crimes
07. Master Of Insanity
08. After All(The Dead)
09. Neon Knights
 
TONY MARTIN
「THORNS」

2022年1月14日発売

<収録曲>
01. As The World Burns
02. Black Widow Angel
03. Book Of Shadows
04. Crying Wolf
05. Damned By You
06. No Shame At All
07. No Where To Fly
08. Passion Killer
09. Run Like The Devil
10. This Is Your Damnation
11. Thorns
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