【フォトリポート】世界最大のメタル・クルーズ『70000 TONS OF METAL 2020』2日目

世界最大のメタル・クルーズである『70000 TONS OF METAL 2020』の2日目のフォトリポート。
 

Report by 別府 “Veppy” 伸朗

TROLLFEST

この日トップ、朝10時の屋外プールデッキステージでのショウだったがかなりのファンを集め、楽しませていた。毒気の強いキャラクターとフォークを基調にグラインドや童謡までザックリと混ぜ合わせた音楽性はインパクト抜群。何より会場を遊園地化させたパフォーマンスは最高の一言。途中から軽くチェックのつもりで見ていたが、これはもう一度観ないとと思わせるファンなステージだった。

CANDLEMASS

すっかりと陽が落ちて雰囲気タップリの中で登場。スモークとライトが幻想的な空間を作り上げ、そこにゆっくり染み込んでいく錯覚を起こさせるエピック・ドゥーム・メタルはリチュアリスティックでもあった。ラストは来日公演と同じく“Solitude”で、多くのファンがCANDLEMASSと一体となり歌っていた。

TOXIK

この日は「WORLD CIRCUS」セットを組んできたTOXIK。ハイトーンを活かしたパワーメタル寄りのテクニカル・スラッシュ・メタルだが、テクニカルな面よりもメタル色を強めていると感じた。ステージを飛び跳ね、狂乱のパフォーマンスをするロン〈vo〉もかなりのインパクトを与えていた。来場者は決して多くなかったが盛り上がりは熱狂的で、激しく大きなモッシュピットが当然の様に渦を巻いていた。

VENOM

クロノス〈b,vo〉在籍ということでこちらが本家となっているVENOM。ライブの前評判は芳しくなかったが、この日のセットは初期の楽曲中心ということで多くのファンを集めていた。やはりあの楽曲をクロノスの声で聴くことが出来るのは大きく、会場をヒートアップ。クラウドサーファーが何人もステージに向かっていった。

MICHAEL SCHENKER FEST

グラハム・ボネットは恐らく最初から不参加、ロビン・マッコーリーは敗血症になってしまった為にゲイリー・バーデンとドゥギー・ホワイトの2人がヴォーカル参加の今回のMICHAEL SCHENKER FEST。マイケル・シェンカー65歳の誕生日ということで期待していたのだが、プレイの切れは残念ながらイマイチ。ただ、非常にリラックスして本人は楽しんでいる雰囲気は伝わっときたのでそういた面では楽しめたライブだった。

途中でエフェクターの調子が悪く何度かスタッフにアピールしても改善されなかったのでステージを降りてしまうかもとこちらが勝手にヒヤリとした場面もあったが、マイケル本人は終始笑顔で激怒している様子もなかった。

少し厳しいことを書いたが“In To The Arena”でのパフォーマンスは神の異名は伊達ではないと思わせる素晴らしいものだった。

INCANTATION

午前4時過ぎのステージに登場で、モニターで開演直前の様子を見ていたら数人しかフロアにいなくて大丈夫かと思ったが最終的にはかなりのファンを集めていた。のたうち回るリズムに腐臭漂う激渋なデス・メタルは長年シーンで活躍してベテランの誇りを感じさせた。朝方の微睡も混ぜ合わさり脳味噌の奥まで痺れてしまった。
STRIKER
この日のラスト、もうすぐ夜が明ける午前5時のプールデッキステージに登場は期待のSTRIKER。攻撃的でハモりの美しいツイン・ギターを絡めながら正統派パワー・メタルは最高にカッコいい。ダイハードなファンがヘッドバンギングに興じ、とても朝方のステージとは思えない盛り上がり。LAメタルに通じるキャッチーさも時折顔を出すのが何ともニクイ。メンバーはステージ狭しと駆け、フロアの盛り上がり以上のアツいパフォーマンスでファンに応えていた。サプライズなゲストヴォーカル登場もファンを楽しませていた。日本のファンにも受けるグッドバンドだと思うので是非チェックしてみて欲しい。
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