【BURRN! 12月号ちょい読み】

LOVEBITES──『OUTSTANDING TOUR』ジャパン・レグ最終の東京公演をリポート

BY TACK MAEDA/BURRN!

 3月29日の初の日本武道館公演をソールド・アウトの大成功に終えたLOVE­BITES。その時点で最新作「OUTSTANDING POWER」はリリースされていたが、ただ、武道館公演はそれに伴うツアーの初日という位置づけではなかった。あれは結成10年目の集大成と言うべきものだった。事実最新作から演奏されたのは “The Castaway” と “Eternally” の2曲だけだった。

最新作のリリース・ツアー、その名も『OUTSTANDING TOUR』はそれから約4ヵ月後にEU/UKから始まった。初日は7月22日のオーストリアはウィーン公演だった。同月29日にはかのドイツの『WACKEN OPEN AIR』に8年ぶりに出演。メイン・ステージの1つである『FASTER STAGE』での堂々たるパフォーマンスは日本でもストリーミングで生中継されたので、それを観て頼もしく思った人は多いだろう。 

EU/UKツアーは8月3日にロンドンで終了した。そして、同月29日に待ちに待った日本ツアーが始まった。初日の福岡から最終日の東京まで全部で10公演行なわれたが、総てソールド・アウトである。今のLOVEBITESの勢いからすれば当然だ。 

日本ツアーにLOVEBITESは24曲を携えて出かけた。演奏曲数はどの公演も16曲。うち最新作からは8曲で、6曲は固定、“Dream Of King” と “Out Of Control” は日によって入れ替えられた。旧曲は16曲で、全公演で演奏されたのは “Holy War” と “We The United” の2曲だけだ。セットリストは5パターンで、福岡、名古屋、札幌が同じ、大阪、仙台が同じ、金沢と東京2日目が同じ、新潟と東京初日が同じで、広島だけ他とは違っていた。(広島でしかやらなかった曲があるわけではなく、曲の組み合わせの違いでそうなった) 東京2Daysに足を運べば全曲聴くことが出来た。それでも、24曲聴いても、「あれも聴きたかった、これも聴きたかった」と思ってしまった。しかしそれはLOVEBITESが10年の間に数多くの優れた曲を世に送り出してきたからこそであり、喜ぶべきことである。 

会場に入ると、いつもどおり様々なHMナンバーがBGMとして流れていたが、何となく聴いているうちに、いずれも“海”や“航海”に関連していることに気付いた。流れていたのはRUNNING WILDの “Riding The Storm”、MASTODONの “Seabeast”、AS I LAY DYINGの “An Ocean Between Us”、WHITESNAKEの“Sailing Ships”、IRON MAIDENの “Rime Of The Ancient Mariner” などだ。荒海を行く帆船が描かれた「OUTSTANDING POWER」のジャケットや、バンドがその甲板で演奏するイメージの “The Castaway” のMVに因んでのことであり、毎度のことながら陣営のこだわりに感心させられた。IRON MAIDENの “Rime Of The Ancient Mariner” は悲劇的な航海を描いた叙事詩を元に書かれた曲だが、LOVEBITESの航海は希望に満ち溢れているな……と思ったところで曲が終わり、毎度お馴染みJUDAS PRIESTヴァージョンの “Diamonds And Rust” が流れ、場内が暗転して “The Castaway” が始まる。オープニングは全公演共通だ。武道館ではイントロのツイン・ギター・パートも生演奏だったが、今回はアルバム音源の同期で、フェイド・インしてくる。Miyako<g,key>の頭にもあったMETALLICAの「...AND JUSTICE FOR ALL」のオープニング曲“Blackened”がライヴで始まる時と同じゾクゾク感が身体を走った。

 “The Castaway”の生演奏が始まると同時に幕が落ちてステージが全貌を現わす。帆船の甲板のイメージで、Harunaのドラムは操舵室を思わせるセットの上にある。その両側には階段があり、昇り降り出来るようになっている。(ただ、2日通して観ていて、MiyakoとMidoriのギター・チームがそこに上がることはなかったと記憶している) 上方には何本かロープがぶら下がっている。かなり大きなセットで、これが使用できたのは東京2Days、福岡、名古屋、大阪、札幌、仙台だった。

最新作からの曲は、いずれもライヴで演奏を重ねてきたことによってそれぞれの個性や魅力がよりはっきりとしてきたという印象を受けた。“The Castaway” は武道館公演の時よりもバンドの一体感と疾走感が増していた。そしてギター・ソロの前のFami<b>の滑らかなスラップが、闘いや嵐を前にして静かに大海原を行く帆船と完全にリンクした。挑発的な “Un­chained”、勇壮極まりない初期の名曲 “Bravehearted” でブチ上げた後、『OUT­STANDING TOUR』を東京初日で初めて観た僕にとっては初めてライヴで聴く最新作からの曲が演奏されていく。

まずは “Silence The Void” と “Blazing Halo”。ジェットスモークの噴出と共にスタートした前者はスラッシュ・メタル特有のリフのキレの良さとリズムの小気味良さが素晴らしく、Asami<vo>が制作の時に苦労したという早口のAメロも完璧にリズムにオンしていた。クレイジーなMidoriのソロから同じ路線ながら若干優雅さもあるMiyakoのソロへと進み、最後にMETALLICAの “Fight Fire With Fire” のそれを思わせるツイン・リードに至る展開もたまらなくカッコ良かった。後者はFamiのスラップを基盤にした躍動感が物凄い。本当は音源でもここまでやりたかったのではないか?と思った。後のMCでAsamiは「LOVEBITESの曲はライヴで完成する」という旨のことを言ったが、これはその特に顕著な例だった。作曲者のFamiの狙いどおり、ギター・コンビとベースのソロ・バトルも見せ場になっていた。

続きはBURRN! 2026年12月号で!

バンド・スコア LOVEBITES ザ・ベスト 新装版

種類:曲集
B5判/252頁
定価5,500円(本体5,000円+税)
2026年8月29日発売
発売元:シンコーミュージック・エンタテイメント
制作:ヤング・ギター編集部

 

[収録曲(頁数)]
01. Shadowmaker (27頁)
02. Don’t Bite The Dust (26頁)
03. Break The Wall (24頁)
04. We The United (28頁)
05. Thunder Vengeance (25頁)
06. When Destinies Align (31頁)
07. A Frozen Serenade (40頁)
08. Glory To The World (33頁)
+ 美麗カラー・グラビアも掲載!!

※本書は2021年発売の『バンド・スコア LOVEBITES ザ・ベスト』を価格改定したもので、譜面や写真は同一の内容を掲載しています。

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年12月号
 

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆TONY IOMMI
昨年の『BACK TO THE BEGINNING』でBLACK SABBATHの歴史に幕を下ろしたトニー・アイオミが、盟友オジー・オズボーンを喪った悲しみを乗り越えてソロ・アルバムをリリース。旧知の英国人ジャーナリストに心境を語った貴重な独占インタビューを一挙掲載。

◆JUDAS PRIEST
“メタル・ゴッド”がそのキャリアを総括するオールタイム・ベスト選曲で臨んだ『FAITHKEEPERS EUROPEAN TOUR』のファイナルとなったロンドン公演の模様を徹底リポート。

◆EUROPE
9年ぶりにニュー・アルバムをリリースしたEUROPE。その充実した内容、そして2027年早々に行なわれる歴史的名作「THE FINAL COUNTDDOWN」の40周年記念ツアーについてジョーイ・テンペスト<vo>が大いに語る。

◆CARCASS
“リヴァプールの残虐王” が約2年半ぶりに来日。ライヴ・リポートと併せてビル・スティア—<g,vo>の独占インタビューも掲載。

◆LOVEBITES
最新作「OUTSTANDING POWER」を引っ提げて7月にEU/UKから始まった『OUTSTANDING TOUR』のジャパン・レグのエンディングを飾った東京・Zepp Hanedaでの2daysの模様をリポート。


BURRN! 2026年12月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年12月5日発売

この記事についてのコメントコメントを投稿

この記事へのコメントはまだありません

YOUNG GUITAR 2026年3月号

YOUNG GUITAR 2026年3月号

1,540円
BURRN! 2026年3月号

BURRN! 2026年3月号

1,200円
ディスク・コレクション ヘヴィ・メタル

ディスク・コレクション ヘヴィ・メタル

2,420円
ヘドバン・スピンオフ 新生LOVEBITES! BABYMETAL封印解除! 復活の狼煙を上げるニッポンのメタル特集号

ヘドバン・スピンオフ 新生LOVEBITES! BABYMETAL封印解除! 復活の狼煙を上げるニッポンのメタル特集号

1,540円
80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

80年代ヘヴィ・メタル/ハード・ロック ディスク・ガイド

2,750円

RELATED POSTS

関連記事

LATEST POSTS

最新記事

ページトップ