【BURRN! 10月号ちょい読み】
FROZEN CROWN──フェデリコ・モンデッリ<g,vo>が語る最新作「THE LEGEND OF THE SIX KINGS」
BY YUMIKO HABA/BURRN!
イタリアのメロディック・パワー・メタル・バンドFROZEN CROWNの新作が遂に完成した。首謀者フェデリコ・モンデッリ<g,vo>の連載コラムでも随時報告されていたとおり、昨年9月に来日公演を行なった最強ラインナップの6人による “新章開幕” を告げる1枚である。6月末の “The One” を皮切りに、7月末に “Reborn”、8月末に “Who Wants To Burn In Heaven” と公開されたビデオでも判るとおり、サウンドもヴィジュアルもさらにグレード・アップして、今後の飛躍に大いに期待を抱かせる会心作となっている。
10年前の2016年6月、フェデリコがBE THE WOLFで来日したのが総ての始まりだった。翌2017年2月にも来日が叶い、そこで受けた歓迎への感謝を形にしようとソロを作り始めたのを発端にして、のちに公私ともにパートナーとなる歌姫ジャーダ “ジェイド” エトロを見つけたことで誕生したバンドFROZEN CROWNは、2018年に1st「THE FA-LLEN KING」をリリース。2019年の2nd「CROWNED IN FROST」を引っ提げて同年4月にこのバンドでの初来日を果たすも、メンバー・チェンジが勃発してしまう。
2021年の3rd「WINTERBANE」、2023年の4th「CALL OF THE NORTH」とリリースを重ねて2023年6月に二度目の来日公演を行なった直後にアレッシア・ランゾーネ<g>を迎え、ギター3本の6人組となって2024年に5th「WAR HEARTS」をリリースしたが、2025年4〜5月のヘッドライナーとして初の欧州ツアーを終えると同時に最終(であることを願いたい)ラインナップ変更があり、アレクサンドラ・ライオネス<g>が加わった。実は、フランチェスコ “イッキ” ゾフ<b>とニーゾ・トマシーニ<ds>が加わった2020年の段階で彼女にも加入を打診していたそうで、当時セルビアで大学に通っていたこともあって彼女は首を縦に振らなかったが、多少の回り道はあっても今このラインナップが完成したのは定められた運命だったのかもしれない。そう思わずにはいられないほど、昨年9月の日本ツアーで目にした現布陣のFROZEN CROWNは完璧だった。充実した現在の勢いを詰め込んだ「THE LEGEND OF THE SIX KINGS」について語ってもらおうとフェデリコを掴まえたのは、8月某日、KAMELOTとの全米ツアーを前に多忙を極めていた時のことである。
──昨年9月の日本ツアーの後、すぐにニュー・アルバムの制作に取り掛かったのですか? 日本に来る前から曲作りを始めていたのでしょうか?
フェデリコ・モンデッリ(以下F):その両方だね。携帯電話にアイディアをメモすることは常にやっている。前作「WAR HEARTS」を作っていた時からあったアイディアで、あのアルバムには入らなかったものもあるし。だから、幾つかの素材は既に存在していたけど、まさに日本から帰ってすぐに書いた曲も沢山ある。あの日本ツアーはバンドとしての大きな挑戦だった。あの後は幾つかのフェスティヴァルに出るぐらいで、しばらくビッグなライヴをやる予定もなかったから、日本ツアーをやり遂げることに集中していたんだ。
──新作についてはここ数ヵ月の連載コラムでも 少しずつ情報を明かしてくれていましたが、『ロード・オブ・ザ・リング』からの影響を受けた曲が何曲かあるということでしたね。そのインスピレーションはどこから来たものですか?
F:実は、それについては正直なところ、100%僕が得たインスピレーションではなくて、ジェイドからのアイディアだったんじゃないかな。僕はむしろロバート・E・ハワードの『英雄コナン』シリーズのファンだったりするから。勿論『ロード・オブ・ザ・リング』も好きだけど、それを影響源にして音楽を作ろうと考えたことはないんだ。でも、一緒に曲作りをしているから、彼女のアイディアから発展していくものもある。それに、アルバム・ジャケットやビデオも総て曲と繋がっているから、今回はその『ロード・オブ・ザ・リング』のアプローチを採り入れるのが面白いんじゃないかということになったんだ。一番大きかったのはどういうビデオを作るかというアイディアで、そこからジャケットのアイディアも決まっていった。皮肉なことに、僕が “The One” という曲を書いたのは、ジャケットに『ロード・オブ・ザ・リング』のナズグル、“倒された王達(fallen kings)” としてバンド・メンバーを描くということが決まった後のことだった。
──6月末、最初に公開されたビデオはその “The One” でした。これを選んだ理由は?
F:ジェイドのヴォーカルが凄くアグレッシヴで力強くて、いいと思ったから。曲自体も速くて激しくて、オーケストレーションやヴォイス・レイヤーがたっぷり重ねられていてね。とても壮大で、FROZEN CR-OWNというバンドのポテンシャルを最大限に表現していると思えた。他のシングル曲について考えると、例えば(2ndシングルの)“Reborn” なんかも凄くストレートでメロディックで好きな曲だけど、オーケストレーションが控えめだから、最初に出すには “The One” みたいにヴォーカルもオーケストレーションも壮大で総てが詰まった1曲がいいかなと思ったんだ。
──『ロード・オブ・ザ・リング』の中では、“The One” と言えば “一つの指輪” ですが、FROZEN CROWNの物語においては、その “The One” は王冠(crown)を指しているのでしょうか?
F:それは、とても洞察力のあるコメントだね。凄く気に入ったよ。うん、確かに、君の言うとおりで間違ってはいない。ビデオに王冠を登場させようというアイディアはそこから来ているわけだから。ここには指輪は登場しない。皆が王冠を追い求めていて、総ては戴冠によって終わる。だから、そう、君の言うことは正しいよ。もう1つだけ言っておくと、僕達は何かを引用するのが好きなんだ。自分達が何に影響されたのかをちゃんと表明したい。勿論、露骨過ぎない程度にね。映画そのままのエルフやホビットみたいなキャラクターを引っ張ってくるのは違うと思うんだ。僕達ならではというパーソナルなものにしたい。それで、ナズグルや『ロード・オブ・ザ・リング』のテーマも僕達なりの解釈を施した。というわけで、“一つの指輪” の代わりに王冠を使うことにしたんだ。
──今回は曲作りでもアレンジでも、ニーゾの貢献度が随分と増したようですね。
F:彼が加入した2020年からずっと一緒に作業してきたけれど、当初は彼も凄く若かった。それから何年も経つうちに、彼はどんどん集中力を高め、コンピュータでの作業にも慣れてきた。最初の頃は、「僕はとにかくドラムをプレイしたい、ロックン・ロールがしたいんだ!」って感じで、スタジオでの作業はあまりやりたがらなかったんだ。コンピュータが好きじゃなかったんだよ。『ジャングル・ブック』のモーグリ(オオカミに育てられた少年)みたいな感じでね。(笑) 何でもアナログなやり方でやるのが好きで、リアルにプレイするのが好きだった。でも、そのうちに気づいたんだ。アコースティック・ギターを弾きながら曲を書くというのもとてもアナログなやり方だぞ、って。それで、彼もそうやって曲作りに参加するようになっていった。僕はとても嬉しかったよ。ずっと夢見ていたんだから。バンドのメンバー1人ひとりが、自分はこのバンドの一員なんだと感じてくれるというのが僕の夢だった。彼はもう6年もこのバンドにいるんだから、こういう形でバンドに参加してくれるのは本当に価値のあることだ。数年前までは、このバンドの核は僕とジェイドの2人だと言っていたけど、今は、僕とジェイド、そしてニーゾがバンドの核だと言っていい。
──では、改めてアルバム収録曲を1曲ずつ紹介していただけますか? 1曲目の “Lightning In The Sky” から……これは仮タイトルが “Battles In The Night 2” だったんですよね?
F:それ、君にもう話したっけ?
──あなたのコラムに書いてありました。
F:あ、そうか。何が起こったかというと、“Battles In The Night”(2019年の2nd「CROWNED IN FROST」収録)のビデオは不運な時期に発表されたということ。せっかくビデオを作ったのに、それを発表する頃にはメンバー・チェンジが起こっていて、一刻も早く次のアルバムからの曲で新しいビデオを作らなきゃいけなくなり、あの曲の重要性が薄れてしまった。でも、“Battles In The Night”はファンに愛されていた曲でもあるから、その曲にちゃんと敬意を表したかったんだ。
同時に、アルバムの幕開けは自分のお気に入りのアルバムと同じような形にしたいとも考えた。これもコラムに書いたかもしれないけど、君は僕がいかにイングヴェイ・マルムスティーンを好きか知ってるよね? 彼の「THE SEVENTH SIGN」(1994年作)の “Never Die” は僕にとって理想的なアルバムの始め方だった。それで……“Lightning In The Sky” と “Never Die”、韻も踏んでるだろ?(笑) 冒頭に凄まじく速いギター・リックがあって、マイク・ヴェセーラが高音でタイトル部分を歌う。それと同じことをジェイドにやってもらいたかった。君は憶えてるかな、実は「WINTERBANE」に入ってる “Far Beyond” でも似たようなことをやったんだけど、あれはイングヴェイの “I'll See The Light Tonight” の出だしでジェフ・スコット・ソートが♪No〜,no!って歌ったのと同じ始まり方にしている。で、今回はああいう始まり方にしたかった。1曲目はドカーン!と派手に幕を開けたかったんだ。この曲はライヴでも是非やりたいと思っているけど、1stシングルにならなかったのは、これよりももっと相応しい曲があったから。でも、この曲にもちゃんと重要な扱いをしてあげたいと思ってるよ。
──クレジットによれば、3つ目のギター・ソロはアレクサンドラがプレイしていますね。
F:ああ。彼女にバック・トラックを渡したんだ。僕のソロの一部も既に録音してあった。幾つかハーモニーのアイディアも用意して、「ここからここまでプレイしてくれていいよ」と言ったら、彼女が自分なりのソロを入れてきて、それが本当に素晴らしかったんだ。全体のリード・ギター・プレイに多様性を加えてくれたと思う。
続きはBURRN! 2026年10月号で!
2. Who Wants To Burn In Heaven
3. Reborn
4. The One
5. Iris (Goo Goo Dolls cover)
6. Winter Hearts
7. River Of Time
8. Through The Fire
9. To The Stars
10. The Legend Of The Six Kings
THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE
BURRN! 2026年10月号
<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
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ジョン・ボン・ジョヴィの復活宣言――NY9回公演の千秋楽を伊藤政則氏がリポート!
◆RUSH
カナダのプログレッシヴ・ロックの伝説が新ドラマーを迎えて11年ぶりにツアー再開!
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結成50周年を迎えたドイツの鋼鉄神が提供する、今なお最強のライヴをリポート!
未来を見据えて過去を振り返るウルフ・ホフマンのインタビューPART 1も必読!!
<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
◆FROZEN CROWN
イタリアのパワー・メタル・バンドが通算6作目を完成、“6人の王の伝説”が今始まる!
◆浜田麻里
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◆HIBRIA
結成30周年を迎え、新体制で新作「ON THE SHORTNESS OF LIFE」発表!
◆VELVETEEN QUEEN
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◆GRAVE TO THE HOPE
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『マーダー・イン・ザ・フロント・ロウ~俺たちのベイエリア・スラッシュ物語~』『デス・バイ・メタル~デス・メタルを作った男~』――鋼鉄ドキュメンタリー2本同時公開記念企画!
◆特別連載『TALES FROM THKISS E FRONTLINE』
英国人記者ハワード・ジョンソンの回顧録:RUSH
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<SPECIAL LIVE REPORT IN JAPAN:ライヴ・リポート>
◆DIR EN GREY
最新作「MORTAL DOWNER」の世界観が体現された二夜公演をリポート!
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BURRN! 2026年10月号
A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年9月4日発売
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