NYハードコア・スピリットの強力先導者SICK OF IT ALLのフロントマン、ルー・コラーが2年あまりのがん闘病生活の末、他界。SICK OF IT ALL結成40周年の年に。享年61

最初期NYハードコア・シーンが盛んに激烈メタルとクロスオーヴァーしながら燃え盛っていた1986年、クイーンズのハイスクールの生徒だったルー&ピートのコラー兄弟が立ち上げたSICK OF IT ALLは、シーンの若頭的な立ち位置で長きにわたってストロング・スタイル・ハードコアの精神を貫き続けた。ルーはバンドの栄枯盛衰が目まぐるしいシーンにあって結成以来一度も休止することなくコンスタントに続けてきたSICK OF IT ALLの活動のみならず、90年代にはNAPALM DEATHのシェーン・エンバリーとのサイド・プロジェクトBLOOD FROM THE SOULでは独自のインダストリアル激烈ハードコアを開拓するなど、彼の活動はハードコア・ベースの激烈音楽の世界展開に重要な役割を果たしてきた。

2024年6月に食道腫瘍の診断を受けたルーに対しては世界中のサポーターから治療費の寄付が集まり一度は完治の発表までこぎつけたが、2025年になって再発と悪化が報じられ、残念ながら今回のSICK OF IT ALLからの哀しい公式発表となった(2026年7月24日)。

SICK OF IT ALL公式インスタグラム

「世界中のハードコア・ファミリーの皆さまに私たちの兄弟であるルー・コラーの逝去を、多大な悲しみとともにご報告いたします。今、私たちが感じている喪失感は計り知れません。今年SICK OF IT ALLは結成40周年を迎えるはずでした。長年にわたりルーの仲間意識、献身、情熱は常に揺るぎないものでした。私たちは愛すべき友人にして象徴的なフロントマンを失ってしまいました。ルーはその笑顔と皮肉交じりの一言で、ライヴ会場の皆の気分を盛り上げる力を持っており、私たちが演奏した場所ならどこであれ、あらゆる文化や世界の隅々から集まった人々を魅了していました。
深い悲しみに包まれる今、ルーの医療費支援のために寄付をしてくださった皆様からの多大な助けと支援に改めて感謝の意を表します。皆さまのおかげでルーはこの2年間、闘病生活を送るなかで、自分がとても特別で深く愛されていると感じることができました。彼の闘いはいま終わり、ついに安らぎを得ることができました。いまもどこかで、自分がこの世に残した美しく前向きな足跡を見守り、感じ続けてくれていれば、と願っています」

ルーのがん発覚の直前、2024年1月に行なわれた来日公演最終日の模様はこちら。

強靱で反骨精神あふれるNYハードコア新世代勃興を世界に知らしめ激烈メタル界のオルタナティヴ意識拡大にも少なからず刺激を与えたデビュー・アルバム「BLOOD, SWEAT AND NO TEARS」(89年)からのMV“Injustice System”はこちら。

言動もルックスも屈強なUS古典的ハードコア・パンクスのイメージそのもののルーだったが、子どものころのお気に入りはBLACK SABBATH、MOTORHEAD、そしてJUDAS PRIESTだったとか。SICK OF IT ALLを率い暴れん坊のキッズを熱く煽り続けて40年。お疲れさまでした。ありがとう。安らかに。

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