【BURRN! 1月号ちょい読み】

聖飢魔Ⅱ──40周年記念期間限定再集結を振り返る

魔暦27(西暦2025)年、聖飢魔IIは地球デビュー40周年を記念して再集結、4月から大黒ミサツアー『THE END OF SEASON ONE』を開始した。今回の期間限定再集結において特筆すべきは現構成員のみによる新譜大教典「Season II」が発布されたことだ。総てが書き下ろしの新曲によるこの大教典は紛うことなき “傑作” であり、聖飢魔IIの歴史の中でも屈指の名盤だと断言したい。このタイミングでこれほど素晴らしい大教典を発布した聖飢魔Ⅱはやはり偉大だ。 8月に発売されたBURRN!JAPAN Vol.25ではデーモン閣下<vo>との単独会見を行なったが、今回は閣下と共にジェイル大橋代官<g>、ルーク篁参謀<g>にも同席していただき、改めて40周年記念期間限定再集結を振り返ってもらった。

──BURRN!JAPAN Vol.25ではデーモン閣下から「Season Ⅱ」についての詳しいお話をうかがいました。CD大教典「Season II」においては全14曲のうちジェイル代官とルーク参謀それぞれ5曲を作曲しています。それぞれの立場から「Sea­son II」について語っていただけますか?

ジェイル大橋代官:
現構成員で新譜大教典を作るという話が持ち上がったのは、前回の『期間限定再延長再集結 35++』が魔暦25(2023)年2月に終わってわりとすぐのことで、そこから今回の40周年に繋がっている。言い換えると、大教典を作ろうということから40周年が始まったようなところがあって、そういう意味では沢山の時間を掛けて曲を作ることが出来た。構成員それぞれ、曲を作る難しさみたいなところでのスタンスの違いはあったけれども、長い時間を掛けることが出来たおかげで、とてもいい形にまとまったんじゃないかと思

最初に“大教典を作る”っていう話が議題に上がった段階で、今回は1曲や2曲書いただけじゃきっと駄目なんだろうな、というのは感じていて、5〜6曲は作ろうというのを目標にしていた。今回は最初からある程度、テーマというか、リフがガンガン行くアグレッシヴな音楽をやっていこうというリクエストが制作側からあって、実は “Kiss U Dead Or Alive” が一番最初におぼろげながらイメージが見えてきた曲だった。今回ゼロから書き下ろしたのは “Kiss U Dead Or Alive” と “Galaxy Of Black Hole” の2曲。そこから始まってる。それ以外の3曲は、自分のストックの中に溜めていたアイディアの中でピンと来たものをアップデートして完成させた。

──今回の収録曲の中で “Is Everything In Re­verse?” は非常に感動的で、前大教典「BLO­OD­IEST」での “永遠の詩 -A Song Of The De­cea­sed-” に通じるものを感じたのですが、このアイディアもストックにあったのですね?

J代官:
そう。これは、ポートランドに住んでいた時、2017〜2018年頃に出来た曲で、サビやカウンター・メロディとか凄く気に入ってたんだけど、自分がギターを弾きながら歌うというパフォーマンスが出来る曲ではなかったので、適切なアウトプットを探していた曲だった。寝かしていたというか、一番いいタイミングで出してあげたいと思ってた曲で、今回の大教典全体の青写真が出てきた時に、ピンと来たんだ。「ここで出すのが一番いいんじゃないか」って。

──書き下ろしの “Galaxy Of Black Hole”、これはもう本当にジェイル代官らしい、カッコいいロックン・ロールですが、これに関してはどんなところからインスピレーションが?

J代官:
これはライデン湯澤殿下<ds>と大教典の話をしていて、「シンプルなエイトビートでキックを1、3で打つような曲ってどう?」って言って、ライデンはそういうのが好きなので、その線で…と。ビートから出来上がった曲だね。最初から頭の中でライデンのドラムが鳴ってた。この曲はバリトン・ギターを使ってるんだけど、聖飢魔Ⅱの曲って自分の中でのイメージとして音域的にわりと重心が低めで、「そうだ、今回バリトン・ギターを使ってみようかな」と。このリズムとバリトンを合わせたらどうなるのかなと思って、ジャムりながら出来上がった曲。

──バリトン・ギター、カッコいいですよね。

J代官:
うん、面白いなと思って。

デーモン閣下:この曲は、全体の骨格はわりと早く最終形と同じようなものが出てきたのだが、歌メロは凄く時間が掛かった。

J代官:そうだね、どうにでも捉えられたというか、「メロディ、これです」って決め打ちするのは勿体ないなっていう気がして。もちろん最終的には決めるんだけど、どんどん変わっていって然るべきだと思ったし、ハーモニーとか入れるとまたいじりたくなるしね。わりと7割、8割くらいのところで留めておいて、あとは最終的に決め込まなきゃいけない時に何が思い浮かぶのかっていう、その余地を残しておきたかった。

D閣下:この曲では、仮ヴォーカルを何度も録り直した。“仮” と言っても、最近は結構真剣に「このメロディにはどんな言葉が合うだろうか」と考えながらやっているのだが、メロディが変わる度に「また考え直さなきゃいけない」ということになって…例えば画家が油絵を描く時に、いったんバーッと描いてみたものを「うーん、違うな」と言って、その上に別の色を塗り直す、みたいな。そんな作業だったな。

J代官:最初に仮歌を入れてもらった時に「もっと良くなりそうなんだよな」っていう発想になっちゃって、同じ仮の歌詞とフレージングで…ちょっとメロディを上げたのか、下げたのか…主旋律じゃないようなところにメイン・ヴォーカルのメロディを持っていったら面白いかなと思って、上塗りをしていったと思う。

D閣下:それはとても有効な作業だったと思う。時間を掛けただけのことはあった。


続きはBURRN! 2025年1月号で!

────────────────

Season II
1. Kiss U Dead Or Alive (Type γ)
2. Cub The A.I.
3. 老害ロック
4. Next Is The Best!
5. 地獄のMaking Love
6. Oblivion
7. Season II Has Come!
8. Previous Episodes -これまでの物語-
9. 2085
10. I See You!
11. Queen Rouge
12. Galaxy Of Black Hole
13. Is Everything In Reverse? (Type β)
14. Season IIのテーマ (Instrumental)

────────────────

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年1月号

<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆聖飢魔II
期間限定再集結大黒ミサツアーのファイナルを迎え、ツアー続行を宣言! 大教典「Season Ⅱ」制作秘話と充実の40周年を語る最新独占会見!! 


<EXCLUSIVE LIVE REPORT:海外ライヴ・リポート>
◆BRUCE DICKINSON
「THE MANDRAKE PROJECT」で二度廻った北米ツアーの最終公演!


<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
◆SCORPIONS
最新ライヴ作品を発表したバンドのリーダーが結成からの60年を語る!

◆ERIC MARTIN
ソロ来日目前! MR.BIGの “フィナーレ” 以降味わった悲喜こもごもとは!?

◆SLASH
自ら企画した昨年夏のブルーズ・フェス・ツアーよりライヴ作品をリリース!

◆MAMMOTH
ウルフギャング・ヴァン・ヘイレンが全パートをこなして3作目を発表!

◆ALTER BRIDGE
2号連続インタビュー後編:マーク・トレモンティが新作制作の裏側を語る!

◆Unlucky Morpheus
シーン最高峰の女性シンガーFukiを擁するバンドが待望の新作をリリース!

◆OMNIUM GATHERUM
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドが通算10作目を完成!

◆山本恭司
「VOW WOW Ⅲ」40周年を祝福する1月のライヴを前に現在の胸中を激白

◆Mardelas
2枚組ベスト「Brand New Best 2025」制作の真意を核の2人に直撃!

◆SEX MACHINEGUNS
過去最強の状態にあるマシンガンズのリアルな“今”に迫るインタビュー!

◆人間椅子
第24作「まほろば」の制作背景を、人生の節目を迎えつつある3人が語り尽くす!

◆FATE GEAR
始動10周年を迎えたガールズ・スチームパンク・メタル楽団、初のベスト盤!


<SPECIAL EDITION:特別企画>
◆追悼:エース・フレーリー
地獄の軍団KISSのオリジナル・ギタリストの生涯と功績を振り返る緊急企画!

◆新連載『All Aboard!:Memories of Ozzy Osbourne』
シャリー・フォグリオ記者によるオジー・オズボーン追想コラム連載スタート!

◆特別連載『Remembering Ronnie James Dio : Brother, Father, Teacher, Friend』
シャリー・フォグリオ記者が周辺の人々に取材して綴るロニー回想録、第64回!

◆特別連載『TALES FROM THE FRONTLINE』
英国人記者ハワード・ジョンソンの回顧録:STATETROOPER



<SPECIAL LIVE REPORT IN JAPAN:ライヴ・リポート>
◆NIGHT RANGER
アメリカン・ハード・ロックの雄が“最後の来日”で見せたものとは…!?

◆DAMIANO DAVID
MANESKINのヴォーカリストが初ソロ来日! 独占インタビューはファン必読!!

◆THE HELLACOPTERS
約25年ぶりの来日が実現、2時間に及んだ疾風怒濤ライヴをリポート!

◆DYNAZTY
スウェーデンのメロディック・メタル・バンド、約8年ぶりに来日!


<POSTER:ポスター>
◆ACE FREHLEY [R.I.P.]


※ウイリアム・ヘイムス氏の撮影裏話『Man Of Two Lands』、元BURRN!編集部員の奥野高久氏がHM/HRの歴史について綴る『WAKE UP AND SMELL THE RECORD』といった新コラムも好評連載中!増田勇一氏のコラム『MUSIC LIFE』、喜国雅彦氏の『ROCKOMANGA!』、落語家・立川談四楼師匠の『そこでだ、若旦那!』、オーディオ専門店『ザ・ステレオ屋』店長・黒江昌之氏の『THE STEREO XXCKING』、梶原崇画伯の部屋、書評(古屋美登里氏)・映画評(岩沢房代氏)やアーティスト(ARCH ENEMY/SPIRITUAL BEGGARS他のマイケル・アモット、元CATHEDRAL/『Rise Above Records』主宰のリー・ドリアン、BE THE WOLF/FROZEN CROWN他のフェデリコ・モンデッリ)によるコラムなど、読みものコーナー充実!!

ニュースやアルバム・レビューほか情報も満載です!

 

BURRN! 2026年1月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2025年12月5日発売

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