企画の殿堂“Cleopatra Records”がメタル人材を集めた「ヨット・ロック」人気曲のカヴァー・アルバムを制作中。
ティム“リッパー”オーウェンズの歌う“Kiss You All Over”が先行配信開始

旧来のロック/ポップス(クラシック・ロック)のうちアダルト・オリエンテッドなスタイル(日本では“AOR”“ソフト・ロック”と呼びならわされてきた領域)を最近では“ヨット・ロック”と称する。もともとコメディ畑から発生した言葉で「優雅にヨット遊びをするような層が好んで聴くロック」という茶化し半分の表現だったが、世代によって音楽観が大きく分裂している現在、米国の音楽業界ではマーケティング上の都合からかたびたび目にする音楽カテゴリー用語となっている。

この“ヨット・ロック”界隈の人気曲をメタル系ミュージシャンが歌いまくり弾きまくる企画のカヴァー・アルバム制作が米西海岸の意欲的レーベル“Cleopatra Records”によって現在進められており、そこからの第1弾シングルとして、これまでも数多くのトリビュート・アルバム企画に参加してきたティム“リッパー”オーウェンズ(元JUDAS PRIEST、現KK'S PRIEST)とヴィニー・ムーア(元UFO)による“Kiss You All Over”がデジタル・リリースされた。

“Kiss You All Over”は70年代にヒット曲を量産したニッキー・チンとマイク・チャップマンのソングライター・チーム(“チニチャップ”と呼ばれる)作曲の、米国のポップ・グループEXILEの1978年大ヒット曲。

ティム“リッパー”オーウェンズ「EXILE の“Kiss You All Over”をカヴァーするのはちょっとクレイジーだけど、すごく楽しかった。実はいわゆる“ヨット・ロック”の音楽は好きだよ。素晴らしい曲や作曲家がたくさんいるからね。だからその良さを残しつつ、リッパー・スタイルで少しロック風にアレンジしてみた。このオファーをくれた“Cleopatra” に感謝してる」

ヴィニー・ムーア「ティムとこの曲で共演できるのは最高だ。私のミッションはできるだけ重厚なサウンドにすることだったので、大きなギター・トーンを採用した」

一応、米国のEXILEとは、こんな感じのグループ。ご参考まで。

念のため、ここで近年の通常運転、KK'S PRIESTのリッパーのパフォーマンスを見ておきましょう。

“Cleopatra Records”はこのカヴァー・アルバムのコンセプトを“ヨット・メタル”と打ち出して現在制作を進めている(リリース詳細は未定)。

参加アーティストはリッパー、ヴィニー・ムーアの他に、ジョー・リン・ターナー、グラハム・ボネット、シェリー・カーリー(元THE RUNAWAYS)、ボブ・デイズリー、ミック・ボックス(URIAH HEEP)、クリス・ポーランド(元MEGADETH)、マーカス・ナンド(元FREAK OF NATURE)、バンブルフット、BULLETBOYS、TANTRICなどなど。世代も得意分野もさまざまなメタル・ミュージシャンたちが集まってSTARBUCKの“Moonlight Feels Right ”、DOOBIE BROTHERSの“Takin' It To The Streets”、ウォルター・イーガンの“Magnet And Steel”、ルパート・ホルムズの“Escape”といったハッピーなヴァイブに満ちた70年代ヒット・ソングのカヴァーに大マジメに取り組むとのこと。

70年代リアルタイマーのみならず、メロディックでエモーショナルなロック/ポップス好きの方は乞うご期待!

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