THE ALMIGHTY、来日公演ライヴレポート:オリジナル・メンバーでは初の来日公演
※以下、メーカー・インフォメーションより。
オールマイティ来日公演ライヴレポート:オリジナル・メンバーでは初の来日公演
デビューから35周年を経て、オリジナル・メンバー初の来日公演を実施中の英国ロック・バンド、オールマイティ。彼らが1月30日に川崎クラブチッタで行なったライブのオフィシャルレポートと写真が到着した。
また、この来日公演を記念して、オリジナル・アルバムの初期3枚にそれぞれボーナス・ディスクがついた2CDフォーマットで、日本盤としては初めて発売されている。
一旦の解散を経たことで、その音楽はいっそう味わい深いものに
pix ©︎ Yuki Kuroyanagi
2023年にオリジナル・ラインナップでの復活を果たした英国屈指のライヴ・バンド、オールマイティーがファン待望のジャパン・ツアーを実施中だ。1月30日には、前夜の大阪・BIG CATでの公演を経て、彼ら自身と所縁の深い川崎・CLUB CITTA’のステージに立ち、約1時間45分に及ぶ熱演を披露。会場に詰め掛けたさまざまな世代のオーディエンスとの一体感も含め、きわめて熱量の高いライヴとなった。
開演定刻の午後7時を5分ほど過ぎた頃に「まもなく開演です」というアナウンスが流れると、ほぼ同時に手拍子とともに「オール・ファッキン・マイティー!」というコールが発生。場内には実際の演奏がスタートする以前から熱気が渦巻き始めていた。そして、さりげなくステージ上の配置に就いた4人が繰り出す抜群の切れ味を伴った大音量のリフが聴こえてきた瞬間、一気に場内の温度が上がったかのような興奮をおぼえた。
ショウの幕開けを飾ったのは1989年発表のデビュー・アルバム『Blood, Fire&Love』に収められていた “Power” だった。昨年11月に行なわれたUKツアーの際は2ndアルバム『Soul Destruction』(1991年)のオープニング・チューンだった “Crucify” が1曲目に据えられていたが、彼らはその際とは異なった新たなセットリストを組んできたようだ。以降の具体的な演奏曲目/曲順については、本日、1月31日にも同会場での公演が控えているだけに、必要最小限の記述にとどめておきたいと思うが、この夜のトータル演奏曲数は3曲のアンコールを含めて全21曲というボリューム感。そのうち先述の1stアルバムからは3曲、2ndアルバムからは6曲、さらに第3作『Powertrippin’』(1993年)から4曲、第4作『Crank』(1994年)から7曲、そして第5作『Just Add Life』(1996年)から1曲という選曲バランスとなっていた。まさに至れり尽くせりの演奏内容である。
オーディエンスが求める曲を惜しみなく提供するという意味においてはサービス精神旺盛な彼らだが、そのライヴ・パフォーマンスは凝った演出や派手さとは無縁のものだ。ロゴとシンボルマークが描かれたバックドロップとマーシャルの壁を背にしながら、黒い衣服でステージに立つ4人が演奏するのは、シンプルきわまりない直球型ロックンロール。良い意味で、愚直という言葉が似つかわしい。各メンバーの見せ場となるような長いソロ・パートが設けられているわけでもなく、むしろ淡々と曲が繰り出されていく。照明についても色とりどりのカラフルさはなく、ほとんどの曲では赤と白が基調とされていて、哀愁味を帯びた曲で青みがかったライトが用いられているくらいのものだ。
そうした意味においては実のところ変化に乏しいライヴではあるのだが、それでも一瞬たりとも退屈を味わうことがなかったのは、猪突猛進型で一本調子のバンドのようでありながら、彼らなりの緩急というものがあり、往年のような向こう見ずなパワーや若々しいエネルギー/テンション感のみならず、すでに50代後半になっている彼らならではの深み、円熟味といったものが伝わってきたからだろう。
また、興味深かったことのひとつに、フロントマンであるリッキー・ウォリックがかつて解散を経てソロ活動をしていた時代に得てきたものが、オールマイティーの音楽をいっそう味わい深いものにしていた点がある。このバンドの音楽は基本的にはパンク・ロックをルーツとするものだが、爆音で繰り出される装飾要素とは無縁のロックンロールがメタル層からも大いに支持され、モーターヘッドやシン・リジィがそうだったように、どちらの支持層からも愛されてきた。実際、リッキーのパフォーマンスやたたずまいには、レミーやフィル・ライノット、あるいはソーシャル・ディストーションのマイク・ネスといったカリスマたちを思い起こさせるところがある。そして筆者自身が今回のライヴを通じて感じさせられたのは、ことにアコースティックな響きやメランコリックな感触のある楽曲においての、ジョン・メレンキャンプに通ずるような味わいだった。彼にはカントリー・ミュージックをはじめとするアメリカのアーシーな音楽に傾倒していた時期があるが、そうした時代に掘り下げられたものが、そもそものパンク的なルーツと相まって、独特の説得力を生み出しているように感じられたのだ。
そうした新たな発見も伴ったこの夜のライヴにおいて、リッキーが今回の復活劇や日本への帰還についてストーリーテラーのように長々と話すようなことはなかったが、彼の言葉の端々からは、感謝と喜びがストレートに伝わってきた。このバンドの初来日公演が行なわれたのは1993年のことで、その時点ですでにオリジナル・ギタリストのアンディ“ タントラム” マッカーフィーは脱退しており、彼を含むオリジナル・ラインナップでの来日は実は今回が史上初となる。しかもタントラム個人としても、今回が正真正銘の日本初上陸。そんな彼を紹介するリッキーの言葉と表情からは素直な嬉しさが伝わってきたし、どの時期の楽曲をプレイしても途切れることのないオーディエンスからの熱烈な反応に対しても、満足げな笑みを浮かべていた。
最後の最後はステージ中央で肩を組み、深々とお辞儀をして感謝の意を示し、再会を約束したうえでステージから去っていった4人。その後ろ姿を追うように、オーディエンスは手を叩きながら「オール・ファッキン・マイティー!」と声をあげ続けていた。今回の来日公演はきっと、これから彼らと日本のファンが新たな何かを築いていくうえでの起点となるはずだと感じずにはいられなかった。そして、この短いジャパン・ツアーは今夜、CLUB CITTA’で幕を閉じることになる。次の来日の機会を待つ前に、まずはこのライヴを見逃さずにおきたいところである。
※来日公演は1月31日で終了。
【商品情報】
3タイトル2CDが初めて国内盤化
① ブラッド、ファイアー&ラヴ【2CDエディション】
② ソウル・ディストラクション【2CDエディション】
③ パワートリッピン【2CDエディション】
購入はこちら。
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UICY-16268/9
価格:4,400円税込
発売日:2025年1月22日(水)
英文解説翻訳/歌詞対訳 付
SHM-CD仕様
スコットランド出身のハード・ロック・バンド、オールマイティーの1989年発表のファースト・アルバム。2014年リマスター。ボーナス・ディスクにデモ、ライヴ等を17曲収録。
<収録曲>
CD1
01. レザレクション・マザー
02. デストロイド
03. ワイルド&ワンダフル
04. ブラッド、ファイアー&ラヴ
05. ギフト・ホース
06. ユーヴ・ゴーン・ワイルド
07. レイ・ダウン・ザ・ロー
08. パワー
09. フル・フォース・ラヴィング・マシーン
10. デトロイト
11. ニュー・ラヴ・センセイション
CD2
01. デストロイド(デモ、B面曲)
02. レイ・ダウン・ザ・ロー(デモ、B面曲)
03. フル・フォース・ラヴィング・マシーン(デモ、B面曲)
04. デストロイド(ラジオ・ヴァージョン)
05. ラヴ・ミー・トゥ・デス(B面曲)
06. ブラッド、ファイアー&ラヴ(メタル・ヴァージョン)
07. ワイルド&ワンダフル(ライヴ、B面曲)
08. レイ・ダウン・ザ・ロー(ライヴ、B面曲)
09. パワー(キラー・ワット・ミックス)
10. パワー(ライヴ、B面曲)
11. パワー(ダブ・ミックス)
12. サンダーバード(B面曲)
13. グッド・ゴッド・オールマイティー(B面曲)
14. パワー(フライデイ・ロック・ショー・セッション)
15. ワイルド&ワンダフル(フライデイ・ロック・ショー・セッション)
16. デストロイド(フライデイ・ロック・ショー・セッション)
17. サンダーバード(フライデイ・ロック・ショー・セッション)
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UICY-16270/1
価格:4,400円税込
発売日:2025年1月22日(水)
英文解説翻訳/歌詞対訳 付
SHM-CD仕様
1991年発表のセカンド・アルバム。2014年リマスター。ボーナス・ディスクにラジオ・エディット、ライヴ等を10曲収録。
<収録曲>
CD1
01. クルシファイ
02. フリー・アンド・イージー
03. ジョイ・バング・ワン・タイム
04. ラヴ・レリジョン
05. バンデイジド・ニーズ
06. プレイング・トゥ・ザ・レッド・ライト
07. シン・アゲンスト・ザ・ライト
08. リトル・ロスト・サムタイムズ
09. デヴィルズ・トイ
10. ホワット・モア・ドゥ・ユー・ウォント
11. ヘル・トゥ・ペイ
12. ローデッド
CD2
01. フリー・アンド・イージー(7インチ・エディット)
02. ボディーズ
03. ヘル・トゥ・ペイ(アコースティック・ヴァージョン)
04. デヴィルズ・トイ(7インチ・エディット)
05. バッド・テンプテーション
06. ローデッド(ライヴUK 1991)
07. リトル・ロスト・サムタイムズ(ラジオ・エディット)
08. ワイルド・ロード・トゥ・サティスファクション
09. クルシファイ(ライヴUK 1991)
10. デトロイト(ライヴUK 1991)
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UICY-16272/3
価格:4,400円税込
発売日:2025年1月22日(水)
英文解説翻訳/歌詞対訳 付
SHM-CD仕様
1993年発表のサード・アルバム。2021年リマスター。ボーナス・ディスクにラジオ・エディット、ライヴ等を16曲収録。
<収録曲>
CD1
01. アディクション
02. ポゼッション
03. オーヴァー・ジ・エッジ
04. ジーザス・ラヴズ・ユー・バット・アイ・ドント
05. シック・アンド・ワイアード
06. パワートリッピン
07. テイキン・ホールド
08. アウト・オブ・シーズン
09. ライフ・ブラッド
10. インスティンクト
11. ミートフック
12. アイ・トゥ・アイ
CD2
01. テイキン・ホールド(ライヴ)
02. ジーザス・ラヴズ・ユー・バット・アイ・ドント(ライヴ)
03. パワートリッピン(ライヴ)
04. ブラインド(B面曲)
05. ソウル・ディストラクション(デモ)
06. アディクション(ラジオ・エディット)
07. インソムニア(B面曲)
08. ワイルド&ワンダフル(デモ)
09. ファッキン・アップ(B面曲)
10. アウト・オブ・シーズン(デモ・ヴァージョン)
11. ボディーズ(B面曲)
12. フリー・アンド・イージー(デモ・ヴァージョン)
13. ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド(アコースティック・ヴァージョン)
14. ヘル・トゥ・ペイ(アコースティック・ヴァージョン)
15. イン・ア・ラット(B面曲)
16. アウト・オブ・シーズン(ラジオ・エディット)
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