【来日公演レポート】

HELLOWEEN

40 YEARS ANNIVERSARY TOUR
2026年5月9日(土):東京ガーデンシアター

レポート●奥村裕司/Yuzi Okumura
撮影●野田雅之/Masayuki Noda

'16年秋、“Pumpkins United” として新旧メンバーによる大同団結が電撃発表されてから、早いもので間もなく10年が経過しようとしている。当初は期間限定リユニオンとも見なされていた7人編成HELLOWEENだが、'21年作『HELLOWEEN』に続いて、'25年には『GIANTS & MONSTERS』を発表し、誰も予想出来なかった順調な活動が続く中、'26年5月、“United” としては3度目となるジャパン・ツアーが実現した!

バンド・ラインナップは、マイケル・キスク〈vo〉、アンディ・デリス〈vo〉、カイ・ハンセン〈g, vo〉、マイケル “ヴァイキー” ヴァイカート〈g〉、サシャ・ゲルストナー〈g〉、マーカス・グロスコフ〈b〉、ダニ・ルブレ〈ds〉と、'17年のツアー開始からずっと変わらず。トリプル・ヴォーカルにトリプル・ギターという大所帯ながら、今では、それまでの活動の積み重ねはこの現編成のためにあったのではないか…とさえ思えるぐらい、とても上手く、見事に機能し続けている。

今回は大阪と東京で3公演が行なわれ、デビューから40年余に及ぶバンド史上でも、過去イチ見せ場や仕掛けだらけの文字通りスペクタクル・ショウを展開。ここでは、追加公演だった東京ガーデンシアターでの初日ライヴの模様をお伝えしよう。

そう──今回の来日は、最新作『GIANTS & MONSTERS』に伴うツアーであり、同時にデビュー40周年を祝う記念のツアーでもある。よってセットリストには、人気定番曲は勿論のこと、ニュー・アルバムからの最新ナンバーに加えて、普段あまりプレイされることのないレア曲がプラスされることが、ワールド・ツアー開始前から大々的に予告されていた。演奏曲が一部日替わりになるとも噂されたが、それは叶わず。皮切りとなった'25年10月17日のルクセンブルク公演からセットはほぼ固定で、日本でもその基本演目が踏襲されることに。

最初にまず、この東京ガーデンシアター初日公演のセットリストを記しておこう。

[09/05/26@東京ガーデンシアター]

1. Intro(SE)〜March Of Time
2. The King For A 1000 Years(Excerpt)
3. Future World
4. This Is Tokyo
5. We Burn
6. Twilight Of The Gods
7. Ride The Sky
8. Into The Sun
9. Hey Lord!
10. Universe (Gravity For Hearts)
11. Hell Was Made In Heaven
12. Ds Solo
13. I Want Out
14. Let It Be (Snippet/THE BEATLES)
15. In The Middle Of A Heartbeat(Excerpt)
16. A Tale That Wasn't Right
17. A Little Is A Little Too Much
18. Heavy Metal (Is The Law)
19. Halloween

[Encore]
20. Invitation(SE)
21. Eagle Fly Free
22. Power
23. Dr.Stein〜Keeper Of The Seven Keys (Ending)
24. Outro:Keeper Of The Seven Keys@UNARMED(SE)

開演予定時刻を10分ほど回った頃、暗転して流れたのはロビー・ウィリアムズの「Let Me Entertain You」。開演を告げるこの曲は最初の “UNITED” ツアーでも使われていたから、ファンの間ではお馴染みだったろう。重厚なSEがそれに続くと、バンド・ロゴをあしらった幕にレーザー光線が当たり、あたかも切り取られたような演出で幕が落ち、その奥には巨大なスクリーンが。次いでそこにも光線が照射され、カボチャ・ロゴの眼がくり抜かれて、さらに画面が切り裂かれながら溶け落ちていくと、その向こうには異界の荒野が広がり、そこへファーストEP『HELLOWEEN』('85)から順に、歴代アルバムのジャケットが、40周年を祝うように空からどんどん降ってくる。それに合わせてSEは「March Of Time」のシンフォニックなイントロに転じ、いつしかステージ上にはメンバーの姿(シルエット)が…と思ったら、『GIANTS & MONSTERS』のジャケが最後に落ちてきて程なく、ダニのドラムが走り出すのと同時に生演奏へ切り替わり、何とも劇的に40周年記念ライヴがスタート!

スクリーンはステージの左右にもあり、ドラムを載せた大きな台座の正面にも横長のがあり、さらにステージ両端にも透明スクリーンが置かれ、その全てが連動するから迫力たっぷり。ステージ前にせり出しの花道(キャットウォーク)が設けられているのは、過去2度の “United” 来日公演と同じだ。ただ、冒頭のレーザー光線の演出や花道は、海外でもない公演があるようで、このフル・スケール仕様は何とも嬉しい限り!

「March Of Time」は『KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART I』('87)からのナンバーだが、アンディもサシャも参加し、前者がキスクと一緒に歌い、後者はイントロから強烈なリードをキメるなど、いきなり7人全員勢揃いの布陣にて披露。'17〜18年の最初のリユニオン・ツアーでは、イントロのリードをサシャが担うのは同様だったが、キスク単独で歌われていたから、これぞまさに “UNITED” ヴァージョン! 以後も初期レパートリーに後発メンバーが参加したり、逆にアンディ期の楽曲をカイ&キスク入りで演奏する場面が何度も見られた。

フロントマン2人のコンディションは上々。'25年12月にインドネシア、マレーシア、台湾で予定されていた3公演が、キスクの喉の不調からドクター・ストップがかかって延期となり、それが大きな懸念材料だったのだが、その後の北米ツアー('26年4〜5月)を無事完遂した彼は、もうすっかり復調しているようだ。アンディもよく声が出ていて、早速、抜群のファン掌握術を発揮しまくり、のっけから観客は大々々熱狂!

▲Michael Kiske〈vo〉
▲Andi Deris〈vo〉

ただ、一旦それを落ち着かせるかのように、2曲目を始める前にスクリーンへ第8のメンバーが映し出される。フードをまとった魔導士のような姿のマスコット・キャラクター “キーパー” だ。彼は今回、狂言回しのような役割で登場。「ようこそ、日本のパンプキンヘッズの諸君(Welcome, dear pumpkin heads of Japan)」と、ちゃんと国名を入れて挨拶し、「みんな40年間も忠実であり続けてくれた」と感謝の言葉も。続いて始まったのは、『KEEPER OF THE SEVEN KEYS THE LEGACY』('05)のオープニング・チューン「The King For A 1000 Years」だ。この曲をライヴでやるのは、GAMMA RAYとのカップリングで話題を呼んだ'07〜08年の “Hellish Rock” ツアー以来、実に約18年振りとなる。

この曲もキスクを交えてのツイン・ヴォーカルにアレンジされ、当然カイも全面参加。途中パートを少々オミットし、幾らかショート・ヴァージョンになってはいたものの、『KEEPER〜PART I』収録曲の次に『KEEPER〜THE LEGACY』からの楽曲をもってくることで、“守護神伝” の “レガシー” をつなぎ、ショウ序盤からオーディエンスを “時空を超えた旅” へと誘なっていく。

ギタリスト3人の中で、最もアクティヴなのはカイ。元々は自分の “持ち曲” ではないこの「The King For A 1000 Years」でも、どんどん前へ出ていっては、花道にも先頭を切って躍り出る。それに引き換え、いつもマイ・ペースのヴァイキーは、自ら率先して動くことはほぼない。そして、近未来的なシェイプのギターが目を惹くサシャはというと、先輩2人を立てつつも、出る時は出るといったスタンスを取っていた。アクティヴという点では、カイ以上にステージ上をあちこち動き回っていたのがベースのマーカス。幾つかの楽曲でソロ・パートも任される彼は、表情豊かで常に愉し気にプレイし、頻繁にカイとイチャイチャ絡んでは、ファンを笑顔にしてくれる。

▲Kai Hanseng, vo
▲Michael “Weiki” Weikath〈g〉
▲Sascha Gerstner〈g〉
▲Markus Grosskopf〈b〉

「コンニチワー、トキオー!!」というアンディの初MCに続いては、キスクが「カイが書いた曲だ」と紹介しての「Future World」──だが、その前にカイがギターを唸らせ、グリーグの「山の魔王の宮殿にて」のフレーズを弾くのも恒例だ。イントロからビートが走り出すと同時にカラー・テープ(リボン)砲が炸裂! いつもなら観客に歌わせる冒頭部分をカイが担当し、トリプル・ヴォーカルを活かしたアレンジになっていたことも特筆しておきたい。この曲では、スクリーン画像の鮮明さにも驚かされた。カイ&ヴァイキーによるツイン・リードが奏でられる際、アンドロイドのような未来の宇宙飛行士(?)が映し出されるのだが、それがまるで3Dかのように見えたのだ。

次の「This Is Tokyo」では、映画『ブレードランナー』にインスパイアされたと思しき空想世界の東京の街並みがスクリーンに。ただ、沢山ある日本語のネオン看板の中に “70円おでん” とあって、思わず笑ってしまった。『GIANTS & MONSTERS』の先行シングルだったこの曲は、日本のファン──殊にここ東京のライヴを観にきたファンにとって、大きなプレゼントとなったことだろう。

ここからはレア曲の連打だ。まず『THE TIME OF THE OATH』('96)から「We Burn」! アンディの単独ヴォーカルでプレイされたこの曲では、曲名を叫ぶサビでステージ後方に大きな火柱が上がる。消防法が厳しい日本の屋内会場ではなかなか貴重な演出だ。

続いての『KEEPER〜PART I』から「Twilight Of The Gods」は、何と'87年以来、40年近く振りに復活した、ある意味で今ツアーの目玉とも言えるレア曲中のレア曲。イントロのカイのフレーズがまんまアルバム通りのギター・サウンドで、思わず「おお…!」と声が漏れる。こちらはキスク単独で歌われるのだが、“Insania 20-14” “Insania 20-16” というナレーション、1コーラス目最後の “Never…” のオミットはちょっと残念。ブリッジの効果音はあったのに…。(2コーラス目の “Attack!” はカイが叫んだ?) とはいえ、あのキスクでもキツそうな高音パート入りのこの曲、先の北米ツアーでは途中でセットから外されたこともあったから、日本でやってくれただけでも感激ひとしおだ。ちなみに、日本では'87年11月の初来日公演以来となるセット入り。今回、初めて生で観たというファンが殆どだったろう。

HELLOWEEN - Twilight Of The Gods (Official Live Video)

 次いで再び “キーパー” が登場し、「私が創成される前の曲だ」と紹介して始まったのは、『WALLS OF JERICHO』('85)からの「Ride The Sky」! キスク&アンディはお休みで、オリジナル通りカイ(カウボーイ・ハット着用)が単独で歌った…のだが、ヘヴィ・スモーカーゆえのジレンマというか、近年の彼は喉の調子が万全でないことが目立つ。しかし、依然そのパワー・シャウトは唯一無二であり、現在63歳とは思えぬ激唱に、みんな “捻じ伏せられた…!” との思いだったのでは? それに、“UNITED” 以降は毎回メドレーで披露されてきたため、ようやくフルで聴けたことに感激しきりだったのもある。とはいいつつ、次回はキスクの歌うこの曲を久々に聴いてみたい気もしたが…。

次の「Into The Sun」は、この日、2曲目の『GIANTS & MONSTERS』収録曲。キスクの歌から始まり、アンディがすぐ続き、2人のハモりもたっぷりフィーチャーし、コンビネーションの良さが堪能出来るパワー・バラードだ。「Ride The Sky」で “出し切った” カイを休ませるためか、彼は不在。中間部では、サシャの泣きのリードもじっくり味わえた。それに続くのは、アンディが「'98年の『BETTER THAN RAW』からだ!」と紹介した「Hey Lord!」で、これまた20年間以上セットに入らなかったレア曲だ。アンディ単独歌唱曲で、カイが(開始からちょっとだけ遅れて)戻って、6人でプレイ。スクリーンには、『BETTER THAN RAW』のジャケットのイメージを活かした新規のカボチャ・キャラ受難の場面が映し出される。

続いてはアンディがお休み。サシャが『GIANTS & MONSTERS』のために書き下ろした壮大なるドラマティック大作「Universe (Gravity For Hearts)」だ! 宇宙の神秘がスクリーンで表現され(オフィシャル・リリック・ビデオを使用)、キスクが伸びやかに歌い上げ、中間部にはカイのヴォーカル・パートもあって、そこはちょっとGAMMA RAYを想起させられたりも。それなのにサシャ作曲なのが実に興味深い。

まるで長編SF映画を見終わったかの感動を覚える中、キスクがアンディと交代して、『RABBIT DON'T COME EASY』('03)から「Hell Was Made In Heaven」。アンディが「彼が書いたマイ・フェイヴァリットのひとつだ」とマーカスを紹介したこの曲も、“いつものレパートリー”ではない。'13年の “Hellish Rock” ツアー第2弾のあと、'14年のフェス出演時に何度かプレイされて以来なので、10年以上振りのセット返り咲きとなる。ここではスクリーンに歴代のツアー・ポスターが映し出され、改めて40周年に思いを馳せる観客が続出。驚いたのは、サシャに続いてカイもソロを執ったこと。“UNITED” としての初披露曲にそうした仕掛けを盛り込むところも素晴らしい。

▲Daniel Löble〈ds〉

ダニの最大の見(魅)せ場であるドラム・ソロ──4つのバスドラを使って何かやるかと期待したら、オーディエンスへの声出し要求も含め、良い意味で正攻法のソロ・タイムだった──に続いては、7人揃っての大定番人気曲「I Want Out」!  スクリーンに様々なカボチャ・キャラが映し出されると、パーティ気分がより昂められ、サビでは勿論、観客全員が大絶叫だ。花道前方で奏でられたカイのソロは、とりわけエモーショナルに感じられた。サビを何度も歌わせるコール&レスポンスは意外にもなく、エンディングには紙吹雪が勢いよく噴出される!

紙吹雪の残りがまだちらちらと舞う中、盛り上がりに盛り上がったムードを一旦クール・ダウン…というワケではないだろうが、ここでアコースティック・タイム。但し、花道には椅子が2つしか置かれず、アンディが歩み出て、「おや、もうひとりいるハズなんだが? え〜と、彼の名はマイケル…」と言うと、キスクは「違うよ。俺はエルヴィス・プレスリーだ」と言いながら前へ出てくる。苦笑しながら、「ああ、マイケル・プレスリーだったな。でも、大阪(公演)ではマイケル・マッカートニーだったんじゃ?」とアンディ。そういうユルいノリも、HELLOWEENでは毎度のことだ。

すると、ステージ・クルーがアコースティック・ギターを持ってきて、それをキスクが受け取る。「プレスリーの曲を用意してきたんだな?」とアンディが訊くと、「何も用意してないよ。何をやればイイのやら…」とキスク。「まぁ、どうせ(カイやヴァイキー達は)タバコ休憩中だ。連中が戻ってくるまで4〜5分、アコースティックでまったりやろうや」とアンディが言うと、キスクはおもむろにTHE BEATLESの「Let It Be」を弾き語り、すぐにアンディもサビを一緒に歌う。ワン・コーラスだけだったが、どうやらキスクは、本当にその場で何をやるのか決めているようで、大阪ではTHE BEALESの「Yesterday」をサワリだけ弾き語ったそうだ。

海外では『PINK BUBBLES GO APE』('91)の表題冒頭小曲を歌うことが多かったらしく──というか翌日のガーデンシアター2日目、日本公演最終日には、その「Pink Bubbles Go Ape」が弾き語られ、「Let It Be」よりもずっと良い反応をもらっていた。基本セット固定の今ツアーにおいては、ほぼ唯一のフレキシブルなパートという点でも見逃せない。続けてキスクが爪弾いたのは、アンディ印の『MASTER OF THE RINGS』('94)収録バラード「In The Middle Of A Heartbeat」で、これまたワン・コーラスだけだったが、後方スクリーンに心電図のシグナルが映し出されたりもして、実は約30年振りに演目入りしたレア曲なのもあり、大きな歓声が上がっていた。

アコ・タイム3曲目は、キスクが「スマホのライトを点けてくれ」と言って始まった「A Tale That Wasn't Right」。今度はアンディがアコギを弾き、まるで星々がまたたいているかの感動的な光景の中、キスクは「Thanks to you, my dear old friend」の部分を「Thanks to you, dear Tokio〜♪」と歌う。観客がそれに反応すると、次の歌詞が「But you can't help, this is the end」とネガティヴだからか(それとも、普通に歌詞を忘れた?)、一瞬だけ歌詞を追わず「ふぅ〜ふぅ〜ふぅ〜ん♪」とごまかすキスク。その後、ギター・ソロのタイミングでヴァイキーがひょこひょこやって来た…と思ったら、泣きのソロからフル・バンドに転じ、そこまでしんみり聴き入っていた観客が一気に沸き立つ!

次の曲を始める前に、アンディが「え〜ともう最後の曲だ」と言うと、客席からは一斉に「えぇ〜っ!」という抗議の声が。「いや、次が新作からやる最後の曲だよ」と言い直すアンディ。「ほら、引っ掛かった!」と笑う彼は、まるで悪戯っ子のようだ。始まったのは、これまたアンディ印のキャッチーな「A Little Is A Little Too Much」で、キスクとのツイン・ヴォーカルがほんわりムードを盛り立てていく。

そんな空気を打ち破るかのように、ダニが力強くバス・ドラを踏み鳴らすと、カイが「イェ〜ィオ!」「イェイイェイイェイオ!」としばし観客と掛け合いをやり(お約束のちょっとした無茶ぶりも)、『WALLS OF JERICHO』からの定番曲「Heavy Metal (Is The Law)」がスタート! この曲はかつてキスクがメインで歌ったこともあるし、アンディのヴァージョンも人気だが、40周年を祝うにあたっては、やはりオリジナル・ヴァージョン通り再現すべき…ということで、カイが最後まで歌い切った。ただ、キスク&アンディは不在だが、サシャはしっかりいて、中間部ではカイ&ヴァイキーによるハーモニー・ソロ、マーカスのベース・ソロが鮮烈に響き渡った。(翌日公演では何故かサシャが不在)

さて、今度こそ本当に最後の曲だ。三度び “キーパー” が登場し、彼がコールした曲名は…「Halloween」! ここまでで約100分。そのタイミングで13分超の感動大作でシメるとはいかにもHELLOWEENらしい。“UNITED” となって最初のツアーでライヴ冒頭を担っていたこの長編が、3度目のツアーでは本編ラストを飾るというのも、ひとつのサークルを形成するようで心憎い。途中、またまたキスクが「Am I in heaven?」という歌詞を「Am I in Tokio?」と歌ったのも絶妙だった。

大歓声を浴びながら、アンディが「Goodnight!」と叫び、「Halloween」終わりで早々にメンバーがステージからハケるも、即アンコールがかかり──それから数分後、聴き慣れたイントロ「Invitation」が…! 「待ってました!」とばかりに爆発的な大歓声が起こり、スクリーンに40周年を祝うロゴ(“40” の “0” がカボチャ・ロゴに)がレーザーで刻まれる中、それに続くのは言わずもがな「Eagle Fly Free」だ!! 最初のリリースからもうすぐ40年が経とうというのに、いまだ「HELLOWEENといえばこの曲!!」と息巻くファンが圧倒的に多い、新旧世代を超えた “HELLOWEEN国の国歌” とも言うべき人気曲中の人気曲だからして、観客はみんなタガが外れたように歌い、叫び、ヘドバンに興じまくっている。

「Eagle Fly Free」がキスクの独壇場なら、アンディも負けじと「Power」で巻き返す。イントロが弾け、再びカラー・テープが発射されるや、すかさず「オ〜オ〜オ〜オ〜♪」と歌わせ、一瞬で自分の世界に惹き込むのは流石だ。中間部にも「オ〜オ〜オオオ、オ〜オ〜オ〜♪」とみんなで唱和するパートがあり、「そう、これを歌いにきたんだ!」と言わんばかりに観客のテンションはさらに爆上がり!

だが、そろそろ本当の最後が近づいてきた。キスクが「トキオー! もう1曲やるぞ。“Dr.Stein” の準備は出来てるか〜?」と叫ぶと、ホラーでファニーなHELLOWEEN流の定番人気パーティ・ソングで、バンドもファンも最後の力を全開放する。サビでは当然、会場全体が一体となって大合唱。トリプル・ギターによるソロ競演も堪能出来たし、エンディング近くでカイがJUDAS PRIESTの「The Green Manalishi (With The Two Prong Crown)」(FLEETWOOD MACのカヴァー)のリフを弾くお遊びもあって──いよいよ大団円へ…! 最後のコードを引っ張り、そこから「Keeper Of The Seven Keys」の大サビへとつないで、感動的な終演に導いていく。

気が付けば、アリーナ席の頭上にはカボチャのオブジェが。実はコレ、ギター・ソロ中に天井からゆっくり(密かに?)下りてきて、恐らくは空気で膨らんでいき、然るべきタイミングで目と鼻が光り、さらに降下してきて、いつしか全観客に睨みを利かせていたのだ。さっきまで “ステイン(シュタイン)博士” がアップになっていたスクリーンには “キーパー” が現れ、あたかも指揮をするような仕草で盛り上げ、さらには、ステージの上から火花が降り注いで──130分を超えるショウは遂に幕を閉じた。

前回来日時のように、ロゴ入りの風船が投げ込まれることはなかったが(大阪ではあった模様)、それ以外はまさに “全部入り”。アウトロとして『UNARMED』('09)から「Keeper Of The Seven Keys」のオーケトラル・ヴァージョン(歌ナシ)が流れる中、7人のメンバーが花道で三度深くお辞儀し、思い思いにステージ袖へ消えていくのを見届けながら、心地好い疲労感と充足感、感動的な余韻と共に、しばらく席から立ちあがれなかった…というファンもきっと多数いたに違いない。

デビュー40周年を過ぎ、次なるディケイドへと既に歩みを進めているHELLOWEENだが、来年には『KEEPER〜PART I』のリリース40周年が控えているし、その'27年は “Pumpkins United” が本格始動してから10年の節目でもある。今後もますます活躍していってくれることを期待しつつ、早くも次の来日が待ち遠しくて堪らない。'25年末の東南アジア・ツアーがキャンセルになったままだし、その仕切り直しの時、早めの再来日なんてどうでしょ…!?

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