藤木昌生の密かな楽しみ Vol.12 ~ 気まぐれプレイリスト 5

こんにちは。最初にこの記事を公開した時は、今の日本の状況についてグダグダ書きましたが、いろいろ問題もあるでしょうし、その部分はカットすることにしました。誰に指示されたわけでもなく、自分で…。誰かに迷惑がかかってもナンだしねぇ。

ということで、『気まぐれプレイリスト』の5回目です。

SIDE A
1. TREAT ”The War Is Over”→ Spotifyで聴く
TREATの復活作となった2010年の「COUP DE GRACE」のオープニングを飾るナンバー。曲として、メロディとして素晴らしいのは勿論だけど、繰り返し聴くうちにナリー・ポールソンのベース・ラインに耳を奪われるようになった。ちょっとしたベースの音の動きで曲の雰囲気はかなり変わってくるもの。この曲を聴いた時、「ナリー・ポールソンは生前のマルセル・ヤコブが認めていた数少ないベーシストの1人」というのが納得できた気がした。TREATの作品を振り返ってみると、アルバム・トータルの出来栄えとしては「COUP DE GRACE」が最高傑作かもしれない。
2. WHEELS OF FIRE ”Tonight Belongs To You” → Spotifyで聴く
イタリアン・メロディック・ロック勃興の一翼を担ったバンド、デイヴ・ロックスことダヴィデ・バルビエリ<vo>率いるバンドの3rdアルバムからの曲。このバンドはデビュー当初から嬉しいハード・ポップを聴かせてくれていたけど、目を見張るような曲はなかった。それが、3作目を聴いていて、この曲のサビが出てきた瞬間、思わず姿勢を正してしまった。何なんでしょう、この爽快感、この高揚感。心を救ってくれて感謝です。
3. MASTERPLAN ”Back For My Life” → Spotifyで聴く
スター気取りでお馴染みの(笑)ローランド・グラポウが結成したバンドとして鳴り物入りでデビューしたMASTERPLAN。多くのファンが期待していたとおりのパワー・メタルを実践しつつも、HELLOWEENの二番煎じにならなかったのは、やはり深み・渋みを備えたヨルン・ランデのヴォーカルのおかげでしょう。そのヨルンの歌の味わいが最大限に発揮されたのがこの曲ではないでしょうか。アップテンポのメタル曲でもなければバラードでもないこういう曲をしっかり聴かせきるにはシンガーの力量が重要になってくるわけだけど、ヨルンのおかげでこの曲は一段と胸にしみる曲になっていると思います。
4. PAUL STANLEY ”Wouldn't You Like To Know Me”→ Spotifyで聴く
中1でKISSをきっかけに洋楽ロックに目覚めた僕は、中2の時にKISSのメンバー4人が同時にソロ・アルバムを出すと聞いて、一大決心をして近所のレコード屋さんでその4枚を予約した。中2にとって2,500円×4枚=1万円というのは相当な大金で、何ヵ月も貯めた小遣いが一瞬で消える大決断だった。結果として、4枚のうち3枚は普通~今イチの内容だったけど、1枚だけは最高のアルバムだった。KISSの音楽的中枢はポール・スタンレーなのだと理解した瞬間だった。僕の推しメンはエース・フレーリーで、ポールにはあまり注目してなかったから、ちょっと複雑な心境だったけど、それからはすべての音楽において作曲クレジットに注目するようになった。
5. PAUL STANLEY ”Take Me Away(Together As One)” → Spotifyで聴く
ポール・スタンレーは、ポップで快活な曲だけでなく、叙情的でドラマティックな曲も書くんですよ、という意味でこの曲もセットでピックアップしました。曲の終盤のカーマイン・アピスのドラミングがカッコ良くて、中高生の頃はこの曲を聴きながらエア・ドラムをしたもんです。(笑) あと、この曲を聴きながら一緒に歌うことで、僕の英語の発音はかなり進歩したと思います。 中1の時の英語の成績はずっと5段階評価で「1」だったのに、洋楽ロックに目覚めたおかげで中2以降はずっと「5」になりました。(笑)

SIDE B

1. EARTHSHAKER ”Dark Angel(Animals)” → Spotifyで聴く
EARTHSHAKERを初めて知ったのは1982年夏に東京・大田区体育館で行なわれた『JAPAN HEAVY METAL FESTIVAL』を観に行った時。お目当ては初来日のY&Tだったけど、空調のない極悪の環境の中、序盤に出てきたEARTHSHAKERを観てカッコいいなと思った。そして、翌年に出た彼らのデビュー・アルバムを聴いたら、歌心のあるメロディアスでキャッチーな曲が満載で、すっかりハマってしまった。その中で、この曲はあのエイドリアン・スミスから提供されたナンバー。プロデューサーの伊藤政則氏のコネだったのかな?
2. THE BRINK ”Break These Chains” → Spotifyで聴く
このバンドに関しては、2019年デビューの新しいバンドで、特に書くべきエピソードもないんだけど(苦笑)、こんな良い曲をやってるんだから紹介したいじゃないですか。英国出身のバンドというのも個人的には意外というか、僕にとって価値のあるバンドは北欧、アメリカ、ヨーロッパ諸国のバンドが多くて、英国のバンドは比較的少ないので、そういう意味でもこのTHE BRINKはインパクトがありました。
3. STONE FURY ”Break Down The Wall”→ Spotifyで聴く
80年代メタルのファン、LAメタルのファンにはお馴染みの曲ですね。STONE FURYのデビュー作「BURNS LIKE A STAR」はアルバム・トータルでは普通の作品だと思うんだけど、この曲だけはやっぱり名曲ですよね。ブルース・ゴウディもレニー・ウルフもその後のキャリアの中でこの曲に迫るものを生み出せていない…なんて言ったら失礼かな? STONE FURYは2ndアルバムでちょっと怪しい方向に進んだよね。その点で個人的にはQUEENSRŸCHEとイメージがダブるんですが、いかがでしょう?(笑)
4. BOSTON ”Smokin'” → Spotifyで聴く
産業ロックの大家BOSTONのデビュー作からのナンバー。彼らの曲は、基本はシンプルなロックン・ロールなんだけど、そこに常人が1年や2年考えても思いつかないようなメロディ展開やアレンジを盛り込んで、唯一無二かつ芸術的なポップ・ミュージックに仕立て上げているのが凄いところ。この曲は、劇的な間奏パートがなかったら曲の価値が数分の一に下がるような作品、というのは僕の乱暴な意見です。(笑)
5. NEW TROLLS ”Adagio(Shadows)” → Spotifyで聴く
イタリアのプログレ・バンドの代表作「CONCERTO GROSSO PER 1」収録の名バラード。オリジナルのスタジオ・ヴァージョン(1971年)はかなり古臭くて、人によっては聴く気が失せると思うので、あえて近年のライヴ・ヴァージョンにしてみました。ここまで哀しく美しい曲が他にあるだろうか?というくらいの名曲。2006年だったか、クラブチッタでこの曲をライヴで体感した時は感動したな~。僕の叶わぬ夢は、1983~86年のイングヴェイ・マルムスティーンがこの曲をカヴァーしたヴァージョンを聴くこと。

★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く

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