【BURRN! 6月号ちょい読み】

LOVEBITES──ついに実現した初の日本武道館公演

BY TACK MAEDA/BURRN!

LOVEBITES初の日本武道館公演。見事ソールドアウトである。直前に売り出された注釈付きの席も完売。最上階スタンドの最後列までびっしり埋まっている光景は壮観だ。日本のHMファンの中には “日本のバンドは聴かない層” が未だに存在しているし、「女がやるHMなんて……」と考えている層も存在する。LOVEBITESは日本の女性5人から成るHMバンドだが、J-POPやJ-ROCKの色がない英詞のピュアなHMをやり(勿論日本人にしか出せない色はある)、いわゆるガールズ・メタルとしては売り出さず、作品のアートワークやマーチャンダイズでは海外の男性HMバンドのそれとしか思えないイメージを打ち出し、結果としてその両方の “否定的な層” をも取り込んだ。それが現在の人気、そしてこの日の動員に繋がったことは間違いない。勿論“楽曲とライヴが魅力的でクオリティが高い”という大前提があるわけだが。

過去に武道館公演を行なったことがある様々なアーティストの曲が客入れのBGMとして流れ、それがLOVEBITESのライヴの始まりを告げる曲としてお馴染みのJUDAS PRIESTヴァージョンの “Diamonds And Rust” に変わったのは定刻の17時を5分ほど回った頃だった。それが終わると場内が完全に暗転。ステージの前にある巨大な白い幕にイメージ映像(疾駆する狼、武道館へと向かうメンバー)が映し出され、インストゥルメンタルの “The Awakening” が始まる。バンド・サウンドになるところからは実演奏だが、まだメンバーの姿は見えない。そして “The Hammer Of Wrath” のイントロが始まると同時に幕が上方の1点に吸い込まれると、Harunaのドラムが鎮座するライザーの階段部分にAsami〈vo〉、Miyako〈g, key〉、Midori〈g〉、Fami〈b〉の4人がいた。イントロの最後の音を伸ばすところで白いライトに照らされた5人の姿の何と神々しいことよ。そしてスラッシーなギター・リフが刻まれ、Asamiの「Go!」という掛け声と同時にフロントの4人がステージに躍り出る。演奏は最初からいつものようにストロングでタイトでソリッドだ。音に関しては観ている場所によって聞こえ方が違ったようだが(まあ、どこの会場でもよくあることだ。特に大会場では)、1階スタンドのステージを真正面に臨む席から聴いている限り良好だった。全く不満はなかった。

Asamiの「We are LOVEBITES and we play Heavy Metal!」というキメ台詞から始まったのは “When Destinies Align”。ステージ上方背後の5分割スクリーンには、そのそれぞれに5人のメンバーのソロが映ったり、その全部を使ってステージの様子が映し出されたりする。メンバーの動きは次第にアクティヴになっていく。そういう段取りだったのか、モニター状態の確認が終わったからなのか、緊張がほぐれてきたからなのか、本当の理由は判らないが(そもそも理由があったのかどうかも不明)、広いステージを上手く使っていく。Midoriがステージでソロを弾いている間にMiyakoがランウェイ(花道)の最前まで歩み出てソロを弾き、その後Midoriが駆け寄ってバトルからのハーモニーへというシーンも観られた。 “Rising” ではAsamiがランウェイ最前で観客を煽り、イントロのメロディをシンガロングさせる。Harunaはハイスピードでツーバスを連打しているし、激しい曲ではあるのだが、前2曲に比べるとメロディの哀感が前に出ており、場内を少しクールダウンさせる。中盤のワルツのパートでは、Miyakoが上手のライザーに置かれたグランド・ピアノに向かい、ギターを膝に乗せたまま美しいメロディを奏でた。

この日最初のMCでAsamiは、初めて武道館のステージに立てた喜びを表現すると共にソールドアウトになったことに対する感謝の気持を述べる。話が武道館周辺を美しく彩っていた桜に及んだところで、今回の武道館公演のイメージ・イラストと言えそうな “武道館をバックにした狼” が映るスクリーンに桜の花びらが舞ったのは心憎い演出だった。そして “Un­chained” へ。スタートと同時にキャノン砲が炸裂する。2024年にリリースされた新しめの曲だが、もはやキラー中のキラーになっている。聴いていると高揚感を抑えられなくなってくる。続いてFamiの歪みまくったサウンドでのフィンガー・ピッキング、スラップ、タッピングをミックスしたソロからの激烈チューン “Stand And Deliver” へ。Midoriがイントロでハーモニクス音をアームでアップしてギターを絶叫させる。メンバーのギャング・コーラスも勇ましい。R&Rのフィーリングもある荒々しさがカッコいい曲だ。

続きはBURRN! 2026年6月号で!

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1. The Castaway
2. Silence The Void
3. Forbidden Thirst
4. Blazing Halo
5. Dream Of King
6. Phoenix Rises Again
7. Out Of Control
8. Wheels On Fire
9. The Eve Of Change
10. Reaper’s Lullaby
11. Eternally
12. One Will Remain

Heaven Edition付属Blu-ray/DVD収録内容
1. Glory To The World
2. Unchained
3. Scream For Me
4. Soul Defender
5. Paranoia
6. Judgement Day
7. Break The Wall
8. The Bell In The Jail
9. The Unbroken
10. Piano Solo (Moonlight Sonata)
11. Dystopia Symphony
12. Soldier Stands Solitarily
13. Where's Identity
14. Don't Bite The Dust
15. Holy War
16. Bravehearted
17. We The United
18. Someone's Dream
(※FC限定版付属CDは上記トラックを2枚のディスクに収録)
(※Blu-ray/DVD版はEnd Creditsを収録)

Hell Edition付属Blu-ray/DVD収録内容
1. The Hammer Of Wrath
2. When Destinies Align
3. Judgement Day
4. Soldier Stands Solitarily
5. Holy War
(※FC限定版付属CDは上記トラックの音源を収録)

 

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THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2026年6月号


<EXCLUSIVE COVER STORY:巻頭特集>
◆ERIC MARTIN
MR.BIGの「HEY MAN」を完全再現する30周年記念ライヴで間もなく来日!
エリック・マーティンが“あの時代”への想いを語り尽くす超ロング・インタビュー!!


<EXCLUSIVE INTERVIEW:インタビュー記事>
◆AT THE GATES
アンダース&ヨナス・ビョーラー兄弟がトーマス・リンドバーグ最期の日々を語る!

◆DIMMU BORGIR
ノルウェーのエクストリーム/ブラック・メタルの伝説、8年ぶりの新作が完成!

◆陰陽座
『吟澪』ツアー・ファイナルを収録したライヴ・アルバム「吟澪灑舞」リリース!

◆PaleNeØ
多様で多彩なモダン・メタル・バンド、“新たな旅立ち”となるマキシ・シングル発表!

◆CONFESS
CRASHDIETに新加入したVoが率いるスリーズ・メタル・バンド、新作4th発表!

◆JAY BUCHANAN
RIVAL SONSのフロントマン、ジェイ・ブキャナンが初のソロ作をリリース!

◆FROM ASHES TO NEW
今日的ニュー・メタルの担い手が3年ぶりの第5作で示した進化の背景とは…!?

◆FOR MY PAIN...
フィンランドのゴシック・メタル・バンドが復活、23年ぶりの2ndリリース!

◆CONCERTO MOON
BETWEEN LIFE AND DEATH」10周年の完全再現ライヴを作品化!


<SPECIAL EDITION:特別企画>
◆In memory of ROSS“THE BOSS”FRIEDMAN
MANOWARに創設から関わったギタリスト、ロス・ザ・ボスに捧げる追悼特集

◆華麗なる開拓者たち(パイオニア)の系譜
女性アーティストの活躍が新たな潮流を巻き起こす、日本特有の現象に着目!

◆特別連載『TALES FROM THE FRONTLINE』
英国人記者ハワード・ジョンソンの回顧録:WHITE ZOMBIE

◆特別連載『All Aboard!:Memories of Ozzy Osbourne』
シャリー・フォグリオ記者によるオジー・オズボーン追想コラム第65回!

◆特別連載『Remembering Ronnie James Dio : Brother, Father, Teacher, Friend』シャリー・フォグリオ記者が周辺の人々に取材して綴るロニー回想録、最終回!
 


<来日取材>
◆ANTHRAX
完全ソールドアウトの会場で観衆を熱狂させた、約7年ぶりの来日公演!

◆DEEP PURPLE
衝撃の初来日公演から半世紀余、伝説の凄みと現役の誇りを示した紫の神々!

◆LOVEBITES
ソールドアウトとなった日本武道館で新たな伝説の始まりを告げたライヴ!

◆MICHAEL VESCERA PROJECT
マイケル・ヴェセーラがLOUDNESS「SOLDIER OF FORTUNE」を完全再現!

◆TREAT
スウェーデン産メロディック・メタル・バンド“最後の来日公演”をリポート!

<POSTER:ポスター>
◆Zilqy

※今月の『そこでだ、若旦那!』も立川談四楼師匠の病欠により、“落語評論家:広瀬和生”が代打で執筆! ウイリアム・ヘイムス氏の撮影裏話『Man Of Two Lands』、元BURRN!編集部員の奥野高久氏がHM/HRの歴史について綴る『WAKE UP AND SMELL THE RECORD』といった新コラムも好評連載中! 増田勇一氏のコラム『MUSIC LIFE』、喜国雅彦氏の『ROCKOMANGA!』、オーディオ専門店『ザ・ステレオ屋』店長・黒江昌之氏の『THE STEREO XXCKING』、梶原崇画伯の部屋、書評(古屋美登里氏)・映画評(岩沢房代氏)やアーティスト(ARCH ENEMY/SPIRITUAL BEGGARS他のマイケル・アモット、元CATHEDRAL/『Rise Above Records』主宰のリー・ドリアン、BE THE WOLF/FROZEN CROWN他のフェデリコ・モンデッリ)によるコラムなど、読みものコーナー充実!!

ニュースやアルバム・レビューほか情報も満載です!



BURRN! 2026年6月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2026年5月2日発売

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