【最新号誌面】5/2発売『BURRN!』6月号より

IMPELLITTERI:SLAYER/KERRY KINGの屈強なドラマー、ポール・ボスタフを迎えた布陣で3月に来日したIMPELLITTERI。クリス・インペリテリとポール・ボスタフが同席してのインタビューで明かされた、2人の意外な絆。

アルバム「WAR MACHINE」(2024年)を引っ提げて、2019年以来となる来日公演を実現させたIMPELLITTERI。今回の日本ツアーでは、アルバムのレコーディングでドラムをプレイしていたポール・ボスタフ(SLAYER/KERRY KING)が参加していたことが注目を集めたが、クリス・インペリテリ<g>とポールは同じ1964年生まれで、それぞれがバンドでアルバム・デビューした時期も近いというのも興味深い。そんな2人に東京公演のライヴ前に集まってもらい、IMPELLITTERIへの参加の経緯や昔話に花を咲かせてもらった。

──まず、ポールはIMPELLITTERIに誘われた時、どう感じましたか?
ポール・ボスタフ(以下P):クリスのことは長年知っていたんだ。彼の1stアルバム「STAND IN LI­NE」(1988年)が出た時、俺のバンドFOR­BI­D­D­ENは同じレーベル(註:IMPELLI­TTERIは『Re­la­tivity』、FORBIDDENは『Combat』に所属していたが、その後『Combat』は『Relativity』に買収された)にいたので、彼のアルバムは既に聴いていたんだよ。それ以降もIMPELLITTERIの音楽は聴いていた。クリスがまっとうな人間であることは判っていたので、バンドに誘われて光栄だったよ。初めて電話で彼と話をした時、2時間しゃべったんだ。ずっと話が途切れなかった。彼は素晴らしい人間で素晴らしいミュージシャンだし、音楽もクールだ。スタジオに行ったら、バンドのメンバーはみんな素晴らしいし、今、俺はとても楽しんでいるよ。
──その電話の後、新曲のデモを聴いたんですか?
P:そうだよ。クリスのマネージャーから連絡があって、アルバムに参加する気はないかとクリスが言っているとのことだった。俺はまだ音楽を聴いていなかったけど、クリスの電話番号は知っていたので、俺達は電話で話をしたんだ。その時点で俺は妻に、「音楽はまだ聴いていないけど、やることにしたよ」と言った。それから音楽を聴いて、さらに確信が持てたんだ。
──一緒にスタジオに入ったとのことですが、どんな感じでしたか? 曲が出来上がってからスタジオ入りしたんですか?
P:クリスが音楽を送ってきたんだ。あれはデモだったのかな?
クリス・インペリテリ(以下C):ベーシックなリズム・ギターなど、ギター・トラックの大半は終わっていた。それから、ポールにはベーシックなドラム・マシンが入った音源を渡したんだと思う。彼がプレイするものに影響を与えるようなことはしたくなかったからだ。ドラム・フィルとかが入っていないストレートなパターンを入れておいたんだよ。つまり、曲のストラクチャーが示されたベーシックなものしか入れなかったんだ。彼がプレイした後は、いろいろな部分が差し替えられた。彼には彼の叩き方があるので、それは僕達の弾き方にも影響を及ぼしたよ。そのやり方で上手くいったんだ。
──そもそもポールを選んだ経緯は?
C:知っていると思うけど、このバンドには優秀なドラマー達がいた。何故か名だたるドラマーが連絡してきて、僕達とプレイすることに興味を示してくれたんだ。そして今回のアルバムでは、よりエネルギッシュなドラマーが欲しかった。グレン・ソーベル(1999年から2009年まで在籍)は知っているよね? 彼は過去の何枚かのアルバムに参加していた。パット・トーピー(1988年)もね。僕達はよりアグレッシヴなドラマーを探していたんだ。同時に音楽性も豊かであって欲しかったんだけど、ドラマーにそれを求めるのは難しいんだよ。ドラムは打楽器だからね。そこでいろいろなドラマーをチェックして、最終的に残ったのは4〜5人だったと思う。このことをポールに話したかどうか判らないけど、僕が感心したのは、彼のフィルの入れ方だった。彼のフィルは音楽性がとても豊かでユニークで、他の誰とも違っていた。それで、「彼とやってみたら凄くクールだな」と思ったんだ。ポールはケリー・キングともやっているから、「彼はIM­PELLITTERIのメンバーだ」と言う気はないよ。彼は友達としてやって来て、僕達に手を貸してくれて、素晴らしいことをやってくれた。
ポールがピッタリなのは、彼のプレイの仕方のおかげなんだ。アルバムを形作るのはドラマーなんだよ。これが僕達の最高傑作だと言った人達が大勢いる。それが本当かどうかは判らないけど、そういう声をたくさん聞いた。そしてそれは、彼のプレイの仕方に負うところが大きいんだ。ロブ(ロック/vo)と僕とジェイムズ(プーリ/b)は30年間変わらずずっとやってきているので、僕達は変わっていない。だから、変わったとしたら彼のおかげなんだ。(笑)


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●来日インタビュー:IMPELLITTERI★クリス・インペリテリ & ポール・ボスタフ

●特集:北方から出現、百花繚乱の様相を呈した激烈メタル・サウンドの最深淵を探る「北欧エクストリーム・メタルの40年(前編)」
短期連載『Dream Weaver:夢を編む人~ミスター・ウドー物語』⑤
特別連載『Remembering Ronnie James Dio : Brother, Father, Teacher, Friend.』57
特別連載『TALES FROM THE FRONTLINE』90 BAD ENGLISH

★ポスター:CHEAP TRICK 1979

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A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2025年5月2日発売

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