【最新号誌面】5/2発売『BURRN!』6月号より
Legends of AVALON:10年ぶりに来日したSONATA ARCTICAがヘッドライナーを務めたイベントの模様を、豊富な写真と共に徹底リポート。

3月21日に大阪・心斎橋ミューズでソールドアウト公演を行なったバンドは、関東エリアではデビュー時から日本盤をリリースしてきたレーベルマーキー/AVALONが、同社に縁のあるアーティストを集めて主催した川崎・クラブチッタでの初のイベント『Legends of AVALON』にヘッドライナーとして出演。当然、東京地区で単独公演をブッキングすることも可能だったはずだが、決して短くない空白期間もあり、彼らの魅力を改めて新たなリスナーに紹介したいといった思いもあったのだろう。まずはSONATA ARCTICAの前に登場した4組について、それぞれ簡単に触れておきたい。
一番手は2023年にシングル「Re:Boot」でデビューしたシンガー、Anju Tachibana。ほとんどの観客が初見だったはずだが、反応は予想していた以上に芳しい。同じくAVALONからアルバム「BURN IT」を発表したSally<g>がサポート参加していたのも注目点で、彼女のアクティヴなパフォーマンスも印象的だった。2曲目に披露された“Lost at Sea”は同作で両者が組んだリード・トラックだ。続くPHANTOM EXCALIVERは、世界最大規模のメタル・フェスティヴァル『WACKEN OPEN AIR』で行なわれている未契約バンドのコンテスト『METAL BATTLE』の2023年版に日本予選を勝ち抜いて出場し、見事にグランプリを獲得した4人組だ。ヴィジュアルはコミカルに映るが、純粋なメタル愛を根源とする湧き上がる情熱が聴衆を鼓舞していく様には爽快感すらある。盛り上がりの光景は期待どおりのものだったと言っていいだろう。合唱曲“大地の歌”を下地にした“やっさっさ”の訴求力の高さはこの日も抜群に機能していた。
アメリカ・ツアーを終えたばかりのマーティ・フリードマンのステージも見どころの多いものだった。インストゥルメンタルをじっくりと聴かせつつ、それと同時にエンターテインメントとしていかに楽しませるか。そんな視点を体現した、すべてにおいてきちんと構築されたプロダクションが見事だ。MEGADETHの“Tornado Of Souls”をお馴染みの“天城越え”に交えるといった、ある種のお約束のみならず、コメディのように各メンバーが進行を担ったり、魅せる工夫が随所にある。予告されていなかったASTERISMのゲスト出演も絶妙な場面転換になっていた。
マーキー/AVALONとは直接的には関係のないものの、日本を代表するメロディック・スピード・メタル・バンドとして招かれたUnlucky Morpheusは、主役であるSONATA ARCTICAに敬意を表した濃密なセットリストを用意。疾走曲をメインにしながらも、ヴァリエーション豊かに響かせる個性を再確認できる約70分だった。その縦横無尽さは初めて観た人にも確かなインパクトを残したはずで、新曲“SAKURA chevalier”の初披露を含め、間もなく始まる国内ツアーに向けても有意義な前哨戦となったに違いない。
開演から5時間半を過ぎた頃にSONATA ARCTICAの出番となった。暗転と同時にシンフォニック・テイストの大仰なオープニングSEが流れる中でメンバーが一人ずつ姿を現わすと、そのたびに歓声が上がる。そしてトニー・カッコ<vo>が「コンニチハ、トーキョー!」と叫び、そのままトミー・ポルティモ<ds>がけたたましくドラムを叩き始めると、「CLEAR COLD BEYOND」の1stシングル“First In Line”がスタートした。新曲でありながら、これまでも演奏され続けてきたかのような反応が返されているのは、この疾走チューンが持つ強さだろう。アルバム発売時には原点回帰といった言葉が喧伝もされていたが、初期の匂いを特に感じさせるマテリアルゆえのキャッチーさはある。彼らの帰還を大いに歓迎しているファンの様子がよくわかる幕開けだ。
そのまま曲は同じく新作から“Dark Emphath”へ。トニーの要求に応えて、イントロのリズムに合わせて手拍子を合わせるオーディエンス。ミッド〜スロー・テンポでメランコリックな旋律を配したダークな色合いが特徴的だが、AメロやBメロの展開や運びなどにもSONATA ARCTICAの特性が明確に伝わってくる。
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