【最新号誌面】5/2発売『BURRN!』6月号より

ANTHEM:濃密なアニヴァ—サル・イヤー、遂に開幕! 柴田直人が明かす“40周年イベントの全貌”と、改めて振り返るANTHEMの40年間におけるターニングポイント。デビュー作から最新作「CRIMSON & JET BLACK」まで、全スタジオ・アルバムの徹底解説も併せて掲載。

昨年3月に11枚目のアルバム「CLEAR COLD BEYOND」をリリースしたSONATA ARCTICA。フィンランド発の新星として日本でも黎明期から人気を獲得してきたバンドであり、ジャパン・ツアーもコンスタントに行なわれてきたが、今回の来日は10年ぶり。コロナ禍もあったとはいえ、その事実に驚愕するが、ファンにとってはまさに待望のライヴが実現したことになる。
3月21日に大阪・心斎橋ミューズでソールドアウト公演を行なったバンドは、関東エリアではデビュー時から日本盤をリリースしてきたレーベルマーキー/AVALONが、同社に縁のあるアーティストを集めて主催した川崎・クラブチッタでの初のイベント『Legends of AVALON』にヘッドライナーとして出演。当然、東京地区で単独公演をブッキングすることも可能だったはずだが、決して短くない空白期間もあり、彼らの魅力を改めて新たなリスナーに紹介したいといった思いもあったのだろう。まずはSONATA ARCTICAの前に登場した4組について、それぞれ簡単に触れておきたい。
一番手は2023年にシングル「Re:Boot」でデビューしたシンガー、Anju Tachibana。ほとんどの観客が初見だったはずだが、反応は予想していた以上に芳しい。同じくAVALONからアルバム「BURN IT」を発表したSally<g>がサポート参加していたのも注目点で、彼女のアクティヴなパフォーマンスも印象的だった。2曲目に披露された“Lost at Sea”は同作で両者が組んだリード・トラックだ。続くPHANTOM EXCALIVERは、世界最大規模のメタル・フェスティヴァル『WACKEN OPEN AIR』で行なわれている未契約バンドのコンテスト『METAL BATTLE』の2023年版に日本予選を勝ち抜いて出場し、見事にグランプリを獲得した4人組だ。ヴィジュアルはコミカルに映るが、純粋なメタル愛を根源とする湧き上がる情熱が聴衆を鼓舞していく様には爽快感すらある。盛り上がりの光景は期待どおりのものだったと言っていいだろう。合唱曲“大地の歌”を下地にした“やっさっさ”の訴求力の高さはこの日も抜群に機能していた。
アメリカ・ツアーを終えたばかりのマーティ・フリードマンのステージも見どころの多いものだった。インストゥルメンタルをじっくりと聴かせつつ、それと同時にエンターテインメントとしていかに楽しませるか。そんな視点を体現した、すべてにおいてきちんと構築されたプロダクションが見事だ。MEGADETHの“Tornado Of Souls”をお馴染みの“天城越え”に交えるといった、ある種のお約束のみならず、コメディのように各メンバーが進行を担ったり、魅せる工夫が随所にある。予告されていなかったASTERISMのゲスト出演も絶妙な場面転換になっていた。
マーキー/AVALONとは直接的には関係のないものの、日本を代表するメロディック・スピード・メタル・バンドとして招かれたUnlucky Morpheusは、主役であるSONATA ARCTICAに敬意を表した濃密なセットリストを用意。疾走曲をメインにしながらも、ヴァリエーション豊かに響かせる個性を再確認できる約70分だった。その縦横無尽さは初めて観た人にも確かなインパクトを残したはずで、新曲“SAKURA chevalier”の初披露を含め、間もなく始まる国内ツアーに向けても有意義な前哨戦となったに違いない。
開演から5時間半を過ぎた頃にSONATA ARCTICAの出番となった。暗転と同時にシンフォニック・テイストの大仰なオープニングSEが流れる中でメンバーが一人ずつ姿を現わすと、そのたびに歓声が上がる。そしてトニー・カッコ<vo>が「コンニチハ、トーキョー!」と叫び、そのままトミー・ポルティモ<ds>がけたたましくドラムを叩き始めると、「CLEAR COLD BEYOND」の1stシングル“First In Line”がスタートした。新曲でありながら、これまでも演奏され続けてきたかのような反応が返されているのは、この疾走チューンが持つ強さだろう。アルバム発売時には原点回帰といった言葉が喧伝もされていたが、初期の匂いを特に感じさせるマテリアルゆえのキャッチーさはある。彼らの帰還を大いに歓迎しているファンの様子がよくわかる幕開けだ。
そのまま曲は同じく新作から“Dark Emphath”へ。トニーの要求に応えて、イントロのリズムに合わせて手拍子を合わせるオーディエンス。ミッド〜スロー・テンポでメランコリックな旋律を配したダークな色合いが特徴的だが、AメロやBメロの展開や運びなどにもSONATA ARCTICAの特性が明確に伝わってくる。


続きはBURRN! 2025年6月号で!

https://www.shinko-music.co.jp/item/pid2175012506/

BURRN! 2025年6月号

THE WORLD'S HEAVIEST HEAVY METAL MAGAZINE

BURRN! 2025年6月号


●巻頭大特集:ANTHEM
我が国が誇る正統派HMバンドが迎えた濃密なアニヴァーサリー・イヤー“40周年イベントの全貌”に本誌編集長が迫った独占ロング・インタビュー!!
+ANTHEM ALBUMGRAPHY

●独占インタビュー:GHOST/H.E.A.T/CRADLE OF FILTH/THE HAUNTED/BEHEMOTH/BURY TOMORROW/L.A.GUNS/SCHÖNBERG/Shiver of Frontier/ALICETOPIA

●ライヴ・リポート:CEMETERY SKYLINE(海外)/WINGER/『Legends of AVALON』[SONATA ARCTICA, Unlucky Morpheus, マーティン・フリードマン, PHANTOM EXCALIVER, Anju Tachibana]/PRETTY BOY FLOYD/BAD SiX BABiES × The DUST'N'BÖNEZ/ROYAL HUNT/WARLORD w/MIKE VESCERA'S CRASH AND BURN feat. JIEN TAKAHASHI/+Exclusive Interview withマーク・ゾンダー [WARLORD]/イギー・ポップ +特別読み物『イギー・ポップ考~“ゴッドファーザー”の正体』

●来日インタビュー:IMPELLITTERI★クリス・インペリテリ & ポール・ボスタフ

●特集:北方から出現、百花繚乱の様相を呈した激烈メタル・サウンドの最深淵を探る「北欧エクストリーム・メタルの40年(前編)」
短期連載『Dream Weaver:夢を編む人~ミスター・ウドー物語』⑤
特別連載『Remembering Ronnie James Dio : Brother, Father, Teacher, Friend.』57
特別連載『TALES FROM THE FRONTLINE』90 BAD ENGLISH

★ポスター:CHEAP TRICK 1979

 X: @BURRN

 

BURRN! 2025年6月号

A4判/144頁/定価1,200円(税込)/2025年5月2日発売

ANTHEM 40th Anniversary Prologue Tour 2025
・神奈川 2025年6月7日(土) OPEN 16:45 / START 17:30 横浜ReNY beta
〈OA〉THE JUGGLER
(Gt/島紀史[Concerto moon],B/Katsuki[SAISEIGA],Dr/はな[Gacharic Spin],Vo/蛇石マリナ[Mardelas],Vo/GAINER[HELL FREEZES OVER])

・宮城 2025年6月14日(土) OPEN 17:00 / START 17:30 仙台MACANA
・北海道 2025年6月28日(土) OPEN 16:45 / START 17:30 札幌CUBE GARDEN
・大阪 2025年7月 5日(土) OPEN 16:45 / START 17:30 難波META VALLEY
・愛知 2025年7月 6日(日) OPEN 16:15 / START 17:00 名古屋E.L.L.
・広島 2025年7月12日(土) OPEN 16:45 / START 17:30 広島LIVE VANQUISH
・福岡 2025年7月13日(日) OPEN 16:15 / START 17:00 福岡BeatStation

【共通】
TICKETS ¥8,500 (税込/All Standing/1ドリンク代別途必要)
全公演「THE JUGGLER」がオープニング・アクトで登場!!
・マリナ(横浜、札幌、名古屋、大阪)
・GAINER(横浜、仙台、広島、福岡)

<オフィシャルHP先行受付>
受付期間:1/25(土)10:00〜1/31(金)23:59 受付 URL: https://w.pia.jp/t/anthem/

<一般発売日>
2/22(土)から一般発売開始

※公演の中止および延期以外での払戻しはいたしません。※未就学児(6 歳未満)のご入場はお断りいたします。
企画・制作:METAL MAN / PGG

ANTHEM
CRIMSON & JET BLACK
2023年

ANTHEM
ANTHEM 35+
2021年

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