DARK TRANQUILLITY:北欧メロディック・デスの重鎮が、新作「ENDTIME SIGNALS」を引っ提げて約10年ぶりに来日。充実の内容でファンを喚起させたライヴの模様を詳細にリポート。

メンバーもすっかり替わった。前回もいたのは、オリジナル・メンバーで当初はギタリストだったミカエル・スタンネ<vo>と1999年に加入したマーティン・ブランドストローム<key>の2人だけ。彼らがヨハン・レインホルツ<g>、クリスチャン・ヤンソン<b>、ヨアキム・ストランベリ・ニルソン<ds>、そしてまずはライヴ・メンバーとして昨年参加したHATESPHEREのギタリスト、ピーター・ライズ・ハンセンを引き連れて来日したのは初めてだ。
現在のメンバー(ピーターは除く)で制作され、昨年8月にリリースされた通算13作目となるニュー・アルバム「ENDTIME SIGNALS」は、DARK TRANQUILLITYの過去と現在の美点を総て詰め込んだ傑作だった。ゴシックやニュー・ウェイヴの要素も取り入れたアグレッシヴでメランコリック、そして何と言っても美しい、このバンドならではのメロディック・デス・メタルは多くのメタル・ファンを魅了した。約10年ぶりに観られるというのも嬉しかったが、そんなアルバムを引っ提げての来日というのもまた嬉しかった。しかも、2015年当時と比べてライヴ・バンドとしての演奏力が上がっているであろうことは容易に予想出来た。期待度は非常に高かった。
待っていたファンがいかに多かったかは、東京公演が完全ソールドアウトになったことからもよく判った。会場の渋谷クラブクアトロは超満員だ。スタッフの「まだ入場出来ていない人がいるのでもう少し前に詰めてください」という旨の呼び掛けをこの会場で聞いたのは久しぶりのような気がする。DEATHSTARSやFOREVER GREY、TYPE O NEGATIVEの曲が客入れのBGMとして流れている間、場内の熱気は高まっていく。
1曲目は“ニュー・アルバムからのThe Last Imagination”だった。どちらかと言うと“鬱の方向性”の曲なので、オープニングに相応しいとは言えないかもしれないが(勿論悲哀に満ち溢れた素晴らしい曲で、個人的な好みにもどストライクではあるのだが)、観客の盛り上がりは凄い。彼らがどれだけこの日を待っていたかが痛いほどよく判った。2曲目の“Nothing To No One”が終わったところで最初のMCタイムだったが、ミカエルは嬉しそうな、そして感慨深げな表情でただただフロアを見渡し、しばらく何も言わない。それに対して観客は熱狂的な反応を贈る。この時、バンドとファン双方の愛が1つになった。とても美しい光景だった。
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