【ライブ本編レポート】ANTHEM 10月5日-LIVE CIRCUS vol.4-@表参道GROUND

ANTHEMの『LIVE CIRCUS vol.4』そのツアー初日となった10月5日(土)表参道GROUND公演のライブ・レポート。先に公開の密着レポートと共にお楽しみください。

密着レポートに続いてライブ本編のレポート


毎回大好評でSOLD OUT続出となっているLIVE CIRCUSツアー。ホールではなくライブハウス規模でのツアーということでステージとファンの距離がグッと縮まり、大きな会場と違ったANTHEMを体験する貴重な時間であるだろう。古くからのファンならば過酷なツアーを続けていた80年代のANTHEMの姿を思い出すかもしれない。

ツアー初日となった東京表参道GROUND公演は早い段階でSOLD OUTとなり、会場には様々なANTHEMのTシャツを着たファンが続々と集まってきていた。
後ろまでギュウギュウ詰めの会場に開演が近いことを表す場内アナウンスが入り、ステージにはLIVE CIRCUSツアーにはお馴染みのANTHEMスタッフの大橋氏が登場する。この日の公演についてのアナウンスを行うが、途中でセリフを噛んでしまうとヤンヤの歓声が飛んでいく(笑)。前説が終わりANTHEMコールを呼び込むと、ファンの期待が大きな声となりANTHEM登場を告げるBLACK SABBATHの“Heaven And Hell”が被さり、それがフェード・アウトしていくと勇壮なSEへと変わりると同時に期待と緊張が広がっていく。ステージには4筋のレッド・ライトが差し込み、バックドロップのANTHEMのロゴが誇らしげに浮かび上がってくる。

左手を突き上げながら田丸勇<ds>がステージに登場、柴田直人<b>と清水昭男<g>が続き愛機を手にする。最後に強く握りしめた拳と共に森川之雄<vo>がステージに登場、気合一発「行くぞ!」とフロアに喝を入れパワフルな“Don’t let it die”が始まり清水のリフが会場に渦巻く熱気を切り裂いてゆく。柴田は首を激しく振りながらファンを煽り太いビートを刻む。

森川之雄<vo>

今回密着レポートもあったので普段のライブレポートとは違った視線でも見ていたが、プレイヤーとしての柴田だけでなく、ANTHEMのショウ全体を見回す『監督』としての柴田の動きにも注目していた。ベースを操りながらスタッフに音の指示をさりげなく伝え、視線を追えば各プレイヤーの動き、そして会場全体の雰囲気を掴み盛り上がり方を探っている様にも見える。これからショウをどうコントロールしていくか計算しているのであろう。プレイヤーでもありマエストロでもある柴田の動きがLIVE CIRCUSでは生に伝わってくる。これも超接近戦だからこそより明確に伝わってくることでもあるし、これも楽しみ方の一つだとも感じた。ショウは“Keep your spirit alive”、そして“overture〜On and on”と続いていく。

柴田直人<b>
柴田が「LIVE CIRCUSが始まりました」と挨拶、緊張で眠れないかと思ったらよく眠ることが出来たと笑いを誘い、緊張していた面持ちのメンバーもこれで少し肩の力が抜けたのではないだろうか。ここから先ANTHEMのレア曲が続くのだが、何が飛び出すのか分からないのもこのLIVE CIRCUSツアーの醍醐味。森川が初めて歌うと告げて“Bloodline”のSEが鳴るとこの曲がきたのかというどよめきがフロアに広がっていく。ウネリの強い曲がファンを揺らし、リハーサルの時では抑えていた森川は強烈なシャウトを決める。曲の終わりに柴田はクルっとターンを決めピックを投げ込む。続いて「2ndアルバムから行くぜ! 」と“Death to death”の曲名を告げ、田丸のドラムを呼び込む。柴田と田丸のリズム隊が腹の底に響くビートを生み出し、コーラスで会場一体だ。

「皆の声を雷鳴の様に声を響かせてくれ!」とシャープでメタリックな清水のギター・リフからバスドラ連打の疾走曲“Voice of thunderstorm”が駆け抜ける。拳を挙げヘッドバンギングしているファンに向かって、まだまだ盛り上がれるだろうと柴田は大きく口を開け「騒げ!」と叫んでいるようにも見えた。そして柴田は森川と向かい合ってサビで魂をぶつけ合うようにシャウト、その熱量にグイグイとステージに引き込まれていく。
清水昭男<g>

ここでレア曲連発を『尖ったANTHEM』とMCしていた森川だったが、思いっきり噛んでしまいほっこりとした空気で盛り上がるフロア。アットホームな雰囲気が広がっていくが、この空気感を楽しめるのもステージとゼロ距離なLIVE CIRCUSツアーならではだと思う。しかしANTHEMのクラシックである“Evil touch”が始まるとオセロの駒が裏返っていく様にあっという間に会場の雰囲気がシリアスなっていく。ファンの握る拳にもより力が入り、その拳がANTHEMに向かって突き上げられる。レポートのことが頭から抜けてステージに引き込まれる感覚に襲われる位ステージから放たれる熱量が凄まじい。

薄青いライトの中で清水がメロウなメロディを奏でてバラード調の“Walk through the night”で熱が高まる一方だった会場をクールダウンさせる。オリジナルは坂本英三が歌い彼の歌唱も素晴らしかったが、森川の歌唱力も勿論素晴らしく、マイクスタンドを手に情感が会場の隅々まで心地よく響き、メロディに酔いしれる。「3人のアツいアツいプレイを楽しんでくれ」と森川の言葉に導かれてインスト曲“Sacred trace”が弾き出される。ブリティッシュ・ハード・ロックを感じさせるインスト曲で、時折右腕を突き上げる清水の泣きのギター・プレイ、そして楽器隊3人のバチバチのバトルがファンのハートをガッチリと掴んでいる。

田丸勇<ds>
柴田が指さす方を見ると森川が再びステージに登場。ここから後半戦に突入とファンに一煽り入れてから「歌えるヤツはガンガンやってくれ」と始まったのはANTHEMクラシックにして名曲の中の一つ“Gypsy Ways (Win, Lose or Draw)”。清水がリフを刻むとこの曲が来たかといったどよめきに近い歓声が上がり、それに応える様にレッド・ライトに照らされた森川は誇らしげに右手を突き上げている。田丸は改めて気合を入れる様にグッと奥歯を噛みしめるような表情でスティックを操り、柴田はもっと声を上げられるだろといった風にフロアを指さしファンと一緒にコーラスを歌う。

名曲の名演の余韻を破る様に田丸のシンバルカウントからキャッチーな“Awake”へと続き、心地よいグルーブが自然と体を揺らす。「興奮してくれ、燃えてくれ!」と始まったのは“Do you understand?”で個人的にはまさかと思っていたのでオオっと少し前に乗り出してしまった。見どころは中盤に盛り込まれた清水と柴田によるギター/ベース・バトル、真正面ガードなしでの殴り合いの様な凄まじさを間近に興奮するなというのが無理だろう。クールな清水が俺を見ろといった表情になったのが印象的だった。「気持ちいいだろう、最高だろう」と笑顔の森川、そして「一緒に叫んで楽しもうぜ!」と“Shout it out”がファンを鼓舞する。サビではファンもバンドも本当に楽しそうに、そして誇らしげに「Shout it out! Shout it loud!」と叫ぶ。

楽しかった時間も本当にあっという間で森川が「最後の曲だ!」と告げると「エ~!」という声が広がっていく。“Engraved”の曲名が告げられ、ANTHEMの力強さを刻み付けてる曲で締めくくった。最後に4人並んでのカーテンコール、深くお辞儀をしてアンセム・コールに包まれながらステージの奥へと消えていった。
止むことのないアンセム・コールの中再びステージに姿を現すメンバー4人。感謝の言葉を述べて、フックあるメロディに哀愁を溶け込ませた“Shine On”が始まる。再び会場は一体となり盛り上がっていく。再結成後にもいくつもANTHEMの名曲が生み出されるが、この曲もその中の1曲。ANTHEMらしさに溢れ、日本人の心に突き刺さるメロディラインにうっとりする。

この曲で再びステージを後にしたメンバーであるが、まだまだ聴きたい曲があるという大きなアンセム・コールに背中を押される感じでメンバーがステージに登場。「もうやるっきゃないね」と森川の言葉、そして「WILD!」と叫ぶと「ANTHEM!」とそれに負けじと叫び返す会場いっぱいのファン。名曲にして必殺の“Wild Anthem”で会場一体アツクアツク盛り上がり、ツアー初日となるANTHEM一座の表参道GROUND公演は終了となった。
今回のLIVE CIRCUSツアーであるが本当に見るべきポイントが多い。普段のホール規模での公演とは違ったライブハウス規模でのパフォーマンスはバンドの熱量がより生々しくダイレクトに伝わってくるし、プレイヤーそれぞれの動きも細かいところまで見ることが出来るので面白い発見もあるだろう。レポートにも少し触れたがショウをコントロールしている柴田の動き、特にその表情や目線の動きというに関心させられる場面が多かったが、それはホール規模では気がつかないかもしれない。

そしていわゆる盛り上がり必至な「定番曲」を少なめにしてのセット。掘り起こされると言うと語弊があるかもしれないが、なかなかステージで披露されることの少ない曲がプレイされるというのは本当に貴重であるし、そういった曲であってもしっかりとショウを成立させるANTHEMの奥深さにも驚く。実は私が観ていた場所の近くにANTHEMのライブ初心者と思える人がいたのだが、その人が大絶賛しながら会場を後にしていたのがそれを表しているかもしれない。しかも表参道、福島と終了した2公演のセットリストを見ればなかなか「ニクイ曲」が入れ替わっているというのもANTHEMファンならチェックしているのではないだろうか。そういった「ライブバンドANTHEMの凄み」を嫌というほど味合わせてくれるのもLIVE CIRCUSツアーだろう。

全ツアーする猛者もいるが、その価値もあるしそういったファンの気持ちも分かる。それは私も一緒で、関東圏以外の公演に行けないかスケージュールを確認したくらいだったからだ。SOLD OUT公演も多いLIVE CIRCUSツアーだが、チャンスがあるなら是非とも足を運んで欲しい。
10月5日 ANTHEM SETLIST@表参道GROUND

1.Don’t let it die
2.Keep your spirit alive
3.overture〜On and on
4.Bloodline
5.Death to death
6.Voice of thunderstorm
7.Evil touch
8.Walk through the night
9.Sacred trace
10.Gypsy Ways (Win, Lose or Draw)
11.Awake
12.Do you understand?
13.Shout it out
14.Engraved

-encore 1-
15.Shine On
-encore 2-
16.Wild Anthem

ANTHEMがあなたの街へとやってくる Live Circus vol.4は続く!


ANTHEM「 Live Circus vol.4」
伝説の超接近戦再び!!!!!


普段のツアーではなかなか行くことができない街へ、そして、未だ見ぬファンに会うため、にANTHEMはまた超接近戦の旅に出ます。最小限のSTAFFとメンバーと選りすぐりの機材を車に積み込んで、まるでサーカス一団の様に街から街へと移動しながら旅を続けるツアー!!それがLive Circus!!

ANTHEM-Live Circus vol.4-

10/13(日)【山口】LIVE rise SHUNAN(Sold Out!)
10/19(土)【新潟】柳都SHOW!CASE!!
10/20(日)【長野】LIVE HOUSE J
10/26(土)【豊橋】club KNOT(Sold Out!)
10/27(日)【静岡】Sunash

《TOUR FINAL 2Days》
11/16(土)【新横浜】NEW SIDE BEACH!!
11/17(日)【新横浜】NEW SIDE BEACH!!

※チケットの販売状況は10月8日現在のものとなります。
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※LIVE CIRCUSならではの
『お楽しみ企画』を実施致します!
■ 『スペシャルフォトセッション』
(各会場抽選15名様)
■ 『スタンプラリーカード』
(各会場にアンセムスタンプをご用意)
■ 『メンバーオリジナルスタンプ』
(福島、長野、静岡、新横浜二日目の会場ではメンバーのオリジナルスタンプ)
■ 『ツアー完走ありがとう企画』
(全10公演分のスタンプを集めた方には、新横浜2日目(11/17)の終演後にメンバーから感謝の意味を込めて9大プレゼント)
※お楽しみ企画の詳細情報はこちらからどうぞ
http://www.heavymetalanthem.com/news/2019-anthem-live…cus-vol-4-detail/
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