<ROCK BEATS CANCER Vol.6>完全レポート パート2

2018年12月29日@東京EX THEATER ROPPONGI

LAZY、LOUDNESS、GRANRODEO、JAM Project、怒髪天、柴田直人(ANTHEM)、ジミー桜井、ジョンジー大塚、ジョージ紫、影山ヒロノブ、高崎晃、井上俊次、二井原実、増子直純、西田竜一
 
Report by 倉田真琴

LAZY

意外と知られていないことだと思うのだが、LAZYは日本初のヘヴィメタル・バンドである。彼らは1977年デビュー。ベイ・シティ・ローラーズ旋風が吹き荒れていた時代に、国産アイドルバンドとして売り出された。サード・シングル「赤頭巾ちゃん御用心」がヒットし全国区の人気者になるも、DEEP PURPLEの曲名からバンド名を付けていることからもわかるように、彼らは元々ハードロック志向だったため、やがて苦悩することになっていく。溜まりに溜まった鬱憤を晴らすべく、彼らは1980年7月のツアーで「ヘヴィメタル宣言」を敢行、本来の姿に戻り、アルバム『宇宙船地球号』をリリース。この作品はハードな楽曲で埋め尽くされた傑作となった。その後、LAZYは発展的に解散。高崎晃(G)と樋口宗孝(Ds)はLOUDNESSへ、井上俊次(Key)と田中宏幸(B)はネバーランド、影山ヒロノブ(Vo)はソロ歌手として、それぞれの道を歩むことに。1997年に再結成、その後2人のメンバーを失いながらも現在まで続いている伝説のロックバンドである。

          影山ヒロノブ<vo>

          井上俊次<key>

     高崎 晃<g>

眼の前でLAZYが演奏している。デビュー40周年記念シングル『Slow and Steady』から立て続けに3曲、そして彼らの5thシングルでハード路線の楽曲「地獄の天使」が演奏された。個人的に『夜のヒットスタジオ』の遠い記憶が蘇る。これは奇跡なのだろうか。間違いなくLAZYは生きている。彼らのライヴは一年に一回あるかないかのペースだが、是非とも演り続けて欲しいと願う。

アイドルとしてキラキラのオーラをしっかりと放つフロントの3人が実に素晴らしい。とくに高崎はLOUDNESSでの佇まいとは明らかに違っている。

JAM Projectから奥井雅美を呼び込み「BABY I MAKE A MOTION」が演奏される。影山がほぼ忘れかけていた振り付けが、奥井の提案で蘇った。そして影山がリーダーを務めるJAM Projectを呼び込み「ロンリースター」、さらにはGRANRODEOとのコラボで『宇宙船地球号』収録の名曲「DREAMER」と、存分に楽しませてくれた。LAZYは他にも素晴らしい持ち曲がまだまだたくさんあるわけで、忙しい3人が揃うのは困難だろうが、次回はワンマン公演を期待したい。

     奥井雅美<vo>(左)

     featuring JAM Project

     KISHOW<vo>(左)
     e-ZUKA<g> & 高崎 晃<g>


高崎 晃オールスターセッション

最後のセクションは<高崎晃オールスターセッション>である。ドラム台には高崎晃。彼はLOUDNESSのワンマン公演でも度々ドラム演奏を披露しているから、それほど珍しいわけではないけれども、初めての人は必ず驚く。樋口宗孝氏から直々に教わり、自身のアルバムでもドラム・パートをレコーディングしているわけだから、腕前はかなりのものなのだ。ヴォーカルはJAM Projectの遠藤正明。ギターはジミー桜井、ベースにジョンジー大塚という布陣で、LED ZEPPELINの4thアルバム収録曲「When The Levee Breaks」を披露した。

     遠藤正明<vo>
          ジミー桜井<g>

続けてヴォーカリストが福山芳樹に交代。3rdアルバムから「Out On The Tiles」。通好みの楽曲を立て続けに披露してくれた。

桜井&大塚はバンド“MR.JIMMY”として、数日前にこのステージでツェッペリン最後のアメリカ公演セットリストを再現したばかり。桜井氏のパフォーマンスは初めて見たのだが、動きも音もまるでジミー・ペイジであった。高崎曰く“近くで見ると日本人顔”とのことだが、遠目からはペイジそのものであった。ちなみに桜井氏は2017年11月よりMR.JIMMYの活動と並行して、あのジェイソン・ボーナムのバンド、Jason Bonham's Led Zeppelin Evening(JBLZE)のメンバーとしても活動中という、世界で認められている実力者である。

          福山芳樹<vo>

続いて影山が再び登場。ギターはGRANRODEOからe-ZUKA、ベースにANTHEMの柴田直人、キーボードに沖縄県出身のハードロック・バンド“紫”のジョージ紫という布陣となった。高崎はそのままドラム台に座り続け、叩き始めたのはなんとDEEP PURPLEの「Fireball」。イントロからイアン・ペイスばりに凄まじい高速ドラムが放たれるキラーチューンだ。ペイスにしては珍しくツーバスの曲なのだが、高崎はキッチリと再現している。さらに疾走感を引き立てる柴田のベースプレイはもちろん完璧であり、ベースソロからキーボードソロへと繋がるパートは鳥肌モノ。柴田と紫、パープル狂2人による音の再現力は感動的であった。レジェンド達に囲まれてe-ZUKAがやや緊張気味であったのも面白かったが、新潟出身の彼は同郷のジミー桜井が地元の“憧れの先輩”であったという。
     影山ヒロノブ<vo>(左)
     ジョージ紫<key>
     柴田直人<b> & e-ZUKA<g>

          柴田直人<b>

          高崎 晃<ds>

          西田竜一<ds>

演奏を終え、高崎もさすがに疲れた表情を見せている。ここでドラマーを西田竜一に交代。ギタリストは高崎で「Burn」。レアな布陣による演奏にオーディエンスは痺れっぱなしである。柴田&西田のリズム隊は初めて見た気がする。そもそも筆者は動くジョージ紫を目撃したのが初めてのことであった。だから感動しっぱなしだったのである。

オーラスは出演者全員によるオールスターセッションでの「Rock And Roll」。超一流のミュージシャン達による圧巻の演奏は、ベテランならではの余裕と貫禄を感じさせてくれた。あまりにも濃い内容のフェス、大興奮の一夜となった。次回はいつになるのだろうか。早くも待ち遠しい。

     山下昌良<b> & 柴田直人<b>

     増子直純<vo>, 二井原 実<vo> & 高崎 晃

2018年12月29日@東京EX THEATER ROPPONGI
<SETLIST>後半

LAZY

01. Wandering Soul
02. 1977
03. Happiness~二人で過ごすX'mas ~
04. 地獄の天使
05. BABY I MAKE A MOTION with 奥井雅美
06. ロンリースター
07. DREAMER with GRANRODEO

高崎セッション~オールスターセッション
01. When The Levee Breaks 
02. Out On The Tiles
03. Fireball
04. Burn
05. Rock And Roll

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