世界最大にして最強のメタル・クルーズ『70000TONS OF METAL』体験記 2日目
今年で9年目となる世界最大にして最強のメタル・クルーズ『70000TONS OF METAL』。2019年は1月31日から2月4日にかけて中南米のリゾート地ハイチへ向けて満員のメタルヘッズを乗せて出港、2日目へ。
2019年2月1日『70000TONS OF METAL』2日目が始まる!
6時近くに寝たにも関わらず目覚めはバッチリ。
移動の苦労がなく、あっという間にフカフカのベッドで休めるのは本当に助かるし嬉しい。
バンドの開演時間ギリギリまで部屋で休める。
疲れもほとんどなく、快適過ぎて笑顔がこぼれる。
昨日は気が重かったタイムテーブルとの睨めっこも楽しいもので、あれもこれも観ることが出来るかなと気分も上がってくる。
『70000TONS』2日目には遂にメインの『POOL DECK STAGE』が解放され、ファンには嬉しい全てのアーティストとの交流の場、ミート&グリートも用意されている。
ライヴにミート&グリートにファンは一日のやりくりに私以上に嬉しい悲鳴を上げていたに違いない。
こちらはミート&グリートのタイムテーブル。これもチケット代に含まれているので気兼ねなく参加できる。全出演バンドとの記念撮影もサインもゲットできる、気合があれば
因みに乗船時に配られたプログラム以外に、その日のスケジュール等必要な情報がびっしりと書き込まれたペーパーが客室係から毎日配られる。
アーティストのタイムテーブルから予定されているイベント、各レストランや軽食のオープン時間、天候まで『70000TONS』に関する様々な情報が掲載されている。
乗船時に貰うプログラムを紛失したとしても、これさえあれば何があるのか完璧に把握できる。
部屋に毎日配られるが、インフォメーション・ブースでも配布している。
客室係は、毎日私たちがライヴ等を楽しんでいる間に面倒な部屋の掃除もしてくれている。
ここ『70000TONS』では日本人にとって馴染みのないチップのやり取りも不要、いくら用意すればいいのかということで悩むこともない。
さて、この日のトップ・バッターが『POOL DECK STAGE』に立つ時間が近づいてきた。
遂に解禁となった屋外メイン・ステージ 『POOL DECK STAGE』
こちらが遂にこの日から解禁となった『POOL DECK STAGE』の様子。
屋外ならではの解放感が最高。
野外フェスとはまた一味も二味も違う盛り上がりも見せるが、それはまた後程ライブと共に紹介していこう。
『POOL DECK STAGE』のある場所。
宇宙からやって来た戦士たち GLORYHAMMER
朝一番、午前10時のステージだというのに、多くのファンを集めていたのはGLORYHAMMER。
エピック感を内包したシンフォニックなパワー・メタルは、初見だとしてもメタルヘッズの心をガッチリ鷲掴み。
集結したファンの数がその証拠だろう。
宇宙からやってきたという設定なので、メンバーはキャラクターに合わせたコスチュームで武装している。
緑と黄色を基調としたパワード・スーツ風(?)コスチュームに身を包んだトーマス・ウィンクラー<vo>が、「俺たちは宇宙からやって来た!」とMCで何度も言い放っていたが、その度に「いいぞ~」といった感じの声援がステージに向かって飛んでいく。
“Quest For The Hammer Of Glory”ではトーマスは巨大なアストラル・ハンマーを手に登場。
それを振り回すのに合わせる様に手にしたビニール製のハンマーを振り回しているファンも多い。
メンバーが一度ステージから引っ込み、映画『2001年宇宙の旅』でお馴染みのシュトラウスの“ツァラトゥストラはかく語りき”が流れ、何が起きるのかワクワクして待っているとジェームス・カートライト<b>がビール片手にステージに登場。
荘厳なメロディの中でそれを一気飲みし威風堂々としたファンへの感謝のスピーチを披露すると大きな「ウォ~」と大きな歓声が彼に向けられる。
この全てが大仰な演出に何度もヤラれてしまう。
トーマスがEUROPEの“The Final Countdown”のイントロを口笛で挿入する“Universe On Fire”では、ステージの彼らに向けてメロイック・サインが向けられる。
トーマスは栄光を掴む様に手を高く上げ宙を掴むアクション。
その後ろでGLORYHAMMERのブレインであるクリストファー・ボウズ<key>は、怪しい僧侶風の衣装に身を包み鍵盤を操る。
ドラマチックな“Angus McFife”が大歓声の中終わると、勇壮な“The National Anthem of Unst”がエンディングのSEとして流れる。
トーマスの手には再びアストラル・ハンマー、ジェームスの頭にはスタッフにより王冠が被せられてのカーテンコールで終了。
朝一番からスゴイの食らった。
観ても聴いても最高な彼らのパフォーマンスはあっという間に終わってしまった。
GLORYHAMMERセットリスト
プログレッシブ・デスメタルの雄 PESTILENCE
軽く食事をした後、楽しみにしていたPESTILENCEが『ROYAL THEATER』に登場。
スタスタとしながら複雑怪奇な展開も見せるPESTILENCEに集まったファンは盛り上がっていく。
弁髪風の髪型でガッチリとした体格のパトリック・マメリ<g,vo>を中心に、他のメンバーはそれぞれのポジションから動くことなく、頭を振り黙々と変拍子バリバリの複雑な展開の曲をプレイしている。
その姿は本当にクールの一言。
“Commandments”、“Chronic Infection”や“The Secrecies of Horror”といった初期三作からの美味しい選曲はマニアにはたまらないところだったろう。
スラッシュ・メタルからデス・メタルへと移行していった時期の曲が、狂暴さと冷酷さとを凝縮してテクニカルに表現されていく。
その集大成とも言えるのはスラッシュとデスの美味しいところだけを濃縮した様な“Out Of The Body”。
興奮したファンは大きな歓声と共にモッシュピットを作り上げていた。
10月には来日公演も決まっているPESTILENCE、その時にはもっと多くの楽曲がプレイして欲しい。
楽しみで期待できるパフォーマンスだった。
PESTILENCEセットリスト
PESTILENCE
ファンとアーティストの交流の場 ミート&グリート!
ミート&グリートの様子を探りに行った。
多くのアーティストはデッキ4にある4つのブースを使ってファンと交流しているが、VIPアーティストは最上階のデッキ14にある『VIKING CROWN』というラウンジを使って行っていた。
『VIKING CROWN』入場にはセキュリティによるチェックもあり、諸注意も入場前に口頭で告げられ少し緊張する。
アーティストと和気あいあいとした雰囲気の中で写真を撮ったり、グッズにサインを貰ったりとファンも本当に楽しそう。
アーティストも『70000TONS』の雰囲気もあってか、ファンとの交流を楽しみサービス精神も旺盛な印象を受けた。
ファンのマナーが良く、キッチリとアーティストのプライバシーを守っているからこそこういったイベントも共に楽しめるのだろう。
いつもはバカ騒ぎして酔っぱらっているイメージのあるメタルファンだが、暗黙のルールがしっかりと守られており、意識の高さも素晴らしい。
プレミアムなイベントが盛り込まれている場合もあり、ONSLAUGHTは“A Perfect Day To Die”のミュージック・ビデオがワールド・プレミアムで上映され、SUBWAY TO SALLYは「HEY!」のワールド・プレミアム・リスニング・パーティをこのミート&グリートで行われた。
GLORYHAMMERとTWILIGHT FORCEが一堂に会した時にはアーティストのコスプレに扮したファンも多く集まり、通る人の目を楽しませていた。
仕事を少し横に置いて、私も…。
ミート&グリートの会場。左上の囲み部が見晴らし良くVIP級アーティストが登場の『VIKING CROWN』。
クールなテクニカル・スラッシャー CORONER
ミート&グリートの様子を楽しんだところでスイスのスラッシュ・メタルCORONERが演奏している『POOL DECK STAGE』に戻る。
タイムテーブル上はショウ中盤のはずだがまだセッティング中だった。
どうやら突然雨に降られて前のバンドが一時演奏中断したようだ。
悪天候は避けることも出来るクルーズ船だけにこれはかなりレアなケースだった。
今日は朝まで目当てのバンドが多数出演するので、部屋に戻ってちょっと休憩。フカフカのベッドで軽く一休みした。
CORONER、解散前はトリオ編成だったが、今はライブにマニピュレーターを迎えている。
風の強いステージはスモークが吹き上げられ、トミー・ヴェッターリ<g>の髪が舞う。
この日はテクニカル・スラッシュ・メタルからインダストリアル的な路線も取り込んでいった『MENTAL VORTEX』と『GRIN』からの選曲が中心だった。
RUSH並のテクニカルな演奏とインダストリアル要素の入った冷徹で硬質なサウンドがクロスしていく。
そんな選曲とパフォーマンスは、モッシュやクラウドサーフよりも、テクニックの応酬を堪能するファンが多い。
ラスト“Reborn Through Hate”、“Die By My Hand”とスラッシュ・メタル色強い初期2枚のアルバムからガッツリとやって終了。
必殺の"Thundersteel"! RIOT
『STUDIO B』に移動すればRIOTのパフォーマンスが始まるところだった。
ステージに勢いよく飛び出してきたメンバーはドラマチックなイントロから疾走していく“Victory”にファンはヘッドバンギングで応える。
トッド・マイケル・ホールの伸びのあるハイトーン・ヴォーカルは素晴らしく、黙々と弾くマイク・フリンツと激しくヘッドバンギングしたならギターを操るニック・リーのギタリスト・コンビのコンビネーションも絶好調といった感じで美しいツイン・リードも炸裂。
バラード調の“Bloodstreet”では女性フルート奏者が登場、美しく切ないメロディに更に深いドラマ性を盛り込んでいた。
トッドのヴォーカルの魅力を最大引き出した“Angel's Thunder, Devil's Reign”のウケも良く、次に演奏されたクラシックかつ名曲の“Warrior”よりも盛り上がった感じがあった。
ラストはライブの途中からしつこい位に曲名がコールされていた必殺の“Thundersteel”で〆。
最終日のステージを忘れるなよと集まったファンに指さしながら言い放ち、この日のパフォーマンスは終了。
そのステージをまたチェックしたいと思わせるパフォーマンスだった。
RIOTセットリスト
チケット代に含まれた史上最強のフェス飯に驚愕
RIOTが終わった後は丁度夕食時間でもあったし、食事についてもここで紹介してみようと思う。
やはり朝からライブずっと観ていると、お腹もかなりペコペコだ。
無料で軽食を含めて食事を提供してくれる場所はいくつかあるが、デック11の船尾部にある『WINDJAMMER CAFÉ』が一番賑わっていた。
(もう一つデック3に豪華なディナーを無料で提供する『DINING ROOM』があるがそれはまた後ほど)
朝昼晩夜食と内容が全く違う食事がビュッフェ形式で提供され、夕食は毎食テーマあり。
この日はロースト・ビーフをメインにした「英国料理」。
海外らしくヴィーガンにも完全対応している。
もちろん食事の最後を締めくくるスイーツも充実している。
メインの料理にしてもスイーツにしても、どれを食べようかと迷ってしまうほど種類も豊富である。
少しずつ皿に取り分けてもあっという間に大きなお皿でもてんこ盛り盛りになってしまう。
賑わっていたが、かなり広いスペースが確保されているので、並ぶこともなく窓際に座れば洋上の風景を楽しみながら食事も出来る。
百聞は一見に如かずということで、どんな内容かは写真を見れば一発かと。
味も悪くないどころかちょっとしたホテルのビュッフェ以上の美味しさであった。
「フェス飯」という言葉もあるが、その言葉に『70000TONS』のこの食事が当てはまるなら過去最高に豪華な「フェス飯」となる。
朝昼晩夜食とどんな食事が出るのか、「しっかり取材しなくちゃ!」と思い込み、それを免罪符に食べまくったら...
見事に4kg肥えてしまい、家にあったベルボトムが全て履けないという状況に。
『70000TONS』は私のわがままなボディを更にわがままなものにして、帰国後は涙したのだった...。
提供される料理の極々一部。これだけでもかなりの種類。味も最高!
盛り上がる『70000TONS OF METAL』2日目の夜 ATROCITY
お腹もいっぱいになって休憩もとれたので再びライブ会場に。
『STUDIO B』に戻るとATROCITYのセッティングが着々と進んでいた。
同名異バンドが世界各国に存在するが、このATROCITYはドイツを母国とするバンド。
マイクスタンドには彼らのバンド名を組み合わせて作ったと思われる鉄のオブジェが付けられている。
黒のレザーに身を包み、うっすらと顔に黒のペイントを施したメンバーは立っているだけでかなりの迫力。
硬質感タップリのアグレッシブなサウンドでインダストリアル色とデス・メタル色を絶妙にミックス。
楽器隊の圧倒的なパフォーマンスに感服、激しくもテクニカルな演奏力に目と耳が奪われる。
連作となった「OKKULT」と「OKKULT Ⅱ」からのセレクトで、アグレッションの塊といった感じの“Death By Metal”ではかなりの人がクラウドサーフで転がっていき、「デス! バイ! メタル!」と拳を振り上げ叫ぶ。
ラストの“Reich of Phenomena”ではステージにビザールな格好のタトゥー女子が登場、ベロを出し両手でメロイック・サインをキメてファンを挑発、そしてスケベな野郎からヤンヤの歓声。
圧巻のパフォーマンスに驚いたATROCITY、海外アーティストの層の厚さを感じた。
素晴らしき鋼鉄魂 VICIOUS RUMORS
そのまま残ったファンと片言の英語を何とか使ってメタル談義で盛り上がっていると、『STUDIO B』にVICIOUS RUMORS目当てのファンが集まってくる。
2018年には名盤『DIGITAL DICTATOR』リリースから30周年のアニバーサリー・ツアーが行われ続行中だ。
ヴォーカルには昨年加入したニック・コートニー。
かなり凄いとの噂だったので楽しみにしていた。
ショウはアニバーサリーを祝う様に“Didital Dictator”からスタート。
そして“Minute To Kill”、“Towns On Fire”、“Lady Took a Chance”とこの名盤からの演奏が続く。
混じりっけのない鋼鉄音楽のパフォーマンスにグッと胸がアツくなる。
華のあるメンバーがいるわけではないが、メタルマニアの魂を引き付けて離さないパフォーマンスは最高、それだけで何もいらない。
噂のニックの歌唱は今は亡きカール・アルバートを思わせるもので、VICIOUS RUMORSのスタイルにもビシッとはまっている。
超名曲“Hellraiser”でのバンドのパフォーマンスは凄まじい程にカッコよく、恥ずかしながらカメラ構えながら涙がボロボロと流れていく。
彼らのパフォーマンスは私の心を捉えていた。
ラストは一撃必殺の“Don't Wait for Me”。
凄まじいという言葉すら生ぬるいこの日のステージを観て、日本の地を再び踏んで欲しいと願って止まない。
本当に最高最強のパフォーマンスに大感激だった。
VICIOUS RUMORSセットリスト
ワールド・プレミアムで最新作「ATEGNATOS」の曲をプレイ ELUVEITIE
『POOL DECK STAGE』に向かうと丁度ELUVEITIEが始まるところだった。
雨による中断の影響はまだ続いていて、時間が押しているのが痛い。
この時点ではまだリリースされていなかった最新作「ATEGNATOS」からの曲がワールド・プレミアムでプレイされるということでステージ前には期待に胸を躍らせるファンが続々と集まっていた。
映画のナレーション風の語りから雄大で美しいメロディのSEに乗ってメンバーが次々に登場、最新作のタイトル曲である“Ategnatos”がプレイされる。
美しいパートから一気にクリゲル・グランツマンのデス・ボイスと共に疾走するパートに突入。
彼らのサウンドの特徴である民族楽器も効果的に導入され、ファビエンヌ・エルニの美しくも力強いヴォーカルも絡んでいく。
ワールド・プレミアムでプレイされたこの曲のパフォーマンスは素晴らしく、新作への期待は倍増した。
強い風にスモークや髪の毛も舞い上がって、その景色も彼らのサウンドに溶け込んでいた。
そのまま「ATEGNATOS」からの楽曲が続くかと思ったのだがここから中盤戦までは“King”、“Artio”、“Quoth the Raven”といった曲がプレイされていく。
フロアの盛り上がりはかなりのもので曲に合わせてみは大声で歌い、クラウドサーファーが引っ切り無しに転がって人気の高さに凄いなと驚かされた。
中盤戦に“Ambiramus”、“Breathe”、“Black Water Down”と再び「ATEGNATOS」からの曲がプレイ。
この日が初めて聴く曲ばかりだがファン大歓迎とばかりに大いに盛り上がりクリゲルは驚きと嬉しさが入り混じった表情を浮かべる。
ドラム・ソロからフォーク色の強い“Havoc”にファンはかなり盛り上がっていたが、残念ながら他の場所でプレイしているアーティストも観たかったのでここで後ろ髪ひかれつつ退場。
贅沢な悩みであるが、こうして会場をつまみ食いしながら多くのアーティストを観るのもフェスの楽しみの1つでもある…、って割り切るしかないなと。
オーケストラとの合体ライブ RAGE&THE LINGUR MORTIS ORCHESTRA
『ROYAL THATER』ではRAGE&THE LINGUR MORTIS ORCHESTRAのステージが既に始まっていた。
シンフォニックな面を強調したRAGEのメンバーによる別プロジェクトにLINGUR MORTIS ORCHESTRAがあるが今回はそれではなく、1996年にリリースのオーケストラとの共演アルバム「LINGUR MORTIS ORCHESTRA」と同じコンセプトでのパフォーマンスとなっている。
ステージ前方にはRAGEの3人、後方にはオーケストラの一団がメロディを奏でる。
RAGEのシンフォニックな面を強調した「XIII」からTHE ROLLING STONESのカバーを除いた全曲をプレイ。
「XIII」を再構築しての完全再現と言っていいだろう。
エレキのパワーにオーケストラが飲み込まれる場面もあったがシンフォニックな「XIII」に優美さや荘厳さをプラスして曲の世界を奥深いものに。
“Sign of Heaven”、“Incomplete”、“Turn the Page”と続いた「CHANGES三部作」の熱演はかなり興奮させられた。
RAGEのメンバー以上に目立っていたのは名前を失念してしまったがLINGUR MORTIS ORCHESTRAの指揮者。
長い髪を振り一心不乱に指揮棒を操る姿はカッコよく、時折メロイック・サインも織り込んでファンの心を擽っていく。
ラストにプレイされたのは「END OF ALL DAYS」から“Higher Than the Sky”。
少し陰のある美しいメロディはオーケストラ・アレンジにバッチリはまり、キャッチーなサビでのファンとの合唱は曲を更に感動的なものに。
そんな感動と共に彼らの深い世界をじっくりとと堪能した時間だった。
RAGE&THE LINGUR MORTIS ORCHESTRAセットリスト
スラッシュ&ユナイト ONSLAUGHT
RAGE&THE LINGUR MORTIS ORCHESTRAに続いて『ROYAL THATER』に登場はUKのベテラン・スラッシャーONSLAUGHT。
ミート&グリートでミュージック・ビデオがワールド・プレミアムで上映された流れもあってか深夜1時にも関わらず熱狂的なファンが集結!
バックドロップにはアルバム「Ⅵ」のアートワーク、彼らの演奏が始まると柵前のファンは最初から激しいヘドバンギングで盛り上がって、その迫力にちょっとビビる私。
ドンと構えた感じのサイ・キーラー<vo>、黙々とリフを刻んでいるナイジ・ロケット<g>と対称的に、ジェフ・ウイリアムズ<b>は何度も大きく手を振り上げファンを煽り、昨年加入したウェイン・ドーマン<g>は表情を作りステージをかき回す勢いで駆け回りリフを刻む。
ウェインは盛り上がるフロアに下りて、ファンの作るモッシュの中心でプレイする場面も。
復活作「KILLING PEACE」からの曲のセレクトが目立ったが、“Let There Be Death”といったクラシックも当然盛り上がる。
ハイライトは当時UKでメタルファンからの支持のアツかったメタル雑誌の名前を冠し、メタルマニアの団結を歌い上げる“Metal Forces”。
やはりこの曲はかなりの盛り上がりで、私も思わず一緒に拳上げてサビを熱唱。
セキュリティに笑われても気にしない。
ラストはハードコア色の強かった1stアルバム収録の代表曲“Onslaught (Power from Hell)”。
サビに合わせて拳を振り叫ぶファンの何と多かったことか。
ベテラン・スラッシャーの味の貫禄をタップリと見せつけた彼ら。
発売を控えたニュー・アルバムを引っ提げて、再び日本のファンにも会いたいとステージを降りたナイジが言っていたが、本当にそれが実現して欲しいと思わせるステージだった。
ONSLAUGHTセットリスト 見辛くてゴメンね
ちょっと休憩を『70000TONS OF METAL』
『70000TONS』のホスピタリティ的な面についても気が付いた点についてもバンドのレポートの間に少し挟んでいこうと思う。
まず気になるのはトイレであるが、部屋にもあるし、各デッキにもしっかり用意されているので困ったこともないし並ぶこともなし。
トイレに長時間並ぶストレスが全くないし、どこのトイレに行っても常に清掃されているので気持ちよく使用出来るのもかなり嬉しい。
何気ないことかもしれないがここも個人的にはポイントはかなり高い。
過去トイレで何度泣かされたことか...。
特に海外のフェスで何度も食らってるけど、がまんにがまんして長時間並んでやっと入ったトイレがあり得ない位汚れていたり、便器が破壊されていたり。
泣けるよね、泣いたよね、本当に。
トイレの写真は綺麗で並ばなかったということでよろしいでしょうか?
一応写真は撮りましたがアップしませんよ。
船内や屋外のステージ近くにはまったりとくつろげるラウンジ、バーや軽食を取れるスペースがありちょっと抜けて一休みや待ち合わせも便利。
何気ないけどこういうのは大事、そしてかなり楽させていただきました。
ちょっとした気分転換にはゲーム、カラオケにビリヤード、そしてあのカジノまである。
ラウンジとカフェ。こんな感じでちょっとした休憩スペースも充実。
悪い大人の最高の遊び場 『70000TONS OF METAL』のジャグジー!
『POOL DECK STAGE』のあるデッキ11にはその名の通りプールが用意され、子連れのメタルファンが楽しんでノホホンとした光景はいいなと。
でもメタルカップルがプールでジャレあっている姿は…。
いいんです、一人でも生きていきます、私...。
最終日はここで飛び込みコンテストが開催されるプール
ビーチチェアもバッチリ!昼間は日光浴、夜は海風を楽しみながらまったりとアーティストの演奏に耳を傾けている人も多かった。
『POOL DECK STAGE』にはいくつかジャグジーも設置されていて、ステージ脇やフロアの後方等にも設置されている。
そこでアーティストのパフォーマンスを観ながらジャグジーを楽しんでいる人もかなり多い。
特にフロアの後方のジャグジーは、アーティストのパフォーマンスに合わせて水をまき散らしたり、その周りをモッシュしたり。
数々の名場面や珍場面を生み出す悪い大人たちの遊び場にもなっていたのだった!
まだ見ぬ強豪ゴブリン・メタル NEKROGOBLIKON
NAPALM DEATHが強烈なパフォーマンスを繰り広げているステージの後ろでジャグジーの中でノホホン彼らの演奏を聴いて楽しんでいた私。
流石にちょっと疲れもあったんでここでリフレッシュ。
ファンの皆さんには申し訳ない気持ちだけど、ジャグジー入りながらNAPALM DEATHの生演奏聴いているのは変に贅沢な気分。
ジャグジーでさっぱりとした私は『STUDIO B』へ。
「ゴブリン・メタル」を自称するNEKROGOBLIKONが面白いよとのことだったので。
キーボード入りでツイン・ギター編成のメロディック・デス・メタルとの触れ込みだったが、モダンなテイストを見り込んだアバンギャルドでクセの強いサウンドで「メロデス」ということで聴くと違和感を覚えるかも。
そしてそのサウンドと同じく彼らのウリとなっているのが、バンドのキャラクターである「ゴブリン」がステージに登場して暴れまくること。
時にメンバーに絡み、時に体全体を使ってファンを煽り、そしてモップを持ち出してメンバーとフォーメーションをキメたりと大活躍。
声援も凄く人気高いなと。
このゴブリンと何故かツーショットをするチャンスがあったのだが物凄いニオイで...。
それはキャラクター的なものなのだろうか?
それともステージで毎回かく汗がマスクに沁み込んだからだろうか?
どっちにしても中の人も大変だろうなと思わせた。
夜中の4時を軽く回っていたが、かなりの集客と盛り上がりは驚き。
日本のファンにとってはまだ見ぬ強豪的なバンドと言えるだろう。
NEKROGOBLIKONセットリストだと思うのだけど...
幻想的な空間で魅せたライブ・バンド の誇り NIGHT DEMON
2日目最後の登場(日付はとっくの昔に変わってるけどそれは言わないお約束)となったのは『POOL DECK STAGE』に出演のNIGHT DEMON。
元々5時近くに出演の予定だったが、『POOL DECK STAGE』は押し押しり6時近い出演に。
ステージ前には彼らの登場を待つ熱心な彼らのファンが集まって根強い人気があるなと。
最初に書いてしまうが、日の出前のこの時間帯の自然の演出が言葉にならない光景をいくつも生み出してな本当に感動的なライブだった。
スモークが風に舞い上がったステージを駆け巡り叫び歌い、うっすらと空が明るくなりつつある空に向かってメロディを解き放つようにプレイするメンバー。
その一挙手一投足に興奮し、メンバーと一緒になって歌い拳を振り上げ無心で頭を振るファン。今思い出しても素晴らしい以外の言葉が見つからない。
サプライズは何とSCORPIONSの“In Trance”のカバーをプレイしたことだった。
丁度日が昇り始めた大西洋上の幻想的な光景に「I wake up in the morning and the sun begins to shine~♪」の歌詞が広がっていく。
曲の内容もシチュエーションもドンピシャにはまっていた。
パフォーマンスは勿論だがそれを感動を倍増させるシチュエーションにゾクゾクと体が震える。
予めアナウンスされたセットリストにはこの曲は組み込まれていなかったので、この夜明けのパフォーマンスに合わせて急遽組み込んだのだろう。
屈指のライブ・バンドとも呼ばれている彼らならではのパフォーマンス、素晴らしいという言葉以外見つからない。
ライブ・バンドの凄みや正統派ヘヴィ・メタルの誇りを感じさせ、死神姿のキャラクターも登場してファンを大満足させてのパフォーマンスは朝日が昇る大西洋上で終了した。
NIGHT DEMONセットリスト 見ればSCORPIONSの曲は組み込まれていないのが分かる
『70000TONS OF METAL』2日目が終わって
7時近くにNIGHT DEMONのパフォーマンスが終了。
南の島ハイチはもう目の前。
長い長い1日だったので、まずは寝てからだと。
目が覚めたらそこは南の島ハイチなんだと思うと、信じられなくてどこか不思議な気持ち。
ということで二日目に撮った写真の中からファンのベスト・ショットで〆。
2月1日 ファンのベストショット ELUVEITIEのライブにて
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