「サキノオト。〜ギタリストSAKI自叙伝〜」
刊行記念 トーク&サイン会・レポート
2026年2月14日(土))タワーレコード町田店 にて、SAKIさん (g)の「サキノオト。〜ギタリストSAKI自叙伝〜」刊行記念トーク&サイン会が行なわれました。司会進行は本書を担当したヤング・ギター編集長の上田慎也。
上田慎也:それではSAKIさんにお話を伺いたいと思います、皆さんどうぞ拍手でお迎えください。
(場内大拍手、ご本人登場)
SAKI:よろしくお願いします。
上田:よろしくお願いいたします。さっそくですが、初の自伝本『サキノオト。〜ギタリストSAKI自叙伝〜』が完成してみていかがですか?
SAKI:時間が掛かったというか、実際やってみたら結構大変でしたね…。昨年の1〜2月くらいから取材が始まっていたので、丸々1年かかった感じです。完成した本を手に取ってみて、こんなに分厚くなると思ってなかったのでビックリしました(笑)。
上田:最初に自叙伝のオファーが来た時、率直にどう思われましたか?
SAKI:ヤング・ギターで連載していたコラム「ちゃっきーの地獄より愛をこめて」を書籍化するタイミングでお話をいただいたんですけど、もちろん初めてのことだったので、“どんな風になるのかな?” と思いました。
上田:取材ではかなり深いお話も聞かせていただきましたが、実際にご自身の人生を振り返るという作業をしてみてどんな感覚でしたか?
SAKI:生まれた時がどうだった、みたいな自分が覚えていない部分もあるので不思議な感覚でした。自分の中の感覚ではこうだった、と思っていても写真を見たり親の話を聞くと違っていたりして面白かったですね。
上田:文章も表現方法の一つだと思いますが、文章と音楽では違いを感じたりしましたか?
SAKI:子供の時から文章を書くのは好きでした。音楽だと長いものもあるけど大体3〜4分くらいで限りがある、文章はもっと自由に時間を使えるところが感覚的に違うかな、と思いました。今回はインタビューを文字起こししていただいたものを自分の言葉に書き換えていく作業だったんですけど、毎章何万字にもなる文章を編集していく過程がすごいなあ、と感じました。
上田:では改めてSAKIさんの音楽人生のエピソードを追っていきたいのですが、そもそもギターとの出会いはどういう形だったのでしょうか?
SAKI:中学校ぐらいの時に友達がクラシック・ギター部にいて、女の子一人だと部屋割りの問題で合宿旅行に行けないから──と誘われて、クラシック・ギター部の合宿に行ったのが始まりです。その頃はピアノとかトランペットもやってましたが、ギターの方がしっくり来て続けることになった、って感じです。
上田:そこからエレクトリック・ギターに手を伸ばすきっかけになった、聖飢魔IIに出会った時のエピソードを改めて聞かせていただけますか?
SAKI:NHKの特番に出ていた聖飢魔IIを見て、エレキを弾いてみようかな、と思いました。
上田:どんなところが衝撃的だったんでしょうか?
SAKI:見た目もそうですけど、私の世代だと聖飢魔IIの本活動時は全然知らなかったり、閣下は〈クイズ番組に出ているすごいタレントさん〉みたいな感じだったので、歌を歌われていたことにびっくりしました。自分の世代だと周りはみんなモーニング娘。とか、アイドルがすごく人気で、ロック・バンドのサウンドみたいなものに触れる機会もなかったので、そういうのも含めてすごく衝撃的だったのかなと思います。
上田:聖飢魔IIをきっかけにエレクトリック・ギターに手を伸ばして、そこからどうやってギターを上達させたんでしょうか?
SAKI:教則本などを買ったり、ヤング・ギターに載ってるフレーズをやってみたり、ヤング・ギターの付録DVDを観たり、スコアを買ったりとかがメインでした。
上田:そうすると基本的には独学でということですよね?
SAKI:ちゃんと習ったっていうのは、本当にプロでデビューしてしばらく経ってからです。
上田:ギターを練習したり、続けていく中で、壁にぶち当たったりしたような時はありましたか?
SAKI:自分はすごく恵まれてて、バーっとデビューまでは早く来てしまったので、これが弾けない、あれが弾けないで悩むというより、プロでデビューした後に色々考えることが多いかな、という感じです。
上田:ギタリストとしてデビューされたのはいつになりますか?
SAKI:一番最初がmixxっていうバンドなので、それが2010年になります。
上田:そこから約15年の中でいろいろあったと思いますが、特に記憶に残っている音楽活動における大きな転機があれば教えていただけますか?
SAKI:いろいろ…ですね──。Mary's Bloodのメジャー・デビューもすごく大きかったし、NEMOPHILAもそうですけど、それぞれに加入したときや、活動休止や脱退というタイミングがとても大きいと思います。
上田:その辺りの詳しいことも本の中で書かれているんですが、大変な時期を乗り越えてSAKIさんが音楽を続けてこられた理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?
SAKI:月並みですけど、ファンの方が沢山いてくださるのが、本当にありがたいですね。特に去年、一昨年は帯にも書いているように “音楽活動はもういいかな…” みたいな気持ちになった時もあったので。それでも根気強く待っていていただけたっていうのはすごいありがたいなと思いました。去年の9月に初めてソロ・ツアーをやって、アルバムをリリースするのが決まったり、昨日(2月13日)から “SAKI TOUR 2026 PLUVIA” が始まったりとか、それはやっぱりファンの皆さんがいないとできないことなので、本当に感謝しています。
上田:いろんな経験をされて、音楽への向き合い方も変わりましたか?
SAKI:バンドに沿ったことをやりたいと思うのは、今でも変わらないですね。Like-an-Angelだと、tetsuyaさん(b/Like-an-Angel, L'Arc〜en〜Ciel)はじめ他のメンバーがどういうふうにやりたいのかを汲み取って……とか思ったりしますし、ソロに関して言うと、自分の好きなこと、やりたいことを優先して、ちょっと無茶なことはサポート・メンバーに任せよう、みたいな気楽なところがあったりします(笑)。
上田:ソロは好きなようにできる反面、大変なことはありますか?
SAKI:独りでやらなきゃいけないことが沢山あるのは、やっぱり大変ですね…。
上田:ちなみに昨日の “SAKI TOUR 2026 PLUVIA” 初日はいかがでしたか?
SAKI:すごく楽しかったです。今回ドラマーがshujiさん(dr/ex. Janne Da Arc)で初めてのライヴだったのですが、アットホームな感覚で演奏できたと思います。
上田:新曲「HORIZON」も初披露だったそうですが、どんな曲なのでしょうか?
SAKI:キングレコードから今年の6月にソロ・アルバムを出すにあたって、その前に1曲きちんと形にしてツアーで披露したいと思っていたんです。最近、友人の別荘を借りて篭って作曲しているんですけど、海が見える場所にあって、そこからの風景を見ながら作曲しました。自分のやりたいことを盛り込んでいった結果、人力で演奏するのが難しい曲になってしまいました(笑)。
上田:一緒に楽曲制作をされてる方はいらっしゃいますか?
SAKI:昔からお世話になっているMary’s Bloodのピアノをお願いしている方だったり、EDM系のK-POPのトラックを作っているアレンジャーさんと共作したりしてます。今、会場で流れている「GERMINANS」のドラムは川口千里ちゃん、ベースはフレデリク・ルクレールに録ってもらったり、「Redemption」は-真天地開闢集団-ジグザグの影丸くんにドラムをお願いしたり、レコーディングで皆がすごく協力的にやってくれるので、自由度高く作っていると思います。
上田:ソロ・アルバムは現状どこまで制作が進行している状況でしょうか?
SAKI:絶賛制作中です(笑)。あと何曲かという感じですね。
上田:今回は基本的に全曲インストゥルメンタルと伺っていますが?
SAKI:ギタリストとしてギターが目立つアルバムを作るべき──みたいな意見をいただいたことがあって、“たしかに、そういうのを一枚作りたい…” と思いました。
上田:SAKIさん以外のメンバーはある程度固定されていますか?
SAKI:そうでもないですね…。色々な方に入ってもらっています。
上田:その辺りも楽しみなポイントですね。インストゥルメンタルでアルバム1枚となると、曲のヴァリエーションだったり作曲の大変さが出てくると思うのですが如何ですか?
SAKI:大変ではありますが、歌モノと違ってヴォーカルのレンジに左右されないというメリットもあるので、せっかくだったらインストゥルメンタルならではの面白いことができたらいいなと思っています。頑張って作っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
上田:今回、グラビアに初挑戦してみて、ギターを持っている時とグラビアでカメラの前に立つのでは、感覚は全然違いましたか?
SAKI:すごく不思議な感覚でした。何が違うって言えばいいのか…ライティングの感じとかもすごく面白かったですね。カメラは全く詳しくないんですけど、全然違うなっていうのは思いました。あと、ダイエットを超頑張りました(笑)。ちょうどLike-an-Angelのライヴ前日が撮影日で、リハーサル期間中もずっとファスティングしていたのでライヴ中に倒れるかと思いました(笑)。
上田:その甲斐もあって非常に素晴らしいグラビアになっていますが、撮影で印象に残っていることはありますか?
SAKI:背中の筋が頑張って綺麗に出たのでよかったと思います(笑)。でもこれ結構大変で、メイクさん、カメラさんにご指導いただいて、“もっと角度をこう!” みたいな(笑)。
上田:僕が印象に残ってるのは、海岸で撮った写真があって、4月なのに海に入っていただいたっていう…。
SAKI:海に入った時、もう冷たすぎて笑いましたね(笑)。
上田:“冷たーい‼” って絶叫してましたもんね(笑)。
SAKI:本当に冷たかったので、それも思い出に残ってますね…鳥肌がめちゃくちゃ立ってて面白かったです(笑)。
上田:そういったグラビアもあったりの自叙伝ですが、この本を手に取っていただく方に向けてどんな風に楽しんでいただきたいでしょうか?
SAKI:本当にいろんなことが書いてあったりするので、細かく読んでもらえたら嬉しいな、っていうのはありますね。
上田:特に印象に残っている章はありますか?
SAKI:CHAPTER 0とか、あとがきはインタビューからの文字起こしではなく、自分で書いた文章なので印象深いですね。あとは(複数の)バンドが並行して動いているところの章は自分で読んでいて “大変だったな…” と感じました。デビューして約15年、いろんなことがあったんだと改めて思います。
上田:ここからは会場の皆様からお受けした質問をいくつかSAKIさんにお聞きしたいと思います。
SAKI:よろしくお願いします。
Q:第3弾としてスコアブックの発売予定はありますか?
SAKI:スコアはその…シンコーミュージックさんの判断ですかね(笑)。
上田:皆さんからリクエストがあれば!(笑) ソロ・アルバムが出ると曲数がまとまってきますので、お楽しみにしていただきつつ、次に行きましょう!
Q:曲を作るときはコードからですか? メロディからですか? リズムやテンポを決めるときのポイントなども教えてください。
SAKI:メロディからのときもあるし、リフのときからもあるので、その時々で変わりますね。
上田:例えば今回の新曲「HORIZON」はどうでしたか?
SAKI:完全にリフからでした。“こういうリフがいいな” っていうのがあって、テンポはいくつか上下させながら決めて、そこから作っていくっていう感じですね。
上田:SAKIさんは“曲を作ろう”と思ってギターを手に取りますか? それとも何かをしてるときに思い浮かんでギターを手に取りますか?
SAKI:“曲作ろう” じゃないとダメですね。“降りてくる”ときも、考えながら歩いたりしているときですね。
上田:よくツアー中に曲作りされる方もいらっしゃいますが、SAKIさんはどうですか?
SAKI:ツアー先でも作ったりしますね。その時はちっちゃいインターフェイスを持っていって、パソコンにつないで作曲したりします。
上田:なるほど、もう一つだけ読み上げます。
Q:SAKIさんは左利きだと伺っていますが、なぜギターを左利き用で始めなかったのですか?
SAKI:クラシック・ギターに左利き用がなかったから、というのが理由になりますね。
上田:苦労はされませんでしたか?
SAKI:初めからそれだったのであまり気にはならなかった、という感じでしょうか。
上田:逆に左利き用のギターを弾くこともできたりしますか?
SAKI:いや、やったことないのでどうですかね?
上田:なるほど、ありがとうございました。
上田:この後、ツアーは福岡、愛知、大阪、宮城、そして東京ファイナルと続きますが、そちらの意気込みを聞かせていただけますか?
SAKI:shujiさんは大先輩なのに、私やユニカインパクトちゃん(b/革命メロイック)、はなちゃん(g/Gacharic Spin)の女子3人からの無茶ぶりにも付き合ってくださるし、福岡と名古屋公演のサポート・ドラマー、前田遊野さんは前回もお願いしている方で、絆もできつつあって、ツアーはそういうメンバーみんなのいい雰囲気も楽しんでいただければ、という感じですね。
上田:あとはまさに昨日からSAKIさんのパネル展をここ町田、新宿、錦糸町、川崎、大阪、名古屋のタワーレコードさんで開催していまして、お写真をちょっと大きめのパネルにして飾っています。かなりの枚数のパネルに直筆のサインを入れていただいたと伺っていますが…。
SAKI:こんなことを言ったらあれですけど、リハーサル最終日が終わってヘトヘトの状態でいっぱい書いたのでいっぱい見てください(笑)。
上田:(笑)最後になりますが、2026年の抱負や意気込みをお聞かせいただけますか?
SAKI:まだまだ発表されてないことも沢山あるので、この先も頑張っていこうと思います。まずはツアーを無事に終えて、ソロ・アルバムを良い形で完成、というところですね。今日ここに来られたのも本当に皆さんの応援のおかげです、今日はありがとうございました!
上田:ありがとうございました!
この後、先行販売の特典サイン会が開かれました。集まった沢山のファン一人ひとりに真摯に向き合っていたSAKIさんのお姿をここに記しておきます。
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サキノオト。〜ギタリストSAKI自叙伝〜
もう音楽を辞めよう
バンドをやらなくてもいいし、なんならギターを弾かなくてもいい──
そんな気持ちで一杯になっていました(本文より)
メジャー・シーンを歩み、自らのバンドで日本武道館のステージに立ったギタリストSAKI。
順風満帆に見えるキャリアの裏で、彼女はなぜ音楽から離れようとしたのか。
本書では、幼少期から学生時代、ロック・ミュージックとの出会い、聖飢魔Ⅱとの衝撃的な邂逅、プロ・ギタリストとしてのキャリア、目まぐるしく過ぎていくバンド活動の日々、そして葛藤と選択の連続を、率直な言葉で綴っています。
ひとりの女性がソロ・ミュージシャンとなっていく物語、その先に鳴らされる“音”への想いを語った、ファンのみならず、音楽に関わるすべての人に届けたい一冊です。
巻頭には写真家・中山雅文氏による撮り下ろしの美麗カラー・グラビア64ページを収録。
アーティストSAKIの“素顔”を、ビジュアル面からも深く掘り下げています。
ちゃっきーの地獄より愛をこめて
Mary’s Blood/元NEMOPHILAのギタリストとして知られ、現在はソロ・アーティストとして自身の名義による作品発表やサポート・ワークなど多彩な活動を展開するSAKI(愛称ちゃっきー)。彼女が『ヤング・ギター』誌上で2016年1月号(2015年12月発売)から連載してきた人気コラム『ちゃっきーの地獄より愛を込めて』が、ついに書籍化!
Mary’s Bloodでのアルバム制作秘話、NEMOPHILAでの海外公演、コロナ禍での活動、ソロ・ワーク、さらには女子力アピール(!?)等々、プロ・ギタリストとしての活動の舞台裏からひとりの女性としての日常の素顔が見えるプライベートまで、SAKIの等身大の心境を飾らず綴った全102回分を、掲載時の写真とともに完全収録。
さらに本書のための撮り下ろしグラビア “SAKIの(地獄の)執筆室” も掲載!
ファン必携、約9年間にわたる歩みを凝縮した決定版です。
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