追悼Gutchie Kojima:フォトグラファー小嶋秀雄さんを偲んで──MUSIC LIFE CLUBでフォトギャラリー公開中

11月29日、シンコーミュージックのハウス・カメラマンとして数々の写真を撮影されてきた、フォトグラファーの小嶋秀雄さんが亡くなられました。古くからBURRN!を愛してくださっている読者の方々も、 “Gutchie Kojima” というクレジットを覚えていらっしゃるかと思います。表紙・中ページを問わず、小嶋さんの写真は長年にわたってBURRN!誌面を彩り続けていました。

記事冒頭のAEROSMITH──スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーのショットは、小嶋さんのフォトグラファーとしての魅力を物語るものでした。1995年に発行された『炎』Vol.4に小嶋さんのインタビューが掲載されているのですが、思わずかっこいいと見惚れたアーティストはいました?という質問に、「エアロなんかはもう別格」と語っていたのです。その際の発言がこちら。

小嶋:「撮るよ」って言った瞬間、バシッとキメてくれる。スティーヴンは過剰なくらい動くし、一方でジョー・ペリーは淡々と静かに立ってて、時々ニコッなんて。(笑) だから、それに対してこっちがどうこう言っちゃ怒る。そのままの状態で撮ってあげると喜ぶわけ。それで「おまえ、うまい」。(笑)

こちらの1992年9月号表紙に使われているのも、小嶋さんの手によるものです。「VULGAR DISPLAY OF POWER」を引っ提げて初来日したPANTERAのフィリップ・アンセルモ(BURRN!初表紙)に柔道着を着せるという、クレイジーな撮影プラン。フィルも「柔道っていうのは日本の伝統スポーツだから、何も知らない人間が着るのはダメだ」と気を遣っていたそうですが、「いざ着せたら喜んでた」ということで、ずいぶんと仲良くなってしまったようです。

こんな風に、小嶋さんとアーティストとのやりとりは非常に自然でした。撮影に時間をかけて待たせたり、注文をつけすぎてイライラさせる、なんてこともなく、ミュージシャンのやりたいようにポーズを取ってもらってナチュラルに撮る。そんなフォトグラファーでした。

BURRN! ONLINEの姉妹サイトであるMUSIC LIFE CLUBでは、小嶋さん追悼ギャラリーを公開中です。こちらではHR/HMに限らず、様々なスタイルのミュージシャンを撮った写真が見られますので、ぜひご覧ください。

今頃は天国で大好きなお酒を(医者の注意も気にせず)グイグイと飲んでいるのではないでしょうか。我々BURRN! ONLINE編集部の仕事ぶりを見てボヤいているかもしれません。改めて小嶋さんの長年の活躍を称えつつ、安らかな眠りをお祈りします。グッチーさん、ありがとうございました!

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