METALLICA:2025年のメンバー自身が振り返る歴史的問題作「LOAD」とは?


今回お届けするのは、先頃の「LOAD」のリイシュー作品登場に際して、METALLICAの面々がラジオ放送用の公式インタビューに応えて口にした発言の数々である。本記事ではその発言内容をできるだけ正確なニュアンスでお伝えするため、いくぶん言葉の補足、発言の取捨選択をさせていただいているが、ここに脚色は一切ない。果たして当事者達は2025年の視点で、希代の問題作についてどう振り返っているのか? 当時の記憶と照らし合わせながら、また、1996年にまだ生まれていなかった読者は想像力を働かせながら、じっくりとお楽しみいただきたい。
(編集部)
[CONFESSION 1] JAMES HETFIELD
当時使っていたスタジオには部屋が4つあって、そのうちの一室でヴォーカルが進行していた。別の部屋では曲作りの仕上げ、向こうでは誰かが編集やミックスの作業をしていて、こっちのエリアにはギターが用意されていて……という具合だった。その間にも別室ではまだ歌詞を書いていたかもしれない。ボブ・ロックが何日か現場を離れなければならなくなると、彼抜きで録音しないとならないのに、俺達ときたら誰も何をどうしたらいいのかわからない、みたいな状態だった。(笑)
そんなカオスな状況ではあったものの、俺達はむしろそのおかげで大きく成長することができた。「当時、そうした状況においてどうやって頭を整理して集中していたのか?」と問われても、俺達としては集中するも何も、それが正気の沙汰だと思える理由すらひとつもなかった。40以上もの曲を書きあげてはいても、ぼんやりと霞んだ大きな雲の中にいる感じだった。それが「LOAD」であり「RELOAD」の制作過程だったんだ。(笑)
場所はニューヨークだった。そこでの作業時は「よし、ここでミックスをやれば完了」となるはずだった。ただ、1996年のその段階で、それが個別の2枚のアルバムになるのか、2枚組アルバムになるのか、はたまた1枚の大作にまとめられることになるのか……そのあたりについてどう考えていたのかを俺は憶えていない。

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