BURRN! 2月号(1月8日発売) 巻頭大特集:JUDAS PRIEST
『PUMPKINS UNITED』の奇跡から7年が経過した。切望されながら決して叶うことはないと言われていたマイケル・キスク<vo>とカイ・ハンセン<g,vo>のHELLOWEEN復帰が2017年に現実のものとなり、2人が“5人のHELLOWEEN”と共にステージに立った姿を目にして、ファンは狂喜し、泣いた。2018年3月には7人で日本にもやって来た。このツアーで彼らは世界中のアリーナをソールドアウトし、名だたるフェスティヴァルにも軒並みヘッドライナーとして出演した。その後マイケルとカイはツアーに参加するだけでなく、パーマネント・メンバーとしてバンドに復帰することとなる。7人でアルバム制作を行ない、2021年にセルフタイトル作品「HELLOWEEN」をリリースすると、世界中のロック/メタル・チャートで軒並み1位、ドイツではナショナル・チャートで堂々のナンバーワンに輝く。彼らのステイタスは揺るぎないものとなったのだ。
そんな具合にあれもこれも到達した彼らが、これまでのインタビューで何度も話していたのが武道館公演だ。それはずっと彼らの“成し遂げたいこと”の上位にあった。そして2023年9月、その夢がとうとう現実となる。興奮と感動のステージの様子は当日ライヴ中継され、日本中のメタルヘッズを歓喜の渦に巻き込んだ。そのライヴ映像に当日のバックステージでの様子なども加え、昨年12月『LIVE AT BUDOKAN』がリリースされた。1984年のバンド結成から40年、還暦を迎えたメンバーもいる彼らが今、キャリアのピークを迎えている。そんな凄いことがあるだろうか!? 普通ならあり得ないだろう。
その“普通じゃなく凄い”HELLOWEENが、再びアルバムを制作している。きっとまたみんなが驚く作品になるに違いない。そのレコーディングで忙しかった昨年11月、バンドのスポークスマンともいえるアンディ・デリス<vo>が、武道館でのライヴを振り返ってあれこれ話してくれた。
──昨年の武道館ライヴを振り返って、どんなことが思い出されますか?
アンディ・デリス(以下A):ショウは素晴らしかった。でも俺達全員が雷に打たれたように驚いたんだ。「ここは日本か!?」って。まるで南米のどこかの国にでもいるかのようにオーディエンスがクレイジーだった。日本のオーディンスがあんなにクレイジーなのを見たのは初めてだった!(笑) 正直言って、公演前はちょっと緊張していたんだ。だって武道館で演奏するっていうのは特別なことだからね。俺は「おお〜! いよいよだぞ!」って、ドキドキしていた。でも1曲目の“Skyfall”が始まって5分ぐらいしたら、その興奮も落ち着いた。そして目の前に広がるオーディエンスが俺達と一緒に歌っている姿を見て、俺は武道館のステージに立っていることをとても光栄に感じた。あのステージに辿り着くまでの長い道のりを、ずっとみんなと一緒に歩んできたんだって考えたら、凄く感慨深く感じたんだ、グッときたよ。そしてしばらくしたらいつもどおり、何も考えずにステージを楽しめた。コンサートの真っ只中にいるっていう最高の状況を満喫できた。会場いっぱいのみんなの中に飛び込んで泳いでいるみたいな感覚になったよ。そうなるのがライヴでの最高の状態なんだ。
──TV放映も併せて録画機材がたくさんステージの様子を撮っていましたが、気になりませんでしたか?
A:そうだね、最初にステージに上がった時にはちょっと感じたかな。でもすぐにカメラのことは忘れたよ、俺は目の前のみんなのためにここにいるんだって思ったから。これは俺だけじゃなくてバンドの全員がそうだったと思うよ。カメラを見て、録画されていることは確認したけどその後はライヴに集中したんだ。
──ライヴにはプロデューサーのチャーリー・バウアファイントも来ていましたね。
A:そう、俺達はショウの前にも彼に会ったし、ショウの後にも一緒に酒を飲んだよ。彼はバンドのいい友達だし、パンプキン・ファミリーなんだ。彼は、ライヴ中はもちろん、終わってからも会場ですでに色々と作業していたから、とても忙しかったんだ。
──ヨーロッパに戻ってからも会ったのですか?
A:いや、ライヴのすべてがデジタル録画されていたから、みんなが家に帰ってからしばらくしてそれがチャーリーからデータで送られてきた。それを各人がチェックして、バンドとマネージメントでZOOMミーティングをしたんだ。「これ、最高!」とか「ここはこっちの方がいい」とか「あそこはこうして欲しい」って、十数人の大人がワチャワチャとうるさかったよ!(笑) 結局のところ、生産性のある話し合いにはならなかった。(笑) 楽しかったけどね。そして後日、大体のところをチャーリーとマネージメントがまとめて、ラフなヴァージョンが送られてきた。俺達はそれをチェックして、主に自分のパフォーマンスの細かい変更を指摘した感じ。例えば「22分32秒の映像は、俺がカッコ悪く映っているから使うのはやめて」とか、そんな感じの細かい話だよ。(笑) …っていうのは冗談で、本当のところはリズムと画像が微かに合っていないところが数ヵ所あったからそこを直したぐらいで、あとはスムーズに完成させていった。
──そのライヴ映像がいよいよリリースされます。
A:そう、いよいよだ! このライヴ映像を観る人達には、あの日の俺達と同じことを感じてもらえたら嬉しいな。あの日は俺達のミュージシャン人生で最も大きな1日だったんだ。それまで何度も日本に行っていて、「いつか武道館でライヴができたらいいな」って望んでいたその夢が叶う日が来たんだ、本当に光栄なことだった…しかもソールドアウトの会場で! ヨーロッパのバンドにとって、これは本当に大きなことだったんだ。だから俺達、いつになく緊張していた。観ているみんなにそれを悟られないか、ちょっと心配だったけど、ライヴが始まったら右も左も、そして会場の上の方まで見渡す限りオーディエンスが埋め尽くしていて、みんなの凄いリアクションを感じて俺達はすぐに落ち着いた。何度も言うけど、バンドのメンバー全員が武道館で演奏できる機会をもらえたことに深く感謝していた。あそこは日本の神聖な武道のための会場だよね。それを充分理解していたよ。俺達にとって最も重要な出来事だった。「ありがとう」っていう気持しかない。
続きはBURRN! 2025年2月号で!
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BURRN! 2025年2月号
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●巻頭大特集:
JUDAS PRIEST……ロブ・ハルフォードとリッチー・フォークナーの個別独占会見と来日ライヴ・リポートで、進化を続ける奇跡のバンドの現実を探る!
●独占インタビュー:
HELLOWEEN
THE ALMIGHTY
THE HALO EFFECT
下山武徳
RAVEN(来日取材)
BELLFAST
●ライヴ・リポート:
KISSIN’ DYNAMITE
LUCIFER
『QUEEN OF THE NIGHT』(CYNTIA x Aldious)
●特別企画
①総括2024&2025年の展望
②海外フェスのすゝめ
③ヘヴィ・メタルとプログレッシヴ・ロックの相関関係
●ポスター:
IRON MAIDEN
BURRN! 2025年2月号
A4判 144頁
2025年1月8日発売
定価1,200円(税込)