CYNICが昨年他界したショーン・マローンへのトリビュート動画をアップ。マローンの死因と死に至るまでの状況についても発表。

アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドCYNICが、2020年12月に他界した元メンバーのショーン・マローン<b>へのトリビュートとして、”Integral”のMVをアップした。

”Integral”はもともと彼らの2010年のミニ・アルバム「RE-TRACED」にギターとヴォーカルのみの曲として収録されていた曲で、今回公開されたのは「RE-TRACED」リリース後にショーン・マローンがベース・トラックを加えたヴァージョン。

これに伴い、CYNICの創設メンバーのポール・マスヴィダル<g>は次のようなコメントを発表した。
「友人でありバンド・メイトでもあったショーン・マローンが2020年末に亡くなって以来、多くの人が彼の死んだ状況について公然と推測したり、個人的に私に連絡を取ってきたりしています。私は悲しみを乗り越えるため、またマローンのプライヴァシーを尊重するため、沈黙を守ってきました。しかし、疑問や噂は根強く残っています。そこで、マローンの人生に深く関わり、結論を求めている多くのファンのために、私にできる情報提供をしたいと思います」

「2020年12月7日、マローンは彼の母親が住んでいたフロリダ州ラーゴで、自殺により死亡しているのが発見されました。彼の母親は2018年に亡くなる前から体調を崩しており、マローンは彼女の大変な晩年を唯一の介護者として共に過ごしていました。そして、2020年1月に我々は元バンド・メイトのショーン・レイナート<ds>を突然失いました。マローンは母親の喪失とレイナートの他界で二重のショックを受けたのです」

「彼の母親の死後、私達は頻繁に話をし、悲しみや喪失感、そしてCYNICの将来についてたくさん話し合いました。私は、ショーンが自立して再出発できるよう、カリフォルニアに来て一緒に暮らそうと誘い、彼はそうしました。すると、以前には見られなかった新たな活力が彼の中に見られるようになりました。彼は再び世の中と関わることをとても楽しむようになって、私達は新しい音楽に取り組み、彼は個人的にベースを教えることも始めました。しかし、そこでパンデミックが起こったのです。すべてがシャットダウンされ、マローンも閉ざされました。彼の痛みと苦しみが再び現われ、彼の光は薄らいでいきました」

「事態は予想外の展開を見せました。ある初夏の夜遅く、彼が姿を消したのです。私は彼に電話をかけ、メッセージを残し、メールを送り、行方不明者を当たり、共通の知り合いに連絡を取りましたが、誰も彼とは繋がっていませんでした。彼からの反応は一切ありませんでした。そして、彼は生きることをやめてしまいました。私は彼が1人で気持の整理をつけて無事に戻ってくるのではないかという希望を抱いていましたが、その希望は12月7日、心の痛みに変わりました」

「私はこの悲しい報告をすると同時に、これまでに録音された彼の最も美しくて叙情的なマテリアルの中から、彼のファンがまだ耳にしたことがないものを共有することで、彼の人生を祝福したいと思います。CYNICのEP「RE-TRACED」のリリースから数年後に、”Integral”というギターとヴォーカルによる曲に彼はフレットレス・ベースを加えました。今回紹介するのがその彼の演奏動画です。そして、彼に敬意を表して譜面と曲のファイルをダウンロードできるようにしました」

「この映像を皆さんにお見せできることをありがたく思っています。私の新しい曲については数週間後には報告できると思います。ショーン・マローンという天才とその超越した才能を祝福してください。彼の魅力的な人生、ユニークな情熱、業績については、彼のウィキペディアのページをご覧ください」

「ちょうど自殺防止意識向上月間ですので、よろしければ寄付をお願いします。”Integral”をダウンロードすると、ギターとベースの譜面と、ベース抜きのインストゥルメンタル・ヴァージョンが付いてきます。収益の50％は自殺防止団体である『To Write Love On Her Arms（TWLOHA）』と『The Trevor Project』に寄付されます。残りの金額は、マローンとレイナートの人生と芸術性を描いたドキュメンタリー映画の製作費に充てられます。

”Integral”のダウンロードはこちらより。