【速報】『政則十番勝負』千秋楽　岸博幸氏によるドリーム・シアター愛とメタル構造改革

9/29(日) 「夢劇場を語り尽くす」
出演：岸博幸（慶応大学教授/経済評論家）

『政則十番勝負』がいよいよ千秋楽を迎えました。

本日のゲストは慶応大学教授／経済評論家の岸博幸さん。TVのコメンテーターとしてもおなじみの方であります。記者は真面目な雰囲気でありながらも、たまに毒を吐くギャップが面白いと思って観ていました。どんなトークが展開されるのかたいへん楽しみであります。

冒頭でいきなり伊藤氏より質問が投げかけられました。「岸さんだったらタワーレコードをどうやって立て直しますか？」。すると岸氏は「タワレコの業績は良い方」だとしながら「コアなファンがここに来れば新しい発見があるという現在の路線を強化するしかない」と返します。レコード会社の経営に関わっており、経営戦略が専門分野の方だけに説得力は抜群であります。

ドリーム・シアターの追っかけを約20年続けているという岸氏の最近お気に入りのバンドはヴォルビート。11月に行われるスウェーデンの単独公演、その会場が約4万3千人収容できるということに会場からも驚きの声が上がります。そして日本での人気の低さが問題に。伊藤氏は、素晴らしいアーティストは多くいるけれども現在はレコード会社の構造的に積極的なプロモーションがされないという現状を説明します。

序盤から濃い話です。懐かしい言葉ですが、やはり「構造改革なくして景気回復はなし」ということなのでしょうか。

岸氏は「日本はデフレが続いてしまって、企業が日本人はお金を使わないと勝手に思い込んでしまっている」と言います。例えば、「ファンは好きなものにお金を使うはず」。確かに好きなアーティストのVIPチケットなら4、5万円くらいなら出す人は多いと記者も同感であります。

続いてドリーム・シアターの最新ツアー、かつて観に行った中国公演の話では、中国では共産党を知っていれば「何でもアリ」という事実に場内から笑いが起こります。さらに、どの時期が好きか、どのアルバムが好きか等々、ドリーム・シアターを軸に様々な話が展開、「夢劇場を語り尽くす」とのタイトルに偽りなしの濃くて深い話が続いていきます。そして、「ラジオで実験的なことがやりにくくなっている」、「音楽が大切にされていない」と現代の様々な問題点へ広がっていきました。
変わって、岸氏がアメリカにいた頃に追っかけていたというラッシュの話へ。アメリカではこれまでに100回くらい観たようなマニアックなラッシュのファンが何人も会場に来ており、そういう人はだいたい「ヒッピーっぽい格好をしている」とのこと。しかし若いファンも来ていると言います。伊藤氏も「若いファンが増えると、バンドの活動も健全化する」、「日本もそうなるべきだけれども、どうすればいいのか難しいところだ」と指摘していました。

終盤に岸氏は経済評論家らしく「メタルが元気になると経済も良くなる」との持論を披露。「逆にメタルから盛り上がって、経済を良くするべき」だとします。今後、消費税が上がり必ず景気が悪くなるわけですが、「ネットに書かないでください」と前置きしつつ、世の中はもっと「リスクを取るべき」であると語ってくれました。ラストは「消費税が上る前にドリーム・シアターのCDを全部買っておくべき」だと。もちろん、買うならタワーレコードであります。

記者の結論。本日は非常に「実のある話」となりました。岸氏が著書『オリンピック恐慌』で書かれているように、スキルを高めつつこの先を生き抜くしかない、と思った次第であります。