藤木昌生の密かな楽しみ Vol.7 ~ 気まぐれプレイリスト1

皆さん、こんにちは。

しばらくコラムを書いていなくて、そろそろ何か書かなきゃな~などと考えていてひらめいたのが、自分のフェイヴァリット・ソングで思いつきのプレイリストを作って、それを紹介したらいいんじゃないかということ。

ということで、『気まぐれプレイリスト』という企画を始めてみることにしました。今日の気分で選んだ10曲を、アナログ・アルバムを意識してA面5曲、B面5曲という形で紹介していこうと思います。一応、曲順の流れもそれなりに考えてやってみようかなと。

以前もBURRN!誌上でいろいろとオススメの曲なりアルバムは紹介していましたが、雑誌の場合はすぐにその場で音を聴いてもらうのは難しくて、誌面に載っているアーティスト名と曲名をわざわざ検索窓に入力してもらわないと試聴してもらえなかったと思います。(そんな物好きでマメな人がどれだけいたんだろう?) でも、このウェブサイト上だったら、リンクをクリックしてもらえればすぐに試聴してもらえるので、それは便利かなと思います。

新旧、メジャーorマイナー、国籍などに関係なく、僕の心に残っている曲をあれこれ紹介していきたいと思っております。時にはHM/HRとは縁遠いポップス系や歌謡曲なんかも入れちゃうかも。まあ、そういうのに興味がない人は、単にそのリンクをクリックしなければいいだけの話ですから。(笑) あくまでも僕の音楽趣味でやっていくつもりですので、どうかお許しくださいませ。

それでは、まず第1回目をスタートしましょう。

SIDE A
1. NEW ENGLAND ”Hello Hello Hello” → Spotifyで聴く
新コーナーの”挨拶”がてらの1曲といえば、やっぱりコレ。僕がたぶん人生で一番好きなバンドの、デビュー・アルバムのオープニングを飾る曲。2016年にこのバンドのライヴを日本で観ることができたなんて、今考えても信じられない気分だなぁ。
2. Q5 ”Lonely Lady” → Spotifyで聴く
多くのギタリストが愛用しているフロイドローズというトレモロ・システムを開発したまさにその人、フロイド・ローズ<g>さんが率いていたバンド。デビュー作「SEE THE LIGHT」は、アルバム・トータルではあまり強力とは思わなかったけど、この曲だけ頭抜けて素晴らしかった。
3. TALISMAN ”Give Me A Sign” → Spotifyで聴く
僕にとってはTALISMANで1、2を争う名曲がコレ。サビ前のブリッジの哀愁がたまらないし、そのブリッジの最後に入るクリーン・アルペジオのセンスが神。歌の1番が終わった後のフレドリック・オーケソンの泣きのギターも心に食い込んでくる。1993年にTALISMANが来日した時、マルセル・ヤコブに「なんで”Give Me A Sign”をやってくんなかったのよ!」と尋ねたら、「だって、ブリッジのバック・ヴォーカルをライヴで再現するのは難しいし…」とか何とかウダウダ言ってるから、「ファンはそんなところまで求めてないって!」と言ってあげました。(笑)
4. SONATA ARCTICA ”8th Commandment” → Spotifyで聴く
ソナタの登場は衝撃でしたね~。STRATOVARIUSをお手本にしながらも、そのSTRATOVARIUSが10年ぐらいかけて築き上げてきたものを一気に超えてしまうものをデビュー・アルバムで提示してしまった、みたいな…。彼らのデビュー・アルバムがここまで凄くなかったら、彼らのその後のメロスピ卒業もそこまで残念ではなかったんだろうな。イングヴェイがネオクラを卒業したらどう思う? JOURNEYが産業ロックを卒業したらどう思う? そういうことですよ。
5. LILLIAN AXE ”The Promised Land” → Spotifyで聴く
LILLIAN AXEの最高傑作と言えば、多くの人が3rd「POETIC JUSTICE」を挙げるんじゃないかな。その3rdアルバムでは”See You Someday”も素晴らしいバラードだけど、僕としてはこっちのバラードの方が好きですね。歌詞を読みながらこの曲を聴いていると、自分の愛する存在がこの世を去った時の状況が蘇ってきて、本当に泣けて泣けて仕方がないんです。

SIDE B

1. RATA BLANCA ”La Llave De La Puerta Secreta” → Spotifyで聴く
クサメロ・ネオクラシカルの決定版! 冒頭のギター・アルペジオはまあいいとして、その後に出てくる霧のような白玉キーボードとシンプルな音とコード進行だけで泣かせてしまうイントロが悶絶級で、この時点でもう半泣きで天を見上げながらガッツポーズですよ。アルゼンチンのブルース・ディッキンソンと言われたアドリアン・バリラーリの歌いっぷりもメタル魂の炎に油を注ぐし、ワルテル・ヒアルディーノのこれでもかというネオクラ・ソロもナイス。もう何年も彼らのアルバムをチェックしていないけど、まだ現役バリバリなんでしょうか?
2. MIDNITE CITY ”Life Ain't Like This On The Radio” → Spotifyで聴く
このバンドはここ5年ぐらいのうちに出てきたメロハー・バンドの中でも抜群の音楽クオリティを備えているんじゃないでしょうか。とにかくロブ・ワイルドの作曲センスが秀逸だし、このバンドはギタリストも派手ではないけど実に良いソロを弾くと思う。この曲が入った2nd「THERE GOES THE NEIGHBOURHOOD」は楽曲粒揃いの充実作で、ピックアップしたい曲はたくさんある。
3. FM ”Bad Luck”(extended version) → Spotifyで聴く
メロハー愛好家には根強い人気のFM。この曲が入った2nd「TOUGH IT OUT」は、BON JOVIを成功に導いて時の人となったデズモンド・チャイルドに共作を依頼した、いわば売れ線狙いのアルバムだったけど、内容は悪くなかった。その中でも、この曲はもろにデズモンド・チャイルド節の1曲。イントロのツイン・リードが好き者にはたまらんよね。僕はこの曲のエクステンデッド・ヴァージョンが(勿体ぶったエディットで)好きなので、今回はそちらをどうぞ。
4. VANDROYA ”The Last Free Land” → Spotifyで聴く
このバンドを覚えているメロスピ愛好家はどれくらいいるかな? 女性シンガーを擁するブラジルのバンドです。ノーラ・ロウヒモやマルタ・ガブリエルとも互角に闘えそうなダイサ・ムニョス嬢の歌唱も素晴らしいし、メロスピのお約束のオイシイ部分は踏襲しながらもメロディのあちこちにフックがあって、この曲はメロスピの隠れた名曲だと思うんだけど。
5. PRISM ”You're My Reason” → Spotifyで聴く
かのブルース・フェアバーン(ボブ・ロックの師匠)がまだ駆け出しの頃にプロデュースのみならずマネージメントも手掛けていたカナダのバンド。彼らの2nd「SEE FOREVER EYES」に入っている美しいバラードです。ピアノが入っているバラードってやっぱりいいよね。2コーラス目のサビ後のブリッジで「Please let me stay within your heart(どうか私をあたなの心の中にいさせて)」というフレーズからツイン・ギター・ソロに繋がっていくところが胸にしみる。ロン・タバク<vo>は実に個性的な声を持った稀有なシンガーだったのに、全盛期に交通事故で亡くなってしまったのが本当に残念。

★上記10曲がまとまったプレイリストは → Spotifyで聴く

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