タイのモダン・メタルコアSARYNが新曲「Pay The Price」をリリース

Overseas Release
現在、今夏の完成を目標にデビューEPの制作を行っているタイの若手モダン・メタルコアSARYNが5月末に2ndシングル「Pay The Price」をリリースした。“代償を払う”とはどういうことなのか、作詞担当のArisrakorn Aurpatcharapolに話を聞いた。
タイのモダンでジェントなメタルコア・バンドSARYNが5月下旬に新曲「Pay The Price」をリリースした。

この曲は昨年8月にリリースされたデビュー曲「Nothing But Echo」に続く2曲目のシングル。

彼らの結成は2017年。ISSUESNORTHLANEARCHITECTSPOLARISMONUMENTSなどのバンドを好んで聴いている若手だ。

SARYN「Pay The Price」

「Pay The Price」の歌詞は前回同様Arisrakorn Aurpatcharapolが手掛けている。彼女は夫であるSiwaroj JittaniyompanitMinerva Recording Studiosを経営してるが、歌詞も提供している。

この「Pay The Price」(代償を払う)という曲のタイトルにはなにか具体的な出来事が背景にありそうだったことから、その内容について彼女に直接尋ねてみた。


Arisrakorn Aurpatcharapol
「この曲の歌詞は、“友人”とされる人に裏切られてしまった不運な私の親友から着想を得たものです。彼はその男性が立ち直るのに手を貸して多くのチャンスを与えました。しかし、その男は受けた親切を当然だと思っていたうえに彼を破滅させようとしていたことが後に判明したのです。思いやりが時として牙を向いて返ってくるなんてあまりにも馬鹿げているし、復讐で物事が解決するわけでもないのです。それはそのままにしておいて、あとはカルマ(因縁)の持つ不思議な力に委ねなければなりません。私はカルマというものを心から信じていて、それは10倍になって戻ってくるものなのです。私はこの歌の中で誰かを不当に扱った“罪人”であり、今まさにその罪悪感に苛まれている自分を想像してみました。そして独り取り残されながらその因果応報に直面している姿を思い浮かべたのです。“代償を払う”ほかに仕方ないという気分はまともじゃないわ!それを乗り越えるのは本当に大変なこと。もう誰もあなたを許そうとしない状況を想像してみて。毎日がとんでもなく苦痛ですから」


さらに興味深いことに、この歌詞は「誤った道を進んでいると思ったのならば、引き返して本来の道へと戻ること。その場合、できるだけ早く引き返す人こそが最も進歩的な人である」というC・S・ルイス(C.S. Lewis)の言葉にインスパイアされたとか。

C・S・ルイスとは、『ナルニア国物語』で知られるイギリスの小説家でありキリスト教弁証家。


Arisrakorn Aurpatcharapol
「彼のその感動的な鼓舞させられる言葉に従うならば、“代償を払うこと”はある種の贖罪ではないかと私は感じているのです。良くも悪くもなっていない状況。自分の行いを思い出して、二度と繰り返さないようにと自分に言い聞かせる期間といったところでしょう。私にとってはそれが進歩なのです。たとえ、永久に罪悪感に苛まれることになったとしても、一歩踏み出すのに十分な勇気が持てたことになるのです。それは小さな一歩かもしまれませんが、それこそが重要なのです」


バンドは現在デビューEPの制作を行っており、レコーディングはあと1曲を残すのみとか。この夏の間には完成させるつもりでいるという。

メンバーによれば、現在は新型コロナウイルスによる影響により、タイでも従来のようなコンサートを開催することはできないが、その代わり、曲作りに力を入れているバンドが多いということ。そして、パンデミック収束後にはたくさんの楽曲が発表されて楽しませてくれることになるだろう、と話してくれた。


SARYNというと日本人にはあまり良い響きには思えないが、「適当にキーボードを叩いて見つけた単語」だったことから何の意図もそこには含まれていない。後に、その単語の意味を見いだそうとインターネットで検索していたところ“魅力的でパワフル”という意味が発見できたのだという。

なお、彼らのデビュー曲「Nothing But Echo」については、『タイのメタルにエールを 第8回』にて説明している。