「ロック・スターはもういない」ティム "リッパー" オーウェンズ

Overseas News
現在はアーティスト写真から音源まですべてと言っていいほどインターネットで手に入れることができ、アーティストとの距離も非常に近くなった。その一方で昔のような楽しみはほぼ失われ、ロック・スターも不在となった、と元JUDAS PRIEST、現在はKK'S PRIESTのボーカリスト、ティム "リッパー" オーウェンズは語る。
かつてはJUDAS PRIESTICED EARTHのメンバーして活躍、現在はKK'S PRIESTのボーカリストに抜擢されたティム "リッパー" オーウェンズ(Tim "Ripper" Owens)

彼はBig Music Geekのインタビューにて、「音楽がデジタルへ移行した今の世代のファンは昔のような発売日を心待ちにして物理的な音源を入手するという経験がなく、魅力が失われているのではないか」という意見に対し、以下のように返答した。

「同じではないよね。以前のようなロック・スターがいなくなってしまったけど、それは音楽をストリーミングしているからだよ。それにYouTubeやソーシャルメディアもあるんだから。そんなもの80年代や90年代にだってなかった。80年代にはラジオでオンエアされるまでは聞くことさえままならなかったわけだからさ。JUDAS PRIEST‘Locked In’(1986年の『Turbo』収録)が流れてくればそれをテープに録音するし、アルバムの発売日にはレコード店に行って購入していたわけだろ?今はソーシャルメディアからの新曲を断片的に再生していて、それはそれでクールだけど……俺の若い頃は雑誌を買いに出て、記事を読んでいたし、そこから写真を切り取ったり、ポスターを壁に飾ったりした。もしくは『Headbangers Ball』が放送されるのをテレビの前に座って待ちながらビデオを見たんだ。それしかなかった。ところが今では誰もがインターネットでそういったものを見ている。昔のスタイルは消え去ったわけだ。今の時代が悪いというわけじゃないよ。実際、素晴らしいと思う。ただ、そういうものすべてをファンが失ってしまったことが残念なんだ。あの頃はさ、メンバーを見られるかも、もしくは会えるかもしれないと思って、ツアー・バスがいつ来るのか、ホテルはどこなのかをこっそりと探っていた。今はミュージシャンの方から会いに来てくれることをファンは期待しているんだ。『ねぇ、あなたたちは出てきてファンに会うべきじゃないの?』という感じでね。だけれども、昔は簡単に会えなかったりすることがロック・スターを作り出していったんだ。彼らはロック・スターだったからファンとバーで会って遊ぶなんてことはしなかった。今とはまったく違うよね」

「俺たちの頃はアルバムの発売日が待ち遠しかったから店まで取りに行ったけど、今はソーシャルメディアでそれをやっている。俺はiTunesですべての音楽を購入しているけど、ストリーミングは一切しない。100万回再生されたところでアーティストには3セントしか入らないからね。俺はジムにいるときやツアーでドライブしているときなんかに『ああ、FOREIGNERの新作が欲しい』ってなるからさらに多くの作品を購入することになるはず。アーティストにはまだ発売日というものがあってみんなはその日に音楽を手に入れるわけだけど、レコード店に行って購入するような興奮は得られないんだ」

「おかしい話を知ってる?今年は、アナログ・レコードがCDより売れた最初の年なんだ。レコードのほうがCDよりも売れているのさ。まったくどうなってるんだよ」


ちなみに、無名のミュージシャンが有名バンドのメンバーに抜擢されて一躍スターとなる『ロック・スター』(原題:Rock Star)という2001年公開の映画がある。この物語のベースとなったのは、ティム "リッパー" オーウェンズJUDAS PRIESTに加入した話だった。