THE WHOのピート・タウンゼント13年ぶりとなるニュー・アルバム「WHO」の『失われた』楽曲について語る

Overseas News
前作から13年ぶりとなるTHE WHOのニュー・アルバム「WHO」がリリースされ、デラックス・ヴァージョンに収録される『失われた』楽曲についてピート・タウンゼントが語る長文コメントの日本語訳が公開となった。

前作から13年ぶりとなるTHE WHOのニュー・アルバム『WHO』がリリースされ、デラックス・ヴァージョンに収録される「失われた」楽曲についてピート・タウンゼントが語る長文コメントの日本語訳が公開となった。
THE WHO

THE WHO


『WHO』は、ロジャー・ダルトリー<vo>本人が『WHO』を彼らの最強作と位置付け『1973年の 「QUADROPHENIA (邦題: 四重人格 ) 」以来最高のアルバムを作り上げたと思う』とコメントし、英メディアも『「四重人格」以来の最高傑作』(Uncut誌)、『1975年「THE WHO BY NUMBERS 」以来の最高傑作』(The Times紙)など、大絶賛が寄せられている。

アルバムのデラックス・ヴァージョンに収録されるボーナス・トラックとして、これまで『失われた』楽曲とされていた1966年の2曲“Got Nothing to Prove”と“Sand (Demo)”が収録される。“Sand (Demo)”は3枚組カラー・ヴァイナルのみに収録される曲だが、日本盤CDにもボーナス・トラックとして収録される。

ピート・タウンゼントはこの楽曲について当時を振り返って言う。
「2曲とも、1966年の夏頃にできた曲で、バンドのメンバーには拒絶されなかったかもしれないが、私の創作上のメンターでもあるTHE WHOのマネージャー、キット・ランバートが受け入れてくれなかったんだ。1967年に曲がお蔵入りになりそうになったとき、私は“Got Nothing to Prove”を、1965年にマーキーで僕らのサポート・アクトをしてくれたJIMMY JAMES & THE VAGABONDS に頼んだ。彼に聴いてもらうためにトゥイックナムの自宅でデモテープをかけたのを覚えているよ。彼らのマネージメントをまだピーター・ミーデンが請け負っていた頃だった。彼が我々のPR担当だったのは1964年のほんの短い間だったけど、私は特に影響を受けた。ジミーはこの曲を気に入ってくれて、もっとR&Bっぽくしてテンポを遅く変えてみたらどうかと言ってくれたが、それでも状況は変わらなかった。思うにキットは、この曲が、現実世界の私よりもっと年上で、自分に満足しきった男が歌っているように聴こえたんじゃないかな。ロジャーもそう思ったかもしれない。今なら上手くいく。あの頃では駄目だっただろう。デイヴ・サーディと私は、ジョージ・フェントンに、この曲に『スウィング60’s』バンド風なアレンジをほどこして、より面白いものにしてくれないか、それにきっちりオースティン・パワーズ的なファンタジーにもしてくれと頼むことにした。その結果、すっかり気に入ったよ」

「“Sand”も同じ頃にできた。単純なアイデアから生まれた曲で、夏のビーチでヴァケーション中にロマンスが生まれるんだけど、雨が降る自宅に帰ってくると恋人たちは続かないという内容だ。この曲も、キットはアルバムに入れるのも止めておこうと言ったので、ただしまい込まれていた。私はずっとこの曲を好きだったが、パソコンがもっと有能になって、デモテープに影響するようなテープが伸びる問題なんかを解決できるようになるまで待っていた。私はこの曲を、自宅にあるスタジオで、何となくTHE WHOならこの曲をこんなふうに演奏し、こんなふうにレコーディングしただろうと自分で感じるように蘇らせた。そういうわけで、バック・ヴォーカルや、リッケンバッカーのエレクトリック・ギターや、アコースティックの12弦ギター、それに正確にその時代を思い起こさせるように、フィードバックさせた部分も加えた。これらの2曲は本来なら私のアルバム「SCOOP」に入るような曲かもしれないが、私はA&Rのリチャード・オドノヴァンに示したかったんだ。つまり彼なら、そして私も感じていることだが、この2曲が新しいTHE WHOのファンに、初期のすべてのTHE WHOの曲のようなロー・ファイな方法の良さや、私が自宅のスタジオでワンマン・バンドを経験したときの純粋な喜びを気づかせてくれるだろうと。以前はそういうのが普通だったからね。結局のところ、これはTHE WHOの歴史だ。そして、偏執的なコレクターだけに向けられたものでもないんだ」

ニュー・アルバムのリリースに伴い、キース・ムーン<ds>の生前最後のパフォーマンスとなった無法の世界“Won't Get Fooled Again”(邦題:無法の世界)と“Baba O'Riley”の1978年の映像が公開されている。

The Who - Won't Get Fooled Again (Shepperton Studios / 1978)

The Who - Baba O'Riley (Shepperton Studios / 1978)

THE WHO「WHO」(SHM-CD)

THE WHO「WHO」(SHM-CD)

発売中
レーベル:ユニバーサル ミュージック
品番:UICP-1197
価格:2,860円(税込)

◆収録曲
01.All This Music Must Fade  
02.Ball and Chain 
03.I Don't Wanna Get Wise  
04.Detour  
05.Beads On One String  
06.Hero Ground Zero  
07.Street Song  
08.I'll Be Back 
09.Break The News 
10.Rockin' In Rage  
11.She Rocked My World  
12.This Gun Will Misfire(ボーナストラック)
13.Got Nothing To Prove(ボーナストラック)
14.Danny and My Ponies(ボーナストラック)
15.Sand (Demo/ボーナストラック))