UNITED ABSURDITY TOUR 2018 END OF YEAR PARTY ライブレポート

Live Reports
バンドのブレインであったベーシスト横山明裕の死を乗り越え、7年振りのアルバム「ABSURDITY」を2018年7月18日にリリースしたUNITED。そんな2018年のUNITEDの活動の締めくくりとなったのは恒例となりつつある渋谷CYCLONEでのライブ。今年は「ABSURDITY」制作に大いに貢献したMasashi "Marcy" ShimadaとHajime Takeiが在籍するThe Coastguardsをゲストに迎え、12月29日に盛大に行われた。

年末の恒例行事となっているUNITEDのライブが例年と同じく渋谷CYCLONEにて開催された。2018年は7年振りとなる10枚目のアルバム「ABSURDITY」もリリースされ違った景色も見せてくれることだろう。そしてこの「ABSURDITY」の制作に深い関わりのあるThe Coastguardsがオープニング・アクトとして出演することがアナウンスされた。
The Coastguards (★)

The Coastguards (★)


まず先に登場はThe Coastguards。Kamomekamomeでも活躍するMasashi “Marcy”Shimada<ds>のサイド・プロジェクトとしてスタートしたメロディック/エモーショナル・ハードコア・バンド。ShimadaはUNITEDの音源制作にこれまでも深く関わっており、Hajime Takei<vo>は「ABSURDITY」の歌詞に対してアドバイスで貢献している。「The Coastguardsと言います。よろしくお願いします。楽しんでいきましょう」というメッセージを放ちショウはスタート。ステージを激しく動き回り、飛び跳ねる弦楽器隊。そしてゆっくりと前後に体を揺らしリズムを取るTakei。彼は時にファンの目をじっと見る様に姿勢を低くし、メッセージを伝えようと言葉を一語一語しっかりと吐き出している。Shimadaは一点を見つめながらビートを叩き出すのに集中している。メロディックながらもどこか陰のあるメロディーと共に疾走していく楽曲がジワリジワリと会場の熱気を高めていく。途中で名前は失念してしまったがゲスト・ヴォーカルを迎えてのパフォーマンスは「柏シティ・ハードコアを舐めんじゃねぇぞ!」という言葉に偽りのないもので、ステージダイバーも登場。最初は様子見といったファンも次第にその熱気に包まれ、天に突き上げられる拳の数も増えていった。久しぶりにやるという胸を締め付ける甘酸っぱいメロディの“So Long Nostalgia”から激なメロディで感情を叩きつける様な“This Burning Season”の2曲の流れは見事。ショウ後半に披露された“Walk Among The Dead”ではモッシュも発生、マイクをフロアに向ければ熱狂的なファンがそのマイクに向かって群がり奪い合う様にコーラスを歌っている。ラストの“All I Want”ではオープニング・アクトということを忘れさせる程の盛り上がり。ファンも、そしてメンバーも宙を舞いメロディと熱情が渦巻き、最後には一体となったステージは終了となった。
The Coastguards (★)

The Coastguards (★)


2018年12月29日@渋谷 CYCLONE
The Coastguards SET LIST

1.Departures
2.Break Down The Wall
3.Final Word
4.Guidance
5.No Heroes
6. So Long Nostalgia
7. This Burning Season
8.Walk Among The Dead
9.S.O.S.
10.The Good Year
11.All I Want
UNITED

UNITED


The Coastguardsのアツいパフォーマンスの次はUNITED。まだその熱が残る中、場内暗転、いつものS.O.D.の“United Forces”がショウの開始を告げる。ステージにはメンバーが次々に登場、ライトが当たっていないのでシルエットのみがステージに浮かんでいる。爆発音の後に「ABSURDITY」のオープニングを飾る “Absurdity”がSEとして続けて流れると思ったのだが、流れない。何かのトラブルかと思ったら生演奏の“Absurdity”が始まる。イキな演出と思ってステージを見るとシルエットが一人多い。“Absurdity”のセリフの部分は明らかにUNITEDのメンバーではない『誰か』が担当している。ステージにライトが当てられると、その正体が判明。先ほどアツいパフォーマンスを繰り広げていたThe CoastguardsのヴォーカリストTakeiだ。その後ろではしてやったりといった表情で笑っている湯浅正俊<vo>がUNITEDのタオルを広げている。ショウはそのままツイン・ヴォーカル体制で“Settle My War”が始まり、二人肩を組み歌うシーンも。曲が終わり大きな拍手の中でTakeiがステージを去ると、アキラ<ds>の激しいドラミングからミュージック・ビデオにもなった“Arise”が炸裂する。吉田"Hally"良文<g>と大谷慎吾<g>の切れ味鋭いリフが放たれると、満員となったフロアにはモッシュが発生、クラウドサーフするファンがダイブすべくステージを目指していく。そのファンの様子を楽しそうに見ながら弦を弾くジョージ<b>。曲のラストで「アラ~イズ!」と湯浅が咆哮一発決めると、それを上回る大きな歓声がフロアから上がる。
湯浅正俊&lt;vo&gt;

湯浅正俊<vo>


「楽しみにしてた?毎年恒例の12月29日の大忘年会、楽しんでいこうぜ!最後まで思いっきり楽しんでいけよ!今夜もUNITEDよろしく頼むぜ!!!」と湯浅が言えばフロアからはUNITEDコールが沸き起こる。そのコールに「もっとみんな言ってくれてもいいんだよ」とまんざらでもない表情の湯浅。そしてその言葉の後に更に大きなUNITEDコールが発生し、アキラがバスドラでそれを後押しする。「そろそろやるよ」と拍手とコールを止めて始まったのは久しぶりとも言っていた“Bust Dying Mind”。曲名をイーヴィルな感じで告げるとUNITEDの轟音がレッド・ライトの中で炸裂する。湯浅はマイクスタンドを前後に揺らし独特のポーズで叫んでいる。大谷のソロからツイン・ギターのハモリへの流れは背筋をゾクゾクさせるカッコよさで、吉田は一歩前に出てファンを威嚇するような表情でリフを刻む。曲はそのまま “Hate Yourself.Hate Your Own Kind”へと続いていく。いくつもの表情を見せながらも崩壊せずに展開していくこの曲は職人集団としてUNITEDの別の顔も見せる。フロアからのカメラには噛みつく様な表情を決める湯浅、最後のシャウトを決めるとフロアからは湯浅に向けて歓声と様々なヤジやイジリが飛んでいく。それらに対して湯浅は笑いながら「いいよね」と返していく。「じゃあ、踊ろうか」と言ってから低くイーヴィルなヴォイスで告げられた曲名は“Mosh Crew”。曲名が告げられると同時にアキラとジョージのヘヴィなビートが響き、ザクザクのリフが切り込んでくる。ユアサの「モッシュ・クルー!」の咆哮でガッと熱が上がり、この曲でやらなきゃウソでしょとばかりにモッシュも発生。ただパンパンの会場ということもあってかどちらかと言えばヘッドバンガーが多め。「Oi!Oi!」の掛け声に手を上げて応える大谷と吉田。大谷は某バンドの有名曲のフレーズを織り込んだソロではどうだといった感じのいたずら小僧っぽい表情を見せる。湯浅はマイクスタンドをフロアに向け、「叫べ!」と盛り上がっているファンに更にガソリンを注ぎ込む。そのままファストな“Sonic Sublime”へと雪崩れ込み、リフが空間を切り裂いていく。この曲の少し長めのコーラス部ではいくつもの拳が振り上げられ、一緒に歌っている。この曲の見せ場でもある大谷と吉田のハモッてのソロの時には、その後ろで「やるな~」といった表情でそのソロを見ながら弦を弾くジョージ。曲が終わり、盛り上がるフロアを見ながら「いいね」とぽつり呟き、「ここはホームだね。楽しめちゃうね、アツいね」と湯浅。そしてこぼした飲み物を入れ替えている間に湯浅コールが起きると、「ここくらいなんだよね、湯浅コールが起きるの」と笑いを誘う。「1st(アルバム)から速いのいくから。知っているヤツは一緒に歌ってくれ、俺はよく間違えるから」と湯浅らしいMCの後、吉田のギターに導かれて始まったのは高速ナンバーの“(it's So)Hard To Breathe”。いくつもの手やメロイック・サインがフロアから上がり、大谷はネックを立ててリフを刻む。この曲もギター・チームの見せ場が多く、二人はステージ端ギリギリまで前に出てフロアのファンを煽る。その間をぬってステージダイバーがモッシュの渦を目指してダイブしていく。曲が終わるとそのまま正統派メタル色の強い“Unavoidable Riot”へと流れていく。メタルのカタルシスと高揚感に溢れたこの曲、サビではいくつもの拳が突き上げられ、盛り上がって隣と肩を組んで一緒になって歌っているファンの姿もあった。そんな光景を見ながら湯浅は何度も両手を強く握り宙へ突き上げる。個人的な思い入れもあるかもだが、ジワジワと盛り上がっていくこの曲を聴くと最後には感情が爆発して目頭がアツくなってしまう。
吉田&quot;Hally&quot;良文&lt;g&gt;

吉田"Hally"良文<g>


「平成最後の年に無事にアルバムが出せました」と言うと、「待ってたよ」、いや、「待たせすぎだよ」といった大きな拍手が起こる。「2018年はUNITEDにとって久しぶりのアルバムをリリースして良い一年だった」と続き、「そんな2018年を良かったねと言えるように今日は楽しもうぜ」と、その久しぶりのアルバムのなった「ABSURDITY」からファストでストレートなノリの“Trapped Fake World”がプレイされる。激しくヘッドバンギングするファンで盛り上がるフロアに、前のめりで噛み付くようにシャウトする湯浅。吉田は左足をモニターにかけ首を小刻みに横に振りながらリフを刻んでいる。「Oi!Oi!」と掛け声を上げ盛り上がるフロアをライトが明るく照らす。ステージのライトがグリーンに変わるとヘヴィな“Dead By Dawn”が始まる。湯浅は再びUNITEDのロゴの入ったタオルを取り出しマイクスタンドにかける。そしてそのスタンドに寄りかかる様にしながら、ヘヴィなグルーブに合わせて体を揺らしながら歌っている。そしてタオルを再び手に取ったもっと来いよといった感じで湯浅は大きく振り回し、曲の最後にはそれを高く放り投げる。そのタオルは、偶然かと思うが、ふわりとマイクスタンドに被さる様に落ちてきた。素晴らしい湯浅マジックだ(笑)。その湯浅の咆哮で始まったのは“Don't Ever Let Me Down”。「ABSURDITY」から三曲続けてだが、どの曲もファンには浸透している様で熱が冷めることなく、逆に激しく体をぶつけながら更に熱が高まっていく。ステージダイバーもバンバン宙を舞っていく。途中でステージダイバーがジョージの前にあるマイクスタンドを倒してしまうシーンもあったが、「仕方ないか~。怪我するなよ」といった感じでちょっと苦笑い気味。大谷は新作からの曲で盛り上がるフロアをみて楽しくて仕方ないといった笑顔を見せながら鬼の様にリフを刻む。
大谷慎吾&lt;g&gt;

大谷慎吾<g>


大きなUNITEDコールを受け「せかすなって」と言う湯浅だが、顔はかなり嬉しそう。「せかしても、俺達じゃなくてあんたらがもたないんじゃないの?」と逆襲。アットホームな雰囲気たっぷりなヤジの中「先は長いぜ」とまだ体感では半分もやってないぜと湯浅。「しっとりいこうかな」と「INFECTIOUS HAZARDから久しぶりな曲」と“Distorted Vision”が始まる。ブルーとレッドのライトが交差するステージから放たれるヘヴィなグルーブが会場のファンにのしかかってくる感じ。ファンはそのグルーブに身を任せ、体を揺らしている。ブレイクしてからのファストなパートでは待ってましたとモッシュが発生。ステージはレッド一色になりギターのノイズ、アキラのヘヴィなビートに導かれ曲が終わる。そのノイズを破る湯浅の「REVENGER!」の叫びと共に高速極悪な勢いに溢れる “Revenger”のリフが弾き出される。激しいモッシュが発生するフロアを「声を聴かせろ!」と湯浅が煽り、曲の終わりには両手で高くメロイック・サインを作る。そのままヒステリックなギター・イントロの“Bad Habit”と「N.O.I.Q.」からコアでファストな曲が続く。大きくマイクスタンド揺らし熱唱する湯浅は再び「拳を突き上げろ!」と叫ぶ。「ヤバイよ」と会場のそこかしこから声が上がる。そしてMCをする湯浅を茶化す様に湯浅コールが起こるが、ジョージが「USA!USA!」と被せるといつの間にかUSAコールへと変わっていく謎のハイテンション状態で、最後にはファン同士で突っ込みあいを入れている(笑)。場を引き締める感じで時間を戻していこうかと始まったのは“My Inner Revenge”。先ほどまで笑いに包まれていたフロアは様相が変わり激しいモッシュが発生。コーラスの掛け合い、それに続く大谷と吉田のツイン・ギターが泣きのメロディと共に疾走していくソロが印象的な曲。特に後者のツイン・ギターを聴くと日本屈指のツイン・ギターだと思う。そのままハードコア色の強い“Fight Fear Kill”と続く。更にフロアの熱は上がっていく感じで、その熱気が高まっていく様を示す様に右手人差し指を突き上げる大谷。このパートでは高速ナンバーが続き「ABSURDITY」か“Alive”が続く。ショウは中盤から後半戦、高速ナンバー三連発はかなり「攻め」の姿勢で体力の消耗も激しいだろう。アキラは少し苦しそうな表情も見せる。大谷は激しく首を振り、吉田はクールにリフを刻む。野太いコーラスを聴かせながらビートを刻むジョージ、湯浅はスマイルと共にフロアを見回し、咆哮。“Alive”が終わった時に叩ききったぜと顔を下に向け大きく肩で呼吸するアキラ。そして何度もタオルで顔を拭き、ニコリと笑う。UNITEDの縁の下を支えるアキラの見せ場でもあった。
アキラ&lt;ds&gt;

アキラ<ds>


高速ナンバー三連発で更にガソリンを注がれた感じのフロアからは「ガンガン行こうぜ!」とヤジが飛ぶ。その声に「ガンガン行かない」と湯浅が笑いながら言う。向けられた矛先を変えようと吉田に振ると、今度は吉田に向けてヤジが向けられる。大きな先輩コールが起きると「ありがとう」と少し照れ臭く応え「楽しんでいってください」と言うと、「先輩、それ散々言っているから」と湯浅が突っ込む。その後、コールはアキラ、ジョージと続き、アキラは「ありがとう」、ジョージは「お楽しみは後で」と続く。最後に大谷コールが起きるが、耳栓をしているからと更に大きなコールを要求する。大谷は自身の体調について自虐ネタで笑いを取りながら、感謝の言葉を口にする。現在のUNITEDの活動を見ていると、大谷に今は亡き横山明裕氏の姿がダブって見えることがある。最後の締めといった感じで湯浅コールが飛ぶ。俺の言うことは信じるなよと言い、「信用しちゃいけない」「信じちゃダメだ」といった言葉を何度も口にする。『信用するな』なんてバレバレな曲フリだなとニヤついていると、アキラのカウントからUNITEDのクラシックである“Don’t Trust!”のリフが弾き出される。大谷と吉田は一歩前に出てソロの掛け合いを決め、ベタな曲フリかなと言った表情で笑う湯浅に弦楽器隊の「ドント・トラスト!」のコーラスが被さる。コーラスではもっと声を聴かせてくれと湯浅は耳に手をあてマイクをフロアに向ける。UNITEDクラシックで激速スラッシュ・ナンバーの“Violence Jack”が続き、ギターリフが弾かれると湯浅は曲名を叫ぶ。大谷と吉田の高速ツイン・リードの共演の後にジョージはファンにはお馴染みの咆哮を決め、湯浅が「Plague!Combat!!Riot!!!」と叫ぶ後ろでアキラがイスの上に立ち上がりファンを煽るのもお馴染みのシーンだ。そういったアクション一つ一つにメロイック・サインで応えるファン。ヤジと歓声が飛び交うフロアに向かって「そろそろ引っ込もうかな」と言う湯浅。場内からは当然の様にブーイングが飛ぶ。「じゃあいつものヤツいくから、歌って」とライトで赤く染まったステージとギターのフィードバックに包まれた湯浅が曲名を告げる。吉田が一歩前に出て“Cross Over The Line”のリフを刻む。原点回帰を目指した「INFECTIOUS HAZARD」収録の名曲。スラッシュ・メタル然としたこの曲にフロアのファンは疲れも見せることなく盛り上がり声を張り上げる。そんなフロアに「声を届かせろ」と湯浅は煽り、会場は更に一体となる。そして本編最後となったのは縦ノリのグルーブ感溢れる“Untied”。ジョージと湯浅の咆哮が被り、大谷と吉田は並んでソロを決める。拳を突き上げろと叫ぶ湯浅、ネックを立てる大谷、ファンとタッチする吉田、立ち上がり右腕を誇らしげに突き上げるアキラ、ネックを高く掲げ揺らすジョージ、ステージとフロアに渦巻く熱を残しメンバーはステージから去っていった。
ジョージ&lt;b&gt;

ジョージ<b>


大きな拍手とUNITEDコールの中、先ずジョージがステージに姿を現す。大歓声とヤジの中、ジョージがマイクスタンドをMOTÖRHEADのレミー・キルミスターの如くセットする。場内からは「レミー!」とヤジが飛び、ジョージはレミーの様なシャガレ声でヤジに応える。レミーネタで笑いを誘った後に「マイクがこうなったってことは何をやるか分かるでしょ?」とMOTÖRHEADをやるのかと盛り上がるフロア。「そう思ったでしょ?」と落とし、「エェ~オ!」と一転QUEENネタに走るジョージ。フレディ・マーキュリーばりのコール&レスポンスで楽しみ盛り上がった後に、UNITEDクラシックの“S.R.S.”のリフが続いてくる。湯浅は缶ビール片手にご機嫌な感じで登場だ。縦ノリの曲に揺れる会場に弦楽器隊の男臭いS.R.S.コールが響くと、ファンはそれに合わせて歌い拳を上げる。この曲が最初にリリースされた時のメンバーはステージには一人もいないがこうしてUNITEDはまだ続き、そのDNAは完全に引き継がれている。世界中見回してもこんなバンドはいないだろう。それがUNITEDのユニークな点であり、素晴らしさだと思う。いつまでもUNITEDが続いていって欲しいと歴代のメンバーに引き継がれているこの曲を聴きながら思っていた。曲の余韻をギターのフィードバックが引きずる中、ジョージのベースに導かれて始まったのは“Holy Dive Screamer”。意外とレアなクラシックでコアなナンバーは昔からのファンにとっては嬉しいプレゼント。オリジナルよりも体感速度的には速く感じられ、「ウィップラッシュ! ウィップラッシュ!」のコーラスでファンとバンドが一体となる。「ステージダイブ!」と湯浅の咆哮一発で曲が終わるとフロアからはヤンヤの歓声が上がる。次は俺の出番だと吉田がギターを構え「ハリー!」と声援の飛ぶ中、UNITEDの名曲中の名曲“Sniper”のリフが刻まれる。ファンは激しいヘッドバンギングで名曲に酔いしれる。歌詞の2番は2017年に亡くなった初代ヴォーカリストのNAO氏に捧げる様にオリジナルと同じく日本語で歌われていた。名曲の熱演は何度聴いても興奮させられるし、UNITEDのアイデンティティを具現化したとも言えるギター・ソロにはゾクゾクさせられる。曲が一度ブレイクすると、湯浅は「最後に行こうぜ、一緒に叫んでくれ」と言い「You should die!」とシャウトを決める。大歓声の中、吉田がゆっくりと手を上げメロイック・サインを決め、メンバーはステージを去っていった。
 (9037)


ここまでで丁度2時間。長時間のライブとなったがまだ足りないとファンは大きなUNITEDコールで再びメンバーをステージに引きずりだそうとしている。大歓声と拍手の中、先ずステージに登場したのは大谷。ちょっとしたギター・ソロを披露、これもあまり記憶にないレアなシーン。FLOWER TRAVELLIN' BANDのサトリ風なヘヴィでオリエント感のある大谷のソロが終わり、ギター・ノイズの中メンバーが次々ステージに登場。アキラのシンバル・カウントと共に“Fabricated The Justice”のラウドなイントロが隅々まで会場に響く。激しさとグルーブが混じり、独特な曲のテンポがUNITEDのイヤらしさと職人集団としての顔を再び覗かせる。体力を削る楽曲の多いUNITED、しかも2時間を超えるということもあって流石に疲れやバランスを崩したところも少し感じさせたが、踏ん張り立て直し、大谷と吉田のギター・バトルで完全に立ち直った風だった。耳をつんざく様なギター・ノイズの中で再びステージが赤く染まり、ヘヴィなグルーブがスピーカーから大音量で吐き出される。ライブでは再現不可能と言っていた「ABSURDITY」収録の“Empty Eyes”がまさかのパフォーマンス。ヘヴィネス、グルーブと熱気がドロドロに溶け合い、ステージを照らすレッドとブルーのライトが蠢きグルグルにそれをかき混ぜている様な錯覚を起こす。ファンは成すすべなくその波に飲み込まれている様相。メロトロンが使われた後半のパートは流石に今の時点ではプレイするのは再現不可能だったのか、そのままエンディングのSEといった感じで場内に流れる。メンバーはそれをバックに退場、湯浅が「良いお年を」と一言別れの挨拶を述べる。大谷が最後にファンに向かって2019年に曲を作って2020年にアルバムをリリースすると宣言。今度は7年という長い期間待たなくても済みそうだ。そしてその発言の中に「生きていれば」という言葉もあったが、そこに亡くなったメンバーに向けてUNITEDを続けていくという覚悟も感じた。2014年の5月13日、あの日の悲しみを乗り越え完全復活を告げたとも言える「ABSURDITY」という優れた作品をリリースしたUNITEDの2018年はこうして今まで彼らを支えてきた多くのファンの笑顔と共に終わりを迎えた。2019年のUNITEDのスケジュールも次々と発表されている。これからのUNITEDの旅もファンは楽しみにしているだろう。
 (9029)


2018年12月29日@渋谷 CYCLONE
UNITED SET LIST

1.Absurdity~Settle My War
2.Arise
3.Bust Dying Mind
4.Hate Yourself.Hate Your Own Kind
5.Mosh Crew
6.Sonic Sublime
7.(it's So)Hard To Breathe
8.Unavoidable Riot
9.Trapped Fake World
10.Dead By Dawn
11.Don't Ever Let Me Down
12.Distorted Vision
13.Revenger
14.Bad Habit
15.My Inner Revenge
16.Fight Fear Kill
17.Alive
18.Don’t Trust!
19.Violence Jack
20.Cross Over The Line
21.Untied

Encore1
22.S.R.S.
23. Holy Dive Screamer
24.Sniper

Encore2
25. Fabricated The Justice
26. Empty Eyes

TEXT by 別府“VEPPY”伸朗
PHOTO by 大友 裕子(★)、Ko-ichi Mukoyama