オランダのデスメタル・レジェンド、PESTILENCE初来日公演『ASAKUSA DEATHFEST 2019』初日@GOLD SOUND

Live Reports
オランダのデス・メタル・レジェンドPESTILENCEの初来日公演となる『ASAKUSA DEATHFEST 2019』。その初日となる10月11日(金)のレポート。

エクストリーム・ミュージックの祭典「ASAKUSA DEATHFEST」今年も開催


今年も世界各国のエクストリームなバンドがここ浅草に集結、ファンもここ近年日本だけでなく世界各国から足を運ぶフェスとなっている。LOUD PARKみたいな屋外巨大フェスに比べればまだまだ規模は小さいが世界中の「通でコアな」ファンにとっては非常に興味深いフェスとなっていると思う。初日となる11日は平日金曜日17時開演だったが、世界各国のマニアックス達が会場にやって来ていた。
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この日のヘッドライナーPESTILENCE以外に出演したバンドは5組。

トップを飾ったのは東京を拠点にするブルータル・デス・メタル・バンドSTRANGULATION、ゲスト・ヴォーカルを迎えてのパフォーマンスでオープニングから良い感じで盛り上げていた。解散との噂もあったようだが、活動継続を宣言してステージを去った。

続くMORTIFYはベースレスのトリオ編成でスラッジ的なえげつなさを溶かし込んだグラインドコアをプレイ。スウェーデン地下鋼鉄サウンドをタップリと匂わせる念を内に込めたショートカット・ナンバーを黙々とプレイしている姿にも好感が持てた。

各地でパフォーマンスが絶賛のベルギーのヤング・デスメタラーのCARNATIONが記念すべき第一回に続いての2回目の出演、この日が日本ツアー最終日とのこと。台風の影響で繰り上げ出演となり、この後名古屋へ移動してからの帰国となるとのことだ。血濡れヴォーカルがシャウトする王道デスメタル・サウンド。圧の強いパフォーマンスにデスメタル・マニアのツボを突きまくるオールドスクールな曲のセンスと各地で話題となったのも納得、スピーカーから吐き出される轟音にも唸るしかない。
CARNATION

CARNATION


長野のINVICTUSのドラマーとギタリストをヘルプに登場は日伊混成ゴアメタルのDEATHTOPIAで、最近海外での人気も高まってきたバンド。長髪をグルグルと振り回しながらゴアな中にも80年代のスラッシュ・メタル~正統派要素も滲ませるメタル度数の高いサウンドで、それまで知らなかったであろうファンも巻き込んでいく。途中広島のブルデス・バンドNEUROTICOSのBRUNO<vo>を迎えてのプレイはASAKUSA DEATHFESTならではのサプライズと言えるかもしれない。

トリ前に登場は個人的に名前から気になっていたUSのOXYGEN DESTROYERで、ザクザクとしてリフとスピードで圧殺していくデスラッシュといったところか。かなりスラッシュ・メタル成分高めでPESTILENCE目当てに来場していた年齢層高めのファンにもアピール。会場にも人が続々と集まり最後には中に入るのも一苦労するまでになっていた。
DEATHTOPIA+BRUNO(from NEURO...

DEATHTOPIA+BRUNO(from NEUROTICOS)


トリのPESTILENCEがセッティングを始める頃には彼らの来日を待っていたファンでフロアはぎっしりと埋まっていた。この日は1stアルバム「MALLEUS MALEFICARUM」と2ndアルバム「CONSUMING IMPULSE」から選曲というオールド・ファンなら涙を流して喜ぶだろうセット。

唯一のオリジナル・メンバーであるパトリック・マメリ<g/vo>が「調子はどうだい?」の声に準備OK代わりの大歓声が飛び、「行くぜ!」の掛け声と共に“Malleus Maleficarum/Antropomorphia”の暴力的なリフが刻まれヒステリックなヴォーカルと共にPESTILENCEの攻撃が始まると早くもモッシュピットがフロア中央に形成され、ルトガー・ファン・ノールデンブルク<g>は「オドレ~!」と日本語で煽る。“Commandments”でクラウドサーフからのステージダイブとファンも更に盛り上がり、パトリックはペロリと舌を出し嬉しそうだ。

コッテリとしたヘヴィネスを含んだイントロからシフトチェンジして突っ走る2ndアルバムの人気曲“Dehydrated”、滑らかに動く指の動きに見惚れながら奏でられる複雑怪奇なメロディに取り込まれていく。そのままアルバムと同じく“The Process of Suffocation”へと流れ、ルトガーとエドワル・ネグレア<b>の長髪チームはグルグルと首を振り回し、それは狂気をまき散らす扇風機の様だった。
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ファンの熱狂的な盛り上がりに「Fuck Yeah!」と応えるパトリック。“Suspended Animation”では崩壊スレスレのバランスで緊張感と攻撃性を同居している個人的に大好きな曲。この日一番とも思えるモッシュピットでファンは楽しそうに暴れ、スロー・パートではヘッドバンギングで大きく体を前後に揺らす。

グリーン・ライトで不気味にメンバーが照らされた中、“The Trauma”の不穏でスローなイントロから薄気味悪い展開へと続くのは極上の悪夢。この日プレイされたなかでは一番スラッシュ色の強いノリのある“Chronic Infection”では辛抱溜まらんといった風にクラウドサーファーやステージダイバーが続出。曲の終わりにルトガーは「疲れたよ」なんて言っていたが、その顔はプレイするのが楽しくて仕方ないという感じの笑顔でサウンドとのギャップも面白い。

アグレッションとテクニカルさの匙加減が絶妙な“Out of the Body”でルトガーとエドワルが額と額をぶつけ拳を交し合うシーンはこの日のライブを象徴する様な名シーンに思えた。
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彼らの曲の中ではオールドスクールなデス・メタル色の強い“Echoes of Death”で、この曲のリフが弾き出されるや大きな声を出し激しく狂った様なヘッドバンギングする古参ファンの姿が目立ち、それがフロアに広がっていく。 “Deify Thy Master”で曲名のコール&レスポンスから始まりとなったが、ドラムの調整でワンテンポずれたのはご愛敬、ちょっと待ってよといった風にセプティミウ・ハルシャン<ds>は苦笑い。しかし緊迫感ある曲が始まるとまた会場の空気は一気に変わり、本編ラストとなった“Reduced To Ashes”ではダークな雰囲気が一転ツタツタと疾走していくサウンドにファンは身を任せる。

終わって「超気持ちい!」と叫んでいたファンがいたが,その気持ちがよく分かると思った人も多かっただろう。私もその1人だ。
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ここで終了だったがファンの熱狂に「アンコール1曲できるか?」と問いかけるパトリックへのオーガナイザーの答えは勿論「Yes!」。パトリックはここで特別に3rdアルバム「TESTIMONY OF THE ANCIENTS」から何が聴きたいとファンに募る。“Parricide”の声が大きかったが、それは1stアルバムだと伝える苦笑いのパトリック。「Twisted Truth?」と問いかけるとフロアからはヤンヤの声、「Land of Tear?」と問いかけると殆ど反応なしという分かりやすいリアクションで、メンバーもファンも笑いながらこの日最後となる曲を待っていた。シンバルから大きなウネリと疾走パートの対比が見事な、そして流麗なギター・ソロが印象的な“Twisted Truth”がプレイされた。

最後に誇らしげにメロイックサインを突き上げるパトリック、そしてPESTILENCEの初来日公演初日は終了となった。
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12日は台風直撃ということで無念の涙を流したファンやキャンセルとなったバンドもいるが、現在のところ「ASAKUSA DEATHFEST 2019」は13日、14日の開催が予定されている。残念ながらヘッドライナーのPESTILENCEは12日が最終公演だったが、これから日本のデス・メタル創成期から活躍している古豪TRANSGRESSOR、インドネシアのデス・メタル・レジェンド的存在で絶大的人気を誇るJASAD、USベイエリア・シーン期待のデス・メタル・バンドNECROT,海外で絶大な人気を誇るCOFFINSやANATOMIAといった国産重遅デス・メタル勢他、まだまだ世界各国のエクストリーム・シーンの猛者達が控えている。

轟音に身を任せたいなら「ASAKUSA DEATHFEST 2019」に足を運んでみてはいかがだろう。因みに12日に残念ながら会場に行けなかった方はそのチケットで13日、14日または来年、再来年に使用可能とのことだし、払い戻しもフェスが終了後に対応するらしいのでオフィシャルな発表を待ちたい。また台風直撃となった12日のリベンジ・ショーを今後予定しているとのアナウンスもあったので是非サポートして欲しい。
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10月11日 PESTILENCE SETLIST@浅草GOLD SOUND

01.Malleus Maleficarum/Antropomorphia
02.Commandments
03.Dehydrated
04.The Process of Suffocation
05.Suspended Animation
06.The Trauma
07.Chronic Infection
08.Out of the Body
09.Echoes of Death
10.Deify Thy Master
11.Reduced To Ashes

Encore
12.Twisted Truth

『ASAKUSA DEATHFEST 2019』は残すは13日と14日の2日間

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ASAKUSA DEATHFEST 2019 10月13日 (日)

<出演>
・ MYOCARDIAL INFARCTION
・ LORD PIGGY
・CARCINOID
・PETRIFICATION
・ FACELESS BURIAL
・NECROT
・ PHRENELITH
・TRANSGRESSOR
・JASAD

15:00 - 15:25 MYOCARDIAL INFARCTION
15:40 - 16:10 LORD PIGGY
16:25 - 16:55 CARCINOID
17:10 - 17:40 PETRIFICATION
17:55 - 18:25 FACELESS BURIAL
18:40 - 19:15 NECROT
19:30 - 20:05 PHRENELITH
20:20 - 20:55 TRANSGRESSOR
21:10 - 21:55 JASAD

OPEN/14:00
START/15:00

チケット
前売り 6500円 / 当日 7100円

ASAKUSA DEATHFEST 2019 10月14日 (月・祝)

<出演>
・KADARIVAS
・CARCINOID
・FACELESS BURIAL
・WORMRIDDEN
・ANATOMIA
・ASSUMPTION
・UNDERGANG
・COFFINS
・NECROT

15:00 - 15:25 KADARIVAS
15:40 - 16:10 CARCINOID
16:25 - 16:55 FACELESS BURIAL
17:10 - 17:40 WORMRIDDEN
17:55 - 18:25 ANATOMIA
18:40 - 19:15 ASSUMPTION
19:30 - 20:05 UNDERGANG
20:20 - 20:55 COFFINS
21:10 - 21:55 NECROT

OPEN/14:00
START/15:00

チケット
前売り 6500円 / 当日 7100円


※諸々情報は浅草デスフェストオフィシャルサイトにて
http://asakusadeathfest.blogspot.com/