世界最強の演奏力&音圧 LOUDNESS『SUMMER SONIC2019 DAY.1』

Live Reports
LOUDNESS『SUMMER SONIC2019 DAY.1』2019年8月16日(金)@幕張メッセ/RAINBOW STAGE
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MICHAEL MONROEに続いて本日のヘッドライナー、日本が世界に誇るロック・バンド、LOUDNESSの登場だ。

あまり古いことばかり書くのも気が引けるんだが、この二組の並びに思わず1989年の大晦日に行われた東京ドーム公演を思い出した。あれから30年経っても変わらずバンドがあり続けていることに感謝するしかない。

サウンドチェックからすでに音がデカい。これがLOUDNESS最大の魅力。音が大きいということは、ロック・バンドにとって大正義、間違いのないことである。何度も書いているような気がするけれども、いつ観ても何度観てもLOUDNESSは最高なのだ。だって音がデカいから。バンド名に偽りなしである。そして、どこのどんなステージでも最強のパフォーマンスを見せてくれるのがLOUDNESSだ。彼らより音がデカいバンドなんて滅多にいないから。いきなりだがこれが僕の結論である。
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場内が暗転すると、最新作収録のインスト曲“8118”が流れ、メンバーが登場。すると、僕の近くにいた男性が「神だ!」と叫び、慌てて前方へと走っていった。「神」とはもちろん、高崎晃<g>のことだろう。30年以上ギターキッズを魅了し続けてきたヒーローは、今日はどんなプレイを見せてくれるのだろうか。

SEが終わり、日本のギター神がお馴染みのリフを鳴らす。いきなりの“Crazy Nights”で会場はすぐに加熱し、二井原実<vo>が会場を煽ると、「MZA!」の掛け声で早くも場内が一体化していく。

ちなみに「MZA」とはとくに意味がないという話を聞いたことがあるのだが、素晴らしいエピソードだと思った。ロックを大音量で楽しむ行為に意味なんて要らない。例えばBUCKCHERRYのジョシュ・トッドが叫ぶ「F**K」だってほとんど意味など無いわけだ。その場で皆で楽しむための魔法のような言葉。LOUDNESSの「MZA」にもそんなマジックがある。
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二井原実<vo>

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高崎晃<g>

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山下昌良<b>

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西田竜一<ds>

セットリストの頭3曲は名作『THUNDER IN THE EAST』の1~3曲目が順番に披露されており、オールドファンは歓喜することとなった。日本のギター神は今日も快調のようだが、もちろん他の3人も負けじと凄まじい音を鳴らしている。

世界を股にかけて活動しているLOUDNESSのフロントマン、二井原実<vo>のMCは時折、流暢な英語を交えながら皆を楽しませてくれる。歌声は楽器の音にも負けぬ迫力。サポートのドラマー、西田竜一は楽曲によって樋口宗孝と鈴木“あんぱん”政行のプレイにそれぞれ寄せて叩くことが可能であるという、信じられないほどの凄腕ドラマーで、とんでもなく大きい音を放っている。初めてLOUDNESSを観た人は音の大きさに圧倒されると同時に、ブリブリと唸るような山下昌良のベース音のカッコ良さに驚く人も多い。他のバンドと比較しても、こんな音を出すベーシストは滅多にお目にかかれないだろう。今日もエグい音をかましている。

こんなメンバーが揃っているLOUDNESSは音の説得力がハンパではない。音が大きくてもバランスが良いので、轟音が心地よく響くのである。

ちなみに80年代はもっと音が大きかった。二井原さんにインタビューした時、「アレは音の暴力だった」と断言していたほどだ。僕が初めて観たのは高校生の頃だったが、ライヴ参戦後は一週間耳鳴りが続いた。同い年の友人もやはり高校時代に観に行って、顔面が震えるほど大きな音に驚いたと回想している。“どうかしている”と言っても過言ではないほど大きな音だった。

演奏力があるのはプロとして当然のことだが、それ以外にも、ロック・バンドで、それがメタル系だとしたらもう絶対に音が大きくなければ僕は信用できない。音の小さなバンドなんているのかというと、これがたまにいるから困ってしまうのだ。加えてLOUDNESSの場合は、しっかりとアンプから音を出しているから、なおさら気持ちいい。言ってしまえば古いタイプのバンドだ。だが、それがどうしたである。一度でもLOUDNESSが放つ音の洪水に身を委ねればわかるはずだ。これがロックなんだということを。
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最新作から“Soul On Fire”、“I'm Still Alive”と続いていく。高崎のギタープレイはいまだに進化している、ように見える。ギターのことは詳しくわからないが、2017年にリリースされた『8186 Now and Then』(『8186 LIVE』の再現ライヴとオリジナル『8186 LIVE』のリマスタリングと併せたCD4枚組作品)で過去と現在を聴き比べれば、彼のプレイも含めたバンドの進化がよくわかるはず。サウンド面は格段にアップしているし、高崎のプレイはよりスリリングに迫ってくる。

終盤に披露された疾走ヘヴィ・チューン“Massive Tornado”は、モダンな肌触りでありつつもLOUDNESSらしさに溢れた強力な楽曲で、間奏ではブレイクダウンしてからのリフの重さ、超絶技巧をみせるギター・ソロにヤラれてしまうことだろう。そして必殺の“Crazy Doctor”、“S.D.I.”と畳み掛け、世界屈指の演奏をこれでもかとみせつけてくれた。そして今夜も最強のメタルを十分に堪能させていただいた。

この時点で僕の体力は消耗しきっていた。B'zのステージはまだ続いているようであったが、スタジアムへ向かうこともできず、軽い耳鳴りと共に帰路についた。電車に乗って地元の駅に着いても、ずっとLOUDNESSの演奏が続いているようなこの感じ。いつものことなのだが、やはりこれがなんとも幸せに感じるのであった。
LOUDNESS◆SETLIST
01. Crazy Nights
02. Like Hell
03. Heavy Chains
04. Soul On Fire
05. I'm Still Alive
06. The Sun Will Rise Again
07. Rain
08. Massive Tornado
09. Crazy Doctor
10. S.D.I.

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