傑作「HUNTING TIME」完全再現&禁断の「森川vs坂本」詳細レポート ANTHEM『HUNTING TIME 30th Anniversary Live』8月3日@マイナビBLITZ赤坂

Live Reports
名盤「HUNTING TIME」のリリースから30周年を記念して、そしてこのアルバムのプロデューサーでもありANTHEMとの繋がりも非常に深かった今は亡きクリス・タンガリーディスへ捧げられた一夜。第一部はその「HUNTING TIME」完全再現ライブ、第二部は禁断とも言うべき『森川之雄vs坂本英三』で行われたこの日の公演を完全レポート。

第一部はクリス・タンガリーディスへ捧げる「HUNTING TIME」完全再現ライブ


ANTHEMの名盤誉れ高い「HUNTING TIME」のリリースから30周年を記念して、このアルバムのプロデューサーでもありANTHEMとの繋がりも非常に深かった今は亡きクリス・タンガリーディスへ捧げるライブとして行われたこの日の公演。第一部の『HUNTING TIME完全再現ライブ』だけでもファンにとってはたまらない夜だが、第二部は『森川之雄vs坂本英三』と、これまた興味深いライブとなっていた。しかも第二部は坂本時代の曲を森川之雄が、森川時代の曲を坂本英三が歌うという禁断とも言える内容で、選曲はファン投票を受けてというもの。当然ファンの注目度も高く、チケットはSOLD OUTとなり会場には多くのANTHEMファンが集結していた。
ANTHEM『HUNTING TIME 30th An...

ANTHEM『HUNTING TIME 30th Anniversary Live』


物販の先行販売もあり会場にANTHEMファンが少しずつ集まってきていた頃、丁度ANTHEMのサウンド・チェックが始まっていた。ANTHEMのご厚意によりサウンド・チェックから会場内にお邪魔させていただいたのだが、私が会場入りした時は、この日ゲスト・ドラマーとして出演がアナウンスされていた元メンバーMAD大内こと大内貴雅<ds>のチェックが丁度終わろうかというところであった。リーダーの柴田直人<b>は現ドラマーである田丸勇<ds>に向かって「どうだ、マッドのドラムは?」とニヤリとしながら言葉を投げかける。

既にこのサウンド・チェックの時点で、柴田によってゲスト・ミュージシャンとANTHEMメンバーとのバチバチは演出され始めているように見えた。柴田は自分のベースのチェックだけでなく、時に腕を組み、時に集中して目を閉じて、全てを一つ一つ細かなところまでチェックしていく。例えばSE一つ取っても、その音量、音質、そしてタイミングに至るまで実に念入りに秒単位近くまでチェックし、彼のイメージしているであろう演出と照らし合わせるように確認していく。その言葉は対寧ながらも柴田の鋭い指示がメンバーやスタッフに飛ぶと、ピリッとした空気がステージに流れていく。妥協なき姿勢のANTHEM、既にサウンド・チェックから戦いが始まっていることをはっきりと感じた。

このライブを完全なものにする為に、サウンド・チェックに用意されてした時間はあっという間に過ぎてしまったが、スペシャルな夜を心からファンの人たちに楽しんで貰うために一切妥協したくない思いがあったからだろう。それによって会場時間が少し遅れてしまったが、その裏ではANTHEMのメンバーやスタッフの本当にギリギリの戦いもあったのだ。
柴田直人&lt;b&gt;

柴田直人<b>

森川之雄&lt;vo&gt;

森川之雄<vo>


ファンで満員となっている会場には様々なハード・ロックやヘヴィ・メタルの名曲達がBGMとして流れていた。それがANTHEMの登場を告げるBLACK SABBATHの“Heaven And Hell”に変わると待ってましたとばかりに大きな歓声と拍手が会場を包む。緞帳が開くと更に歓声は大きくなり、勇壮なSEと共にまず田丸勇<ds>がゆっくりとステージに姿を現す。清水昭男<g>、柴田直人<b>、森川之雄<vo>、ゲスト・プレイヤーのYUHKI<key>がステージに登場し役者がステージに揃った。他のメンバーが黒で決める中、柴田は白で統一した衣装で決めている。

右手を突き上げた森川が「ANTHEM、HUNTING TIME完全再現いくぞ」とシャウトすると“The Juggler”のイントロが流れ出す。完全再現なのでこの曲がオープニングであるのも予め分かっているのだが、あのイントロが流れるとどうにも興奮してしまう。そして空気をビリビリと震わせるような爆音にも関わらず、音の粒がクッキリと感じられる程クリアなことに驚愕する。ステージは「HUNTING TIME」のイメージとも言うべき深紅で統一され、アンプ前の幕にはアルバム・ジャケットと同じくチェスの駒が描かれている。

曲が終わると一瞬の暗転があり、柴田のベースから静かに次曲のイントロが始まった。ANTHEMの、いや日本のヘヴィ・メタル史上最強の名曲と言っても過言ではない“Hunting Time”だ。オープニングの静寂を切り裂く様に森川のシャウトを合図に曲が疾走していくと、多くのファンが拳を握り歓声を上げる。魂を揺さぶる様な印象的なギター・ソロを清水が披露すれば、森川は体を前のめりにして魂を絞り出す様なシャウトを決める。柴田は髪を揺らしグッと口を結び、田丸と共に重厚なボトムを作り上げている。曲が終わり、森川が「サンキュー」と言うと地響きの様な歓声が会場を支配した。名曲にして名演、会場の多くのファンが酔いしれていたことがこの歓声から十分に伝わってくる。
清水昭男&lt;g&gt;

清水昭男<g>

田丸勇&lt;ds&gt;

田丸勇<ds>


いつまでも鳴りやまない歓声と拍手の中、柴田が口を開く。この日のライブが会場のファンだけでなくクリス・タンガリーディスに捧げられていることを告げ、今回のライブに関してのクリスの奥さんとのメールのやり取りの内容を話す。「クリスもそろそろ来るんじゃないかなぁ…」と言って会場を見渡してから、拍手の中ゲスト・プレイヤーのYUHKIを紹介する。そして、当時のレコーディングの話を交えながらゲスト・ドラマーのMAD大内を呼び入れるとまたも大きな拍手が沸き起こる。

森川が「ガンガン飛ばしていくぜ」と煽ってから、大内のシンバル・カウントを合図に“Evil Touch”が解き放たれる。スラッシュ・メタルばりのアグレッションを内包した曲で大内は何かを叫ぶように大きく口を開けながらMADのMADたる由縁のラウドでワイルドなドラミングを披露する。柴田、森川、清水のパフォーマンスも凄まじく、グングンとステージの熱が上がっていく様に思えた。火花散るパフォーマンスの後、清水にライトが当り“Tears for the Lovers”の美しく悲しいメロディが紡ぎ出される。熱気が渦巻くステージをクール・ダウンする様に冷たく薄いブルーのライトが照らす中、森川の情感を込めた歌が聴く者のハートを優しくしっとりと包み込んでいく。
MAD大内&lt;ds&gt;※ゲスト・プレイヤー、ex ANTHEM

MAD大内<ds>※ゲスト・プレイヤー、ex ANTHEM

YUHKI&lt;key&gt;※ゲスト・プレイヤー

YUHKI<key>※ゲスト・プレイヤー


森川が「HUNTING TIME」の完全再現できる喜びを告げ、普段のライブではやらないレアな曲をぶちかますぜと跳ねる様なシャッフルのリズムが面白い“Sleepless Night”が始まる。キャッチーでロッキンなこの曲はANTHEMの数ある楽曲の中で少し異質な感じで、そのリズムに合わせる様にブルーとレッドのライトがステージとフロアを忙しなく照らす。柴田はモニターに足をかけながら首を振り、ネックを立てながらベースを操る。このレアな楽曲を楽しんでいる様にも見え、森川と向かい合うシーンでは激しく体を揺らしていた。

曲が終わると突如サイレンの音が鳴り響き、何者かを探す様に幾本ものライトの光が場内を嘗め回す。森川の曲名を告げるシャウトからヘヴィネスと共に疾走していく“Jail Break (Goin' for Broke)”が始まった。YUHKIの歪んだハモンド・オルガンの音に曲は勢いを増していく。森川が握りしめた拳に合わせる様にフロアからステージに向かって無数の拳が振り上げられる。そんな場内の盛り上がりに森川は親指を突き立て、それを見た柴田も満足そうな表情を見せる。気がつくと柴田は一段高い位置でプレイしているYUHKIのところまで駆け上がっていた。YUHKIと柴田が並んでプレイするのも実にレアなシーンだ。その下では汗を飛び散らせる大内のドラミングを見ながらやるなといった表情の森川がエールを送る様に拳を握っていた。
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この曲で大内はステージを去り、柴田に呼び込まれた田丸が再びスタージに姿を現す。大きな拍手と声援の中、大内と田丸はすれ違いざまにハイタッチ。共に笑顔ではあったが、大内からは「どうだ」という挑戦状にも見えたし、田丸からは「負けませんよ」という意地を感じることができた。第二部の『森川之雄vs坂本英三』に注目が集まるのは仕方ない事なのだが、実は、第一部でもいたるところに『田丸勇vs大内貴雅』が柴田によって演出されていたのだと思う。

田丸がドラム・セットに座ると、今度は彼に向けて大きな拍手と声援が飛んでいた。ヘヴィなミドル・ナンバーである“Let Your Heart Beat”で、田丸は大内とは対照的に口を一文字に結びパワフルなドラミングでファンを魅了していく。田丸と大内のキャラクターの違いがプレイぶりにも反映されていて面白いなと思ったが、それ以上に「俺がANTHEMのドラマーだと」いう気概が音からかなり伝わって来た。そして、田丸の作るグルーブが会場を一つにしている様にも思えた。ノリの良い“Bottle Bottom”で森川はステージ上手に下手にとファンを煽り、手を伸ばしてくるファンとタッチ。柴田が田丸に近づいて行き煽りながらベースを弾き始めると、それまで口一文字に結んでいた田丸が大きく口を開き、全てから解き放たれた様にパワーを全開にしてプレイしていた。
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アルバムのオリジナル盤ではここで終了なのだが、当時レコーディングされながら収録されなかった曲があると告げる。このライブが完全再現であることとクリスに捧げるものであるということで幻のナンバー“Are You Ready?”をプレイすると言うと大きな歓声が上がる。柴田が「演るかどうか考えたんだけど、Tシャツに(曲名が)書いてあったしね」と語りファンの笑いを誘い場内を和ませる。

そして、どうしてもドラムを叩かせろと言っていたヤツがいると再び大内をステージに呼び込み、田丸とのツイン・ドラム編成でのパフォーマンスが始まった。大内は立ちながらシンバルを叩き、田丸は右手を高く突き上げながらのスタートだ。田丸も大内も時折相手の方を見ながらどうだとアピールするような凄まじいドラミングを披露し、そのシンクロ率にも驚く。そんな二人に「いいぞ」とでも言っているかの様に森川はドラム・セットを見ながら右手を突き上げる。

曲が終わるとお互いの健闘を称えあう様に田丸と大内は再びハイタッチ。アルバム完全再現の為には絶対に必要だと柴田がこだわりぬいたYUHKIのプレイも素晴らしいものだった。森川、清水、柴田も皆満足そうに微笑みながら観客に挨拶をして第一部は終了。ここでいったん緞帳が閉まった。
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第二部は禁断とも言うべき『森川之雄vs坂本英三』


第一部が終了してかなりお腹いっぱいな感じもあったが、更にここからは禁断の『森川之雄vs坂本英三』が待っている。ANTHEMファンにとってはなんと贅沢な夜なのだろうか。合間の休憩時間は、お互いどんな曲やるのかといった感じで第二部への期待が言葉となってファンの間で交わされていた。そんな緊張感あふれるザワつきの中、開始のゴング代わりに突如田丸のドラム・フィルを合図に演奏が鳴り響く。同時に緞帳が開いていき第二部は開始された。見ると、第一部のの深紅の世界と打って変わって、ステージはストロングな黒一色の世界に転換されていた。

「森川之雄vs坂本英三、行くぜ」と柴田が告げると、待ちきれないといったファンの大きな期待が大きな歓声へと変換される。そして流れてきたメロディは“Shine On”、2014年に坂本が再脱退して森川が再加入してリリースされたアルバム「ABSOLUTE WORLD」からの代表的な楽曲だ。ステージに駆け込み、マイク・スタンドを握りシャウトする坂本。あと少しANTHEMに坂本が在籍していたらこの曲を歌っていたのかもしれないと思うとオープニングから興味深い選曲であるし、いくつもの『もし』も頭に浮かんでいく。こういった表現が合っているのかANTHEMファンからお叱りを受けるかもしれないが、情感と哀愁を込めての森川の歌唱と違ったアツさを溶け込ませての坂本の歌唱が、珠玉の楽曲と一体となり雰囲気を醸し出す。哀愁とキャッチーさが絶妙なバランスの“Far Away”でも『もし』の世界は続いていく。何とも言えない不思議な感覚で見ていたのだが、坂本の歌うこれらの曲をANTHEMの演奏陣がどう感じながらプレイしていたのかを考えるとこれまた興味深い。とにかく禁断の果実の何と甘美なことか!ファンの声援に一礼してステージを去る坂本。
坂本英三&lt;vo&gt;※ゲスト・プレイヤー、ex ANTHEM

坂本英三<vo>※ゲスト・プレイヤー、ex ANTHEM


坂本への歓声と拍手を打ち破る様にドラマチックな“Overtune”がSEとして鳴り響き、ブルーのライトの中柴田が両手を突き上げる。清水のギターが“On And On”のリフを刻むと森川がステージに登場する。深くキャップを被った森川の表情は伺えないが、体全体から物凄い気合のオーラを発している様に見える。そんな森川に向かって怒号にも似た大きな歓声が覆い被さっていく。森川の現メンバーとしての誇りが艶のある情感となって曲の表情を見事なまでに変えていく。ここでもいくつもの『もし』が頭に浮かんでは消えていく。気合タップリの森川がもっとかかって来いよとファンを煽ると、いくつもの拳が森川に向けられる。

もっと行こうぜと森川がファンにガソリンをタップリと注ぐとヘヴィなミドル・ナンバー“Demon's Ride”が始まる。ダークさとパワフルさを見事に加えながら森川がこの曲をしっかりと自分の色に染め上げていく。森川がドラムライザーに立ちどうだとばかり右手を突き上げると、ライトが眩しくステージを包んで『森川之雄vs坂本英三』の第一ラウンドが終了。

柴田は「やらなきゃよかったと言われないように頑張ってくれよ」と森川に語りかけながらファンの笑いと歓声を誘い、この対決への経緯や思いを語る。最後にはANTHEMとして頑張ることを決意表明しながら、いつかはMICHAEL SCHENKER FESTみたいにツアーでもするかなと冗談交じりに語る。その話の流れから坂本を呼び込んで森川とのファッションの違いで笑いを取る。また、森川と坂本にそれぞれの曲を歌ってどうかという感想を訊いていたが、これもファンは聞き逃せないものだったろう。この様なトークを含め、特別な一夜をファンに楽しんでもらう為に、やはりすべては柴田によって計算しつくされているのだと感じる事ができる。そして対決は第二ラウンドへと突入していく。
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第二ラウンドの鐘を鳴らしたのは切なさと美しさが交差するバラード調の“Love of Hell”。森川に比べて昭和歌謡的な味付けがされているのが坂本流といったところか。ファンはその歌声に耳を傾けている。対決とは別だが清水の哀愁が零れ落ちそうなギターも絶品だった。坂本の声が消えていくのと反比例して大きな歓声と拍手が沸き起こる。そんな場内に感謝の言葉を述べて、ブチ切れナンバーを用意してきたと煽り、「田丸、カモン!」とシャウト一発決めてANTHEMらしいメロディと共に力強く“Pain”が疾走していく。ステージ上手に下手にと煽る坂本を後押しする様にいくつもの手が振り上げられる。坂本は右手人差し指を突き上げながらサビを歌い、アツいベースを弾く柴田に応える様に柴田に向かってひざまずきながらシャウトを決める。ここでまたステージを去る坂本を大きな拍手が送り出し、柴田が森川をステージに呼び込む。

まだまだ戦いは続くと柴田が煽ると「バリバリ行きますよ、よろしく」と森川も気合を見せる。「英三が“Love of Hell”を歌うなら俺はこの曲を送ります。“Walk Through the Night”」と森川が曲名を告げると、その曲を歌うのかというどよめきと期待交じりの歓声が沸き起こる。白色のライトが客席やフロアを舐める中、少し陰あるメロディを情感豊かで森川の声がフロアの隅にまで染みわたっていく。マイク・スタンド片手に少しうつむき加減で透明感あるメロディ・ラインを気持ち良さそうに少し体を揺らしながらの熱唱は心の奥を静かに揺さぶっていく。名演に酔いしれたフロアに喝を入れる様に「腐った魂、蹴り上げていくぞ!」と森川が叫び“Running Blood”がぶちかまされる。カモンとファンを煽り、大きなアクションと力強い声で魅了していく森川。そんな森川に引っ張られる様に会場を埋め尽くしたファンが一体となって盛り上がっていく。
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“Running Blood”が終わり、一呼吸おいてから「『森川之雄vs坂本英三』を楽しんでいますか?」と柴田が言うやいなや、ファンからは喝采が巻き起こる。ここで坂本を呼び込み、二人のシンガーを並べ見ながら柴田が少し笑いを交えANTHEMの二人のシンガーについてコメントを述べていく。この対決に決着をつける必要はないんじゃないかとオーディエンスに問うと賛成といった大きな拍手がファンから起こる。その拍手は、今後の為にも勝負は引き分けとして、決着はもう少し先へとお預けにしようという柴田の言葉で歓声に変わる。

そうは言いつつも、この日の対決はまだ続いていく。そして勝負は第三ラウンドへと突入。第三ラウンドは同じ曲の中を二人がパートを分け合い歌うというツイン・ヴォーカル対決。森川が煽り、坂本のタイトル・コールから名曲中の名曲“Bound to Break”が始まる。シャウトを決めてから森川はステージ下手のお立ち台、坂本はステージ上手のお立ち台に立ち対決の舞台が整う。ステージ中央では柴田と清水がこの対決の立会人という様にそれぞれの愛機を操っている。1番を森川が熱唱すると負けじと坂本も2番をシャウトする、サビは両者がバチバチに火花を散らしながら一緒に歌い上げる。中央に二人が並びファンを煽り、時に向かい合い、時に肩を組みシャウトを決めるシーンは背中をゾクゾクさせられる様なカッコよさだった。そんな二人のバチバチぶりを目の前に、俺も負けられないといった凄まじいソロを決めてくる。勿論、柴田と田丸の鉄壁のリズム隊の髪を振り乱してのプレイはいつも以上に燃えている感じだ。

この対決もあっという間に最終ラウンドを迎え、「アツイアツイ毒をぶちかますぜ!」と森川が“Venom Strike”とコールする。この曲ではさっきとは逆に坂本が1番を熱唱し、2番を森川がシャウトする。サビでは向かい合いながらシャウト、ファンは激しいヘッドバンギングでこの対決を楽しんでいる。森川がそんなファンを煽れば、坂本は激しいドラミングの田丸に負け時とヘッドバンギング。清水は歯を食いしばる様に感情をむき出しながらギターを弾きまくり、柴田はベースを高く突き上げていつも以上にアグレッシブなプレイを披露する。ステージのどこに目をやっていいのか分からない位の熱演が展開された。最後はステージ上手のお立ち台に立った坂本と下手のお立ち台に立った森川が向かい合いながらシャウトの交換で『森川之雄vs坂本英三』は終了となった。
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いつまでも鳴りやまぬこの日一番の拍手と歓声に応えるべく、再びステージに姿を現すANTHEMのメンバー。柴田が「HUNTING TIME」とクリスへの思いを語る。そして、この日のショウが作品になるかもとサプライズが告げられる。続いてこの日のゲスト・ミュージシャンをステージに呼びこみ、クリスに捧げる意味でクリスが作詞した“Show Must Go On!”が力強く始まる。森川も坂本も、田丸と大内も共演モードでツイン・ヴォーカル、ツイン・ドラム。それにYUHKIも加わってまさに『SUPER ANTHEM』とも言うべき贅沢なメンバーでのプレイをファンも心の底から楽しんでいる。サビでは会場一体となり盛り上がっていく。

そして、忘れがたき素晴らしい一夜の最後にプレイされたのは必殺の“Wild Anthem”。この豪華な一夜を締めくくるに相応しい曲で、ステージでは“これぞまさに特別な一夜”と言っても過言ではない程のいくつもの名場面が繰り広げられていた。スペシャルな夜もこれで終わり、楽しい時間は何と早く過ぎてしまうことか。そんな思いはいつまでも鳴りやまないファンの歓声と拍手に現れている様だった。曲の終わりに叩ききったぜとばかりにスティックを後ろに高く放り投げた田丸、それがこの日の象徴にも見えた。
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この日のショウを見て感じたのは、やはり柴田直人の持つカリスマ性と、見事な統率力だった。これだけの内容を見事にまとめあげ、しかも完璧なメタル・ショウとして成立させてしまうあたりは、さすがとしか言いようがない。

また、ショウを通して特筆すべきだったのは森川と田丸の意地だった様に感じる。ともすると坂本と大内にフォーカスが集まりがちなこのステージに立つということでプレッシャーを感じていたとも思う。勝ち負けを超えて、今の俺がANTHEMなのだという気概が両者のプレイからビシビシ伝わってきたし、それが何度も魂を揺さぶってもきた。勿論、柴田や清水がこの日にかけた思いも、鬼気迫るプレイから強く感じられた。今のANTHEMの活動が充実しているからこそ、こういった特別な企画も実現が可能なのだろうと帰り道で噛みしめていた。

本当に素晴らしい一夜だった、その一言以外に言葉は見つからない。
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そして、ANTHEMの戦いはまだまだ続いていく。満員御礼のマイナビBLITZ赤坂の次は、伝説の超接近戦「LIVE CIRCUS vol.4」。果たしてANTHEMは、この10公演でどんなドラマを、どんな表情を我々に観せてくれるのだろうか?

ぜひ注目して欲しい!

Text by別府“VEPPY”伸朗
Photo by MAMORU SUZUKI

次のページではこの日のセットリストと「LIVE CIRCUS vol.4」の詳細について掲載!

8月3日 SETLIST


ANTHEM@マイナビBLITZ赤坂

第1部
「HUNTING TIME 」完全再現-Dedicated to Chris Tsangarides-

01.The Juggler(田丸)
02.Hunting Time(田丸)
03.Evil Touch(大内)
04.Tears for the Lovers(大内)
05.Sleepless Night(大内)
06.Jail Break (Goin' for Broke)(大内)
07.Let Your Heart Beat(田丸)
08.Bottle Bottom(田丸)
09.Are You Ready?(田丸/大内)
※Play all songs with YUHKI

第2部
「森川之雄vs坂本英三」

10.Shine On(坂本)
11.Far Away(坂本)
12.Overtune〜On And On(森川)
13.Demon's Ride(森川)
14.Love of Hell(坂本)
15.Pain(坂本)
16.Walk Through the Night(森川)
17.Running Blood(森川)
18.Bound to Break(森川/坂本)
19.Venom Strike(森川/坂本)

Encore
20.Show Must Go On!(全員)
21.Wild Anthem(全員)
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本番5分前!ANTHEMからファンの皆様へのコメント

ANTHEM「HUNTING TIME 30th Anniversary Live 」本番5分前コメント

伝説の超接近戦再び!!!!!「LIVE CIRCUS vol.4」へとANTHEMの戦いは続く…


「Live Circus vol.4」
伝説の超接近戦再び!!!!!

普段のツアーではなかなか行くことができない街へ、そして、未だ見ぬファンに会うため、にANTHEMはまた超接近戦の旅に出ます。
最小限のSTAFFとメンバーと選りすぐりの機材を車に積み込んで、まるでサーカス一団の様に街から街へと移動しながら旅を続けるツアー!!
それがLive Circus!!


ANTHEM
-Live Circus vol.4-

10/5 (土) 【東京】表参道GROUND(Sold Out!)
10/6(日) 【福島】 C-moon
10/12(土)【神戸】太陽と虎 (Sold Out!)
10/13(日)【山口】LIVE rise SHUNAN
10/19(土)【新潟】柳都SHOW!CASE!!
10/20(日)【長野】LIVE HOUSE J
10/26(土)【豊橋】club KNOT
10/27(日)【静岡】Sunash

《TOUR FINAL 2Days》
11/16(土)【新横浜】NEW SIDE BEACH!!
11/17(日)【新横浜】NEW SIDE BEACH!!

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※LIVE CIRCUSならではの
『お楽しみ企画』を実施致します!
■ 『スペシャルフォトセッション』
(各会場抽選15名様)
■ 『スタンプラリーカード』
(各会場にアンセムスタンプをご用意)
■ 『メンバーオリジナルスタンプ』
(福島、長野、静岡、新横浜二日目の会場ではメンバーのオリジナルスタンプ)
■ 『ツアー完走ありがとう企画』
(全10公演分のスタンプを集めた方には、新横浜2日目(11/17)の終演後にメンバーから感謝の意味を込めて9大プレゼント)
※お楽しみ企画の詳細情報はこちらからどうぞ
http://www.heavymetalanthem.com/news/2019-anthem-live…cus-vol-4-detail/
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チケットInfo
https://www.creativeman.co.jp/event/anthemlivecircus4/
ANTHEM -Live Circus vol.4-

ANTHEM -Live Circus vol.4-