SUPER JUNKY MONKEY『Super Mother Of Meatloaf 2019」6月23日@下北沢CLUB251

Live Reports
90年代のラウド・ロック・シーンを駆け抜けていったカリスマ・ガールズ・ロック・バンドSUPER JUNKY MONKEYの約5年振りとなるライブ、その2日目となる6月23日のレポート

90年代のラウド・ロック・シーンを駆け抜けていったカリスマ・ガールズ・ロック・バンドSUPER JUNKY MONKEY(以下:SJM)の約5年振りとなるライブが東京下北沢のClub 251にて6月22日、23日の2日間で行われた。
MUTSUMIが永遠の眠りについて20年目に企画された今回のイベント「Super Mother Of Meatloaf 2019」、チケットは完全SOLD OUT。今も彼女たちがファンに深く愛されている証拠だろう。多くの女性ファンが会場に足を運んでいたのも、ファンや関係者が子供を連れてきていたのもどこかSJMらしいなと見ていた。
初日22日はGARLICBOYSとサシの勝負、そして6月23日はWRENCH、ジェイソンズ(注:現在名古屋で活動中のJASONSとは別バンド)と個人的には三軒茶屋や新宿のライブハウスでSJMが切磋琢磨していたイメージのある対バンとなっていた。

レポートは6月23日、「623の日」のものとなる。
「Super Mother Of Meatloaf 2...

「Super Mother Of Meatloaf 2019」フライヤー


12年振りとなるアルバム『weak』をリリースしたばかりのWRENCHがトップの出演。メンバーがステージに姿を現し、お互い音を確認し合いグッと溜めて一気に爆発するような錯覚を覚えてライブはスタートした。
カラフルで中毒性の高い音が散りばめられて、それをグルーブで巻き込んでいく様なサウンドは最高のトリップ感に溢れている。それを全身で浴びているファンは自然と踊ってしまう。
途中で感極まったのか、思い出が色々とフラッシュバックしたのか、SHIGE<vo, synthe >は目を真っ赤にして何度も涙を拭いながら、踊り歌うシーンにはグッときた。多分“New World”をパフォーマンスしていた時だったと思う。「あ~なんて素晴らしい世界」という歌詞が鋭く心に突き刺さる。
今を生きるWRENCHが叩きつけた心優しきグルーブは本当に気持ちよかった。

次に登場はジェイソンズ、後進バンドとなるSTROBOを含めこちらもSJMと同じく記念イベント等で何年かに一度ライブを行っているイメージだ。
サウンドチェックからファンを躍らせ、彼らのパフォーマンス前から会場はかなり暖められている。
腹に響く重いグルーブに縦ノリのリズム、ウッドベースのスラップがバチバチでバキバキとアクセントを加えていく。コアながらもファニーさを感じさせる音には、ハードコア、ヒップ・ホップ、ファンク等様々な音楽要素が複雑に溶け込んでいる。
「言いたいことはたくさんある。でも言わない」とステージからの言葉に、彼らがこのステージに立つ意味を私なりに感じていた。
楽しく激しいジェイソンズのステージはあっという間に終わってしまった。

この日のBGMを担当したのは、WAC、5B、キャブレーターボーイズのDJ3人だったが、3人の選盤が全く違うジャンルとイベントのカラーをより際立たせていた印象を受けた。
この日のライブハウスの看板 ※この写真のみ別府“VEP...

この日のライブハウスの看板 ※この写真のみ別府“VEPPY”伸朗撮影


SJMがステージに登場する時間が近づいてくるとジワジワと会場の緊張感が高まっていく。私は丁度PA近くのスペースで見ていたのだが、関係者からもピリッとした緊張感を感じた。そこに「(今メンバーは)呼吸を整えています」と連絡が入ると、クスリと笑いが起こり一気に緊張感も解けていく。そこに何ともSJMのライブらしさを感じた。

ステージに向かうメンバーの姿が見えるとファンから歓声が上がり、ほぼ同時に場内が暗転、いよいよSJMが暴れる時がやってきた。

オープニングは“POPOBAR”ヘヴィなリズムとキャッチーなメロディが会場を包み、KEIKO<g,vo>が大きく手を振るとファンもそれに合わせて大きく手を振っている。グルーブの中、KEIKO、かわいしのぶ<b,vo>、まつだっっ!!<ds,vo>は火花散る様なバトル、踊りながらも皆の目はステージに釘付けだ。「You can dance your dance」、「you can walk your way」、「I can live my own life」といった歌詞とSJMのアティテュードがダブり、色々な思い出も一気によみがえってくる。
まつだっっ!!のシンバル・カウントから“If”が始まりグルーブが更にファンの体を激しく揺らし、かわいしのぶはお立ち台から楽しそうにその様子を見ながらベースを操っている。

曲が終わり拍手と歓声の中、「あたしの本名呼ばないで!」とまつだっっ!!がMCをすると会場は笑いに包まれる。ほんわりとした空気の中でファンとのやり取りが続き、「今日SJMを初めて観る人」という問いかけに手を上げるファンも。そんなファンを歓迎するとメンバーとファンから温かい拍手が起きて、「思ったよりも可愛いでしょ」とまつだっっ!!が追い打ちをかける。ちょっと懐かしさを覚える雰囲気があった。

そんな雰囲気の中、まつだっっ!!のドラミングから“ばかばっか”のリズムが弾きだされると、そのリズムがしみ込んでいるファンから歓声が起こる。ファンは両手を大きく上げそれを左右に揺らすと、KEIKOはお立ち台から更にそれを煽る。カウントから心地よいグルーブのふり幅がグワっと大きくなっていくと、それに合わせてファンの体も大きく揺れていく。つんのめり気味にリリックを乗せていくKEIKOにMUTSUMIの姿がダブっていく。
KEIKO&lt;g,vo&gt;

KEIKO<g,vo>


お立ち台に立ったKEIKOのメタリックなギター・リフが“We’re The Mother”の始まりを告げ、歓声をかき消していく。かわいしのぶのベースがそれを追いかけ、頂点に達してから静かだが激しい3人のバトルが繰り広げられていく。ファンは固唾を飲んで流れる汗を背中に感じながらステージから目が離せない。ジャズ・ロックを彷彿させる一筋縄ではいかないこの曲は、彼女たちが貪欲に音楽を吸収してきたかの証明であると思う。

まつだっっ!!の「ついて来いよ!」との言葉から始まったのは“Revenge”、“珠華(使用後)” の秒殺ナンバー二連発からグラインドコアばりのアグレッションを放つ“Decide”でファンを殺しにかかる。昨日はプレイしなかった人気曲“Decide”では待ってましたと暴れるファンも多く、曲の最後にまつだっっ!!はスティックを放り投げて客席向かってダイブを行う。「待ってたよ!」のファンの声に、「お待たせ」とまつだっっ!!が答えてドッと盛り上がる。彼女は更に「チラリズムは見なかったことに!」と言って、「今日来た人はラッキー。これもチケット代に含まれているから」とファンを笑わせる。

KEIKOが「みんな大丈夫ですか?」と追いかけると、まだまだかかって来いよといった大きな歓声がステージに向かっていく。そして「まだまだ行くよ!」とファンにガソリンをぶっかける。
その言葉にかわいしのぶは「え~本当?」と言っているが、ライブが楽しくて楽しくて仕方ないといった表情がアリアリだ。
かわいしのぶ&lt;b,vo&gt;

かわいしのぶ<b,vo>


メンバーが順繰りとゆる~いMCで会場の雰囲気を和ませた後に、KEIKOのギターがSJMのパフォーマンスの再開を告げる。何の曲が始まるのかと思っていたが、そのまま曲名を告げて“Buckin’ The Bolts”が始まったのには少し驚いた。もうかなり溶けかかってポンコツな記憶であるが、この曲がこんな始まり方をした記憶がなかったからだ。バッキバキのギター・リフにファンキーでウネリまくっているグルーブでかなりの人気曲。コーラスではいくつもの手が上がり、ファンはグルーブに身を任せ、ステージ前方ではガンガン体をぶつけあっているファンも少なくない。
しかし、殺伐とした空気は全くなく、楽しそうにぶつかり合っている。

そんな会場の熱に煽られてか、まつだっっ!!は「どうしたの? アツイじゃん!」と嬉しそうに言い放つ。「最高です、ビールが上手い!」とミネラルウォーターを飲むと「水だよ、って突っ込んで欲しい」と笑いを誘い、この下りをもう一度やってファンに強引に突っ込ませていた。そんなファンに「優しいね、ラブラブ!」と感謝の言葉を述べる。
まつだっっ!!&lt;ds,vo&gt;

まつだっっ!!<ds,vo>


「後半、ドドドっと行きます」とかわいしのぶが煽ってから“R.P.G.”が始まったが呼吸が合わずに演奏ストップ。「ワザとでーす」とかわいしのぶ、そして「上手くいったね!」とまつだっっ!!が続く。ファンは笑って許している。
“R.P.G.”はSJMの引き出しの多さを感じさせる曲で、それぞれのパートが幾重にも折り重なりあい生み出される重厚なグループが心地よく、ファンキーでファニーなリズムで味付けされている。

曲名の咆哮一発始まったのは“Shower”で、KING CRIMSONを彷彿させるこれまた重厚でドゥーミーな香りタップリの曲だ。後から後からメタモルフォーゼしていくこの曲では、音の迷宮に迷いこんでいく。KEIKOとかわいしのぶから放たれる歌詞が静かに心に突き刺さっていく。

曲が終わりスティックを再び放り投げるまつだっっ!!。
彼女の口から「最後の曲です」と告げられると、まだ早いよと「え~!」という大きな声が上がる。まつだっっ!!のドラミングから“あいえとう”のイントロが放たれると、待っていたとばかりに暴れ出すファン。何人ものファンがクラウドサーファーとなりステージダイブを敢行していく、その中には女性の姿も多かった。

コーラスでは会場一体となり、ステージ前はイモ洗い状態となっていた。かわいしのぶはスクリームをキメ、KEIKOはお立ち台からファンとタッチ、まつだっっ!!はまたもスティックを放り投げ客席向かってダイブしていく。最後にまつだっっ!!が『WE’RE STILL FABULOUS』とデザインされたこの日限定のシャツを誇らしげに見せつけ、SJMはステージを後にした。
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アンコールを求める拍手と歓声の中、まず両手を上げてKEIKOがステージに姿を現し、かわいしのぶとまつだっっ!!がそれに続く。MUTSUMIの家族が来ていると告げると更に大きな拍手が起きる。

「私たちは限界を迎えています。みんなが何でもいいから歌ってくれないとこの曲は終わりません」と“Find Yourself”が静かに始まり、跳ねるようなリズムと言葉遊びが楽しいこの曲が会場を再び1つにしていく。KEIKOは小さくジャンプしながらメロディを刻み、かわいしのぶは楽しそうな笑顔と共にぶっといベースを鳴らし、その後ろではまつだっっ!!が気持ちよさそうに体で揺らしドラムを叩いている。

あたたかい感謝の言葉を何度も述べてから「みんなで歌いましょう」と始まったのは“Super Junky Monkeyのテーマ”で、秒殺ファンキーなこの曲が皆を笑顔にして、また元気で会いましょう」とお立ち台でカーテンコールを行い、ステージを去っていった。

ここで本来は終わりの予定だったが、いつまでも帰らないファンと鳴りやまぬ拍手に根負けした様に再びステージに登場したSJMの3人。ステージ上で円陣を組んで何をやろうかと作戦会議をしている。関係者からは「あれ、本当に何やるか決まってないし、困ってるぜ!」とクスクス笑いが起こる。

「意見が合いません」とまつだっっ!!が笑わせた後に「笑顔で聞いてくださいね」と一呼吸置いてから「MUTSUMIの手紙を読みます」と続く。MUTSUMIの手紙を読み上げるまつだっっ!!の言葉を一言一句聞き逃さないように静かに聞いているファン。1995年8月のこの手紙、「笑顔で聞いてくださいね」と言っていたが少し無理だった。
どんな手紙だったかはこの日、この場にいた人の心の中に。

そして手紙を読み終えたまつだっっ!!の曲名コールからこの日2回目の“If”が始まる。最初に演奏した時よりもグルーブが強く激しく、そして音も数段大きく感じた。体感スピードも1.5倍、いや2倍増し。ファンはこれが最後と楽しく激しく暴れている。最後にきてこのパフォーマンス、神が、いやMUTSUMIの魂が3人に乗り移った様なパフォーマンスに完全KOされてしまった。
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22日はGARLIC BOYSにうっちゃられた感じを受けたが、この日は前日の数倍のパフォーマンスでファンを圧倒したSJM。
90年代を駆け抜けていったSJM。
もっともっと「その先にあるもの」をファンとして見ていきたかったSJM。

海外在住のメンバーがいることから、こういった「スペシャルな日」にしか今はパフォーマンス出来ないのがなんとも残念ではあるが、また「お帰り」と言いたいのでMUTSUMIの魂と共にステージに返ってきてもらいたい。

Text by別府“VEPPY”伸朗
Photo by Wataru Umeda
Special Thanks To 五辺宏明(SUPER JUNKY MONKEYファン代表)
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6月23日 SETLIST


SUPER JUNKY MONKEY @下北沢251

01. Popobar
02. If
03. ばかばっか
04. We’re The Mother
05. Revenge~珠華(使用後)~Decide
06. Buckin’ The Bolts
07. R.P.G.
08. Shower
09. あいえとう

Encore1
10. Find Yourself
11. Super Junky Monkeyのテーマ

Encore2
12. If

SUPER JUNKY MONKEY、2015年 恵比寿LIQUIDROOMでのライブ映像がDVDで発売中!

「Christmas Live 2015 at LIQ...

「Christmas Live 2015 at LIQUIDROOM」発売中! 税込価格3,780円


90年代オルタナティヴ/ハードコアの伝説"SUPER JUNKY MONKEY"
2015年 恵比寿LIQUIDROOMでのライブ映像がDVDで登場!

桁外れにパワフルな演奏、オリジナリティあふれる楽曲で90年代の日本のオルタナティヴ/ハードコアシーンを席捲、さらに「ビルボード」誌の表紙を飾るなど世界中にその名を轟かせたSUPER JUNKY MONKEY。2010年のFUJI ROCK出演以来、5年振りのライブとして2015年に恵比寿LIQUIDROOMで開催され、ファンを歓喜と狂乱の渦に巻き込んだライブ。カリスマボーカリストであったMUTSUMI623の没後20年となる今年、2015年のそのライブ映像が待望のDVD化!

ライブ全曲を収録した迫力の本編映像に加え、ボーナス映像として同時に4台のカメラ映像が楽しめる4分割映像を数曲収録し、ライブの熱狂をあますところなく味わえる一枚となっている。ジャケットイラストおよびSUPER JUNKY MONKEYのバンド名ロゴは「ソラミミスト」としても有名な安斎肇氏による描き下ろし。個性あふれる安斎氏の世界が広がり、目を引くデザインとなっている。

Tracklist
01. Love & Peace Hardcore
02. IF
03. The Words
04. Revenge
05. ばかばっか
06. Shower
07. R.P.G.
08. We're the Mother
09. Towering Man ~ A.B.C.
10. Buckin' the Bolts
11. あいえとう
12. スーパージャンキーモンキーのテーマ
+ボーナス映像として同時に4台のカメラ映像が楽しめる4分割映像を数曲収録

SUPER JUNKY MONKEY "Christmas Live 2015 at LIQUIDROOM" trailer

SUPER JUNKY MONKEY、3枚組44曲入りの超ベスト盤CD発売中!

「SUPER JUNKY MONKEY is the ...

「SUPER JUNKY MONKEY is the BEST」発売中! 税込価格3,780円

2001年にリリースされた2枚組の内容に加え、未発表テイク4曲を含む18曲を加え、なんと3枚組の豪華盤。
1993年にライブ収録された「キャベツ」(製造終了)をはじめ2001年に発表された「E-KISS-O」までのアルバム全6タイトルからメンバー自身が思い入れのある曲群を選出。

商品パッケージも個性溢れるもので、ジャケットは「ソラミミスト」としても有名な安斎肇氏が、今回のアルバムのために描き下ろしたもので、紙ジャケットいっぱいに氏の世界が広がっている。デザインはアジカンやSolar Budokan、などのグッズデザインなども手がける若手デザイナーLittle Woodyが担当。マスタリングはGOKサウンドの近藤祥昭氏に一任、まさに世代を越えたクリエーター達がSUPER JUNKY MONKEYの為に集結した作品である。

昔からのコアなファンにも、初めて聴く国内外の音楽ファンにも、あますところなくこのバンドの魅力を伝える3枚!

■disc S
01. E・KISS・O
02. Time Is Culture
03. ばかばっか(alternative version) *previously unreleased
04. やってまえ/yattemae
05. Find Yourself
06. Where're the Good Times(alternative version) *previously unreleased
07. Telepathy
08. Fuck That Noise
09. 富士噴火寸前/fuji-funka-sunzen
10. A.B.C.
11. Faster
12. We're the Mother(alternative version) *previously unreleased
13. LOVE&PEACE HARD CORE
14. The True Parasites
15. Blah,Blah,Blah,(alternative version) *previously unreleased
16. Burn System's Flag
17. Buckin' the Bolts
18. Towering Man

■disc J
01. SUPER JUNKY MONKEYのテーマ
02. R.P.G 
03. BLAH, BLAH, BLAH,
04. 何/nani
05. 誤解/gokai
06. ばかばっか/bakabatka
07. あいえとう/A・I・E・T・O・H
08. SKYSURFER STRIKE FORCE
09. TELL ME YOUR ALL
10. START WITH MAKIN' A FIRE
11. 珠華(使用後)/tamage
12. I CALL MYSELF "SLICED ICE"
13. 記憶の捏造/SPIT BUG
14. WHERE'RE THE GOOD TIMES 
15. DECIDE
16. POPOBAR  

■disc M
01. PARASITIC PEOPLE/地球寄生人
02. THE WORDS
03. ざくろの骨/zakuro-no-hone
04. I GOT THE THIRD
05. SEVEN
06. 原始の再来/genshi-no-sairai
07. SHOWER
08. IF   
09. WE'RE THE MOTHER  
10. LOVE&PEACE HARD CORE(live)

この記事のキュレーター

別府 “VEPPY” 伸朗
別府 “VEPPY” 伸朗
新一万円札の顔となる渋沢栄一の生まれ故郷「深谷市」在住の兼業音楽ライター。メタルのレコードとシャツに囲まれての田舎暮らしですが、ノホホンとは出来ず残念!ベルボトムLOVEですが、サイズが…。

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